○富田委員長 次に、足立康史君。

○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。  ふだんは厚生労働委員会で社会保障の議論を主として担当しておりますが、きょうは閉会中審査ということで、大変貴重な機会でございますので、若干お時間をいただいて、どうしても確認をしておくべきことについて、二、三お伺いをしてまいりたいと思います。  きょうお伺いしたいのは、総理のコントロール発言もそうですし、それから予算のこと、あるいは原賠法について、いろいろあるわけですが、今、我が党の小熊議員から、七月二十二日の東電の発表ですね、汚染水が海に到達をしたということが断定できたという発表があった、この点について、要はもっと早くできなかったのかという趣旨のお話を申し上げました。  きょうお配りをしている資料の四枚目の配付資料二は、東電のホームページの写しでございます。七月の二十二日、要すれば参院選の翌日に公表したことについて、いろいろとマスコミからも、また各方面から批判が出た。これに対して、東電が七月二十六日付で「汚染水の発電所港湾内への流出に関する公表問題について」という経緯説明の紙を公表してあります。  この紙を私が読んだところの最大のポイントは、海に到達をしたと断定する根拠がなかなか見つからなかった、でも最後に判断した根拠になったのは、地下水位と潮位の相関が発見できたこと。この文書では「最終的な拠り所」と書いてございますけれども、私はこの整理はよくわからないですね。  もともと地下水位というものは潮位に影響されます。大体、潮位よりも地下水位というのはちょっと高いんですね。当然、潮の満ち引きに応じて、雨が降るとちょっと混乱するそうですけれども、基本的には地下水位というのは潮位とある程度相関があるものです。ところが、地下水が汚染された、その汚染水が海に到達したその根拠が、何か潮位と地下水位の相関であるかのような整理が今世の中でまかり通っている。私はどうしてもこれが理解できない。  きょう、ちょっと急遽ですけれども、東電の方にもお越しいただいているので、この点をまず御説明いただけますか。

○相澤参考人 お答えいたします。  御指摘のように、潮位に左右されて地下水のレベルが上下するということがすなわち海の水、海水が遡上しているということには全くつながらない、おっしゃるとおりであります。  我々としては、そういったことも含めて改めて総合的に判断し、これまでなかなか、これが流出の決定的な要因であるというのはなかったんですが、総合的に判断いたしまして、そういった流出ということを判断させていただいたということであります。  あえて申し上げれば、海とのバウンダリーである矢板の前後で潮の満ち引きによって若干の出入りがある可能性はないわけではないんですが、繰り返しになりますが、遡上をしているという可能性は全くございません。  そういった意味で、それが基本的な原因あるいは根拠で判断をしたということではなく、総合的な判断をさせていただいたということであります。  以上です。

○足立委員 総合的という説明は、もう反論の余地がない、反証不可能な物の言い方ですので、私は余り評価しませんが、東電がいつ何を根拠に海への到達を判断したか、この点はぜひまた、臨時国会が始まりましたら、過去のことですけれども大変重要なテーマですので、引き続き追及というか確認をさせていただきたいと思っています。  もう一つ、本件について、先ほど小熊議員が、いつこれを知ったかというようなことがございました。  私はきょう、経産省の関係の資料は手元に持ち合わせておりませんが、規制庁の、規制庁はもう今すばらしいですね、全ての会議を動画も含めて公表されている。  ちょうど今焦点になっています七月の十八日と二十二日。ちょっとこれは配っていませんけれども、議事概要があります。これは大事なんですけれども、東京電力は十八日の打ち合わせで海への到達を確信した、こういうことです。違ったら後で言っていただいたらいいですけれども。ところが、この十八日の議事録には一切書いていないんです、規制庁がつくった七月十八日の議事要旨には。  幾つか報告、説明を受けています。湾岸部の地下水の挙動についても説明をしています。しかし、それについて規制庁はコメントをしているという形跡はここには載っていません。むしろ全く別の、地下水のサンプリングの試料分析云々ということについて引き続きよろしくという言及があります。  十八日にこの重要な問題が討議された形跡が十八日の議事録にはないんです。  では、二十二日。二十二日に発表するに当たって、この文書、分厚い資料です、七月の二十二日、参議院選挙の翌日に、東京電力がこの資料を持って規制庁に説明に来た。これも、説明を受けた、規制庁からは二点ほど説明を求めたとありますけれども、これはきょうの議論とは関係ありません。  さて、私は、この経緯についてもどうもよくわからないんですね。  大きく言うと、六月十九日や二十九日あるいは七月の七日に、海に近い地点で高濃度の汚染水が見つかった。しかし、東電はこれに対して、最終的なよりどころにはならないと判断した、こう言っているわけです、さっきの紙で。その後、七月の十日に、規制委員会、これは島崎委員から、要は、潮位をちょっと見たら、地下水位を見たらという御発言があって、調べてみた報告が十八日になされた。その十八日の報告の際の議論が最終的な判断のよりどころになったと東電は言っている。しかし、東電と規制庁のその議論をした議事録にはそれが書いていない。  非常に不可思議なことが多々あります。ただ、きょうはこれを実は時間をかけてやりたかったわけではないので、これは問題があるんじゃないかということを指摘だけしておきます。  もっと重要な問題があと三点あります。  まず、総理のコントロール発言でございます。  直近のいろいろな世論調査でも、汚染水に関する総理のコントロール発言については、八割以上の方が違和感を覚える、妥当であるというのは一三%、こういう調査もございます。  やはり、私も同様ですが、オリンピックの招致に係る選手たちのプレゼンテーションはすばらしかったし、感動もした、また東京に招致ができたことについては当然喜んでいる。しかし、この福島に係る総理の発言については多くの方が違和感を持っているし、私も同じでございます。  福島で今制御されているか制御されていないか、この問題については、やはり何が起こっているのかということについては国民に明らかにしていかないといけないと思うし、また、総理がコントロールできているんだと発言されたその意味、経産省からそう言ってくれということだったそうですが、これは大変重要な問題ですから、確認をしておいた方がいいと思います。  ただ、ちょっと結論を急ぐと、これはぜひ茂木大臣にもお聞きしたいですが、田中委員長にもぜひ御見識をお伺いしたいですが、汚染水が海に到達したということを計測するということは、私は難しいことだと思うんです。  すなわち、もともと海は三つの要因で放射性物質があるんです。一つは、もともと福島第一原発が商用運転していたときの排水、これもいわゆる年間の総量排水基準の範囲内では出ているわけですね、それが一つ。もう一つは、一昨年の発災直後の、汚染という言葉がいいかわかりませんが、発災直後の影響。それから三つ目が、今回、今回だけじゃないかもしれない、一連の最近の汚染水の海への流出。この三つがあるわけです。  きょう、配付資料の一枚目、二枚目、三枚目に英語の資料をつけてあります。二キロ圏、二十キロ圏、二百キロ圏のこれは数値だけですけれども、要すれば原発に近いほど数値は高いんです。それはそうですね、あれだけの爆発が起こったんだから。だから、三・一一で海の放射性物質の濃度はもともと高いんです。  そういう中で、地下水、汚染水の海への到達云々ということについて、あるいは湾内、湾外ということについて、モニタリングをし、分析をし、そして検証するということは大変難しいことで、そんなにはっきりと影響はありませんと言える類いのものではないと私は思っているんですけれども、田中委員長はどうですか。

○田中(俊)政府参考人 お答え申し上げます。  海洋のモニタリングは事故直後から継続的に行われておりまして、今回、総理が発言されたことについては、モニタリングの結果、港湾の外においてはいずれの核種も検出限界未満である、大きな変化はない、もちろん土壌等にセシウム等が蓄積しているということはあるんですが、今回はそういった状況がないということで、総理はコントロールされブロックされていると御発言されたというふうに考えております。  今後、この状態がどこまで続くかということの御懸念はあろうかと思いますが、これにつきましては、政府を挙げて汚染水の漏えいを防止するために全力を尽くしているところでございます。  私どもとしては、その状況をきちっと監視するということで、モニタリングをきちっと継続して進めていきたいというふうに思っております。

○足立委員 委員長、いろいろ政府に本件を聞くと、今おっしゃったように、総理はこういうつもりでおっしゃったんだろう、こういう話が必ず返ってきます。  ただ、私が今申し上げているのは、湾外に影響がないとか、東電の社長も二十七日に言われました、湾外に影響はないんだと。あるいは、総理がコントロールされていると言った。こういう御発言は、規制委員会の立場からいうと、意味のある発言ですか。  私は、意味のある発言というのは、田中委員長、例えば、コントロールできていると言うのであれば、コントロールできていないという概念もありますね。では、どうなったらコントロールできていないと判断できるのか。これは、さっき申し上げたように三つの影響でコンタミしている中で、とても難しい問題だから、現時点でコントロールができていない、できているという論争があります。東電の方が、役員ができていないと言ったとか、マスコミがいろいろ書いています。私はその議論は意味がないと思うんです。委員長はどうですか。

○富田委員長 茂木経済産業大臣。(足立委員「規制委員長にお願いします」と呼ぶ)  大臣を指名しましたから、まず大臣に答えていただいて、その後に。

○茂木国務大臣 何がコントロールできているか。総理の発言は、ザ・シチュエーション・イズ・アンダー・コントロール。つまり、汚染水の影響、全体の状況はアンダーコントロール、制御をされているということで発言をされたわけでありまして、その根拠につきましては、汚染水の流出、これは湾内〇・三平方キロメートル弱にとどまっていて、外洋におけますモニタリングの結果、これは福島県沖を含みまして広い範囲で行っておりますけれども、測定できない値もしくは基準値以下、こういう状態であります。  一方、この汚染水問題の抜本的な解決に向けて、アクションプランを実行し、さらには予防的、重層的な対策を立てていく、こういったことを進めております。  こういった対策について全面的な見直しが必要になる、もしくは全体の状況が制御できない状態に陥る、この場合にはコントロールできていない可能性があるということであると思います。

○富田委員長 田中委員長はいいですか。

○足立委員 今大臣がおっしゃったのも、それは総理はこういうつもりで言ったんだ、だから俺たちはこうやっているんだ、こういうことですけれども、私が申し上げているのは、総理が、総理だけじゃない、今、総理のコントロール発言をめぐってさまざまなところで、コントロールされているんだとか制御されていないんだとか、いろいろな議論がありますが、余り意味ないよねと。委員長はどうですか。

○田中(俊)政府参考人 大変お答えにくい御質問なんですけれども、コントロールできているかできていないかというのを今ここで科学的に議論する、定義するということはなかなか困難なことだと思っております。  大事なことは、こういった汚染水の影響が環境、生活圏に影響しないようにするということが最も大事な、あえて言えばコントロールかと思いますので、そういう環境への影響がないように、間違っても影響がないようにしていくということで私どもも全力を尽くしていきたいと思っています。

○足立委員 ありがとうございます。  まさに非常に困難なことを言葉尻でやっても余り生産的ではないので、私は、コントロール議論はもうやめた方がいいという意味で、あえて、マスコミの方もいっぱいいらっしゃるので、申し上げたわけでございます。  あと、もう時間がないんですけれども、どうしても予算のことと制度のことはやっておきたい。  予算については、いろいろ質問も用意していますが、今回の二年間で四百七十億円、これはあくまでも研究開発予算ですね。経済産業省は、これまでも研究開発予算は投じてきています。ロボットの開発とかなんとかということで。あるいは、前面に立つとか一歩前に出るということも前からおっしゃっています。茂木大臣も、さかのぼれば三月七日の衆議院の予算委員会で、特に研究開発の部分については国が前面に出てしっかりした廃炉を進めていきたいと。それから、これは配っていませんけれども、二枚にわたって、総理、茂木大臣、さまざまな方が前に立つと三月から言い続けてきた。  でも、今回の予算を見ると、今回の予算四百七十億で何か国が前面に出た、政府が前面に出たかのようなイメージで報じられていますが、私は、基本的に、研究開発予算を投じている限り、それは今までと変わらない、線引きは変わらない、こう感じていますが、茂木大臣はどうですか。

○茂木国務大臣 まず、廃炉対策と汚染水対策、これは密接に関連をいたしますけれども、廃炉対策費については、既に平成二十四年度の補正予算におきまして八百五十億円を措置しております。実際にそれでこの事業が進んでいるわけであります。モックアップ施設をつくる。遠隔操作ロボットの実証を初め研究の分野にこれを使っていく。二十五年度予算におきましても措置をしております。  今回の四百七十億、これにつきましては汚染水対策であります。そして、これは単に研究にとどまらず、実際に凍土方式の遮水壁をつくるんですよ。そして、高性能の放射性物質の除去装置、これは今のALPSと違って、実際に除去した後に出て沈殿をしてくる汚染物の量を圧倒的に減らす、そしてまた吸着力を圧倒的に上げる、そういった高性能の設備を具体的につくっていくわけでありますから、これは研究開発にとどまらない、具体的な対策、具体的な事業、こちらに踏み出しております。

○足立委員 本当に確認なんですけれども、私が事務方から聞いているのは、今回の予備費も含めて、これは研究開発費だと。今大臣がおっしゃった点についても、これは実証事業だと。実証事業というのは、要は、まだ余りやったことがないから実証的にやるんだと。違いますか。これも研究開発予算ではない、これはいいですか、もう一回確認です。

○茂木国務大臣 考えてください。凍土壁をつくることが単なる研究なんですか、具体的につくることが、足立さんの定義では。私は事業だと思っております。

○足立委員 ありがとうございます。  私は、本当に今大臣のお言葉を伺って安心しました。  心配していたのは、やはり研究開発バイアスなんですよ。結局、馬淵委員の議論もありましたけれども、いろいろな議論が当初から東電そして規制庁、経産省でありました。しかし、やはり予算制約があるんですね。予算制約というのは、別に量だけじゃない、予算の趣旨についても線があるんです。だから、そういう中で、もし本当に今回の予算、大臣がおっしゃるんだからそうでしょう、もう既に研究開発の線は取れているんだということであればこれはすばらしいことで、少なくとも研究開発バイアスはもう取れている、こういうことで確認できて本当に私は安心をいたしました。  この予算について一言だけちょっと。  馬淵委員が、二十七日の参考人質疑で、総理補佐官の時代からやってこられた地下バウンダリーについての資料を出されています。私はそれをきょうもう一度出す予定だったんですが、先ほどもめていました理事会でどうしても出せないということでしたのでもうございませんが、当時、東京電力は、馬淵補佐官から、これを国のプロジェクトにするという議論があった、当初は国交省予算で議論していた、こういう記述があるんです。これは金曜日に配られています。  国交省はこの経緯を御存じですか。

○赤澤大臣政務官 国土交通省としては、そのような示唆があったことは承知しておりません。

○足立委員 民主党の当時のハンドリングというかマネジメントを云々してももう遅いんですが、当時、総理補佐官が東電とそういう議論をしているときにも、事務方は知らないと、役所は。馬淵当時総理補佐官は、これは国交省の予算でやっていくというけれども、これを国交省は知らないと、また細野原発大臣への引き継ぎもあったのかなかったのか。非常に残念な経緯があったことを改めて確認しておきたいと思いましたが、もう時間がなくなりました。  最後に一点だけ。  原子力賠償法、これは先ほども資料の提示がありましたが、法律にはできるだけ早期にと書いてありますが、そのときの国会の附帯決議で、できるだけ早期にというのは一年をめどとすると書いてあるんです。支援機構法の施行から一年をめどというのは、去年の八月です。  本来、去年の八月に見直しておくべきであるという国会の意思に反してこれを放置したことが、国が福島第一そして汚染水対策に予算を投じる際の判断の足かせになってきたということをきょうは検証したかったんですが、時間がなくなりました。この続きは、ぜひ、臨時国会が開会されましたら、引き続きやってまいりたいと思います。  本日はありがとうございました。