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あだち康史
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衆議院議員
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衆議院議員4期、大阪9区支部長。日本維新の会憲法改正調査会長、国会議員団政務調査会長、幹事長代理、コロナ対策本部事務局長等を歴任。1965年大阪生まれ。茨木高校、京都大学、コロンビア大院。水球で国体インターハイ出場。20年余り経産省に勤務し欧州に駐在。東日本大震災を機に政治を志す。
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平成29年5月12日 衆議院 外務委員会 一般質疑 北朝鮮と日本の核オプション、避難訓練について

足立 康史

○三ッ矢委員長 次に、足立康史君。

○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 おとついに引き続きまして、日印原子力協定について質問させていただきます。
 正確な言い回しで確認しておきたいんですが、ちょっと通告から外れますが、事実関係だけ。担当できる人、いますね。インドは、私は、CTBTについてはずっと反対をしてきたと思っていますが、足元でどういうポジションか、確認をさせてください。

○相川政府参考人 失礼いたします。
 インドは、CTBTの交渉の際にもCTBT交渉の採択に反対しておりまして、署名もしておりません。当然、批准もしておりません。
 以上です。

○足立委員 今回の日印原子力協定に当たって、ごめんなさい、私、森友問題で忙しいものですから、ちょっと確認できていなくて、今回の協定にあってはどういう整理をしているんでしたっけ。

○梨田政府参考人 協定交渉の中での、あるいは首脳会談を初めとする日印間のさまざまな接触において、NPTへの加入、CTBTの締結というものは累次インド側に働きかけてきているところであります。

○足立委員 おとついの外務委員会で、私は、外務大臣初め外務省の皆様に、とにかく日印原子力協定というのは原発輸出のためであって、いわゆるNPT体制あるいは核不拡散等の問題については、補足的に、対国内対策あるいは対国会対策の中で、政府として、あるいは政府の一貫した立場というか、立場を一貫させるという観点から最大限の調整をしてこられた、こう思っていますが、インドの核政策が今回の日印原子力協定で左右されることは私はないと思っている、こういうことを再三申し上げました。
 あの後、CTBTに対するインドの対応をもう一回私も勉強し直してみましたが、やはりインドは、いわゆるウラン原爆みたいなものに加えて、プルトニウム原爆とか水爆、こうしたものをしっかりと、五大国、核兵器国ですね、NPTレジームの中での核兵器国五カ国に既得権を独占させることなく、インドもしかるべき核オプションをキープするというポジションが一切揺らいでいないということを私なりに確認をしてきました。こういう認識は、大臣、違いますか。

○岸田国務大臣 まず、CTBTで禁じているのは、核兵器の実験的爆発または他の核爆発、こうしたものであります。いわゆる未臨界実験のような核爆発は伴わない実験は禁止していない、これが定義、内容でありますが、そして、その中でインドは、CTBTの基本的な義務を、核実験モラトリアムを宣言する中にあって受け入れている、これを宣言しているわけです。
 インドを、今つくろうとしている枠組みの中に参加させるということは、少なくともこの部分においては間違いなく一つの国際的な不拡散体制への参加という意味で前進であり、意義がある、このように感じています。

○足立委員 私の趣旨は、改めて申し上げると、インドがモラトリアムを守るというか履行するというか、それを実施していくとすれば、それは、モラトリアムを実施してもインドの核オプションが核兵器国に対しておくれをとらないという、要すれば、何が申し上げたいかというと、CTBTの交渉の歴史をずっと見ると、やはり既存の核兵器国が、核爆発を伴う核実験を行わなくても核体制の維持更新ができる、要は、既得権の人たちは、爆発を伴わなくても、例えば米国を中心に維持できるようになってきている。
 インドも、モラトリアムを維持しているということが即、何かインドが核に対して抑制的になっているということでは私はなくて、モラトリアムを維持できるということは、モラトリアムを維持した上で核兵器国に見劣りすることのないような核オプションをキープできるからだと私は認識しているんですが、認識は違いますか。

○岸田国務大臣 CTBT体制は、先ほども申し上げさせていただきましたが、国際社会において、爆発を伴う核実験、これを禁止するという内容になっています。インドは、それに署名すらしていない、こういった現状にあります。CTBTの基本的な義務を受け入れるということをインドに宣言させ、そして、核実験モラトリアムを維持させること、これは国際的なCTBTの枠組みを実質的に実現する上で大変大きなことであると思います。
 加えて、日本とインドの間でこうした協定を結ぶ、こういったことによって、モラトリアムを維持することをよりしっかりと確保することにもつながる、このように思います。
 日本との協力において、核実験を行ったならば、世界最高水準の民生原子力技術を得ることができなくなってしまう、こうした技術を失うことになってしまう、こうした仕掛けをつくることは、インドに対して、こうした原子力の平和利用の国際的な枠組みに参加することの重要性を認識させる意味で意義があることであると認識をしております。

○足立委員 この核実験の問題は、おとついに続いてきょうも岡本委員、原口委員初め皆様から質疑がありましたので、きょうはこれで終わりにしたいと思いますが、私は、大臣の御答弁は、インドの言いわけというか、インドの立場をそんたくし過ぎている、こう思っています。むしろ、日本は、核兵器の世界のレジームの中で一体これからどう生きていくのかということを真剣に考えるに当たっては、もう少し辛口の厳しい見立てをしていくべきである、こう思っています。
 ついては、NPT体制について確認をしておきたいと思いますが、とにかく外務省の答弁を聞いていると、NPT体制だ、不拡散だ、朝鮮半島の非核化だと、美しい言葉ばかりが並べ立てられていますが、私の認識は、インド、パキスタン、あとはイスラエルもかな、それから北朝鮮がもう核兵器を保有しているわけでありますから、ポストNPTを速やかに構想すべきである、私はこう思いますが、いかがでしょうか。

○岸田国務大臣 NPTというのは、米国、ロシア、英国、フランス、中国、この五カ国を核兵器国とし、核兵器の保有を認めた上で、それ以外の非核兵器国への核兵器の拡散防止を定めるものであります。核兵器国には軍縮の義務を定め、非核兵器国には不拡散の義務を定める、こういった形で、国際社会全体として核軍縮・不拡散を進めていこう、こうした枠組みであります。核兵器国、非核兵器国、多くの双方の国々が参加する、今の国際社会において核軍縮・不拡散を考える上で最も基本的な枠組みであると思います。
 この基本的な枠組みは、我が国としては引き続きしっかりと尊重していきたいと思います。あらゆる核軍縮・不拡散の取り組みの基盤であるNPT、これを損なうということを行うことは我が国としては考えてはおりません。

○足立委員 聞き方を変えると、仮に北朝鮮の核兵器を排除できない場合は日本も核オプションを持つべきだと私は思いますが、いかがですか。

○岸田国務大臣 我が国としては、NPTの締約国として、核軍縮・不拡散の取り組みの中でNPT体制というのは基盤であると思います。この基盤の上に、国際社会と協力しながら、核兵器のない世界に向けて努力を続けていかなければならないと思います。
 加えて、我が国においては、非核三原則という国としての重要な方針があります。そして、原子力基本法を初めとする国内のさまざまな法律等に鑑みても、我が国が核兵器を保有するということは全く考えられないと認識をしております。

○足立委員 仮に北朝鮮が核兵器を保有し続けても、同じ答えですか。

○岸田国務大臣 我が国として、核兵器を保有することは全く考えてはおりません。

○足立委員 お考えはわかりました。
 加えて、もう一つ更問いでありますが、今、北朝鮮の核兵器について大変厳しい事態がずっと続いている、これはおとついも大臣に認識を確認させていただきました。その北朝鮮の核兵器をやはり排除していくことが極めて今大事なわけですが、それをアメリカの先制攻撃等で行うのは大変なコストを払わなあかんわけですから、あらゆる外交努力ということで今も取り組んでいらっしゃることと思います。
 私は、一番有効な手だては核ヘッジだと思います。一言で言えば、北朝鮮が核を保有するのであれば日本も核オプションを検討すると世界に宣言することが中国や北朝鮮の対応に一番大きな影響を与える、こう考えていますが、そういうオプションは日本は持っていないですか。

○岸田国務大臣 そういった選択肢は考えておりません。我が国としては、朝鮮半島の非核化という大きな目標に向けて、関係国としっかりと協力をしていかなければならないと思っています。
 我が国として核兵器を保有するということは全く考えない上で、国際社会と協力しながら、北朝鮮に対して、自制と、さまざまな安保理決議の履行を求めていかなければなりません。そのために、国際社会と協力をして、意味ある対話を行うために、まずは圧力をかけなければならないということで、ロシアや中国、影響力がある国にも協力を求めながら、国際社会として具体的な現実的な圧力をかけようということで取り組みを進めています。この取り組みをぜひ進めていきたい、このように思います。

○足立委員 もう時間が限られていますが、あと五分ですね、あと二つだけ確認させてください。
 一つは、Jアラートと避難訓練ということであります。ちょっと時間がないので飛ばしますが、要すれば、避難訓練をちょっとやった方がいいんじゃないか、こう思いますが、いかがですか。

○横田政府参考人 お答え申し上げます。
 避難訓練でございますが、本年三月十七日に秋田県男鹿市におきまして、初めて弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を実施いたしました。具体的には、国からのJアラートを使った男鹿市への情報伝達、男鹿市の防災行政無線とか登録制メールを利用しました住民への情報伝達、住民による公民館、小学校での屋内避難訓練などを行ったところでございます。
 訓練を実施しました結果、弾道ミサイルが我が国に落下する可能性がある場合に、Jアラート等により伝達される情報の内容や屋内避難が必要なことについて、訓練に参加された国民や報道に接した国民の皆様に対し、一定程度周知ができたものと認識はいたしております。
 しかしながら、今般の我が国を取り巻く環境に鑑み、弾道ミサイルが我が国に落下する可能性がある場合における対処についての国民の理解をさらに広く進める必要があるということから、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練の積極的な実施につきまして、全国の都道府県に対し通知をいたしますとともに、国民保護に関する都道府県説明会を開催いたしまして、地方公共団体に対して、積極的な訓練の実施を広く働きかけているところでございます。

○足立委員 ありがとうございます。
 そういう政府の取り組みを受けて、いろいろな動きが出ています。
 例えば、吉村洋文大阪市長は、四月二十日の定例会見で、実際にミサイルが飛んでくることがわかった場合にとどまらず、北朝鮮が核実験をした場合、あるいはICBMの動きを見せた場合には、危機事態対策本部を大阪市に設置して、休校とか安全情報の発信とか、そういうことに努めていくことを発表されています。
 滋賀県の教育委員会も、四月の二十五日までに、県立の学校あるいは滋賀県下の市町の教育委員会に対して、弾道ミサイル飛来時の対応についての通知を出されました。これに対して、全滋賀教職員組合などが抗議文を知事に出されています。要すれば、唐突にこういう通知を出すと、児童が、小学生が戦争が起こると泣き出しちゃう、児童生徒に唐突にミサイル飛来の可能性を伝えればパニックが起こるということで、私は当たり前の準備だと思いますが、大変現場では、こういう一部の教職員組合を初め、これに抗議をするという事態が起こっています。
 大臣、これはどう思われますか。私はそういうことは適切ではないと思いますが、いかがですか。

○岸田国務大臣 国として、国民の命や暮らしを守るということは最も大切な責務であると思います。そして、我が国を取り巻く安全保障環境は大変今厳しさを増している、こうした認識を持っています。
 その中で、現実的に、具体的に国民の命を守るためには何をしなければならないのか、何を備えなければならないのか、こういったことについてしっかりと準備をしていく、これは大変重要な取り組みであると思います。
 しかし、それを進めるに当たって、何よりも国民の皆様自身にしっかりと理解を得ていかなければなりません。厳しい現実をしっかり説明し、必要な備えについてしっかり理解を得てこうした取り組みを進め、結果として、国民の命を、暮らしを守る、この大切な役割を政府としてしっかり果たせるように努力を続けていかなければならないと思います。
 具体的な取り組みについては丁寧に行う、これが重要であるというのは一般論として当然ではないか、このように思います。

○足立委員 時間が来ましたが、大臣、一言だけ確認して、終わりにさせてください。
 きのう、派閥の、宏池会の会合で、九条改正は今は考えないという御発言をされていますが、これは外務大臣としての御発言か派閥の領袖としての御発言か、確認をさせてください。

○岸田国務大臣 当然、宏池会という派閥の会長としての発言であります。

○足立委員 ありがとうございました。

https://www.youtube.com/watch?v=oUTdHf0HkP0

 

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