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あだち康史
あだち康史
衆議院議員
Profile
衆議院議員4期、大阪9区支部長。日本維新の会憲法改正調査会長、国会議員団政務調査会長、幹事長代理、コロナ対策本部事務局長等を歴任。1965年大阪生まれ。茨木高校、京都大学、コロンビア大院。水球で国体インターハイ出場。20年余り経産省に勤務し欧州に駐在。東日本大震災を機に政治を志す。
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2013年10月30日 衆議院 厚生労働委員会 一般質疑 三党合意とプログラム法案、子ども子育て支援新制度

足立 康史

185-衆-厚生労働委員会-1号 平成25年10月30日

○後藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。足立康史君。

○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 通常国会に引き続いて、また、田村大臣初め厚生労働省の皆様方、社会保障は大変重要な分野でございますので、しっかり私どもも質問をしてまいりますので、討議のほど、よろしくお願いを申し上げます。
 通常国会のときには、時折私は、田村大臣のことを尊敬している、こう申し上げてまいりましたが、その点は全く変わらず、また、副大臣、政務官の方も、新任の方もいらっしゃいますが、佐藤副大臣は地元大阪でもいらっしゃいますし、同じ大学の先輩政治家の中でも最も尊敬する政治家のお一人でございますので、また御指導をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 さて、きょう午前中、民主党の方々の質問がございました。私は、いろいろな機会に、野党の中で、民主党あるいはみんなの党の方々と連携をさせていただくような会合等も多々ございますが、きょうの午前中の質問、中でも、山井委員の質問なんかを見ていると、やはり一緒にできないかな、こういう印象を強く持つわけでございます。民主党の方はいらっしゃらないかな。
 中でも、国民会議に係る三党合意、そして国民会議に係る一連の経緯というものを、やはり我々は十分に理解をするというか、踏まえていかなあかんと思っています。もちろん、我々維新の会は三党の枠内ではございませんが、少なくとも民主党は、自公の皆様と一緒になって三党合意をされ、その三党合意のもとに法律が制定され、そしてその法律に基づいて国民会議で議論をしてきた。
 その議論をしてきた結果が気に食わないからといって、じゃあ俺たち出ていくと。あるいは、その議論に基づいて提出をされた法案について、昨夕、ネクストキャビネットがあったようですけれども、反対だというようなことであれば、それはもう協議をするに足らない、そういう政党だ、こういうことを言わざるを得ないと思います。
 これは政党間のことでございますが、少なくとも、三党協議を踏まえた社会保障の改革推進法、そしてその法律に基づく国民会議というものは、これは政府が、中でも、厚生労働省のみならず、きょう小泉政務官においでをいただきましたけれども、内閣官房で取り仕切っていただいてきた枠組みでございますので、この民主党の一連の行動というか、首尾一貫していないと断じざるを得ない、こういうふうに私は思っておりますが、国民会議を所管しておられる内閣府の政務官のお立場、あるいはお立場を超えてでも結構ですので、小泉政務官、その辺の御所感をいただきたいと思います。

○小泉大臣政務官 社会保障・税一体改革を担当する内閣府の政務官として御答弁をさせていただきます。
 自民党の足立委員におかれましてはと言いたくなるぐらい、非常に建設的な、またユーモアのあるお話をいただきましたけれども、今委員がおっしゃったとおりの、民主党の、三党合意の中、そしてその後の今に至る経緯は、さまざまあります。
 委員の思いのように、なぜ、三党合意において法律を成立させた当事者にもかかわらず、自分たちの主張が酌まれないからといって出るのか、そういった思いはお持ちの方もいると思いますが、自民党というのは、過去よりも未来を見る。十月の二十一日に、もう一度実務者協議に戻ってくるということがあったそうですから、ありがたいと。そういったことを前向きに評価しながら、この枠組みを尊重して、少しでも理解をいただけるように努力をしていきたいというのがこちらの立場です。
 御党におかれましても、ぜひ御理解いただけるよう、御協力よろしくお願いしたいと思います。

○足立委員 小泉政務官、ありがとうございます。
 大変懐の深い御答弁かと思いますが、ただ、一方、先般の十二月の総選挙で民主党は大敗をいたしました。総選挙の前に三党でこの社会保障について議論をしてきたのは、当時、民主党政権のときに始まったわけですが、与野党は政権交代でひっくり返ることがあり得る前提で、一方の自民党と公明党の連携、この自公の側と、それから民主党の側、この二つが政権を争う形で、その両サイドが合意をして、政権交代があっても崩れない、ロバストなというか、頑強な社会保障制度をつくる必要があるということで始まった協議だった、こういうふうに理解をしています。
 ちょっと、政務官、せっかくおいでいただいたので、もう一言、この点、補足をいただければと思うんです。
 今申し上げたように、私は、昨年十二月の総選挙を経て、既にこの三党合意なるものの正統性は、仮に民主党が、まあ法案には反対だけれども、またいろいろとこれから社会保障の細部を検討、具体的な形を検討していくときには一緒にまぜてくれと言ってきても、それはそれでいいことですけれども、しかし、そもそも三党協議の正統性というのは、昨年の総選挙でもう失われているんじゃないのか。
 日本維新の会あるいはみんなの党が一定の躍進をする中で、今、衆議院の構成も大きく変わっている。この中で、引き続き、自公と民主のこの三党合意に基づく法律と国民会議、そして今回のプログラム法案について、やはり正統性に若干、選挙を経て、以前よりは、選挙前と比べると、劣後するところがあるように私は感じていますが、いかがですか。

○小泉大臣政務官 今、足立委員が、もうこの正統性はないんじゃないかというお話をされましたが、私は、実は野党のときに、正統性がないだろうと、同じことを言ったんです。その当時の民主党政権の三党合意に対する誠意というものが感じられなかったので、私も足立委員と同じような思いで、その当時の自民党の幹部にも、これはもう破棄すべきだ、そういったことを私は言ったことがありました。
 そういったことも踏まえながら、今の、民主党政権のことを考えてみると、改めて、自民党というのは懐の深い政党だなと。政策の幅も、党内、一つの政策に対していろいろな考えの持ち主がいます。だけれども、そういったことを包含しながら、それを一つの組織の力に変えていく。
 ですから、民主党の今までの経緯が足立委員から見て首尾一貫していないところがあるから、もう三党合意は正統性がないんじゃないかと。ごもっともだなと思う気持ちもありつつ、しかし、これからまた一緒にやろうという誠意を持ってきてくれた相手には懐深く対応する、私は、これが自民党の無形の力、自民党の文化、そういったものだと思っています。
 ですので、足立委員におかれましても、どうか、維新の会の中で御協力いただけるようにお力をかしていただければな、そういう思いです。

○足立委員 小泉政務官がおっしゃることは一定理解をさせていただくこともできますが、私は、これからの日本の国の政治、それから社会保障のあり方というものを考えたときに、今もう政府の中に入られての小泉政務官の今の御発言は、ちょっと懐が深過ぎないかな、もう少し規律を持って、この自民党政権、自公政権、そして今の政府のありように、忌憚なくというか、御活躍をいただきたいと思います。
 次の委員会もおありだそうですが、時間が許せばもうしばらく、もう質問を次の厚生省にかえますが、お時間があれば、あと一問ほど聞いていっていただければありがたいと思います。
 何でかというと、次に御用意申し上げている、通告申し上げている質問は、いわゆる役人的に言えば、霞が関的に言えば、これは厚生労働省、今までの質問は内閣官房、こういう仕切りになりまして、本来、私は小泉政務官にお聞きをしたいわけでありますが、仕切り上、これは厚生労働大臣にお伺いをするということになります。
 具体的には、この金曜日に本会議に上程されます、いわゆる社会保障改革のプログラム法案、私も登壇させていただいて、改めてまた田村大臣に質問をさせていただく予定でございますが、これはそもそも、民主党の方々、先ほども申し上げたように若干おかしな話も多いんですが、ところどころ正しいこともあります。例えば、今回のプログラム法案については、彼らは、そもそも法案にする値なし、こう言っています。私、これはそうだな、こういう気がしています。
 閣議決定でできることを、なぜあえて法案の形で出したのか。そもそも、これは、三党合意に基づいて制定をされた社会保障制度改革推進法でしたか、この法律で、期限を切って法制上の措置を講じる、こう書いてあるものだから、言葉は悪いが、つじつま合わせというか、法制上の措置を講じないといけない。閣議決定では法制上の措置にならないから、プログラム法案という形で法制上の措置だというふうに、言葉はあれですけれども、無理やりこじつけてきたというふうに言わざるを得ない面がある。
 ただ、こちらから先に申し上げると、もし民主党や維新の会が、今、衆議院で一定の勢力を持っている民主党や維新の会、そしてみんなの党がこの法案に賛成をするのであれば、このプログラムについて与野党の合意が改めて国会で確認をできるわけですから、これは、閣議決定ではできない、法案を通すということの意味が大変大きい、こういうふうに言えると思いますが、どうも民主党さんは、昨夕、反対をするということを、機関決定と言っていいのかな、されたようでございます。
 そうした中では、第二党であるところの、まあ、第二党と第三党我々は議席の数ではもう今や三つしか変わりませんので、第二党、三党などと言うつもりはないんですが、少なくとも民主党が反対を決めたということは、今や閣議決定と同様の効果しか持たないんじゃないかというふうに私は思っているんです。
 本来、法案を出すのであれば、しっかりと民主党の合意も取りつけて、民主党の賛成も得る、そうした形で、この改革が政権交代に対して頑強であるような制度にする努力をもっともっと政府・与党はすべきだと思いますが、田村大臣、いかがですか。

○田村国務大臣 今般のプログラム法でありますけれども、そもそもは、前政権の中において、政権をとられて、消費税をやはり引き上げざるを得ない、そういう御認識をお持ちになられたときに、その理由は何かといえば、やはり社会保障の持続可能性というところに行くわけでありまして、ならば、社会保障と税の一体改革というような形で打ち出され、それに我々も賛同をして、その後、社会保障制度改革推進法なる法律を提出させていただいた、したのは民主党でありますけれども。
 そんな中において、言われたとおり、なぜこれを立法化しなきゃならないんだという話になれば、そこに法制上の措置ということが書いてあるからということになるわけでありますけれども、当時、民主党政権で国民会議のメンバーをお決めになられて、その国民会議のメンバーの方々で御議論いただいて一定の方向性を出されたものを、今般閣議決定をして、今回のこのプログラム法に盛り込んだわけでございます。
 そういう意味からすれば、今委員が言われたとおり、民主党にも賛成をいただいて、なぜならば、政権がかわっても社会保障が揺るぎのないようにしなければ、国民の皆様方が政権がかわるたびに不安を抱かれるということでございますので、そのようなつもりで提出をさせていただいた。そこには、具体的に、これは必ずやるんだという国民の皆様方への約束もあるわけであります。
 ただ、残念ながら、今のところ、民主党はこれに対しては賛成はしないという意思表示を出されたやにお聞きしておりますが、まだまだこれから、お考えが変わられて、やはりこれはともにやっていこう、柚木委員しかおられませんから、あとはお聞きいただけないんですけれども、そんな思いを持っていただくことを期待しながらこの法案の審議をさせていただければありがたいな、このように思っております。

○足立委員 ありがとうございます。
 小泉政務官、ありがとうございます、もう言い残したことはないですね、本件。復興特委や原子力特委でもまたお世話になりますので、よろしくお願いします。ありがとうございます。
 それでは、次の質問に移りたいと思いますが、きょう、私にお時間を一時間いただいています。各論に入る前に、総論として田村大臣初め厚生労働省の皆様に確認をさせていただきたいことが幾つかあります。
 まず、今回の社会保障の改革、これを改革と言えるものかどうかについてはいろいろ議論がありますが、少なくとも、社会保障と税の一体改革という枠組みの中で、消費税増税とセットで議論をされてきた経緯がございます。その中で、再三、安倍総理も含めて、予算委員会あるいは本会議等で、今回の消費税の増税分は全額社会保障に使うんだということが何度も繰り返し述べられています。
 私、先般の参議院の予算委員会でも、片山政調会長から同種の議論をさせていただいたかと思いますが、余り意味のない議論かな、議論というのは、少なくとも、消費税は全額社会保障にというふうに宣言すること自体が一体どういう意味があるんだろうなと。いやいや、消費税増税をすることのリーズニングとしておっしゃっている気持ちはわかるわけですが、お金に色はない。お金に色はない中で、果たしてこういうことに意味があるのかなと常々思っています。
 何度か御答弁いただいているかもしれませんが、今改めて、この、増税分は全額社会保障だということの実質的意味、この辺、ちょっと解説をいただきたいと思います。

○田村国務大臣 予算委員会でもきょうの委員会でも、中の内訳はお話をさせていただきました。ただ、委員のおっしゃられている意味は、消費税を五%から八%に引き上げて、実施時期と収入がずれますから、事実上、八兆円強ふえる税収が五兆円強しかふえない、その内訳がどうだということをお聞きになられているのではないんだというふうに思います。
 それはそれとしておいて、なぜ社会保障にかというような、ちょっと大ざっぱな話をさせていただければ、日本の国の財政状況は、御承知のとおり、今、国債を毎年四十兆円強出さなきゃいけないような厳しい状況にあるわけであります。
 なぜそのような状況であろうかということをいろいろ見てまいりますと、一つは、やはり借金の元利払いという、国債費という問題があります。そしてもう一つは、社会保障費、この伸び。
 ここが、いっとき公共事業が日本の財政を悪化させたと言われますが、建設国債の累積債務の伸び方と赤字国債とは、これは歴然と違うわけでありまして、圧倒的に赤字国債の方が日本の累積債務の今や中心になってきておるわけであります。
 その中身は何ぞやといえば、税収で賄えない社会保障分であるということでございますから、充実分にどうだとか安定化にどうだというような議論を、幾らと言いますけれども、そもそもが、社会保障で穴があいているこの赤字国債分を、税収が上がることによってそれを埋めて、持続可能なものにするために安定化をしていくというような意味合いとして、社会保障に全額充たるわけでございます。
 もちろん、その中に今回は充実分というものもちゃんと入れさせていただいておるわけでありますけれども、そのように私は認識をいたしております。

○足立委員 私は、これは私の認識違いであればいいんですが、ちょっと問いの順番は変わりますが、五つ目に通告申し上げている、子ども・子育て支援新制度、先ほどの問いとの関連で申し上げたいんです。
 地元に帰りますと、幼稚園の園長さん、保育園の方々、さまざまな方々とお話をさせていただくことがございます。すると、この子ども・子育て支援新制度は、まさに消費増税を当てにしてつくられている構成の部分が大変多いということで、結局、増税がきっちり決まらないと動かない部分がたくさんあって、何かそれでピンどめされているふうに現場も理解をしている。
 したがって、総理の判断とかいうことが八%でも行われ、また一〇%でも改めて将来行われるという中で、一体、子育ての分野はこれからどういう制度になるのかということについて、大変予見可能性の低い状況に今関係者は置かれているんだろうというふうに思います。違ったら、御指摘いただいたらいいと思うんですが。
 私は、そもそもお金に色がないと申し上げた。その中で、大臣から赤字国債の話もいただいた。それはよくわかります。
 よくわかりますが、例えば、これから社会保障のあり方を考えたときに、厚生省は、やはり子育て分野をもっと強化しなくてはいけない、こういう形で新制度を打ち立てられているわけですから、仮に、これは仮の話ですよ、仮に増税が相ならなくても、削るところは削って、まあ相なりますが、仮に増税が、厚生労働省あるいは財務省あるいは政府が想定しているような流れの中で税収が仮にふえなくても、子育ては、要は厚生労働政策の中での優先順位の問題として、仮に財源が足りなければまず切られるのはその新制度だということでは、これは子育てにかかわっていらっしゃる方々は立つ瀬がない。仮に、予想どおり税収が伸びなかったら、それはしかるべき政策順位、優先順位の中で、しっかりと子育て分野に財源が充当されるべきであるというふうに考えています。
 だから、予見可能性、予見可能性と申し上げますけれども、やはり現場の方々は、政府の政策、特に民主党政権への政権交代と、また改めての自公への政権交代の中で、政策の変更に翻弄されてきているんですね。
 ぜひ、田村大臣におかれては、これは通告は別途かもしれませんが、とにかく子育てはしっかりやっていただく、そういう観点からも、お金に色はないということを積極的に私は言いたいんですね。
 そういう観点で、ぜひ、増税分はとにかく社会保障に全額というものを、何かそのフレーズを単に増税するリーズニングとして使うだけではなくて、せっかくそうおっしゃるのであれば、やはり子育てへの決意、子育て施策への予見可能性を余りもてあそばない、この点で御答弁をいただきたいと思います。

○田村国務大臣 子育てにはしっかりと予算を向けていきたい、この思いは共有しております。同じであります。
 今、お話の中で、消費税が一〇%に上げられなかった場合のあえて御質問だったというふうに思いますが、総理も、まず上げるかどうかというのは経済状況を見てからだというようなことをおっしゃっておられるようであります。
 これは、決して、国民の皆さんから嫌がられるから消費税を一〇%にしないという意味ではありません。あえて言うならば、上げたときに日本経済が潰れてしまえば、たとえ消費税を一〇%にしたところで、持続可能な社会保障というものは維持できない。なぜならば、他の税収が下がってしまうような形になれば、税収全体が伸びない、落ち込むからであります。
 逆のことを言えば、そのとき仮に消費税を上げられなかったということが、これは起こっちゃいけないし、我々も起こすつもりもありませんが、そんなことが起こったとしても、ずっと上げないという話ではないんですね、これは。必ず一〇%に上げるということを前提で、我々は今その準備に入っておるわけであります。
 ちゃんと他の税収も確保でき、その上で消費税も確保できる、つまり予想しただけの税収というものが確保をされる、そういう状況をつくっていきたいという思いの中でございますので、そのときに、そんな状況が起こったらどうするんだというのは、そのときに我々は頭を抱えながらいい知恵を絞らなければならないわけでありますが、しかしながら、我々の思いとしては、子育ての方にしっかりと予算を確保していくというような状況をつくっていくということでございまして、ここは譲れないところだというふうに思っておりますので、頑張ってまいります。

○足立委員 ありがとうございます。
 今の御答弁は、財源のいかんにかかわらず、子育ては大事だ、しっかりと厚生労働行政の中で、優先順位をつけながら、子育てについてもしっかりと予算を確保していくという御決意と受け取らせていただきます。
 それから、もう一点。ちょっと今各論に入りかけましたが、総論の部分でもう一点だけ確認をしておきたいことがございます。税と保険料の話でございます。
 先ほどから言及させていただいている社会保障制度改革推進法においても、いわゆる年金と医療と介護というこの社会保険制度については、保険制度を基本にするということが明記をされています。私、これは、日本維新の会としても、また私個人としても、大変重要なセンテンスであると思っていますが、ただ、実態は大変厳しいものがある。
 もともと、皆保険、皆医療保険、皆年金制度が確立をされた当初から、そもそも、保険とはいえ、さまざまな税が投入をされてきたということも十分承知をした上での質問でありますが、大きな方向性として保険を基本にするということであれば、やはり、今回のプログラム法案、一連の、今、政府・与党が準備をされている、今国会にプログラム法案を出し、その後、累次の御検討を経てさまざまな改正法案が出てくる、この一連の社会保障制度改革、この改革の中に、少なくとも保険が基本だというものの萌芽だけでもないと、一体いつやるんだ、それをと。
 現実を見ると、いわゆる税の割合は、一連の制度改革の中で、自民党政権が過去やってきた、自民党によるさまざまな社会保障制度改革は、一貫して、税の割合を高めてきた歴史なんですね。公明党さんも一緒かもしれませんが。私は、そうした歴史を繰り返してきた自公政権に、保険が基本だと言う資格は余りないんじゃないかと思っているんです。
 かつ、今回、当面の一連の社会保障改革パッケージ、私は改革の名に値しないと若干思っていますが、このパッケージの中に、一体、その萌芽はあるんですか。私は、やはり、この保険を基本とするという基本方針を、もっとしっかりとした骨太な形で政府の社会保障改革の中に入れ込んでいく必要があると考えていますが、いかがでしょうか。

○佐藤副大臣 御指名ありがとうございます。
 足立委員が冒頭発言されましたように、足立委員は私から見て大学の後輩でございますし、本来、経済産業省で働いておられたのに、今、厚生労働の分野で堂々と論陣を張られておられますことに、先ほどから頼もしく拝見をしておりました。
 今御指摘の点につきましては、社会保障制度改革推進法でも、質問の中でも言われましたように、明確に、年金、医療、介護は社会保険方式を基本とするということが明記をされているわけでございます。我々も、社会保険方式というのがやはり社会保障の基本であって、それを公益で下支えしていく、そういう考え方に今までもこれからも変わりはなかろうと思っております。
 というのは、社会保険方式というのは、保険料を支払った人にその見返りとして受給権を保障する仕組みであって、給付と負担の関係が税と比較して明確である、そういう特徴があるわけでございます。そういうことから、我が国は、この社会保険方式を基本とし、国民皆保険また皆年金を実現しているところでございます。
 しかしながら、先ほど公費負担の話がございましたが、最近、大きく二点ぐらいの要素で公費負担の割合が高くなってきているんだろうというように私ども考えておりまして、一つは、やはり高齢化の進展。高齢化が進展する中にあって、制度の持続可能性を確保するということがやはり必要であるということから投入をしてきました。もう一つは、低所得者のさらなる負担軽減が必要である。そういう考え方から、この二点の理由から公費投入割合が近年増加傾向にあるということは、御指摘のとおりだと思っております。
 現在では、社会保障給付費約百十兆円のうち、約六割を保険料で、約四割を税、公債発行などで賄っている、そういう状況でございます。
 私どもとしては、今後とも社会保険方式を基本としつつ、低所得者の保険料軽減等に対し適切な公費投入を行うことによって、持続可能な社会保障制度の確立を目指していくというのが我々厚生労働省また政府の考え方である、そういうことでございます。

○足立委員 佐藤副大臣、ありがとうございます。簡潔に御答弁いただきまして、実態については大変よくわかります。
 ただ、私どもは、やはりもっともっと抜本的に、税と保険料のあり方については、国民会議でも大変な議論があったことは承知をしておりますが、現状をベースにした少しずつの改革ではなくて、この点についてはどこかで大きな構造改革、構造的な仕組みのつくりかえをしなければ、結局、この保険制度というのは事実上足元から崩れつつあるというふうに危惧をせざるを得ない、このように思います。
 それを入り口の部分で言っておっても仕方ありませんので、きょうは、あと残る時間、もうちょっと具体的な中身の御討議をさせていただきたいと思います。
 我々、先ほどいろいろ、引き続き民主党の方はいらっしゃらないようですが、民主党の方々あるいはみんなの党の方々と、新聞にもいろいろ取り上げられているような会合などを若手、中堅で行ったりしております。そのときに、我々の世代で議論していて常にやはり最大のテーマになるのは、社会保障であり、そして、社会保障の中でも世代間の問題なんですね。
 結局、例えば年金をとっても、いわゆる実質的に仕送りのような形で賦課方式という形をとっているがために、我々の地域、あるいは一族、家族を見ても如実なんですけれども、お金はそれなりに高齢者の方にも、お持ちの方はお持ちである。一方で、若い方は、ニートやフリーターといった言葉に典型的にあらわれているように、そもそも働く場自体が相当窮屈な状況になっている。
 こうした中で、若い人たちが高齢の方に仕送りを続けるという形で今の年金制度を維持していくこと自体が大変難しくなっているなということは、我々が五十年、百年先を見据えた国のあり方、社会保障のあり方を考えたときには最大のテーマに上っているんだということは、ぜひ厚生労働省の皆様、田村大臣にも御理解をいただきたいと思います。
 ただ、政府・与党もその点は当然御理解をいただいて、例えば国民会議なんかでも、全世代型という言葉で新しい概念を、多分新しい概念ですね、打ち立てていらっしゃいます。
 ちょっとこれは勉強不足ですが、例えば子ども・子育て支援新制度などもその一環であるかもしれないし、あるいは、医療費の高齢者の七十から七十四の一割の特例を戻すとか、そういったことについてもその一環なのかもしれないとは思うものの、全世代型と銘打つにしては余りにびほう策に過ぎると言っては失礼ですが、先ほどあったように、子育てについての財源は大丈夫か、あるいは、一割か二割への引き上げについても極めてモデレートな、もちろん、マクロ経済のことを念頭に、マクロ経済まで視野に入れて田村大臣に御采配いただいていることは敬意を表しますが、しかしながら、例えば、一割、二割、もともと二割なんだから。
 私の地元で、ある支援者の方が、この間、地元の敬老会でお会いをしましたら、ちょっと来てくれと袖をつかまれまして、その方は七十一歳なんです、俺は払いたいんだ、二割払いたいんだ、こう駆け寄ってこられました。高齢者の方々も、若い世代の方が、自分たちのために社会保障財政全体が窮屈になって若い人にしわ寄せが行っているということは十分わかっておられるわけだから、私は、もう少し抜本的な改革、すなわち、若い世代と高齢者とのバランスについて、もうちょっと抜本的な改革ができないのかな、こう思うわけでございます。
 質問としては、この全世代型と書いてあるのは、私は、そういった意味で、言葉先行、スローガン先行ではないかという疑いを持っていますが、その趣旨は、この改革の中で具体的に何か数字を持って御説明いただけるところまで来ているのか、やはりそれはスローガンだけなのか、この辺、ちょっと御説明をいただきたいと存じます。

○田村国務大臣 全世代型という部分と、それから、能力に応じた負担という部分、これを大きく打ち出したのが国民会議の報告書でありました。
 なぜそういう話になるかというと、当然のごとく、一九七〇年モデルから二〇二五年モデルに変えていかなきゃならない。もちろん、一九七〇年に既に日本は高齢化社会に入っておりましたので、準備が遅過ぎたという意味では、反省しなきゃいけないところがたくさんあると思います。今やもう超高齢化、高齢化比率二一%を超えて二五%まで行っておる。そういう中において、当然、高齢者の方々にお金がかかるわけでありますけれども、しかし一方で、若い方々がそれに応じて負担で苦しむということ自体、やはり限度がある。
 年金のこともおっしゃられるんですが、年金も実は、それがあったからあの制度になって、保険料の上限を一八・三ですかね、だから、個人の負担ではその半分という形にしたんですね。だから、あのころからそういうふうな考え方が徐々に徐々に、このままでは若い世代がという話であったんです。
 しかし一方で、負担を若干減らすだけではだめなので、全世代型というのは、実は、社会保障の給付も若い世代にもしっかりと享受いただけるような制度にしなきゃいけないということで、先ほど言われた子ども・子育て新制度というものの中において、ただ、あれは保育所だけじゃありません、他の地域支援のサービスもあります。
 そういうものを受けていただきながら、ちょうど子育て世代のお父さん、お母さんがしっかりと社会保障というものを実感していただけるようにということで取り入れてきておるものでございまして、もとの話に戻りますが、この財源をしっかり確保していかなければならないと改めて思っておるような次第であります。

○足立委員 これはもう尽きない議論ですので、御趣旨はわかりますが、これは本当に難しいテーマだと思います。やはり社会保障について、このテーマは、抜本改革が必要だという勢力と、いやいや、まあ、そうは言ってもという勢力の、最大のこれは分水嶺になるわけですから、このテーマは引き続き委員会で、具体的なテーマに即してまた議論させていただきたいと思います。
 きょうも、実は、幾つか今具体的なテーマと申し上げたものを用意はさせていただいて、また通告もさせていただいています。例えば、七十から七十四歳の患者負担の引き上げ、これをもっと、要は、新七十歳に限定せず、もう少しやったらどうかとか、あるいは、年金について、クローバックをやはり入れたらとか、あるいは、無年金、低年金対策、これは通常国会でも再三、田村大臣と討議をさせていただきました。
 それぞれについて、やはり社会保障制度改革というのであれば、これは民主党に言われるまでもなく、しっかりと議論していったらいいなと私は思っておりますが、きょう、ちょっと時間が、一時間あると思って甘えていましたら、なくなってきましたので、今申し上げたようなテーマは、ごめんなさい、副大臣、政務官の方で御用意いただいている分もあるかと思いますが、ちょっとスキップをさせていただいて。
 私、社会保障制度についてはもう一つ、なかなかこの厚生労働委員会では十分に取り上げられていないけれども、実は重要だぞと思うテーマがあるんです。これは経営の問題なんです。
 要は、年金は現金給付だから、これは足し算、引き算ですね。ないものは出ないんです、あるものはあるんです、これはお金ですから。先ほど大臣が言及いただいた、マクロ経済の問題が主たるテーマであって、それ以上でも以下でもないと言っても過言ではない。
 ところが、医療や介護や福祉というのはいわゆるサービス給付でありまして、お金が、財源が、サービスという形、具体的には人の手によってサービスが給付をされているというわけでありますので、私は、お金の問題を超えたサービスの提供体制のあり方がとても重要である、こういうふうにかねがね思っております。もちろん、厚生労働省でも、医政局を中心に、さまざまな御検討、改革をしてきておられることは承知をしています。
 そこで、四つ御用意をさせていただいたわけですが、その中の一つは、先ほど民主党の方々が地域支援事業への移管ということで取り上げられたテーマ、これもスキップします。
 先ほどの民主党の方々が、要支援切りということでさんざん議論を、また後でされるかもしれませんが、議論を喚起されておられましたが、私は、こういう民主党の議論の喚起の仕方が、やはり議論をゆがめると思います。
 では、そんなことを言うんだったら財源を用意しろよ、大臣はそう思っていらっしゃると思いますが、私も同感でありまして、やはり、我々は、先ほどあったマクロ経済も視野に入れながら財源を用意し、そして社会保障制度をどうやって維持していくのかということで大変知恵を尽くしておられるわけで、それに対して、一部だけ取り上げて要支援切りといった言葉でこれをあおるのは、私は、何の生産性もないというふうに断じたいと思います。
 もちろん、私もその点についてきょう質問するつもりでしたが、もう民主党批判だけでここは終えておきたいと思います。
 むしろ、残る時間で、先ほど申し上げた経営の問題。
 社会保障制度というのは、先ほど申し上げた、医療であれば病院、診療所、クリニック、そして介護でもさまざまな事業所を通じてサービスが提供されている。ところが、何かよくわからないことが幾つかあります。例えば、情報化。情報化をもっとやったらいいじゃないか。個人情報の問題があるのはわかりますが、そんなことを言っていたら何もできない。地域でも、医師会の方々の気持ちもわかるが、地域では進まないんです。なぜか。地域では医師会が仕切っているからです。
 やはり我々は、この情報化については国がリーダーシップをとって、私はマイナンバーにも入れるべきだったと思っていますよ。マイナンバーと切り離してこの医療の情報化をやるといったって、それはどういう投資をいつやるんだと。マイナンバーとセットで情報化を推進して初めて、日本の医療は本当の意味で新しい時代を迎えることができると思っているんです。
 日本維新の会は、よく、政策の中で一番重要な政策のことをセンターピンといいますが、医療制度改革のセンターピンは情報化にあり、私はこう信じております。
 加えて、もう一つ。日本は皆保険制度なんです。皆保険制度のもとでインセンティブをつけて情報化を推進したら、どれだけのことができるか。多分、世界のどの国もまねができないような情報化、医療の情報化、ビッグデータの利活用ができるはずなんです。
 ぜひこの点、尽きないというか、通常国会でもやったんですが、この情報化をちょっと、一言で結構ですけれども、個人情報の保護もあるけれども、とにかく一肌脱ぐんだという決意をお願いします。

○赤石大臣政務官 足立委員の御質問に大変感銘しておりました。
 私も、実は民間企業で四十年間、臨床検査という世界で通じて働いてきまして、本当に日本の国は医療の情報化がおくれているというのを本当に実感しております。これによっていかに医療の適正化、経済化が図られるか。たまたま検査をとってみただけでも、非常に多くの重複検査が散見されます。日本は、どこに行っても、アクセスが自由にできますので、同じ検査をどの病院に行ってもまた一からやり直す。こういうこと一つとっても、薬も同じなんです。
 だから、マイナンバーのときに、ぜひ私も医療も一緒に入れてほしいということを思ったんですが、やはり国全体の順番がありまして、医療がこの次ということになっていますけれども、厚生労働省としても、何とか前向きに、この点については内部でできることだけでも必死になってやっていこう、このように思っております。
 よろしくお願いします。

○足立委員 政務官、ありがとうございます。御経験に即したお考えだと思います。しっかり、ぜひ厚生労働省の中で、この点、差しおいておくのではなくて、やはり優先順位を高めていただいて、御議論を、政策の検討をお願いしたいと思います。
 それから、もう一つ。この次に申し上げるのは、医療と介護の提供体制に係る営利性、非営利性というテーマでして、これも実はまた委員会でしっかりと、個別に、集中的に御議論いただかないといけないテーマかもしれません。
 一言で申し上げると、今や、措置であった介護が保険になった。もともと民間でやっていた医療が保険制度が完備をされた。今や、介護保険と医療保険というのは両方同じように保険制度として運用されている。
 ところが、介護については、もともと措置であった世界にもかかわらず、大変先進的な介護保険制度が整備され、営利事業についても参入を認めた。私は当時、医療保険制度を横目に見ながら、新しくできた介護保険制度は大変すばらしいな、この制度設計に携わられた厚生官僚の方々は本当にすばらしいなと思って、横で、隣にある経済産業省で横目で拝見をしていたわけでございますが、一方で医療は、先般の医療法改正で、医療法人の非営利性を高める形で、いわゆる持ち分の取り扱いまで変えてしまった。
 私は、どう見ても、巨視的に見ていると、二つの取り組みが別の方向を向いているんじゃないのか。やはりこれからは、営利事業の経営などもうまく活用しながら、保険制度の提供体制については効率化をしていくべきだと私は思っていますが、なぜ、医療だけ逆行して非営利性を高めたのか。
 この介護の先進性と医療の非営利性を高めた取り組み、これは逆行ではないかとふだんから思っていますが、いかがでしょう。

○田村国務大臣 なかなか難しい議論なんですが、介護、在宅ですね、特養は非営利でございますから、今も株式会社はやれなくなっておりますけれども、当時いろいろな議論があったのを思い出します。保険があってサービスなしということで、サービス提供者がいないじゃないか、そういうところで、株式会社を含めて参入いただこう、そういう流れがあったことも思い出すわけであります。
 決定的に医療と介護と違うのは、介護は要介護度認定しますから、アッパーが決められます。それ以上は、満額とっても請求できない。ところが、医療は基本は出来高でありますから、もうけようと思ったら幾らでもとれる。もちろん、大きい病院でDPCをやっているところはマルメになっていますから、それ以上とれないじゃないかという議論はあるかもわかりませんが、それでもまだ出来高のところはございますので。
 先ほど、たしか桝屋委員が御質問されたと思いますけれども、余り抜き出して言うのはよくないですけれども、最近、高齢者の住む新しいお住まいがあって、そこの下にいろいろなデイサービスをつけて、いろいろなサービスをやっているけれども、それは本当にどうなのかというようなお話もございました。
 もうけようと思うといろいろな知恵を、いや、もちろん、全ての営利団体が悪いと言うつもりは私はないんです。真面目にやられるところもいっぱいあると思います。しかし、利益を出すのが営利を目的にしている株式会社等々の営利企業だとすれば、いろいろなことをお考えになられた結果、最終的に医療財政が膨らんでしまったのでは、これは何をやっているんだかわからないという話になるわけでございます。
 そういう趣旨の御心配が大変多うございまして、なかなか、今現状、医療を営利企業等々に開放していないという流れがあるわけであります。

○足立委員 大臣がおっしゃっていることはわかるわけですが、ぜひ一言やはり申し上げないといけないことは、営利だからけしからぬやつがいるんじゃないんですよと。今話題になっている某医療法人を取り上げるまでもなくね。医療法人であっても社会福祉法人であっても、けしからぬやつはけしからぬわけですよ。そう思いませんか。
 私は、営利だから、営利を追求するからおかしな人が出てくるとか、あるいは非営利だったら安心なんだというセンス自体が、いかがなものかなと思っているんですが、大臣、どうですか。

○田村国務大臣 けしからぬことをやる人たちは、株式会社なのか、それとも公益法人なのか、それは別にして、一定の割合で、どちらが割合が多いかわかりませんけれども、あると思います。
 ただ、株式会社は、利益を出して株主に還元する、それが使命で、それをやらなければ経営者自体がかわってしまう、そういう使命を帯びているんですね。ですから、そういう意味からしますと、やはり、非営利であるところよりかは、利益を何としても、それが例えば、完全に悪いことではない、違法ではない、しかし、こういうやり方をやれば利益がとれるんだということになれば、いろいろな方法を合法的にお考えになられる。
 それが、例えば医療保険という公的な保険の中において正しい方向なのかどうかというと、それは違うんじゃないかということがあるわけでありまして、そういう御心配をされる方々が結構多いということであります。

○足立委員 むしろ、私は、大臣のお言葉ですが、特に医療分野は、次の質問にも関連しますが、やはり経営のインフラが余りに整っていない。
 通常国会でも何度か会計基準の話をしました。きょうは新しい委員の方もいらっしゃるし、新しい政府の、大臣政務官の方もいらっしゃるので、これはぜひ強調しておきたいんですが、会計基準というのは、経営を行うに当たり、またあるいは税金を払うに当たり、さまざまな経済社会の基本的なインフラなんです。だから、さまざまな、例えば株式会社であれ、あるいは学校法人であれ、NPO法人であれ、会計基準は全部あるんですね。
 ところが、日本のあまねくある法人の種類の中で、会計基準がいまだ整備をされていない法人が一つだけあるんです。これが医療法人なんです。これはもう再三申し上げて、小泉政権のときの医療構造改革の中で、我々、当時の経済産業省が声を出して、これはやろうじゃないかと申し上げたのは、そういう意味があった。
 もちろん、営利会社にあっても、全ての法人がそういう基準に服しているわけではありません。特に中小企業などは、なかなかそういうことには至らないので、中小企業庁が、いわゆる中小企業における会計のあり方についてということで、一大プロジェクトを打ち立てて、その経営健全化のためのインフラづくりに取り組んできた歴史があるんです。
 ところが、医療においては、私は、医療法人については、医療だけじゃない、社会福祉法人もそうかもしれない、公開会社並みのアカウンタビリティーがあっていいと思っているんです。だって、そうですよね、これだけの税金と、これだけの保険料を使っている当事者の出口なんです。
 よく原子力で、トイレのないマンションとかいう言い方がありますが、私は、このことを指して、パッキンのない蛇口、きょう本邦初公開なんですけれども、金曜日の本会議でも言おうと思っているんですが、言っちゃいました。パッキンのない蛇口、こう言っているんですね。パッキンを入れましょうよと。パッキンを入れないで幾ら水道から水を出しても、それはやはり無駄が多いということになって、幾ら増税をしても、日本の、いわゆる医療と介護の利用者には行き届かない、ゆがむ。
 やはり、大臣がおっしゃるある種の、社会保障、医療、介護、福祉の適正性、健全性というものは、そういう情報公開を通じて、内部統制あるいは外部統制を含めて基準を定めて、それに服する形で提供体制の効率化というものを図っていかないと始まらない。
 再三申し上げて、きょうは、とかしき委員がいらっしゃいますが、当時政務官、ここでやりとりさせていただきました。ただ、きょうは、通常国会と同じことを繰り返していたのでは仕方ありませんので、これは、ぜひやってくださいということに加えて、いや、四病協がやりますからじゃなくて、それを厚生労働省が政策としてどのように位置づけていくのか。その会計基準をつくって、つくることはつくるぞと言っていただきたいんですが、つくらせるぞと言っていただきたいんですが、それをどう使うのか。それを、医療、介護を初めとする社会保障の効率化にどう使うのか、御答弁をいただきたいと思います。

○田村国務大臣 今、これは国民会議の議論でもあったんですけれども、もちろん言われるとおり、病院もそうですが、社会福祉法人も同じように財政の透明化というものをしっかりと示していけというようなお話をいただいております。
 言われるとおり、いろいろな優遇がある、そういうようなところであります。四病院団体協議会で、いっとき、この会計基準の議論をなされたんですが、とまっておったということで、やっと動き出して、どうやら年内には取りまとめていただける方向であるというふうにお聞きをいたしております。
 当然のごとく、医療というもの、病院というものの継続性でありますとか安定性ということを考えれば、経営の透明性というもの、こういうものをしっかりと示していただかなければならぬわけでありまして、これはもう委員のおっしゃられるとおりでございますので、厚生労働省といたしましても、そのような方向でしっかりと取りまとめていただいたものを中心に、これから行政の方を進めてまいりたい、このように思っております。

○足立委員 ありがとうございます。
 ぜひ、このテーマはちょっとこだわりがありまして、私も、いろいろ関係の方というか、地元でも、このテーマはもうやめておけという声もある、大変物議を醸すテーマであるようでありまして、関係各所から、そろそろやめておかないと大変だぞという声も上がるわけでございますが、個人的にはこれはこだわっています。
 金曜日のプログラム法の本会議においてもこのテーマはまた改めてお聞きをし、その際に、ぜひ大臣、きょう、あした、省内でも御検討いただいて、一体、会計基準を厚生労働行政の中でどう位置づけて、一定の規模以上のところについては義務づけるとか、やはり何か厚生労働行政の中でしっかりと位置づけていっていただくということが私は必要であると申し上げたいと思います。
 もう時間が来ましたので終わりますが、実は、本当は時間があればもう一つやりたかったのは、例の雇用特区の話でございます。
 私は、雇用特区は、民主党やマスコミの反発にひるまず、やるべきであると心の底から思っていますが、通常国会における解雇の金銭解決もしかり、あるいは生活保護の修正案もしかり、何か、今の厚生労働省はすぐに、マスコミ、民主党などから言われると、若干、修正をしてしまう、こういう経緯があると思います。(田村国務大臣「生活保護は賛成ですよ」と呼ぶ)いや、生活保護は、通常国会に出された法律から修正されましたよね。その点を申し上げているんです。修正しなくていいと思うんです。
 いずれにせよ、もう時間が来ていますので終わりますが、ぜひ、雇用についてはひるまず、お考えを貫徹いただくようお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

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プロフィール
あだち康史
あだち康史
衆議院議員
衆議院議員4期、大阪9区支部長。日本維新の会憲法改正調査会長、国会議員団政務調査会長、幹事長代理、コロナ対策本部事務局長等を歴任。1965年大阪生まれ。茨木高校、京都大学、コロンビア大院。水球で国体インターハイ出場。20年余り経産省に勤務し欧州に駐在。東日本大震災を機に政治を志す。
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