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あだち康史
あだち康史
衆議院議員
Profile
衆議院議員4期、大阪9区支部長。日本維新の会憲法改正調査会長、国会議員団政務調査会長、幹事長代理、コロナ対策本部事務局長等を歴任。1965年大阪生まれ。茨木高校、京都大学、コロンビア大院。水球で国体インターハイ出場。20年余り経産省に勤務し欧州に駐在。東日本大震災を機に政治を志す。
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議事録 Transcripts

2013年11月14日 衆議院 原子力問題調査特別委員会 一般質疑 福島第一原発事故の収束、損害賠償責任等の見直し

足立 康史

185-衆-原子力問題調査特別委員会-2号 平成25年11月14日

○森委員長 次に、足立康史君。

○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 通常国会に引き続いて、原子力特委で委員を務めさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
 そして、この原子力特委については、通常国会から森英介委員長のもとで開催をしてきたわけですが、私としては、もっと早く開催をしたかったという思いはありました。福島第一原発での汚染水の問題等がいろいろと厳しい状況になる中で、やはり国会事故調を受けて設置されたこの委員会、閉会中であれ何であれ、とにかくこの委員会だけは速やかに開いて審査をする、そういうことが必要であるというふうに思ってまいりました。
 しかしながら、いろいろな御事情もあり、また、臨時国会が始まってからは大変多くの法案の処理があるということで、大変厳しい状況であることは承知します。
 そういった中で、鈴木筆頭理事を初め、本当に、与党の理事の先生方、また民主党の中川理事にはお骨折りをいただいて、きょう開催にこぎつけたこと、まことに感謝を申し上げたいと存じます。
 それから、きょう、先輩方の、鈴木理事あるいは中川理事の質疑、質問を聞いておりまして、大変同感だなと思うことも多々ございました。中川理事がおっしゃった諮問委員会の話は、理事会でも出ておる話でございますが、国会事故調の提言に沿って、ぜひこれは今この体制で実現をしていけたらなというふうに、私も力を尽くしてまいりたいと考えているところでございます。
 それから、鈴木筆頭が質問の中でおっしゃった、福島第一に係る膨大なデータがあるということは、私も実は、通常国会で関連する質問をさせていただいたことがございます。きょうは廣瀬社長もおいででございますが、東京電力がいろいろ一生懸命今対応していただいているのもわかりますが、一方で、当然、東京電力は、民間の事業者として、さまざまな訴訟の対象にもなるわけでございます。その当事者が果たして、鈴木筆頭がまさにおっしゃられたように、これは日本だけじゃなくて、世界の未来にとって、日本の未来にとって大変重要なデータが日々蓄積をされておるわけでございますので、私は、このデータの保存、文書の保存、これについては超党派でぜひ枠組みをつくっていく必要がある。
 先ほど、田中委員長の方からも、政府のつかさつかさで分掌していますから、経済産業省、あるいは規制委員会、さまざまな役所でしかるべきデータ、文書が保存されていますよという御答弁もありましたが、やはり、どこか一元的な、この福島第一についての関連文書、関連データは、東電任せにせず、ほとんどは東電が持っているわけでありまして、訴訟等の当事者である東京電力が世界の未来の遺産を管理するのはふさわしくない、私はこれだけは申し上げておきたいと思う。
 それから、実は、党としてではなくて、一人の政治家として、議員立法の案も実はまとめつつあります、そういうデータ、文書等の保存について。これは、ここで申し上げるのもなんですが、原子力特委の皆様方がおいででございますので、場をわきまえず恐縮でございますが、私案、そういったものもまた個々のそれぞれ委員の方にもお持ちをして、また御説明をさせていただきたい、こういうふうに考えております。
 それから、委員として、かわられた委員の方々もいらっしゃいますが、私は維新の会なので、原子力について、いろいろな立場が党内にもございます。一方で、委員長はよく承知していただいているんですけれども、家庭内にも争いがありまして、私は、二人とも、妻も含めて経済産業官僚だったものですから、私はやめて、大阪から政治を志した。今、妻はIAEAで世界の原発の安全をどう確保するかという仕事に関与をさせていただいていまして、維新が原発について反対基調であるときには、よく家庭争議にも発展をすることがございます。最近、維新はよくわからない状況になっているので、家庭的にはやりやすいんですが、党としてはしっかり対応を決めていかなあかんと思っています。
 実は、きょう、民主党の中川理事が質問している間、私、ちょっと席を外させていただいておりました。大変恐縮でしたが、維新の会の、原発輸出に関する党の方針を決する部会に、平沼国会議員団代表も含めてお出をいただいて討議をしておったものですから、ちょっと席を外させていただいた次第でございます。
 ちょっと前置きが長くなりましたが、いただいている時間、久しぶりの原子力特委でございますので、積み残し案件も含めて質問をさせていただきたいと存じます。
 まず最初なんですが、私、実は、きのうまでは、今、福島第一の状況あるいは福島第一の事故の収束に向けた、あるいは廃炉に向けた状況は、大変大きく、まあ、大きくというのは言葉が悪いですね、何とか一歩一歩前進をしているなと、外から、脇から拝見をしていて思っておりました。
 具体的には、ALPSの運転、これが何とか動き出している、まだ試運転でございますが動き出しているとか、あるいは、四号機の使用済み燃料の取り出しが始まった。働かれている方々の環境の整備にも、廣瀬社長のリーダーシップで、大変速いスピードで今、問題が発覚してから速やかに対応いただいている。また、復興についても、個人線量の問題、私は基本的には賛成でございます、線量の仕組みを見直される動きとなっていること。
 それから、私が与党の今の取り組みで一番ありがたいなと思っているのは、それが事実かどうかちょっとよくわかりませんが、福島の復興で、全員帰還という方針に修正が加えられつつある、こういうふうに報道では伺っております。
 私、実は、昨年の十二月に初当選をさせていただいた後、初質疑が予算委員会でございまして、三月の十三日に、NHKのテレビ入りの予算委員会で、安倍総理に僣越ながら御意見申し上げたのは、全員帰還方針は、やはりそれはやめた方がいいんじゃないかと。やはり、帰らない地域があるのもやむを得ないし、帰らない方々がいるのもやむを得ない、そういう前提で、早く決めること、早く決めてあげることの方が、被災者の方にとって、実はそれが被災者の方々のためにもなる面があるということを三月の予算委員会で申し上げ、安倍総理からも、そういう考え方はあるということで一定の御理解をいただいたのを今でもよく覚えていますが、それが三月ですから。
 今、十一月になって、新聞の見出しに、全員帰還方針を見直すということ、事実かどうかわかりませんが、それが紙面を躍るというような状況までやっと来た、半年以上たってでございますが、来たことに、個人的にも、一歩、二歩、三歩前進かなというところでございます。
 一方で、格納容器からの水漏れが見つかった。これはロボットによって見つかったという報道もございます。そんな報道に触れると、そういう前進しているなという気持ちがまた暗たんたる気分に、気持ちが揺れるわけでございます。
 ぜひ、最初に、田中委員長、大変お忙しい中、きょうもおいでをいただいています。まず、廃炉、汚染水の問題、こういった福島第一全体の収束の状況について、一体前進をしていると見ていいのか、目の前は闇なのか、この辺、率直なところ、委員長の現在の御認識を伺いたいと思います。

○田中政府特別補佐人 委員からも既に御指摘がありましたように、汚染水対策に関しては、最終的に、放射性核種を取り除くALPSというのが、ようやくいろいろなトラブルを克服して動き出したということでございます。私の目から見ますと、その容量、能力はまだまだ足りないと思いますので、今後、増強して、できるだけ高いレベルの放射性汚染水は低レベルのものに変えていっていただくということが大事かと思います。
 また、四号機の燃料取り出しに関しましては、十二日に規制委員会より、設備の使用前の検査について終了証を出したところであります。今後、近々、東京電力において燃料の取り出し作業が開始されることになると思いますけれども、四号機の上の使用済み燃料というのは、大きな心配事の一つですから、これがきちっと安全に進むということは大きな前進だというふうに思います。
 それから、今月八日に、きょうもいらっしゃっていますけれども、廣瀬社長より、福島第一原子力の緊急安全対策が示されました。その以前に直接お会いして、幾つかの私からの懸念事項を示して、早急に取り組むようお願いしたところ、早急にこういった改善、安全対策が示されたということですので、これにつきましては、今後、私どもとしては、それができるだけ速やかに、実効性のあるものとして、目に見えるものとして進むものということを期待しているわけであります。
 その一方で、福島第一はまだまだリスクが高いという状況であります。今御指摘がありました、格納容器からの水漏れ箇所が見つかったということは、ある意味じゃ心配事ではなくて、多分、これまでも、格納容器のそういったところの水漏れが幾つかあるだろうと、それが、まだ二カ所だけですけれども、特定できた。
 今後、そういった調査をすることによって、どういったところから水が漏れているとかということがわかれば、それを防ぐことによって、いわゆる抜本的な汚染水対策に進むものというふうに捉えていただいた方がよろしいんじゃないかと思います。
 また、住民避難につきましては、個人線量を直接はかるということについて、御支持いただきまして、御理解いただきまして、大変ありがたいと思います。とにかく、私どもとしましては、住民の方が少しでも安全、安心を持って復帰していただくようにするということが前提でありますので、放射線だけでは決してそういうことにはつながらないということを報告書の中にも再三書かせていただいておりますので、そういったことも含めまして、ぜひ、御支援をいただいて、福島のいわゆる避難民の方が、避難されている方が、少しでも、一日でも早く帰りたいふるさとに戻れるようにしていただければというふうに思います。
 いずれにつきましても、サイト内外を含めまして、私ども、総力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。

○足立委員 ありがとうございます。
 同じ趣旨の御質問を廣瀬社長にもいたしたいと思っておりましたが、もうほかでも出ておるかもしれませんし、もし、福島第一の現状について、簡潔で結構ですが、特に今、ここで改めて廣瀬社長の方から補足いただけることがあればおっしゃっていただいて、特になければ結構でございますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、早速中身に入っていきたいと存じます。
 トリチウムについて、一時、大変議論になったことがございまして、経済産業省等が主催等をしていただいている、いわゆる汚染水の問題のプロジェクトチームか何か、いろいろな場でも、トリチウムについて特に議論をするということがあったやに記憶をしております。
 二つちょっと確認したいことがあって、一つは、トリチウムというのは、やはりこれはいかんともしがたいものなのか。
 実は、私の手元に、これは、経産省か規制庁かが公募をしているものに対する十月二十三日付の提案書の一つがございますが、提案の件名は、トリチウムの分離、除去技術、こうなっているわけでございます。この紙はアメリカの会社だったと存じますが、世界からトリチウムについてこういう諸提案があることについて、やはり、通常よく一般に言われているように、それは提案はあるが分離することは理屈上無理なんだということなのか、あるいは、ちょっとそれは提案を見てみないとわからないのか、この辺、いかがでしょうか。

○赤羽副大臣 この提案は、まだ詳細はこれから検討でございますので、見てみなければわからないわけでございます。
 ただ、国内外の英知を結集するということで、IRIDを中心にこういったアクションを起こし、これだけ多くの御提案があり、その中に、今、足立委員おっしゃっていただきましたが、トリチウムの分離技術ですとか、トリチウムの長期安定的貯蔵方法等についての幅広い技術の提案も含まれておりますので、我々は、その提案を検討しながら、先ほど中川委員から全く同じ質問を受けたので同じ答弁になりますが、最終的には、この件については、地元の皆さんに本当に十分な御理解をいただいて、また、安心をいただく結論を導かなければいけない、こう考えております。
 と申しますのは、前段で、ちょっと別な話ですが、私も、毎週二日、現場に行っておりますが、避難指示解除の基準も年間二十ミリシーベルト以下ということであります。そのことを達している地域も十分ありますが、なかなか当事者の皆さんにおいては、前政権時代から一ミリシーベルトという数値がすごく、一定の基準としてあるものですから、その辺のリスクコミュニケーションをどうしていくのか。理論的には大丈夫だと言っても、なかなか当事者は受け入れがたいというのが現実でありますので、そのギャップをどう丁寧に埋めていくのかということが、やはり私は、このことに当たる基本的な考えでなければいけない、こう考えております。

○足立委員 赤羽副大臣、ありがとうございます。
 今おっしゃっていただいた中に、もしかしたら、汚染水の処理水の海洋放出の話も含まれていたかもしれませんが、今、このトリチウムの分離については、技術的に検討が続くということと理解をしましたが、当面、ALPSが稼働しても、その処理水はトリチウムを含んでいるわけでございます。
 以前、田中委員長が、正確ではないですが、私が記憶しているところでは、トリチウムを含んでいるかどうか、どういう言及があったかわかりませんが、いずれにせよ、処理水あるいは汚染水、処理水を希釈して海洋に放出することも視野に入れた御発言があったと記憶しております。その処理水等の海洋放出に関する現時点でのお考えを田中委員長からお聞かせいただけますでしょうか。

○田中政府特別補佐人 今、経産副大臣からもありましたように、トリチウムも含めまして、できるだけ除去していくということについては、ぜひ、それに努めていただきたいと思いますが、正直言いまして、私も、トリチウムについては、昔、大分扱ったことがありますけれども、このトリチウム水を除去するというのは、少量であればともかく、大量の水の中からわずかのトリチウムを除去するというのは大変なことであります。例えば、二兆ベクレルというとんでもない値ですけれども、量にすると三十cc以下、それぐらいの水にしかなりませんので、そんなものを分離しようと思うと大変なことになりますので、そういったことを個人的に思っております。
 とはいうものの、規制側として考えますと、やはり、トリチウムについても、これまでも、各原子力発電所を含めましていろいろなところで、定常的に動いているときでも相当量海洋等に放出されております。これは国内外を含めてそうであります。その放出基準というのも大体国際的に決められておりますし、それを踏襲して我が国でも基準がありますので、いつまでも汚染水をタンクにためておくということのリスクと、きちっとそういう処理をして基準レベル以下になったものを海洋に放出するのと、どちらがリスクが低いのかということを勘案したときには、やはり放出という選択肢も、事業者の方からの申請がなければ、私の方から放出してくださいということは申し上げませんけれども、そういうことも検討したいということを申し上げた次第であります。

○足立委員 本当に、専門家としての御経験も踏まえた御答弁で、ありがとうございます。
 今、田中委員長の方から、申請がないとという話がございましたが、廣瀬社長、東電としてまだこの件については非常に言及しにくいことかもしれませんが、今、田中委員長が、選択肢として、トリチウムを含んだ処理水の海洋放出について、タンクにためておくこととの、メリット、デメリットというか、リスクを勘案して、いずれ判断も必要だろうという趣旨の御答弁をいただきましたが、東京電力として、廣瀬社長として、今その点についてどういう御見解をお持ちか、お教えください。

○廣瀬参考人 これは、先ほどの中川先生にも同じことをお答え申し上げましたけれども、私どもとしましては、とにかく、日々ふえ続ける、建物に入ってくる地下水を何とか少なくして、より安全な形で保管するということで、ALPSをとにかく急いでやるということはございますけれども、そのALPSを含む、汚染水、水については、今まさに汚染水処理対策委員会でも御議論いただいているところですし、新しい技術の公募というのも控えているところでございますので、私どもとしては、そうしたことに期待したいということで、これまでの考え方と何ら変えるつもりはございません。

○足立委員 大変失礼しました。先ほどちょっとおりませんでしたので、重複しておったとすれば恐縮でございます。
 それでは、トリチウムあるいは汚染水の話は以上にしまして、次に、しばらく規制委員長のお手を煩わすテーマではないかもしれませんが、経産省から赤羽副大臣また磯崎政務官にもおいでをいただいていますし、文科省からも参考人においでをいただいていますので、ちょっと予算の話を確認させていただきたいと存じます。
 これは大変重要な問題だと思っていまして、もうこれも、私が先ほど申し上げた予算委員会、三月あるいは五月ごろから、政府からは、経済産業大臣のみならず、総理も含めて、東電任せにしない、前面に立つんだ、こういう御答弁がたびたび繰り返されてきたところでございますが、私は、本当に前面に出ていただきたい、こういう思いから再三質問をしてきた経緯がございます。
 ただ、結局、ある時点までは、やはり一義的には東京電力の問題であるということで、国は、政府・与党は、東京電力の後ろに隠れていたと言われても仕方がないような状況が続いた。また、予算についても、当面の汚染水対策費用として決定された四百七十億円について、これも私の理解では研究開発費だ。研究開発というたてつけがなければ、財務省との関係で予算がどうしても執行することができない、予算措置を講じることができないということがあったと承知をしています。
 実は、先般、ちょっと日付は忘れましたが、経済産業委員会で閉会中審査の折に、経済産業大臣に、この旨、これは研究開発費でしょう、こういうことを申し上げたら、茂木大臣の方から、いや、足立さん、具体的に見てください、この予算が研究開発ですか、実際に事業に使うんですよということで、違うんだという御答弁が経済産業大臣からあったわけでございますが、この四百七十億円は実証事業を含む研究開発費なのか、研究開発費以外の費目が入っているのか、経済産業省の方から改めて御答弁をお願いします。

○磯崎大臣政務官 お答えさせていただきたいと思います。
 国が前面に出るということで、国がやることというのは幾つかあるかと思いますけれども、その中の一つが財政的な支援ということで、どういう項目について国が財政的な支援を行うかということにつきましては、これはいろいろなところで答弁等もさせていただいているかと思いますが、やはり技術的に難易度が高く、国が前面に立って取り組む必要がある、そういうところに対して国が出ていくということでございます。
 そういった意味では、今、足立委員の方からお話がございましたように、大きくは二つの項目、凍土方式の陸側の遮水壁、これが事業費全体で三百二十億円ということでございますし、もう一つが多性能の多核種除去設備、これが事業費で百五十億円ということで、合わせて四百七十億円という規模でございます。やはり、こういった項目については、なかなか技術的に難易度が高いということで、そこに対して国が対応していくということでございます。
 そういった意味では、なかなかまだ技術開発も進んでいないということでございますので、それに対してはお金を出していくということでございますが、今御指摘いただいたように、茂木大臣が答弁をされておりますように、これは技術開発をしてそこで終わりということではなくて、それがやはり、例えば遮水壁として実際に水をとめる、あるいは除去をしていくということからすれば、これは具体的な効果を有するという意味ではまさに整備実証事業ということになりますので、単なる研究開発でそこで終わりということではなくて、実証という内容を含んだ事業ということでお考えいただければ結構かと思います。

○足立委員 政務官から今御答弁をいただきましたが、私はちょっと明快じゃなかったかなと。いわゆる実証事業というのは、私も役人でしたから、常識的にはそれはそういう実証事業も含めて我々はいわゆる研究開発費と呼んできた。
 ただ、予備費についても、産業技術実用化開発事業費補助金という名称がついています。これはいわゆる研究開発費じゃないんですか。いわゆる研究開発費ですよね。もう一度、イエスかノーか。

○磯崎大臣政務官 お答えします。
 これはいわゆる項目としては研究開発という名目の予算の支出ということかと思います。

○足立委員 名目が研究開発であれば研究開発ですね。私が申し上げているのは、その整理が、実際にお金がどう使われるかということではないんです。もちろん、これまで私が申し上げているいわゆる研究開発費というのは、その中には実証事業費も含まれ、一定の効果を実際に発揮したものも、それはあるでしょう。しかし、大事なことは、国と東電の役割分担の線引きの問題なんですから。この線引きにおいて国はいわゆる研究開発費という枠の中から外には出ていない、そういうことですね。

○磯崎大臣政務官 お答えいたします。
 国と東京電力とがどういう役割分担をするかということかと思いますが、基本的には、その考え方としては、東京電力は炉の設置者ということでございますので、やはり実施主体としての責任というものは東京電力にあるという基本的な考え方はあろうかと思います。
 ただ、やはり、今のこういう状況を見る中では、国が前面に出ていかなければいけないという中で、国がどこまでやっていけるかということにつきましては、非常に技術的に難しい、そういうところについては、やはり国が前面に出なければいけないということでの整理というふうに考えております。

○足立委員 だから、予算措置については、きょう、先ほど磯崎政務官の方から、国が前面に出るということの意味として、幾つかある役割の中の一つとして国の財政措置ということを挙げられました。この国の財政措置というのは研究開発費に限られる、こういうことですね。改めて。

○磯崎大臣政務官 お答えをいたします。
 例えば、既存に確立した技術がある、これを実施していくということになりますと、そこは実施主体としての東京電力が、既にある確立した技術ということでございますので、それを実施していくというのは東京電力の役割だろう。
 ただ、まだまだ確立していない技術がある、そういったことになると、それはやはり研究開発という名目でそれを実施に移していくということになろうかと思いますので、現段階におきましては、項目としては研究開発という項目になるということかと思います。

○足立委員 済みません、これぐらいにしておきますが、これは大変重要な問題でして、今与党の方から、自民党かな、公明党も含めてかもしれませんが、復興あるいは福島第一の収束に向けた大変意義深い内容を含む御提言が政府に対して出ていると承知をしています。それが年内あるいは来年度に向けていろいろ政府内でも御議論があることと存じますが、経済産業省の現時点での認識として、あるいは、与党の提案を受けた政府、国あるいは経済産業省の認識として、例えば来年度予算編成において、今政務官がおっしゃった研究開発費という名目ではない予算措置を福島第一の廃炉事業に充てていく可能性はありますか。

○赤羽副大臣 結論として、この前の集中審議のときに私も座っておりました、大臣の答弁で相当踏み込んで、足立さんも少し驚かれて、喜ばれていたと思うんですけれども、足立さんは一貫して国が前面に出て頑張れと、応援演説だと思って心地よくいつも聞いておりますが、では逆に、何というか、野方図に、タンクみたいなものを増設するのに国が全部予算を使っていいのかというと、これもなかなか逆の意味で納得をされないと私は思います。
 どこかで線を引いていかなければいけないんだけれども、我々、大臣も私も同じ思いでいますが、結局、わかりやすく言えば、この汚染水問題は絶対に解決しなきゃいけない、そのために、東京電力ができなければ国がやらなきゃいけない。別に後ろに立っているつもりはないんですよ。
 だから、凍土式のあれだって、研究開発という名前で予算計上されているけれども、あれが研究開発なのかどうかというのは、茂木さんも多分情熱が余って踏み込んだと思うけれども、それは、どう考えるかなんというのは、私はどうでも、どうでもいいと言うとこれもちょっと語弊があるけれども、そういうものじゃなくて、大事なことをやるということだと思いますよ。
 私は、ちょっとこれは付言して言いますと、九月三日の基本方針があって何が変わったかというと、いつも金目の話しかされなくて私は非常に不満なんだけれども、現地の事務所を立ち上げたんです。常駐メンバーは、経済産業省だけじゃなくて、国土交通省初め農林水産省、水産庁、ずっと全部が張りついてくれて。そして、何でそんなことをやったかといいますと、それまでは、おっしゃるように国がやや後ろにいた、だから、何かが起こったときに、常に東電から報告を受ける形だったんです。これはそんなにタイムラグはないんですけれども、報告を受けたことで、やれ、どうしようかということでモグラたたきみたいな話になっていた。
 だから、現地に駐在をして、第一原発の中で起こるあらゆる事象、予兆は全て報告しろ、そして同時に政府と東電が共有する、そしてその解決策は、一義的には当然、どうするかということは東電が考えなけりゃいけないけれども、これは現実、全部東電ができるかどうかというのはわからないわけですね。
 私も、現地の調整会議というのを主宰させてもらって、毎月一回、いつも五時間ぐらいやるんですけれども、全部の項目でやるようにしています。そういったことも、余り人には知られていないかもしれないけれども、国が前面に出ているということになると思いますし、そこで出た問題をどうクリアするか。
 東電だって、マンパワーの問題、金目の問題、私は、東電は予算的にはまだできると思います。九千六百億円の引き当て以外に、九月十九日、安倍総理が現地に行かれて、十年間かけて一兆円の支出枠を用意するということで、できるうちは、やはり東電が頑張らなきゃいけない。できるうちから国が手を差し伸べるという、ちょっと荒っぽい言い方だけれども、そうじゃなくて、徹底的にやるけれどもやれないという項目については、私はそこは、国としては絶対にやらなければいけないのであって、それは研究開発とは認められないから手は出せませんなんということは、私は賢明じゃないと思います。
 しかし、そこは何かルールを決めないと、何でもかんでもいいのかというと、またそれは足立さんの趣旨に戻ると思うんだけれども、そこは役割分担をはっきりさせつつ、同じ気持ちでこの問題に立ち向かわなきゃいけないという、足立さんの趣旨のとおりに我々は向かっているというふうに思っております。

○足立委員 赤羽副大臣、ありがとうございます。
 おっしゃる趣旨はわからぬではないですが、ただ、やはりこれは国が、予算というのは全ての前提ですから。事務所をつくられた、これは敬意を表しますが、やはり予算措置が重要なんです。
 私がこのテーマにこだわるのは、結局、福島第一の収束というのは、これは世界も注目をしている国家的プロジェクト、課題ですね。もうそれ自体が一大課題なわけです。そのときに、東京電力という一つの事業体の経営の判断、これは、福島の収束という観点からいえばバイアスになります。必ずバイアスになります。また、もし、財政当局との関係で、国が出すとすれば研究開発名目なんだというラインが、今あるわけですけれども、あると、それは研究開発バイアスがかかるだろう。福島第一のためなら何でもいいというわけではないが、何でもいいぐらいのことで福島第一はやったらいいと私はずっと思っているんです。
 だからこそ、東電という経営との線引きが要るだろうし、さらに言えば、原賠法等のいろいろな、原子力事業に係る国と東京電力、あるいは国と電力事業者一般との線引きが改めて必要だという趣旨で私は申し上げているわけでございます。
 赤羽副大臣からいえば、もし東電にできなければやるんだということですから、それは私の質問に即していえば、来年度予算で、もし必要があれば研究開発名目ではない予算を福島第一に充てる可能性があると私は勝手に受け取りましたけれども、大事なことは、その御決意に加えて、そもそも、原子力事業に係る国と電力事業者との役割の線引きについての見直しを早くした方がいい、こう訴えてきたわけでございます。
 通告を申し上げている、ちょっと事務方も、これはわかりにくい質問だということでなかなかやりとりが続いたんですけれども、今申し上げたような、福島第一にどういう予算措置を講じるかという話と、支援機構法の附則に基づいて、賠償の枠組みもそうですが、それ以外も含めて、要すれば、原子力事業を推進する体制、原子力事業一般を推進するに当たって、国と電力事業者はどういう役割分担をするのかということについて見直すことになっています。これは法律に、見直すよということが書いてあります。その御検討と、それから、福島第一にどういうお金を入れるかというのは、関係あるんですか、ないんですか。これが質問なんです。
 何でこんな問いが出てくるかというと、もし関係があるんだったら、当然、財政当局はそもそもどういう線引きをこれからつくるんだという議論が終わるまでは福島について踏み込めませんよね、影響があるんだったら。もしそれが切り離されていれば、福島は福島で判断するんだ。通常の原子力事業に係る国と電力事業者との役割の線引きに即して福島第一を処理していくのであれば、それは引っ張られるわけです。そこにリンクがありますか、ないんですか、どっちですか。

○赤羽副大臣 これは非常に言葉が難しいんですけれども、当面の福島の現実をどう解決するかには、財務省がどう考えているか知りませんけれども、原賠法の見直し等々とリンクをさせるという気分はなく取り組んでいます。
 しかし、原賠法見直しに当たっては、日本全体の原子力発電をどうするかという、エネルギー政策全般がどうなるかとか、実際に今回の福島第一原発でどれだけの賠償についての費用がかかったかということは、やはり一つの参考にはなると私は思います。参考にはなるけれども、しかし、そのことがパンドラの箱をあけてしまうから余り踏み込めないみたいなことはするべきではない、こう考えています。
 先ほど思ったんです、ちょっと済みません。東電任せですとやはり東電の経営バイアスがかかるということは、全くそうだと思いまして、私は、現地調整会議の基本のルールとして最初に宣言させてもらったのは、規制庁の指摘はマストだ、オブリゲーションでやらなきゃだめだと。今までは、私の感覚でいくと、大変だから、規制庁からこう指摘されていてもいろいろやらなきゃいけないことがいっぱいあるから、検討項目で終わっていたけれども、そこはやはり経営バイアスがかかっていると指摘される余地があるので、全部そこはクリアにする。そのクリアにするための具体的な工程を次の会議までに出してくれ、そこについて、東電単独でできなければ、まさに国が全力で取り組もう、そういった原則を持って臨んでいますので、そういったバイアスはなるべくかからないように取り組んでいきたい。それをつけ加えさせていただきます。

○足立委員 ありがとうございます。
 今、別に言葉尻を捉えるわけではありませんが、赤羽副大臣の方から、そういうリンクをさせるような気分ではない、気分としてはリンクしていないぞとか、なるべくバイアスがかからないようにということでした。だから、政治家というか副大臣なり大臣なり政務官なりの皆様方の気持ちはあっても、私は、仕組みとして早くこれを整えなければ福島第一の収束に必ずバイアスがかかっている、早く整えてほしい、こう申し上げてきたわけでございます。
 だからこそ、支援機構法案を審議された、私はまだ議員ではありませんでしたが、そのときの東日本大震災復興特別委員会での審議で附帯決議がついて、施行の後一年をめどに、私が今申し上げている役割分担の見直しは決するんだ、これが国会の意思だったんですよ。当時の国会の意思は、支援機構法の施行後一年をめどにそれを決するんだと。なぜそれを急いだかといえば、福島第一に影響があるからですよ。だから早くしてくれということを私はここに立つたびに申し上げてきたわけですが、その支援機構法の附則に規定している原子力賠償責任法等の見直しの検討状況は今どうなっていますか。

○田中政府参考人 お答えいたします。
 原子力損害の賠償につきましては、現在の福島原発事故の被害者の方々に対する迅速な賠償の支払いのために、まずは賠償の適切な実施を最優先にすることが重要と考えてございます。
 原子力損害賠償制度や原子力損害賠償支援機構制度の見直しにつきましては、先ほど赤羽副大臣からも御答弁がございましたように、我が国エネルギー政策における原子力の位置づけなどの検討、それから、まだ現在、福島の賠償も進行中でございまして、その実情等を踏まえながら総合的に検討を進めている、そういう状況でございます。

○足立委員 これは何度か聞いていますが、一向に答弁が変わらないんですね。検討しているんです、ずっと。
 だから、私が今申し上げたように、福島第一に影響しますよ、これは。影響しますよじゃない、影響してきたんだ。その結果が今の福島第一の状況ですよ。必ずこの福島第一の収束作業にはお金がかかるんです。そのお金については東京電力の経営バイアスと、国の予算措置については研究開発バイアスがかかっているんです。それが今の福島第一の事態を招いているんだという大変な責任を、民主党政権の時代もございますが、今この政府・与党、今の政府には私は責任があると思っているんです。
 切りがありませんのでこの話もやめないといけませんが、もうちょっと何とかなりませんか、御答弁。

○田中政府参考人 お答えいたします。
 先生御指摘いただきました福島第一原発の廃炉にかかわる経費分担の話もございますけれども、私ども原子力損害賠償を担当しております文科省といたしましては、これ自身は損害賠償とは性格を異にするものというふうに考えてございますので、現在の原賠法のあり方そのものに影響を及ぼすものではないというふうに考えてございます。
 いずれにしましても、我々の方は、現在、福島の被害者の方々に対する賠償を円滑に進める、あるいは迅速に進めるということで、原子力損害賠償紛争審査会も、年内にできるだけ、さまざまな地元の方々の御意見も踏まえて、追加の指針等を検討している、そういう状況でございます。

○足立委員 賠償は文科省なんですね。原賠法の所管が文科省になっている。だから今、文部科学省の参考人の方が御答弁をいただいた。
 ただ、そもそも原子力事業そのもの、日本においてエネルギー政策をつかさどり、そして、原子力事業そのものをどうしていくんだ、原子力事業を本当に推進していくのかどうするのか、あるいは、推進していくのであれ、フェードアウトしていくのであれ、いずれにせよ、国と事業者との役割分担については見直すことになっている。その責任がある役所は経産省なので、経済産業省からも同趣旨でこの見直しの作業、検討状況、見通しをお伺いしたいと思います。

○磯崎大臣政務官 お答え申し上げます。
 文科省と同じような答弁になるかもしれませんが、まさに足立委員お話しされましたように、附則の六条には見直しの条項がございます。また、衆参両院におきまして、附帯決議で、一年ないし二年、できるだけ早期にというのは、そういう決議もされている状況でございます。
 ただ、先ほど赤羽副大臣の方からも話がありましたように、やはり、この制度の見直しにつきましては、我が国において、エネルギー政策において原子力というのはどういうふうに位置づけるか、これが明確になるということも一つ重要な要素というふうに思っておりますし、もう一つは、福島の賠償の実情、これもやはり非常に大きな影響を与えるというふうに思っておりますので、それを踏まえながら検討するという答弁でお願いしたいというふうに思っております。

○足立委員 そこまでが現状だと思いますが、繰り返しになりますけれども、これは重大な問題だ、この話を早く仕切らないと、誰かが仕切らないと、福島第一にはずっとバイアスがかかり続けるんだということをぜひ改めて御認識いただきたいと存じます。
 私、こういう話を申し上げるのは、原発を早くゼロにしたいからじゃないんです。実は私、常任委員会は厚生労働委員会でございます。社会保障制度のあり方について今もけんけんがくがくの議論をしていますが、日本の財政、日本の経済、これを見ると、国富をとにかく守らぬといかぬのですね。日本の国富をとにかく守り、そして拡大をしていく以外に日本の繁栄はないんです。
 だから、私は、党内でも、再稼働は安全を前提に当然賛成ですし、当面は原子力事業は必要だ、むしろ不可欠だと思っているんです。だから、先ほど中川理事が御質問されたときにちょっと席を外していた、原子力協定の党内審査においても、反対派の風に押されながらも、とにかくこれは当然賛成だ、原子力協定は速やかにまとめていくべきだという話を、論陣を張ってきたわけでございます。
 ぜひ御理解をいただきたいのは、当面、原子力事業を維持するためにも、早くこの線引きの話をやってほしい。
 私、実は、経済産業省の先輩でもあられる澤昭裕先輩というのがいらっしゃって、元経済産業官僚で、今は研究者としてテレビ等でも活躍されていますが、彼がウェッジの最新の十月二十八日の記事で論陣を張られているわけです。
 一言で申し上げると、日本にとって原子力エネルギーは必要だ、だけれども、今のままではもう廃れていくぞ、そう書いてはいませんが、私がその意味をとると。このままの、今おっしゃっているような、赤羽副大臣の熱意、お考え、気持ちはよくわかります、しかし、制度として、今のままずるずるいったら、日本から原子力事業は本当にフェードアウトしちゃいますよ、日本維新の会が公約に掲げているように。日本維新の会は、このままでいくとフェードアウトしちゃいますよと言っているんです。だから、澤先輩は、「日本にとって原子力エネルギーがエネルギー安全保障」のみならず、「経済成長、温暖化対策等の観点から「特別に」必要」だと。原子力事業は普通の政策よりももっと重要なんだということに関する政治的、行政的再確認をしなければ立ち行かないんだという論陣を張っておられます。
 私は大賛成でありまして、本当に、安倍政権が原子力にしばらく頼るんだということであれば、それが成長のためにも必要だということなのであれば、私は、今、きょう私が申し上げた、国と事業者との役割分担の見直しについては、速やかに、国の一定のコミットメントを早く決めて、それを発表すべきだというふうに申し上げます。
 先ほど社会保障に言及しましたが、日本の富が海外に流出すればどうなるか。大変粗っぽく申し上げれば、今、赤字国債が山のように積み上がっている、その保有者が、日本人が保有できなくなるんですね。必ず、国富がこのまま流出を続ければ、日本は財政的に立ち行かなくなって破綻をする、そういうリスクがあるということを、社会保障をつぶさに見ている立場から痛感しているわけでございます。
 だから、ぜひ政府・与党の皆様方、これは、私は、党内でもいろいろ言われていますが、政府・与党の今のポジションよりももっともっと確かな推進策を講じるべきだ、こういうふうに申し上げているわけでございます。
 今、原子力協定の話を申し上げましたが、CSC条約という国際条約があって、これはもう時間もありませんので質問を急ぐと、福島第一には世界の英知を集めると言っている、福島第一に世界の英知を集める上でも、このCSC条約は速やかに批准の作業を急ぐべきだ、こういうふうに思いますが、政府の見解はいかがですか。

○赤羽副大臣 このCSCの件につきましては、大変長い期間の懸案でありました。国内外というか、外国の知恵を総動員していただくというふうにお願いしておきながらCSCの条約に加盟しないというのは私は余りにも道理が通らないということで、外国の担当のエネルギー省の大臣、副大臣にお会いする中で、何としても責任を持って約束をするということで、今回、CSCに加盟をするといったことは政府として決めたわけでございます。
 CSCの締結に関して、国会提出の具体的な時期、条約の内容に関する加盟国との調整等々はこれからもうすぐにでも始めていきたい、具体的に進めていきたいという状況でございます。

○足立委員 今おっしゃったとおり、このCSC条約は福島第一のためにも必要だ、こう考えています。
 これは、批准するためには国内法の整備が必要になりますが、原賠法の改正は必要ですか。外務省でも文科省でも結構です。

○田中政府参考人 お答えいたします。
 CSC条約への対応につきましては、条約の条文の規定の趣旨等について、関係省庁と連携して、現在、精査をするという段階でございまして、その後、関係国との協議を行いまして、その内容の理解を確実なものにしていくということが必要だと考えてございます。
 その過程で、現行の原子力損害賠償制度との関連において措置が必要だということが明らかになりました場合につきましては、関係省庁連携のもとに適切に手当てをしてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。

○足立委員 きょうは、私は、福島第一の収束に向けた経営バイアスと研究開発バイアスということを申し上げましたが、実は、今申し上げているこのCSCの話はもう一つの問題なんですね。福島第一に世界の英知を集めるためにも、CSC条約を早く批准する必要がある。
 ところが、今、文科省の参考人の方は、国内法の整備に当たって原賠法の見直しが必要かどうかについては精査をしているということでありますが、可能性があるわけです。原賠法をさわらないといけない可能性があるわけです。
 ところが、今、先ほど赤羽副大臣がパンドラの箱とおっしゃったと思いますが、原賠法はある意味でパンドラの箱だという認識が政府にあるんです。だから、福島第一のためにCSC条約の批准が必要、CSC条約の批准のためには原賠法をさわる必要がある。それは技術的な若干の見直しであるけれども、国会を通さないといけない。すると、きょう議論になった、そもそも原子力事業に係る国と事業者の役割分担の見直しに飛び火をする可能性が大変大きいということで、恐らく、政府においては大変慎重にこの点の作業を進められておられると承知をしています。
 もう時間が来ましたので終わりますが、私の意見は、福島第一のためには、余り慎重さを期するだけでなくて、しっかりと、私がきょう御討議させていただいた内容を各党にも説明して、日本維新の会が賛成できるように私は努力しますので、ぜひ、これは慎重さが必要なんじゃなくて、今、福島第一の収束のためには大胆に御決断をしていただく必要がある、こう申し上げます。
 赤羽副大臣、最後にお願いします。

○赤羽副大臣 今回のCSCの加盟に伴う原賠法のところをいじる部分と、足立さんがかねてから言われているそもそも論のことというのは、多分違う箇所だと思います。
 そもそも論についても、所管ではないとはいえ、まさに御指摘のとおり、経済産業省としても責任を持って検討しなければいけないと思いますが、そのことが原因としてCSCの加盟がおくれるようなことというのは、安倍総理の本意でもないですし、今の政府の本意でもないですから、私は、この点については責任を持って具体的な決着をつけなければ、これは対外的に全く筋が通らない、こう思っておりますので、結論は必ず出します。

○足立委員 ありがとうございます。
 私も、日本維新の会の原子力特委の理事として力を尽くしてまいりますので、ぜひ御尽力をお願い申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

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プロフィール
あだち康史
あだち康史
衆議院議員
衆議院議員4期、大阪9区支部長。日本維新の会憲法改正調査会長、国会議員団政務調査会長、幹事長代理、コロナ対策本部事務局長等を歴任。1965年大阪生まれ。茨木高校、京都大学、コロンビア大院。水球で国体インターハイ出場。20年余り経産省に勤務し欧州に駐在。東日本大震災を機に政治を志す。
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