○山本委員長 この際、足立康史君から関連質疑の申し出があります。小熊君の持ち時間の範囲内でこれを許します。足立康史君。

○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 ただいま質問させていただいた我が党の福島出身の小熊慎司議員、私は大阪の出身でございますが、今こうして政治を志すまでは、二十年余りにわたって、まさに原発を所掌している経済産業省に勤務をしておりました。こうした立場から、今回の東日本大震災と、この震災に伴い発災した福島第一原発事故、本当に痛恨のきわみでございます。
 私は、この東北の復興、福島の再生が成るまでは、福島、東北へのコミットメントを絶対に失わない、こうした決意で今政治に取り組んでいるところでございます。
 さて、冒頭、私は総理に、東北の復興、福島の再生への決意をお伺いいたしたいと思っておりましたが、今、福島出身の小熊議員への御答弁を伺っておりまして、同じ内容を繰り返してもせんないかなというふうに思いまして、そこは割愛をいたします。
 かわりに、これは通告にございませんが、一政治家あるいは一国民として、御存じであればちょっとお伺いしたいのが、今回の原発事故でよく国民の皆様にも知られるところとなった原子力発電の実態でございますが、原子力発電所には使用済みの核燃料が蓄えられております。全国の原発に蓄えられておりますが、御承知のとおり、天井近くに、非常に堅牢とは言いがたい形で蓄えられております。これはなぜ天井近くにあるか御存じですか。総理、もし御存じであれば。もし御存じなければ結構です。
 では、御存じないということですから、通告もございませんでしたので、私から御紹介しますが、あの使用済み燃料が天井近くに危うい形で置いてある理由は、仮置き場だからなんですね。本来、使用済み燃料は、中間貯蔵し、最終処分をしていく。今、さまざまなサイクルの事業も進んでおりますけれども、各原子力発電所に蓄えられている使用済み燃料、天井近くに置いてあるのは、仮置き場。この仮置き場の状態が全国で今なお続いている、これが今の日本の原子力発電の現状である、こう指摘を申し上げたいと思います。
 パネルを一つお見せしますが、これはもう皆様もよく御承知の、避難指示区域の見直し、最新のものでございます。先般の見直しで、この赤い地域が帰還困難区域でございます。事故後六年が経過しても、被曝線量である年間二十ミリシーベルトを下らない。年間二十ミリシーベルトを下らない、下回らないというのは、つまり、この黄色い地域、居住制限区域に相当する線量が依然として続くということを意味します。つまり、事故後六年たっても、初めてこの赤い色が黄色い色に変わるだけである。
 そういうようにして時間が経過をしていく中で、この第一原発周辺にお住まいであった方々が、ふるさとで子供を育んで、また、お孫さんを見守る、そうした当たり前の生活を回復できるかどうか。小熊議員が先ほど再三質問を申し上げたように、この点について不安をお持ちであることは、私はいたし方のないことであると考えております。
 地元の首長さんの御意見を賜っても、地域の具体的な将来像を決める責任は国にある、これが地域の声でございます。
 小熊議員が申し上げた決める政治、私も同感でございます。この地域には将来にわたって住まないことも含めて、地域の将来を決断することが地域の首長さんにはできない、国の責任であり総理の責任であると私は考えますが、いかがでしょうか。

○安倍内閣総理大臣 先ほども根本大臣からお答えをさせていただきました。今回は避難区域を見直ししていくという判断をいたしました。
 そこで、住民の方々にとって、いつ帰れるのか、これは大変な不安なんだろう、このように思います。区域見直しの結果、帰還困難区域のように、事故後六年を経ても放射線量の関係で帰還が難しい区域はございます。そうした区域を中心に、将来どうなるのか、そういう不安が広がっているのも事実でございます。帰りたいと考えておられる方々もおられますし、また、もう帰れない、またそれ以前に、もうそういう帰ろうという考え方は捨てて、新しい生活を求めておられる方々もおられるわけでございます。
 難しいのは、これは政治の判断として、確かに、先ほど小熊委員も指摘をしておられたように、政治の場において判断をすればみんなが拍手喝采をしていただく、こういう政策というのは必ずしもそれが全ての政策ではないわけでありまして、逆に、その判断において、半分、あるいはもしかしたら半分以上が何でそんなことを決めたんだという決断も、我々の責任、政治の場において責任を持つ立場にある者にとっては、そういう苦渋の判断もしなければならないわけでありますが、そこは将来を見据える中においてしっかりと判断をしていきたい、このように思います。
 同時に、やはりこれには時間も必要であります。基本的には、先ほどの小熊委員とも足立委員とも問題意識は同じでありますが、そこは、地域の方々にとっても、やはり時間というものも必要でありますが、同時に、もっと早くしてくれという人たちのお考えもあるのも重々承知をしております。
 しかし、その中において、しっかりと、戻りたいという方々がいる中において、我々は、まずはその方々の要望に応えるべく努力を進めていく。しかし同時に、それだけでいいのかどうかという問題意識は持ちながら判断をしていきたい、このように思っております。

○足立委員 ありがとうございます。
 一方で、先般、石原環境大臣がこの帰還をめぐって御発言をされておられます。
 いわゆる土壌汚染、汚染された土壌などの廃棄物、放射性廃棄物について、その中間貯蔵施設をめぐって、帰還できなくなる住民が出ることについて、いたし方ないと。マスコミからさまざまに問われ、施設の上に住居があれば住めなくなるのは、物理的な問題として、一般論として当然だ、こういう御発言がありましたが、大臣の真意を改めてお聞かせください。

○石原国務大臣 ただいま総理あるいは復興大臣からお話がありましたとおり、帰りたい、絶対帰りたいという方もいらっしゃいます。その一方で、どんなに除染をしても、もう私は帰りたくない、いろいろな方がいらっしゃるんだと思います。
 私が申し上げましたのは、中間貯蔵施設は絶対につくらなければならない、かたい信念を持っております。そして、そのためには御地元の方々の御理解を得なければなりません。御理解を得た後に、中間貯蔵施設ができますと、そこで居住をしていた方は戻れない。そのようなことも今まで誰も言っていなかったというようなことで御批判を受けたんだと思いますけれども、そういう皆様方に対しては、適切な補償によりまして地権者の方々から買わせていただくこととしておりまして、その結果として、お売りいただいた土地はその方のものではなくなる、こういうことをお話しさせていただいたことが真意でございます。

○足立委員 私は、最初、この石原環境大臣の御発言を報道で知りまして、現在の政府・与党も、きょう私どもが申し上げているような観点から、これまでにない新しい東北、福島の具体的な将来像について踏み込んだ御発言をされていかれるのかなと、ある意味での期待を持ったわけでございますが、今もおっしゃられたように、その実態は、物理的な建物があるところには住めないだろう、こういう当たり前のこと、一般的なこと、こういうことでございます。残念ですが、現状ではいたし方ないということでありましょう。
 次に、復興予算についてお伺いをします。
 私は、除染の見通し等の現状について、国民の皆様に本当のことをお伝えしていくことが一番大事なことである、復興の大前提であると思っておりますが、本当のことを伝えなければいけないのは現状だけではありません。復興予算、政策についても、私は壮大なフィクションが存在をしていると考えております。
 このパネルには、復興庁の二十五年度予算案が書いてございますが、この金額と、それから一括計上の仕組みの趣旨も含めて、復興大臣、改めて御説明をお願いします。簡潔にお願いします。

○根本国務大臣 御指摘の平成二十五年度復興関連予算案、これにつきましては、復興交付金など、被災地のニーズを把握しながら復興庁が直接執行する予算約六千億円のほか、復興庁が一括計上している予算、これが、この表のとおり約二兆二千億円あります。
 この一括計上予算、お尋ねがございました。
 一括計上予算については、まず、復興庁は、被災地からの要望を踏まえて、必要な予算を一括して要求、確保します。そして、事業箇所ごとの事業の実質的内容、これを決定して各府省に通知します。各府省は、それに基づいて契約、公示などを行う仕組みになっております。要は、復興庁が予算の配分を通じて事業の実質的内容を決定する、こういう仕掛けにしております。

○足立委員 今お示しをしているこの紙は、復興大臣から国土交通大臣宛ての通知書でございます。「東日本大震災からの復興に関する事業についての「実施に関する計画」の通知について」ということで、大臣間で通知をしている。「別添のとおり、その「実施に関する計画」を通知します。」別添、一般国道四十五号幾ら幾ら、一般国道百六号幾ら、この事業費についても千円単位まで書かれております。
 私は、こんな通知を大臣間で出している暇があったら、本当に意味のある仕事をした方がいい、こんな壮大なフィクションは即刻やめた方がいい。これが私たちの、この復興予算についての一つの指摘であります。
 そもそも、この一括計上という仕組みは、私たち、この復興庁が創設をされる当時に、政府の中で大議論がありました。
 例えば、当時まだ国政政党ではなかった大阪維新の会、あるいはみんなの党、こうした政治グループは、道州制の先駆けとして、いわゆる三ゲン、権限と財源と人間を東北に委ねて、地域のことはもう地域でやってもらおうじゃないか、そのために人材を復興庁に、東北に置く復興庁に全ての資源を集めて復興に力を尽くしていくべきだという大復興庁構想というのがありました。
 一方で、縦割りの官庁は、そんなものができたらたまらぬ、徹底的にその議論を封印する努力をされたわけでございまして、この一括計上という仕組みは、そのために生み出された本邦初公開、史上初めての仕組みでございます。このために特別の法令規定を、当然、予算の仕組みですから財務省だと思いますが、既存省庁の既得権を守るためにつくり上げた、壮大なるフィクションを支える仕組みがこの一括計上の仕組みでございます。
 財務大臣、御認識をお伺いしたいと思います。

○麻生国務大臣 これは、復興庁において、被災地の要望に応えて、復興事業に必要な予算を一括してというお話を受けて確保することになったという、もともとの背景はそれだったと記憶をしております。
 したがって、復興庁の一括計上の仕組みというのは、被災地に寄り添うような形で、各府省庁にまたがっている復興予算というものを総括管理するとともに、被災地の要望というものに応えて、きめ細やかな復興施策を推進することにつながっていくんだというように、私どもはそう理解をいたしております。
 したがって、人数等々、建設省の役人より現場の県庁の役人の方がもっと知っているかもしれませんし、そのまた先の市役所の職員の方がもっとよく知っているかもしれませんとは思いますが、いずれにしても、本年の二月一日に福島に復興再生総局を立ち上げ、いわゆる福島と東京の二つの本社体制というものにしたところであって、今後とも、現場主義と司令塔というものの機能を発揮していかなければならぬものだと考えております。

○足立委員 少し通告と順番を変えて、今、財務大臣からの御説明で福島再生総局の話が出ましたので、一点、除染の仕組みについて、一言だけ確認をさせていただきます。
 この除染推進パッケージと申しますのは、昨年の十月、政権交代前でございますが、除染を推進するための政策パッケージとして示されたものでございますが、この一番左上に「福島環境再生事務所への権限委譲」というのがございます。この権限委譲の内容について、環境大臣に御説明をいただきたいと存じます。

○石原国務大臣 ちょっと、私がやった話ではないので、説明調になってしまうのはお許しいただきたいと思います。
 福島県における除染については、国が県の基金に対して拠出をして、そして市町村は、環境省が定めたガイドライン、これは私、地元からいろいろな意見を聞いているので、直すところがあれば直せばいいんじゃないかということも言っております。
 そして、前政権の時代の昨年の夏ごろまで、その運用に当たっては、市町村から、QアンドAという形になっている部分が多いんですけれども、このガイドラインのとおりこうやっているんですけれども、これでよろしいですかねというようなことを照会があった場合、それまでは環境省、すなわち霞が関において判断をして、今の御質問にあったものはちょっと違いますね、いや、この範囲であったら、このガイドラインに沿っているものですねというような御回答を返していたと聞かせていただいております。
 そこで、そうはやっても、それではレスポンスが悪いじゃないかというような御指摘がございまして、前政権下でも、その運用部分でこのガイドラインをいろいろ改めてきた。
 そして、政権交代いたしまして、今度はもう二社体制、財務大臣から御答弁がありましたとおり、そこで全てを判断して、そこで今言ったようなことに対応するように、また、先ほどお話をさせていただきましたとおり、ガイドラインも、使い勝手が悪いという地域からの声が上がれば、それに沿って見直しをするように指示を出しているところでございます。

○足立委員 今、環境大臣から御紹介があったように、これは自公政権の責任ではありませんが、今おっしゃられた内容は、QアンドAをつくった、QアンドAを改定した、わかりやすい説明書をつくった、以上です。こういうものは、普通は、私たちの常識では、行政サービスの改善にすぎない。これを、一番左上の一丁目一番地に、あたかも現地に権限委譲したかのように示しているのは、まさに、きょう私が再三御指摘申し上げている、カモフラージュというか壮大なるフィクションの一つかなと思います。環境大臣には、ぜひこの事実を改めて御認識いただいて、是正をお願いしたいと存じます。
 もう時間がございませんので、最後のテーマに参ります。
 先ほど、復興予算について御説明をしました。二月の財政演説に対する松野頼久幹事長の代表質問でも、補正予算について、次年度繰り越しを前提とした補正予算は粉飾予算であると喝破をいたしました。この補正予算、私の地元の大阪でも、ある交付金のひどい使われ方が話題になっております。
 先ほどの予算のパネルにもございますが、循環型社会形成推進交付金、いわゆるごみ処理施設の整備にかかわる交付金でございます。瓦れきの広域処理を推進するに当たって、本来市町村が負担すべき費用を全額、震災復興特別交付税で面倒を見るという制度でございます。
 私が問題にいたしたいのは、瓦れきの受け入れを表明していない自治体にも整備費の全額が交付されていることでございます。この事実について、環境大臣の御認識を問います。

○石原国務大臣 これも、申しわけございません、調べてきたことでちょっと説明調に……(足立委員「簡潔で結構です」と呼ぶ)大阪のことだけにしますか、全体も。では簡単に。
 今御指摘の点は、当時、与野党関係なくその推進に向けて可能な限り努力をしていこうよということで合意をして、そういうようなことになったと承知しております。
 このような中で、今、委員御指摘のとおり、広域処理に御協力をいただける自治体に対しては、新たに整備予定の施設で受け入れる場合、すなわち、そこで瓦れきを引き受けてくれる場合には施設整備費を支援し、既存の施設で受け入れる場合には減価償却分を支援するというスキームであります。
 そして、委員が御指摘されたような、大阪市については、既存施設で受け入れていただいたので、減価償却分をもう既に支援させていただいた。
 そしてもう一つ、大阪の大きな町であります堺市については、新たに整備予定の施設で協力しますよというお話があったもので、その整備費を支援した。しかし、広域処理を必要とする瓦れきの量が減った。これは今、宮城でも、鹿児島県の方で受け入れると言っていましたけれども、もう全部処理できるからといってとまっているようなことがやはりあるわけなんですけれども、昨年の八月、環境省として受け入れ自治体を絞り込み、結果として堺市は現実には受け入れなかった、こういう事案だと思っております。

○足立委員 全て民主党政権の時代ということでございますが、この制度は、ごみ処理施設を整備中のケースであれば、受け入れを検討しているだけで、検討と言えば全額裏負担を国が面倒を見る。それに対して、既に施設があるところについては、受け入れた場合のみ、それも減価償却費の瓦れき処理案分分、一部ですね、これだけを面倒見るという、もともと制度としては非常に不公平な、おかしな制度でございます。
 この補助金、多くの補助金を受け取っている市町村の一つであります大阪の堺市、竹山市長は、この交付金を返還しないのかというマスコミの問いに対して、いただけるものを断ったら市民に損失を与える、ありがたくいただきたい、こういう報道が三月二日付の毎日新聞で報じられております。
 私は、このお金は、国民の血税、復興増税、国民の気持ちが形になったものでありますので、こうした堺市の竹山市長の、ありがたくいただきたいというこの御発言についてはいかがなものかと思っておりますが、環境大臣の御認識をお伺いします。竹山市長の発言についての感想をお述べください。

○石原国務大臣 ちょっと申しわけないのですけれども、具体的に堺市長がどういうふうに言われたかというのは知らないんです。申しわけございません。
 それで、調べてきました。きょうの朝もテレビでやっていたということで調べてきていたんですが、やはり、当時の状況を思い出しますと、これは与野党関係なく、日本全国で引き受けようよ、そういうものを後押ししていこうよという機運があったことは私も覚えております。そして、手を挙げづらい状況の中で検討をいただいたから、では、検討してくれたところも一部払おうということがなされたのではないか、それに対して堺市長がこういう発言をされたと。
 それに対してどう考えるかということは、今テレビを見ていらっしゃる国民の方々が判断する話だと思っております。

○足立委員 最後に一言だけ申し上げます。
 今申し上げましたように、権限、そして予算、また福島の現状について、私はまだ大きなフィクションがあると思っております。震災、そして原発事故については、我々政治家が正面から向き合い、その真実を国民の皆様にお伝えをする、真摯に、我々が今認識をしている現状、そして将来に対するその政策の中身を正直に伝えていく中でしか真の復興は始まらない、こうした思いを申し述べて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。