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あだち康史
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衆議院議員
Profile
衆議院議員4期、大阪9区支部長。日本維新の会憲法改正調査会長、国会議員団政務調査会長、幹事長代理、コロナ対策本部事務局長等を歴任。1965年大阪生まれ。茨木高校、京都大学、コロンビア大院。水球で国体インターハイ出場。20年余り経産省に勤務し欧州に駐在。東日本大震災を機に政治を志す。
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厚生労働委員会

足立 康史

○後藤委員長 次に、足立康史君。

○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。  今、民主党さんの質問をまた聞かせていただいて、私はやはり大臣の側に立ちたいなというふうに思います。  何がこの今の議論に足りないかというと、大臣は再三おっしゃっているわけですけれども、やはりマクロ経済に関する理解だと思うんですね。  もちろん、私も、厚生労働委員会で仕事をさせていただいていますから、医療、介護、福祉、この充実の大切さ、充実の必要性、これは誰よりも訴えてきているつもりであるし、それは理解をしています。しかし、経済全体が落ち込んだら、医療、介護、福祉の支えでやっておられる方も含めて、国民全体が塗炭の苦しみにあえぐ、こういう経済とか社会に関する基本的な理解がないと、なかなか今のアベノミクスというのは理解ができないと思います。  だから、私は、今、民主党さんがおっしゃられたような議論をここで大臣とするつもりはありません。もちろん、改革が足りないかなということはあって、その思いは十一月一日の本会議でももう既に申し上げておりますので、それについてもここで繰り返すつもりはありません。  社会保障プログラム法案については言いたいことはいろいろある、それについては本会議で申し上げた。だから、私は、言いたいことはあるが、社会保障プログラム法案については賛成の立場でありますが、党としてはいろいろ議論があって、反対だということだそうであります。なぜ私が社会保障制度プログラム法案に賛成かというと、これはやはり一歩前進だと思います。田村厚生労働大臣のリーダーシップでよくここまで持ってこられた、さまざまな改革の弾が入っていると思います。  ただ、財政の問題とか、あるいは社会保障の今後、少子高齢化の現実、そういうことを踏まえると、私は、改革のスピードはやはりもっと上げた方がいい、こう思っていますが、ここまでやるのも大変だと思うし、これから自民党内の、与党内のいろいろな議論もあるので、私は一歩前進だと思っていますが、日本維新の会として反対の理由は、また後で、別の委員から申し上げることになると思います。  きょうは、私は徳洲会の話をします。  自民党、与党の委員の方々は、もう徳洲会の話はいいかげんにしろということだと思いますが、私、これも民主党さんのように、大臣室がどうとか議員会館でどうとかいうことに関心はありません。それは、適宜また民主党さんとやっていただいて、ただ、今回の徳洲会の問題は徳洲会の問題にとどまらないと私は思っているんです。(発言する者あり)そうですよね。大西先生とはいろいろ仲よくやらせていただいていますので、民主党にも……(発言する者あり)時間ないですね。急ぎます。  徳洲会の問題は、私は、医療界全体の問題としてしっかりと厚生労働省は受けとめる必要があると思います。なぜこんなことが起こったか、私は再三申し上げている。  本会議でも、ミクロの改革として必要な二大テーマは情報化と会計基準だと言った。医療法人は会計基準がないんです。きょうマスコミの方もいらっしゃっていますから改めて申し上げるが、日本に数ある法人制度の中で、会計基準をいまだに整備していないのは医療法人だけ。  平成十七年に、今原発ゼロをおっしゃっていますが、私は原発ゼロについては反対ですが、小泉総理の時代に医療制度改革大綱というのをまとめられた、閣議決定をした。この中に、医療法人に必要な会計のあり方については検討すると書いてあるのに、何年もたったいまだにそれができていないことは再三ここでも指摘をしてきた。この問題と徳洲会の問題は、私は関係があると思っているんですよ。大臣、その点どうですか。

○田村国務大臣 今般の、病院のお金がいろいろな選挙に流れたという報道があります。真相はちょっと私も、捜査中でわかりません。あくまでも報道ベースの話でありますけれども。  そういうお金の使い方というものが、会計基準がないという中において、チェックがなかなか入らないという中でいろいろな使い方がされたとするならば、委員のおっしゃっていることは、私は、一つの考え方、一理あるというふうに思います。

○足立委員 まさに、いわゆる会社の世界ですね。  私、経産省におりましたのでそればかりやっていたんですけれども、会社の世界には会計というと三つあるわけです。要すれば、金商法の世界、金融庁がいろいろやっています、それから法務省がつくっている会社法の商法会計というもの、それから国税庁、きょうも国税庁においでをいただいておりますが、いわゆる税務会計。  医療法人は法人税をお支払いいただいていますから、当然、国税庁は税務会計の観点から税務調査もしておられるはずでありますし、さまざまな医療グループにかかわられている公認会計士あるいは税理士の皆さん方は、それにかかわられて書類をつくっているわけです。しかし、私が承知している限り、医療界は最低限の税務会計をやっているだけ、これが現実だと思っています。  ちょっとこれは前後がひっくり返りますが、例えば、医療界はさまざまな医療機器を使いますね、リースで運用したりいろいろしています。会社の場合は、そういうリースあるいは退職給付、こういったものはオンバランスさせるのが常識なんです。なぜ常識か。それをオンバランスさせ財務諸表に載せておかなければ、銀行がお金を貸すときに、倒れそうなところに貸しちゃうということになって債権者保護ができない。当たり前のことが、今、医療界ではどうなっていますか。

○原政府参考人 お答えいたします。  医療法人、病院等一般と考えていただいたらいいと思いますが、高額な医療機器などについてはリースの手法を活用されております。ただ、会計上の取り扱いについては、御指摘のとおり、そのリース会計を別建てにしているところもあればそうでないところもあるという状況でございます。

○足立委員 具体的な数字をお持ちですか。ない。  私も、厚生労働省に聞いても何も出てこないので、ちょっといろいろ調べてみました。いろいろなものがあるんですけれども、一番興味深かったのは、日本公認会計士協会が医療法人の財務分析に関する報告書というのを、これは、ごめんなさい、事前にお渡ししていませんので、もうこっちでしゃべりますが、いろいろな分析をしています。  この報告書は、医療法人会計基準を早くつくりましょうという報告でございますが、例えば、退職給付について引当金を積んでいる、これは大病院を調べたんです。大病院を調べて、選定した特定医療法人、大きなところから上位二十医療グループを取り上げていまして、その中には、当然、徳洲会も含まれております。  その中で、病院が幾つかある中で、退職給付引当金をそもそも計上しているのは、ここの数字でいうと、計上しているのが十、計上がないのが二十三と出ています。この報告書は、その数字を見て、引当金の計上が不必要な法人が、まあ、それは不必要な法人もあるでしょう、不必要な法人がこれほど多数に上るのかどうかは疑問である、おかしいじゃないかと言っているんです、日本公認会計士協会が。  こういったことも、政府の中で一体誰がこれを監督しているんですか。

○原政府参考人 医療法人の会計については、当然ながら、厚生労働省が担当することになりますけれども、御指摘のように、会計基準そのものが医療法人全般についてはございませんので、これについては、国民にその財産等も含めて情報を明らかにしていくという意味でも、会計基準を早急につくりたいというふうに考えております。

○足立委員 なぜ、平成十七年に検討を始めたのに今までかかっているんですか。

○原政府参考人 昨日もお答えをいたしましたけれども、小泉政権時代に、つくろうということで、その検討会を、いわゆる四病協、四病院団体協議会の方でつくっていただきまして、検討を進められておりました。  ただ、その当時、同時に医療法人全体の改革の議論が進んでまいりまして、例えば特定医療法人などの制度がちょうどできたころでございました。その関係もございまして、その議論が一旦とまったというふうに聞いております。その後、再開されまして、今現在、鋭意作業を進めていただいているという状況でございます。

○足立委員 今、医政局長の方からも、きのうという話がありました。実は、この同じテーマ、きのう経済産業委員会でもやらせていただきました。これは、いわゆる成長戦略の関係ですね。  ヘルスケアの分野は、これから日本の成長を担う大変重要な分野だと皆様方も認識をされていると思います。私は、本会議で、成長戦略の観点から、これをしっかりした方がいいよ、こう申し上げたわけであります。だから、徳洲会みたいなネガティブな話を取り上げるつもりはもともとないんです。これからは、この世界が、医療、介護、福祉の世界が、大きく豊かに、実りある形で、国民の皆様に奉仕をしていく世界として広がっていくためには、こういうおかしなことはもう早く直した方がいいんじゃないですか、これは成長の前提ではないですかということを申し上げたわけでありまして、きのうもその点を取り上げたわけであります。  検討します、検討しますというところについて、大臣からも、先日、年内にはということでおっしゃっていただいていますので、今度こそは年内に取りまとめられると承知をしていますが、ぜひ、これは厚生労働省として、しっかりとヘルスケア分野の適正化に向けて御努力をいただきたいと思います。  ちなみに、社会福祉法人については会計基準があります。医療法人だけが踏ん張っているんですよ。恐らく、まあいろいろあるでしょう、計上していないものが表に出ると銀行がお金を引き揚げてしまうとか、いろいろな議論があります、経営は。それはそれで開示をして、不良債権のときと同じです。  医療界にもし問題があるのであれば、医療界は、ちょっとこれは私見ですけれども、診療報酬の世界でしょう。基本的には、同じ枠組みで日銭が入ってくるわけです。すると、経営力に差がある。経営力には必ず差があります、釈迦に説法ですけれども、医療というのは民間産業なんです。社会福祉法人はもともと措置の世界から来ているので、もともと公的世界です。  医療はもともと、きのうもやったんですよ、中小企業庁長官にお越しをいただいて。なぜ、中小企業政策の中でも信用保証制度は医業を対象にしているのかといえば、これは歴史的経緯があって、昔、医業は純粋民間産業だったんです。そこに皆保険制度がつくられたという経緯があるから、もともと民間なんです、純粋に。  ところが、会社の世界がどんどんどんどんイノベーションを繰り返し、グローバル経済の中で、どんどんどんどん政策もイノベーションしていった。法務省と経済産業省が累次、会社法の改正を繰り返し、国税庁、財務省も税法をイノベーションしていった中で、この世界だけはもうずっと五十年前、六十年前のまま、零細企業と同じような取り組み、管理を、世界進出も果たしつつある徳洲会はずっとやってきた。それを見てきたのは国税庁だけで、今伺っていると、どうも厚生省はほとんど何も見ていないんじゃないですか。  例えば、徳洲会グループについて、この全体像を把握していらっしゃいますか。よく新聞でも、何法人、何施設とあります。いわゆるMS法人まで含めて、全部把握していますか。

○赤石大臣政務官 お答えいたします。  徳洲会グループにおいて、病院、診療所または介護老人保健施設を運営している法人は、医療法人が十六法人、そのうち社会医療法人が二法人、特定医療法人が一法人。そして、社会福祉法人が二法人。そして、消費生活協同組合が二法人というふうに承知をしております。  また、徳洲会グループの営利法人は十法人と承知しております。  以上です。

○足立委員 この関連会社十法人、これはどういう基準で選んでいるんですか。

○原政府参考人 お答えします。  これにつきましては、徳洲会の方から任意に、関係法人ということで御報告をいただいているということでございます。

○足立委員 それは、基準がないということですか。

○原政府参考人 御指摘のとおり、基準を持って報告いただいているわけではございません。

○足立委員 これも、会社の世界ではあり得ないですね、あり得ない。  これは、申しわけない、田村大臣はずっとこの世界を仕切ってきていただいているので、何度も申し上げて……(発言する者あり)ごめんなさい、ずっとお詳しいプロでございますが、かつ、この委員会でも何度も田村厚労大臣には尊敬申し上げていると申し上げてきましたが、この点だけは田村大臣も余り十分注視をしてこられなかったかもしれないけれども、今回の徳洲会の事件、私はその事件自体に余り関心はないんです。これから医療法人の世界をどうしていったらいいんだろうかということを、本当に私も考えています、悩んでいます。  今おっしゃった十の関連会社、基準がないんです。徳洲会グループがこれはうちのグループですと言った会社が関連会社なんです。それでいいんですか。

○原政府参考人 御指摘のとおり、徳洲会本部から報告いただいただけの情報しか持っていないというのは現実でございます。  ただ、資本的に株式会社を支配するとかそういう関係については、そういうことは、医療法人が支配するということはあり得ないと思っておりますので、そのための基準というものはつくっているわけじゃないということです。

○足立委員 これは本当に大事なことで、実は私、この委員会で、非営利法人と営利法人は、非営利法人だから健全だという厚生労働省の基本認識は間違っているということを何度も言ってきました。もちろん、小さな会社で、営利法人でも非営利法人でもいろいろなところがある。でも、ぜひ厚生労働委員の皆様も認識を新たにしていただきたいのは、営利の方が健全な場合もあるんです。  なぜ健全か。資本関係を通じて全部開示されているんですよ。持ち分、要は、関係を持つときには出資をする、そして、その連結の財務諸表を全て開示することが、金商法、会社法、そして税法の中できっちりと規定されていて、細目までも、大変なルールの固まり、何十年にもわたって積み重ねられてきた規範があるんです、会社の世界には。その規範の上に営業している会社は、何かポケットに物を入れるから、それは悪いことをする可能性がある、だから非営利法人なんだ、そういう認識は私は間違っているとずっと申し上げてきました。  実際、この徳洲会においても、もう報道をここで一々読み上げませんが、関連会社の役員報酬という形で親族に大金が還流をしているんです。医療法人は莫大な、今この徳洲会グループについても、医療法人徳洲会だけで二〇一三年の売り上げは千八百五十三億円、利益が九十四億円。その利益はどこに行っているんですか。もちろん、営利の世界と同じで、再投資に回されます。  徳洲会の事業規模、この数年の推移はどうなっていますか。

○原政府参考人 徳洲会グループ全体の事業規模の推移については把握しておりませんけれども、厚生労働大臣所管の医療法人徳洲会、それから特定医療法人沖縄徳洲会の二つにつきましては、事業収益の過去三年間の推移は、合わせまして、平成二十二年度で二千五百四十七億円、平成二十三年度が二千七百四億円、平成二十四年度は二千八百四十七億円となっております。(足立委員「もうちょっとさかのぼって」と呼ぶ)  今、手元に持っているのは、二十二年度からのものだけでございます。

○足立委員 報道等にも出ていますが、今、大変拡大を続けてきて、海外にもさまざまな投資をしてきている。  きょう申し上げたような管理しか、要は誰も監督をしていない。そうですよね。厚生労働省が知らないんだったら、誰も知りませんよ。国税庁が税務の観点から、税務会計の観点からやっているだけ。  徳洲会グループの銀行等からの借り入れは幾らありますか。

○原政府参考人 お答えいたします。  徳洲会グループの銀行等からの借り入れでございますが、今ほど申し上げました、全体は把握していないということで、今、大臣所管の二法人につきましては、借入金、過去三年間、平成二十二年度千五百八十六億円、平成二十三年度千三百十四億円、平成二十四年度千三百五十三億円となっております。

○足立委員 本当に、今おっしゃった数字は一部ですよ、一部。厚生労働省が直接うちが所管をしていると思っている範囲です。  ところが、さっき申し上げたように、関連会社十社、その十社も含まない数字ですよね、多分。そうです。だから、関連十社さえ管理をしていない。加えて、関連十社を選ぶ基準も持っていない。すると、徳洲会が自己申告でうちの関係会社ですよと言ったところだけを見て、存在は知っている、その中身は知らない。  大臣、申しわけないですけれども、これはいかがですか。

○田村国務大臣 おっしゃるとおり、多分、グループという基準がないんだと思います。  そもそも、持ち分があればある程度はわかるんでしょうけれども、持ち分のないところは、理事会の構成であるとか、そういうところ、また、人的な支配力みたいな、それは何かというと、医療法人をつくり上げていく中での活躍度といいますか、汗をかき、お金を出したみたいな、そういうような中において、人的支配力で言うなればグループなるものの存在みたいなものがあるわけであって、資本があるわけではございませんので。  そもそもグループという定義自体がしっかりしていないという中でございますから、それは、委員がおっしゃられている意味も一理はあるというふうに思います。

○足立委員 大臣は一理とおっしゃいますが、十理ぐらいあると思います。  これも、ちょっともう時間が余りありませんから、指摘しておきたいのは、私はいい人間だと思っているんですけれども、私が悪い人間だったら、これはいろいろなことができますよ。  要は、医業というのは、例えば病院がありますね。病院の建物、これは医療法人が持っているところも多いですが、徳洲会はこれを流動化しようとしていました。もう、しているのかもしれませんが。  流動化するということは、その建物の所有は外の会社に任せるということです。だから、徳洲会は建物管理の会社も持っています。わかりますか、言っていること。要すれば、医者が医療行為をするところだけが医業なんです。あとの、いろいろな資材の供給とか、あるいは建物、食事、さまざまな医療サービス、そして関連事業、全て外に出すと、医政局長の知らない世界になるんですよ。いいですか。  そして、今大臣がおっしゃったように、では、グループをつなげるきずなは何か。二つしかないんです。人間関係と取引関係の二つだけ。いいですか。  だから、どうも何か、徳田理事長が退任をされた後、関連会社の役員に親族を全部つけた等の報道がありますけれども、わかりますか、徳田理事長が医療法人の理事長を退いたその後に、報道で見る限り、親族を関係会社の社長にばあっと張りつけたわけですよ。これが非営利法人の支配形態なんです。悪いと言いませんよ、非営利法人はそれしかないんだから。  だから、私は、必ずしも非営利法人というガバナンスが健全性を意味するのではないんだ、トヨタ記念病院の方がよっぽど健全だ、こう申し上げているわけでございます。  余り後ろ向きのことばかりやっていても悲しくなりますので、もう一つだけ関連のことで取り上げたいと思います。  その前に、国税庁にきょうは来ていただいています。  国税庁は、今も大変お忙しいと思いますが、今申し上げたように、私が仄聞するところによると、特に税務調査を受ける側の体制は、医療グループの体制もしかり、それを監督している役所の体制もしかり、非常に心もとない状況にあるわけですが、こういう税務会計の現状において、これは本当に法人税等の課税の公平は保たれているのか、国税庁のお立場で御答弁をお願いします。

○岡田政府参考人 お答えをいたします。  特定の医療法人ということになりますと、ちょっと守秘義務の関係がございますので、一般論ということで申し上げます。  国税当局におきましては、納税者の適正公平な課税を実現するという観点から、法定調書のほかに、税務職員が独自に課税上有効な各種資料情報の収集に努めております。  法人の方から申告書が出てまいりますと、申告書及び申告書附属書類だけではなくて、こういった資料情報とあわせて分析をいたしまして、課税上問題があると認められる場合には税務調査を行うなどして、適正公平な課税の実現に努めているところでございます。

○足立委員 今御答弁いただいたように、国税庁は独自の調査をして、実際に報道を見ても、国税庁の指摘でとまった案件、国税庁の指摘で修正された案件、この徳洲会についても幾つかあるようであります。  しかし、それは税務調査なんです。私が厚生労働省にこの厚生労働委員会で申し上げているのは、厚生労働省としてちゃんとルールを、規範をつくってくださいということを平成十七年から言い続けてきたわけです。さっき申し上げた商法会計に相当するものが、会社法が会社に求めている規範が、この医療法人の世界にはまずゼロである、全くない。積み上がる規範が、何十年にもわたってつくられてきた規範が、この世界にはゼロだということです。  最後に、これが、こういう状況だと何が困るかというと、私は別に徳洲会をとっちめたいとか、何か厚生労働省をとっちめたいとかいうことは全くありません。関心がないです。それはつかさつかさでやってください。  私が関心があるのは、冒頭申し上げたように、また、田村大臣も民主党の質問に対してお答えになったように、大事なのは成長なんです。そして、医療のヘルスケア産業の、産業と言うと怒られるんですね、ヘルスケア分野の健全で適正で、そういう公正かつ適正な医療のあり方なんです。そして、その世界が広がっていく。  そのためには、これだけ膨大な産業、膨大な大きくなった世界、私は、当然、いわゆる会社の世界における分割、合併等の再編だってあるだろう。  さまざまな医療の機能がこれから分化をして、それがまた、医療の機能分化の中で、あるいは医療と介護の連携、介護と福祉の連携、地域において地域包括ケアシステムというものをつくっていく、それを市町村あるいは都道府県でまとめていく、そして、都道府県単位での保険者がそれを情報化を通じて管理していく、そういう壮大な絵を、田村大臣筆頭にこれからつくっていっていただく必要があるわけであります。  例えば、会計基準がないことがそれにどう影響するのかといえば、例えばあの病院の、例えば徳洲会のあそこは非常にいい、徳洲会の経営はずさんだったけれども、徳洲会の持っている離島のケア、この機能は不可欠だから、別の法人がそれを引き受けるとか、いや、知りませんよ、そういうことがあるかどうかは知りませんが。  あるいは、先進医療の、先進的な機能を持っている医療機能を統合して、A病院とB病院とC病院の先進機能を合わせて一大先進病院をつくるとかいうときに、必ず組織再編が必要になります。  これも前回も申し上げたかもしれませんが、会社法の世界では、大変精緻な制度、それは組織再編の規定であったり、あるいはそれにまつわる税法が整備をされている。ところが、医療法の世界は、やっと今回、社会保障プログラム法案に、医療法人間の合併だけは何とかしようと書いてある。しかし、再三申し上げているように、病院を持っている法人は医療法人だけではない。社会福祉法人立の病院もあれば、学校法人立の病院もあるから、あるいは営利と非営利を超えて、さまざまな医療法人間の異種合併あるいは分割、そういった組織再編規定を早期に整備をし、その関係の税制も整備をしていく必要があると思います。  一応、せっかく国税庁にもおいでいただいたので。  今、この非営利法人の世界における、まず、合併規定は少なくとも法律には規定がないということは承知をしていますが、税制上どうなっているか、御教示をください。

○岡田政府参考人 お答えをいたします。  合併に際して税法上問題になりますのは、吸収合併される法人の資産の譲渡損益がその時点で時価で認識され、計上され、課税関係が生じるかどうかということになるかと思います。この点につきましては、税法上に規定がございます。  一般論ということで申し上げますけれども、出資のない法人同士が合併した場合に、税法上に定められた特定の適格要件を満たしているときには、合併によって移転する資産については、その時点で認識することなく、税法上の課税関係は生じないということになっております。  具体的にどういうようなことが税法上の適格要件になるかというのは、いささか長くございますので、簡単に申し上げますと、例えばということで申し上げますけれども、合併法人と被合併法人との間に事業関連性があること、あるいは、被合併法人の事業が合併後も継続して営まれることなど、幾つかの要件がございまして、これを満たすことができれば課税関係は生じないというような形で税法上に規定がございます。

○足立委員 今おっしゃられた規定は、これは非営利法人のためにつくられた規定ですか。  それから、そのいわゆる共同事業要件等は、これは営利の世界と同じですね。改めて。

○岡田政府参考人 合併関係の規定は、合併する側と吸収合併される側との間の資本関係がどの程度あるのかによって基準が分かれておりますので、営利法人であるとか一般法人であるとかということではなくて、一般的な規定として置いてあります。  その中で、出資のない法人に関しましては、これは資本関係がございませんので、全く資本関係がないということでどういう要件が課されているかという規定のされ方になっておりますので、いずれの法人に対しても共通に課されていくということになります。

○足立委員 今おっしゃられたように、これは共通の基準で、いわゆる共同事業要件、会社の世界では、これは大変重要な要件なんです。この要件によって適格、不適格が決まり、それによって合併時の課税が決まるんです。課税がされるかされないかが決まるんです。  この共同事業要件をよく勉強していただいて、しっかりこういうものを勉強していただいて、これが共同事業性の一つの規範の例ですよ。これは税法の世界でありますが、税法、会社法、そして金商法の世界もしっかり勉強していただいて、制度イノベーションをお願いしたいと思います。  私は、きょう、いただいた時間を使わせていただいて、徳洲会グループの問題は、徳洲会グループの問題にとどまらない、これは厚生労働省の問題だ、そして、ネガティブな話だけではなくて、これは日本の成長にかかわる重要なことなので、厚生労働省が自分の問題として正面から取り組む必要がある、こう指摘を申し上げました。  最後に、大臣から、きょうの一連の質疑をお聞きいただいて、御見解をお願いします。

○田村国務大臣 なかなか講義が難しかったものでありますから、理解できていない部分もありますが、合併の規定はあるようでございます。ただ、分割の規定がないようでありますけれども。  今のお話をお聞きいたしておりまして、やはり医療の会計基準というものを早急につくっていかなきゃならぬなと改めて感じました。  一点だけ、ちょっとここは委員とは意見が合わないんですが、我々は、株式会社が悪いことをする、そう言っているわけじゃありません。徳洲会を言うわけではありませんけれども、それは医療法人だって悪いことをするところは出てくるわけでありまして、問題は、やはり株式会社は利益を上げることが一番の目的であるわけであって、それを株主にしっかりと還元する。そのためには、合法的に稼がなきゃならないという使命があるわけであります。なるべく利潤を最大化しようと。  医療法人等々、言うなれば、非営利法人はそういうところがないわけでありまして、その部分で、合法的に利益を最大化する中において、本来必要じゃないような医療というものも提供されていく、そのような可能性はあるのではないかということで、なかなか株式会社に参入を認めるわけにはいかないという考え方があるということでございます。

○足立委員 もう時間が来ていますが、合併に関する規定は、恐らく通達で行われているだけで、法律では……(発言する者あり)法律にもある、では、ちょっと後で確認しますが、いずれにせよ、プログラム法案でそれはやるということになっている。  それから、会社についての理解は、まさに違います。会社についてそういう理解は、私に言わせれば一面的でありまして、会社というものはそんなに薄っぺらなものではないというふうに私は思います。  いずれにせよ、この会計の分野での厚生労働省の取り組み、速やかで、かつ包括的な取り組みをお願いして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

 

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