○森委員長 次に、足立康史君。

○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。  この特別委員会、こうして本格的に原子力規制のあり方について議論をできる、ここまで来れましたことを本当にありがたいと思っていますし、我々国会議員、しっかりと責任を持ってこの仕事をこの委員会を通じてなしていかねばならない、こう決意を固めております。  私はもともと、きょうも先輩方においでいただいていますが、経済産業省に二十年余りおりまして、一昨年の東日本大震災と福島第一原発事故を機に辞職をし、政治を志して今に至るわけでございます。そうした意味で、原子力の問題、そして福島の再生、これは、私が政治生命ある限り政治家としてしっかりと取り組んでまいりたい、このように思っている次第でございます。  さて、今、民主党の荒井先生からも御指摘がございましたが、汚染水の問題を初めとして、やはり、東京電力のこの一連の対応を本当に危惧をして拝見をしています。  きょう、廣瀬社長がおいででございますが、東京電力については、私も経産省におりましたのでそれなりに承知をしておりますし、また、今、日本維新の会で同僚として一緒にやっています小熊慎司議員、先般、三月十三日の予算委員会でもリレーをする形で質疑をさせていただきましたが、小熊議員は福島県議会にいらっしゃって、二〇〇二年のトラブル隠しの事件がございました。ちょうどあのときにもまさに小熊議員は、福島県議会の一員として、全員協議会で勝俣社長等を呼んでいろいろ議論をされた。そのときに勝俣社長は、とにかく、情報を隠すこと、そして、隠すことだけじゃない、情報がおくれること、これは罪なんだと当時おっしゃった、こういうふうに小熊議員から聞いております。  私は、いま一度、ちょっと言葉が悪いですが、東京電力のある種の企業体質というものがやはりあるのかなということを指摘せざるを得ないし、きょうは、この私のいただいた時間の中で、そうしたテーマについても取り上げて、特に原子力の取り扱いについて取り上げてまいりたいと思います。  まず、今申し上げた水の問題、若干御議論があったかもしれませんが、今は現状がどうなっているか。これはマスコミが相当報じていますので、多くの国民の方が、相当これは大変なことになっている、これは大分報道で知られるところとなってきていますが、こういう状況が続くとこれは大変なことになる。もちろん私、東京電力そして経済産業省の皆様が、あるいは規制庁の規制委員会の皆様が今体を張って御努力をされていること、これはようわかっていますし、また敬意も持っておりますが、本当にこれがどうなっていくのか、国民は心配しています。  もちろん、収束をさせる、処理をしていくということですが、最悪の場合、最悪の場合ですよ、最悪の場合どういうこともあり得るかということをしっかりと国民に伝えていくこと、これが、先ほど申し上げた、情報を隠さない、そしておくれない。今、この委員会でぜひ廣瀬社長の方から、最悪の場合どういうことが想定されるか、ぜひ御教示をお願いをいたしたいと存じます。

○廣瀬参考人 お答え申し上げます。  汚染水の問題につきましては、本当に皆様に大変な御心配をおかけしておりまして、まことに申しわけございませんです。  ただいまの汚染水の総量は、約二十八万トンぐらいございます。一方で、その汚染水を入れておく入れ物につきましては、問題の地下貯水槽タンクを含めて三十三万トンございます。今、地下貯水槽タンクにはもう汚染水を入れないということで、その汚染水を地上のタンクに移しているところでございます。  地上のタンクについても、とにかく大至急、余裕のあるようなレベルにしっかりつくっておいて、汚染水は御存じのように地下水から流れ出てきておりまして、毎日毎日ふえてきておりますので、その部分をしっかりためることができるように、そうした余裕を持つようにということで、タンクを増設しているところでございます。  したがいまして、私どもの考えているところでは、そうした汚染水の保管ということについては、しっかりやっていけるというふうに考えております。  先生御心配の最悪の事態ということ、これはちょっとどういうことを意味していらっしゃるのか私どもにはわかりませんけれども、とにかくそうしたことのないように、しっかり管理をして、保管をして、マネージをしていくということでやっておるつもりでございます。

○足立委員 ありがとうございます。  今おっしゃられた、最悪の事態はどういうことかわからないということですが、例えば大量に海に放出をせざるを得ない事態、こういうものを東京電力として想定をされているのかいないのか。これがやはり、今申し上げた、最悪の事態を想定せないかぬという立場から東電がその点をどう見ているか、ぜひ御教示ください。

○廣瀬参考人 先ほど申しました地上の鉄製のタンクにつきましては、今どんどんつくっておりまして、今の計画では、平成二十七年九月までに七十万トンの入れ物をつくるということでございます。  したがいまして、その間しっかり管理をしていくつもりでございますし、万が一にも安易にそれを海に放出するというようなことがないように、しっかり管理をしていきたいというふうに思っております。

○足立委員 この汚染水の処理、経済産業省として同じ点についてどのようにお考えか、御答弁をお願いします。

○中西政府参考人 御指摘のとおり、汚染水につきましては、ふえ続けているということもございますので、やはり廃炉に向けて大きな課題の一つだと認識をしておりまして、今御指摘の地下水の問題、その流入の抑制とか、あるいは放射性物質を可能な限り除去する、それでタンクに管理、貯蔵するといったためのいろいろな施設の充実等々につきまして検討を行うために、廃炉対策推進会議というのを政府の中で設けておりますけれども、そのもとに汚染水処理対策委員会というものを設置いたしまして、こちらの方の検討を、原子力規制委員会の方と連携しながら、具体的な案を進めていきたいと思っております。

○足立委員 ぜひこの問題は、大事に至らないように関係者が力を尽くす、これはもう当然です。  しかし、今回の原発の事故でも明らかになったように、要は、事故は起こる、そういう前提での安全規制、今まさに、規制庁、規制委員会、そして我々この特別委員会でしっかりと監視を、また対策をしていかないといけないわけですが、やはり最悪の事態というものをちゃんと想定して、そしてそれに応じた対策をしていくということが必ず必要だとこう思っていますので、この汚染水の問題についても、そういう意味で早目早目の、もし東電の中あるいは経済産業省の中で議論をしているのであれば、しっかりとその内容を国民にお伝えをいただくお願いをしておきたいと思います。  今、中西審議官の方からおっしゃっていただいたこの汚染水処理対策委員会、これは、紙を拝見すると、地下水の流入抑制、トリチウムの処理方法等が当面の想定される検討事項ということでございますが、いずれも大変深刻なテーマでございます。  トリチウムについては、大変この処理が難しい。私が少なくとも報道で見聞きする限りは、打つ手なしという印象を持っていますが、この対策委員会で行われる流入対策とトリチウムの処理方法について、特にトリチウムの処理方法について検討の見通しを、検討も始めたばかりだということだと思いますが、見通しをぜひお聞かせをいただきたいと思います。経済産業省、お願いします。

○中西政府参考人 お答え申し上げます。  今議員御指摘のように、トリチウムというのは、水との分離が困難だというふうな話とか、いろいろな問題を抱えております。  そういった意味では、世界でいろいろな検討の結果もあるというふうにも我々聞いておりますので、今般、汚染水処理委員会の方で検討をしっかりやっていくということで、できるだけ早いタイミングで検討の中身を明確にしていきたいと考えております。

○足立委員 このトリチウムというのは、私も素人ですが勉強しまして、大変深刻な放射性物質であります。水と分離するのが大変難しい、蒸発をさせると一緒に蒸発をしてまた降ってくる、正確でなければまた補足いただきたいと思いますが、したがってこの汚染水の問題は、何としても流出をとどめないといけないんです。  もちろん、この事故で当初発生した大きな放射性物質の拡散、こういうものに比べればこの問題はそれほど危惧をしなくていいという意見も聞いていますが、一方で、このトリチウムが本当に海に流出させざるを得ない事態、あるいは、これがまさに今のタンクでおさまらなくなってきたときには、本当に私は、国民の皆様にもしっかりとその状況について説明をしていく必要がある、こう思っています。  さて、このトリチウムなんですけれども、これもずっとわかっていましたね、この問題は。ところが、今、汚染水の問題がどうしようもなくなって初めて、私はこのトリチウムの問題、勉強不足だったということかもしれません、詳しく知りませんでした。ところが、この汚染水の問題がここまでどうしようもない状況になりつつある、困難な状況になりつつある中で、報道も含めて初めて勉強をしている。でも、東電あるいは経済産業省あるいは規制委員会、これはわかっていたはずです。  この二年間、このトリチウムの処理について東電は一体何をしてきたのか、ぜひお教えください。

○廣瀬参考人 お答え申し上げます。  御承知のように、あの汚染水の処理というのは、大変大きな課題だというふうに思っております。  御存じのように、たくさん核種がございますが、私ども、この二年間、まず、たくさんのその核種の中から、ストロンチウムを中心に多くの核種を取り除ける多核種除去装置というのをメーカーさんと御一緒に開発、今まさに試験的に運用が始まったところでございます。  ただ、残念ながらこの機械でもトリチウムは取り切れませんので、トリチウムについては、海外での事例等々を今勉強させていただいているということでございます。

○足立委員 廣瀬社長、今勉強しているということですが、要は、事故前もそうですし、本来、事故前にちゃんと研究はしているべきですね。そして事故があって、こういう問題は予想されたこと、まあ、さまざまな問題がたくさんありますから。  このトリチウムの問題は、これから勉強するんですか、これまでその処理について検討してきていないんですか。

○廣瀬参考人 お答え申し上げます。  トリチウムは、御承知のとおり三重水素ということで、ほとんど水素と化学的に似たものでございまして、取るのは非常に難しいということは存じておりますし、したがいまして、そうした難しいものをどうやって取り除くかということは、最初からわかっていたわけではございません。したがって、今まさに、時間的な余裕を最大限に駆使してこの問題に取り組んでいかなきゃいけない。  そのためにも、お国も初めとして、国内外の英知を集めてこれからしっかりやっていきたいというふうに考えております。

○足立委員 これは国民の皆様も、映像でまた今見ていただいている方もいらっしゃるかもしれませんが、本当にこの問題は心配をしています。  きょうはこの委員会、本当にこれからさまざまな討論をさせていただきますが、田中委員長、このトリチウムの問題について規制委員会としてどう見ていらっしゃるか、ぜひお教えください。

○田中政府特別補佐人 トリチウムの問題は大変重要な問題だと思います。  それで、なかなかこれの処理も技術的には大変難しいところがございますので、今後、汚染水処理対策委員会等を中心に、技術的な面も含めて検討していただくようお願いしているところでございます。

○足立委員 このトリチウムの問題に限りません。第一原発事故があった、そしてこの第一原発の廃炉、これは本当に何十年にわたる、大きな大きな困難な事業になります。また、この汚染水の問題も、ぜひ安心をさせていただきたいと思って廣瀬社長に質問をさせていただいているわけですが、伺っていて、不安も募る一方です。先ほど冒頭、東京電力の体質ということを申し上げたけれども、それも含めてですけれども、もともと、こうした大きな問題を一民間企業が対処するのは荷が重過ぎるんです。  廃炉の問題、汚染水の処理の問題も含めて全て今まで私がいろいろなところで聞いてきたのは、国は、一義的には東京電力がやる。こういう姿勢ではもうこの問題は対処できないと思っているんです。汚染水を含む福島第一原発の収束そして廃炉、何十年にもわたるこの事業は、国が一義的な当事者として取り組むべき事業であると考えますが、経産省、どうお考えでしょうか。

○中西政府参考人 お問い合わせの件でございますけれども、この廃炉につきましては、非常に長い期間を要しますし、重要な問題であるということでございますので、基本的には実施主体としての東京電力が責任を持って行うということではございますけれども、国としましても、単に事業者にお任せをしてそのままやらせるということではなくて、前面に一歩立って、国の責任としてもしっかりとした研究開発、あるいは中長期的なロードマップをつくって、その工程管理等々に対する主導的な役割を果たすというような形で対応していきたいと思っております。

○足立委員 今、中西審議官がおっしゃった御答弁、現状はそうだと思うんですね。現状はそういうことですが、実は、その中において責任がやはり不明確なんですね。  本来、東電は、JALのような形で倒産法制の枠組みの中で一旦仕切りをして、そしてこの福島の第一原発の処理については、一〇〇%国の責任において取り組むべきだと私どもはずっと思っていました。結果、民主党政権を通じてもそういう形にならずに、いまだに一義的には東電の問題、もちろん国としてもというせりふは続きますが、やはり一義的には東電なんですね。  しかし、私が思うのは、この廃炉事業というのは、別に処理が困難だからだけではないんです。この廃炉事業に伴って、今審議官もおっしゃったように、さまざまな研究開発も行われる。しかし、この廃炉事業に伴うさまざまな困難とそしてさまざまな成果、必ず、この困難な闘いを通じて我々は大きな大きな成果を得ます。研究開発もしかりです。それは日本の将来にとって大変重要なものになるであろうし、この福島の闘いを通じて得られた英知というものは、必ず世界の役に立つんですね。  そういう意味で、東京電力だけの問題じゃないんです。東電が抱えていたらあかんのです。東電から切り離して、本来、国が、あるいは日本だけじゃないです。先ほども荒井先生からありましたけれども、世界の英知を集めて、日本国が、政府が責任を持ってこの問題に取り組まないと、これは対処し得ない、し切れない、こういうふうに思っていますが、もう一度、その点についてお願いします。

○中西政府参考人 まさに廃炉の問題、これまでに経験もしたことのないような困難な状況を伴ってまいりますので、今議員御指摘のように、内外の英知をしっかりと取り込んでいろいろな研究を共同でやるとか、情報をしっかりとした形で共有するという形の、世界により開かれた形で進めていくというふうなことが必要だと考えております。  そのような観点から、実は、今週の十五日から二十二日にかけまして、IAEAの廃炉に関するレビューミッションというものを受け入れております。  そういった形も、いろいろな形での国際的なものの連携を通じて、今後とも、世界に開かれた形の廃炉を進めていきたいというふうに考えております。

○足立委員 今おっしゃられたような、IAEA等を初めとするさまざまな国際レジームあるいは国際フォーラム、いろいろなところで、経産省、規制庁、さまざまな国際連携を進めていくことが、国会事故調が指摘をした事業者のとりこ、こういう規制サイドと事業サイドの関係を正常化し、そして、しっかりとしたノウハウでもって規制当局が原子力産業というものをちゃんと規制をしていく。これは、本当に国際的な知見が大事だと思っているんです。  今、IAEAの話もございましたが、アメリカ、フランス、さまざまな規制の機関がございます。田中委員長は委員会を仕切っていただいて、そのもとに規制庁という大きな官僚組織がございます。この官僚組織ももともとは保安院でございまして、保安院の方の多くがそのまま規制庁に移ってこられている。この規制庁の行政能力あるいは委員会のリーダーシップのもとに、やはり規制の能力を高めていくことが大事だと思っています。  その点で一番大事なのは、国際的なピアレビューを受けるような、受けるだけじゃないですね、もちろん、日本、アメリカ、フランスといった原子力の先進国がしっかりと連携をして知見を交換していく、交流をしていく、これが大事だと思っていますが、田中委員長、いかがでしょうか。

○田中政府特別補佐人 御指摘のとおりでありまして、今、案の段階でございますが、新しい基準につきましては、機会あるごとに、IAEAとか米国、ヨーロッパの主なところに説明に出向いて、いろいろな御意見をいただいております。  今後、この規制を実際の発電所等の規制に適用していくわけですが、その経験を踏まえて、自己評価を踏まえて、先ほど荒井先生から御指摘がありましたIAEAのIRRSというレビュー、それもいずれ受けようという考えでおります。

○足立委員 私ごとながら、私の妻が今IAEAで働いていまして、世界の原子力安全のために懸命に今ウィーンで仕事をしております。ぜひこの国際的な視野というのを、日本の規制当局もそうだし、事業を監督している資源エネルギー庁、経済産業省もそうですが、ぜひ、国際的な視点をもっと高めて取り組んでいっていただきたいと思います。  次に、ぜひきょう田中委員長に確認をさせていただきたいのは、まさに今お取り組みの安全基準です。この新安全基準、例えば、設計基準とシビアアクシデント対策を分けている理由とか、立地審査指針の見直しはどうなっているかとか、あるいは、いわゆるIAEA安全基準等にあるクリフエッジ効果等の回避のための安全的余裕はあるのかとか、いろいろなことの議論を中でしました。  ただ、結論としては、先ほど荒井先生がお読みになっていた国立国会図書館というのは、やはり優秀ですね。我々野党なので、なかなか政府に申し上げることはしにくいわけです。実は、国会事故調の黒川委員長もおっしゃっていました、国立国会図書館というのは優秀だと。私も今回、ほとんどの疑問は、実はきょうここに来るまでに国立国会図書館と一緒に勉強してほぼわかりまして、私が今個々に申し上げたようなテーマについては、大分私の理解は深まっています。  ただ、国民の皆様にやはりしっかりと知っていただく必要があるので、この新しい安全基準を考えていたときに、私が実は中でいろいろ議論をしているときに必ず横に置いて議論をしているのは、一つは国際的な基準です。まさにIAEAの安全基準、こういう国際基準ですね。国際的なスタンダードがどうなっているか、これが一つ。そして、今申し上げた国会事故調等の事故調報告書、これが二つ目の大きな指針になるわけでございます。そして日本の地震国としての特殊性。この三つを十分に勘案してつくられた新安全基準であれば、これは一定程度信頼に足るものであると言えると思うんです。  この三つの点で今御準備をいただいて国民の皆様に意見を聞いているこの新安全基準、この三つの点で十分なものかどうか、委員長の口からぜひ御説明をいただきたいと思います。

○田中政府特別補佐人 今先生御指摘のように、私どもも同じように、IAEAの基準、NRCの基準、それからフランスの基準、いろいろな等々を基本にして、我が国の新しい基準の策定を行ってまいりました。さらに、先ほども一度申し上げましたけれども、我が国の自然環境の厳しさといういわゆる外的な要因、地震、津波とか、そういったことについても十分に配慮しましてつくってまいりました。  そういう意味では、現時点では十分に世界最高レベルの基準になっているというふうに思いますが、安全にゴールはないというのも一つの基本的な考え方でございまして、これにつきましては、安全目標という議論を公開の場でさせていただきまして、常に、より高みを目指した、安全を目指した取り組みを続けましょうということで、今、そういう考え方で臨んでおります。

○足立委員 ありがとうございます。  今、田中委員長がおっしゃられたように、安全にゴールはない、本当にそのとおりだと思います。絶対の安全はないんですね。そのことをわからないで議論をされている議論は、まだこの原子力の議論についてはあります。原子力推進の立場の方、あるいは反対の立場の方も含めて、そういう議論が多いんです。  私も、そういう議論を聞くたびに、今まさに委員長がおっしゃられた、安全にゴールはない、絶対の安全というのはないんだ、それを前提にした安全基準そして安全規制を、ぜひ田中委員長のリーダーシップでしっかりとお願いをしたいと思います。  あと残る時間、冒頭申し上げた、東京電力のある種の、体質という言葉がいいかどうかわかりませんが、私は大阪ですので関西電力のことはよく勉強をすることが多いです。その後東京で仕事をしましたので、この東京電力と関西電力、企業規模は大分違うかもしれませんが、これを比較して見ることが個人的には多いんです。こういうふうに、東京電力と関西電力の原子力事業というのを虚心坦懐に見比べると、明らかに、例えば原子炉でいうと、東京電力は沸騰水型を採用してきている。関西電力が加圧水型を採用してきている。一部には、これは安全性よりも経済性を優先した結果じゃないかという指摘をする人も世の中にはおります。  この点について廣瀬社長のお考えをお聞かせください。

○廣瀬参考人 お答え申し上げます。  私どもが沸騰水型を最初に採用いたしましたのはもう随分前でございまして、その間、炉型を決定したのはもう五十年近く前になりますけれども、一九六四年の十二月というふうにされておりまして、そこでの議論は、当然、初めての炉ですのでいろいろ比較をしたということでございますが、沸騰水型、加圧水型いずれにも、安全面であるとかあるいは経済性面であるとかいったようなことで大きな優劣の差はないということでございました。  その上で、私どもより先行して敦賀の一号機、これは同じくGE製でございます、沸騰水型でございますが、これが先行して開発が進められるということで、当然、知見の交換であるとかそうしたことで、それに優位性があるだろうということで沸騰水型を採用したというふうに認識しております。

○足立委員 二〇〇九年に経済産業研究所の研究員の方が、彼は多分原子力の専門家ではないんですが、原発の事故について統計処理をしました。その統計処理をした結果が経済産業研究所のサイトに載っています。非常に膨大な研究で、すばらしい力作なんですけれども、この研究は、事故統計から見て、加圧水型の方が沸騰水型よりも安全であると判断できるという内容の研究論文を出されています。  原子炉の型の違いにおいて安全の面でどういうふうに判断ができるか。きょうは田中委員長がおいでですので、田中委員長もその点についてもし御見解がございましたら、お教えください。まず田中委員長、お願いします。

○田中政府特別補佐人 沸騰水型も加圧水型も冷却水に水を使っているということで、基本的なところでの本質的な安全上の問題にそんな大きな差があるとは思っておりません。例えば、スリーマイルアイランドは加圧水型炉の事故でありましたし、今般の福島は沸騰水型であります。  世界的に見ると、どちらかというと加圧水型炉の方を使っている国もありますけれども、ヨーロッパにおいても、いまだに新たに沸騰水型炉を導入している国もございますので、技術的に、私は今、安全上の差異を申し上げるような状況にはちょっとありません。

○足立委員 今、世界の趨勢を実際にこれは東京電力よく御存じだと思うし経産省もよく御存じだと思いますが、世界の趨勢は加圧水型に動いてきています。これは、実際に原子炉の新設の型を見ていけば、これはもう明らかに加圧水型に寄ってきている。そうした経緯の中で、日本のメーカーも、東芝なんかも加圧水型を持っていなかったので、その加圧水型を持っている米社を買収するというようなことが業界の再編として起こってきている。  少なくとも、実際の新しく新設をされる原発のプラントを見る限り、やはり沸騰水よりは加圧水型が大きな潮流になってきている、こういうふうに思います。  今、田中委員長に御答弁いただきましたが、この二つの型の事故統計あるいは安全性という観点でどのように見られているか、東電と経産省、それぞれお願いします。

○廣瀬参考人 お答えいたします。  統計につきましては、さまざまな統計データがございます。それらを比較して、特に大きな有意な差があるというふうには認識しておりません。それぞれの炉型にしっかりとした安全機能を持っておりますので、しっかりとした運転をしていくということで両方とも安全な運転ができるというふうに認識しております。

○中西政府参考人 お答えします。  今御指摘のとおりの話につきましては、単に炉型の違いのみならず、いろいろな事業者のいろいろな運転管理のやり方等々が相まって、安全が確保されていくというふうに考えているところでございます。

○足立委員 これは一つの見方ですので、規制委員会あるいは東京電力あるいは経済産業省は今御答弁されたような御認識だと思いますが、加圧水型と沸騰水型について、それぞれの事業者がそれぞれの判断で今までやってきた。東京電力は沸騰水に集中し、関西電力は加圧水に集中をする。また、全体的に、日本の地図を開いてみればわかるように、東京電力は多数の原発を太平洋側に持っている。関西電力は、全てではありませんが、日本海側に寄せています。これは事実としてそうですね。  もちろん民間事業者ですから、それはそれで民間事業者としての御判断があったとは思いますが、冒頭申し上げたような東京電力の体質という点で、本当に安全面を重視した検討が、それぞれの技術を採用するときの検討で十分にその検討があったのかどうか、あるいは、立地地点を判断するときに安全性について十分な配慮があったのかどうか、そこについてやはり疑念を持たざるを得ないし、そういう指摘もございます。  沸騰水型は経済性では優位であるけれども、熱せられた水で直接タービン発電機を回すというこういう仕組みになっているので、やはり安全性において加圧水型よりも劣る。だからこそ、原潜、潜水艦とか、さまざまな軍事面で米国を初めとする国々が使っている炉は、これは加圧水型なんです。本当に事故が起こってはいけないところで使われている炉は加圧水型なんです。  私が申し上げたいことは、東京電力がこれまで沸騰水型を採用する、そして太平洋岸に多数の原発を立地してきたこと、さらに、冒頭申し上げたトラブル隠し、あるいは現在の汚染水の問題、いずれをとっても、やはりもう東京電力という民間企業に今この廃炉を任せることはできない、一〇〇%の責任を持って国が対処していくべきだという訴えを申し上げて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。