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あだち康史
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衆議院議員
Profile
衆議院議員4期、大阪9区支部長。日本維新の会憲法改正調査会長、国会議員団政務調査会長、幹事長代理、コロナ対策本部事務局長等を歴任。1965年大阪生まれ。茨木高校、京都大学、コロンビア大院。水球で国体インターハイ出場。20年余り経産省に勤務し欧州に駐在。東日本大震災を機に政治を志す。
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LINE騒動の山本景府議よりこちらが問題 ― 公共の電波を専有し維新批判する自民党国会議員 -

足立 康史

地元大阪(近畿比例)の国会議員をLINE騒動の府議と並べて恐縮ではありますが、それぞれの出来事を目の当たりにして率直に感じたことがあるので、簡潔に記しておきたいと思います。

 

1.維新府議のLINE騒動について

LINEで中学生に不適切な発言を繰り返し問題となった維新・山本景府議については、マスコミを挙げての騒動もそろそろ一息つけばと期待していますが、お盆を挟んでの報道ぶりには、少々うんざりするものがありました。兵庫の野々村県議に続く地方議員の不祥事として、政治ネタの空白を埋めたいマスコミには恰好の餌食だったのかもしれませんが、政治ネタならもっと大事なことがあるだろう、と私は感じていました。(BLOGOSの注目タグでも、「山本景」が「吉田調書」「シリア」「エボラ出血熱」と並んで四大テーマになっています(汗))

本件、特に、テリー伊藤の「キモイ」発言に係るBPO(放送倫理・番組向上機構)絡みの問題については、15日の「スッキリ!!」でテリーさんが仰った「彼も議員という公職で、僕もテレビでしゃべらせてもらっているという、同じような立場だと思うんですけれど、僕はとやかく言われようが覚悟の上でしゃべってるんですよね。やっぱり公職でいる人ってのはそういう覚悟でいていいんじゃないかと私は思いますけどね」に尽きていると私は考えています。

 

2.自民党国会議員のラジオ放送について

ref_m一方、大阪維新の会の府議団が綱紀委員会を開催し山本府議の除団を決めた8月11日、地元の支持者の方が私の事務所にお越しになり、あるラジオ番組が放送法に抵触しているのではないかとの指摘をいただきました。そのラジオ局は私も大好きな「Kiss FM KOBE」、番組名は毎週日曜 24:00~25:00放送の(不肖、聞いたことが無かったのですが、)“中山泰秀の「やすトラダムス」“。前日深夜(10日深夜)の放送では、大阪市議会自民党の柳本幹事長をゲストに迎えつつ、パーソナリティであるはずの中山衆議院議員本人が維新批判、橋下批判を展開したというのです。

私の事務所において改めて当該放送の録音を視聴したところ、確かに、中山議員が大阪維新の会の活動を取り上げ「公約違反も甚だしい」と指摘し、更には、橋下徹代表の慰安婦発言が「日米関係までおかしくしてしまった」等と批判を展開しておりました。

言うまでもなく、放送法4条は、放送事業者に対し、公序良俗に反しないこと等と並んで政治的に公平であることを求めています。論点があるとすれば、この公平性を、1)ラジオ局全体で確保するのか、2)番組全体で確保するのか、3)個別放送単発で確保するのか、ですが、そうした法令解釈について(私の事務所は)必ずしも定見を持ち合わしておりませんので、まずは(私の事務所の秘書から)放送の当事者である兵庫エフエム放送株式会社(以下、「兵庫FM」という、「Kiss FM KOBE」の運営会社)の編成部に見解を求めた次第です。

当方からの照会に対し、本日、兵庫FMの編成部から回答をいただきましたので、本件の公益性に鑑み、その回答(全文)をここで紹介いたします。

1. 放送の政治的公平性について
イ) 「中山泰秀のやすトラダムス」を平成 23 年 9 月に開始するにあたり、企画内容、出演者等を検討し、妥当であるとの判断のうえ編成した。
ロ) 番組の制作、放送にあたっては、憲法、放送法、公職選挙法など関係法令を遵守することはもちろん、日本民間放送連盟(民放連)が定め当社も準用する放送基準に沿い、これらに抵触することのないよう注意をはらいながら運営している。
ハ) 殊に政治的公平性については、当社の放送全体を通じて保つよう努めているのはもちろんのこと、各々の番組単位でもこれを欠くことの無いよう留意して運営している。

2. 中山泰秀氏が番組パーソナリティを務めることの是非については、平成 24 年 12 月の衆議院議員総選挙の際に民放連へ口頭で照会し「国会議員の身分であっても番組パーソナリティを務めることに何ら問題ない」ことを確認している。
放送での政治的公平性は、局全体ならびに個々の番組において担保されるべきですが、1回毎の放送において必ず実現できるか、すなわち放送法四条の四号が定めるような、意見が対立している問題をできるだけ多くの角度から論点を明らかにする、などが、番組演出上可能かというと、様々な事情から必ずしもそうではない場合が多く、これについては当該の番組として一定の期間内での公平性や多角的論点の担保に努めることとしています。
なお、「中山泰秀のやすトラダムス」の 8 月 10 日(24:00~25:00)分の放送を準備する経緯においては、予め大阪市議会の複数の会派に番組出演の打診をさせていただき、うち2会派2名の方から同日の生放送出演を応諾いただいたものの、放送当日に1名の方から体調不良により深夜の生放送に対応できないとお申し出があったため、自民党大阪市議団の柳本幹事長にご出演いただきました。
当社は兵庫県の県域放送局ではありますが、県内から大阪府内へ通勤・通学する聴取者も多く、隣接する自治体として大阪府市の行政は当社の聴取者が少なからず興味を持つテーマでもあるため、番組として今後も折にふれ話題にすることになります。その際には、改めて関係各会派に幅広くお声掛けさせていただき、生放送での闊達な意見交換の様子を聴取者に届けていく考えです。(下線筆者)

 

3.放送の政治的公平性について

放送法4条に係る最大の論点の一つが、放送事業者が政治的公平性を確保する範囲をどう考えるか、つまり、政治的公平性を、1)ラジオ局全体で確保するのか、2)番組全体で確保するのか、3)個別放送単発で確保するのか、であるということは既に指摘しましたが、この点について、当事者である兵庫FMは、「各々の番組単位でもこれ(政治的公平性)を欠くことの無いよう留意して運営している」と回答しています。

具体的には、「放送での政治的公平性は、局全体ならびに個々の番組において担保されるべきですが、1回毎の放送において必ず実現できるか、すなわち放送法四条の四号が定めるような、意見が対立している問題をできるだけ多くの角度から論点を明らかにする、などが、番組演出上可能かというと、様々な事情から必ずしもそうではない場合が多く、これについては当該の番組として一定の期間内での公平性や多角的論点の担保に努める」としており、この点については、一般論として、一定の説得力のある内容と考えています。

但し、兵庫FMの回答について、依然として2つの問題が残ります。

一つは、「中山泰秀のやすトラダムス」 8 月 10 日分の放送を準備する経緯について、「予め大阪市議会の複数の会派に番組出演の打診」をしたという点です。番組では、何の補足説明のなく大阪市議会自民党の幹事長一人をゲストとして登場させたわけですが、本当に各会派に打診をされたのであれば、まだ許せます。しかし、当該経緯について市議会維新会派に照会しても、そのような打診は無かった、承知していない、とのことでしたので、改めて兵庫FM放送に確認を求めたところ、(番組出演の打診をした)「複数の会派」とは「野党4会派」(のみ)との回答。更に、維新会派への打診をしなかった理由を問うたところ、「打診をしても断られるであろう」と推察し打診もしなかったという。

あり得ない、打診くらいしろよ、と正直思いますし、そういうことであれば、自民以外の野党3会派にも(自民党国会議員の番組なのだから、反維新の主張は市議会自民党の幹事長に任せる、として)「打診をしても断られるであろう」と推察し打診しなかったのではないか、と勘ぐりたくもなります。

もう一つは、民放連への口頭照会です。一昨年の総選挙・衆議院議員選挙に先立って、「国会議員の身分であっても番組パーソナリティを務めることに何ら問題ない」ことを確認した、というが、仮にそれが民放連の公式見解なら、国会議員をはじめ政治家は、(スポンサーさえ確保できれば)自分の番組を持って、公共の電波を使って、その政治的主張を広く一般公衆に拡散することができる、広報できる、ということになってしまいます。

私は、法令に係るコンプライアンスには厳しく対処しているつもりですので、まずは民放連に対し公式見解を求めたいと存じますが、仮に、「国会議員の身分であっても番組パーソナリティを務めることに何ら問題ない」ということであり、かつ、自民党衆議院議員がやっているように、政治的主張を放送することが、放送法上、あるいは民放連の放送基準に照らして「何ら問題ない」ということであれば、私もスポンサーを募って、「やっくんの維新伝心」(仮称)といった番組を企画することを、ここに宣言しておきたいと存じます。

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