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あだち康史
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衆議院議員
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衆議院議員4期、大阪9区支部長。日本維新の会憲法改正調査会長、国会議員団政務調査会長、幹事長代理、コロナ対策本部事務局長等を歴任。1965年大阪生まれ。茨木高校、京都大学、コロンビア大院。水球で国体インターハイ出場。20年余り経産省に勤務し欧州に駐在。東日本大震災を機に政治を志す。
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議事録 Transcripts

2017年5月16日 衆議院 総務委員会 法案審議 地方自治法、住民訴訟に係る首長等の責任要件

足立 康史

○竹内委員長 次に、足立康史君。

○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 きょうは、法案審議ということでございます。
 まず最初に、局長で結構ですが、ごめんなさい、ずっと聞けていなかったので、もう既に出ているかもしれませんが、多くの委員の方とちょっとポジションが違うかもしれませんが、私は、やはり国賠との並びで、いわゆる住民訴訟に係る首長等の責任要件を故意、重過失に限定すべきではないかなと個人的には実は思っていますが、この議論、政府、総務省としてはどういう整理をされているか、改めて教えてください。

○安田政府参考人 お答えいたします。
 第三十一次地方制度調査会答申では、「長や職員への萎縮効果を低減させるため、軽過失の場合における損害賠償責任の長や職員個人への追及のあり方を見直すことが必要」、このように答申されておりますが、この地方制度調査会では、御指摘の、軽過失免責という議論も行われていたものと承知しております。
 一方、地方公共団体の長などの責任追及について、軽過失を免責する方向での見直しにつきましては、この第三十一次地方制度調査会の答申をまとめるに当たりまして、日本弁護士連合会などから、事後的に違法な財務会計行為を是正し、及びこれを抑止するという住民訴訟の機能が失われるなど、強い反対の意見が寄せられたところでございます。
 これを踏まえまして、法案化に当たり、再度有識者による懇談会を開催し、住民訴訟制度の見直しの具体的な方向性について議論し、取りまとめを行ったところでございます。
 懇談会の議論でございますけれども、まず、長や職員の責任要件を故意、重過失に限定することについては、地方公共団体のガバナンスに関するさまざまな議論を踏まえると慎重であるべきだ、しかしながら、個人責任として過酷である等の問題を解決するためには、会社法等の規定を参考に、長や職員個人が負担する損害賠償額を限定する措置を講ずることが適当であるとの意見が取りまとめられたところでございます。
 今回の改正法案においては、これを受けまして、軽過失の場合にも一定の責任を負うことを前提に、損害賠償責任を限定する措置を設けることとしたところでございます。

○足立委員 ありがとうございます。
 今御紹介をいただいたように、これは極めてバランス感覚が重要になってくる問題でありまして、私も勉強させていただいて、非常に悩ましいテーマを、政府として、地制調に加えて懇談会も設置をして精査をしてこられた。その御努力には心から敬意を表したいと思いますし、最終的には我が党は前向きに対処していきたい、こう思っていますが。
 ただ、先ほど、今御紹介あったように地制調で軽過失の免責も視野に多分入っていたんだと思うんですが、日弁連なんかもそうだと思いますが、諸団体の意見を踏まえて、最終的には免責は慎重に整理されたということであります。
 私は、このバランスについて、やはりちょっときついんじゃないかなと思うんですね。特に、先ほども出ていましたが、住民と個人との間に団体が今入っているわけであります。本来、団体を間に入れたのは、地方公共団体を間に入れたのは、個人が責めを負うのは大変だということで多分、どうですかね、これはそういうことじゃなかったのかな。
 ごめんなさい、通告していませんが、適当でいいですよ、雰囲気でいいので。要すれば、間に団体を入れたのは、個人に余り責を負わせる、例えば立証するとか証拠能力とか、証拠を集めなあかんわけですから、そういうのがやはりあったという理解でよろしかったですか。

○安田政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のように、平成十四年の制度改正で、第一段目の訴訟、これは四号訴訟における第一段目の訴訟でございますけれども、これは団体を相手方とすることになったわけでございますが、この制度改正によりまして、地方公共団体が有する証拠や資料の活用が容易になり、審理の充実や真実の追求にも資するもの、こういう理由もあったものと理解しているところでございます。

○足立委員 まさに、今おっしゃったような趣旨だと私も理解しています。
 ところが、今、実際にその第一段目の訴訟で何が起こっているかというと、例えば東京都。小池都知事が石原元知事に対する住民訴訟において弁護団を組み直して、石原元都知事を支える立場ではなくて、住民と一緒になって追及をする。
 この豊洲をめぐる動きは、結局、小池さんらしく延ばし延ばしになっていまして、ポジションをつくりかえるとか言いながら、四月二十七日の東京地裁での進行協議にあっては、いや、ちょっと待て、まだ膨大な資料があるので態度を留保させてほしいといって先送りしています。それから、次は五月三十一日だといって、とにかく、この豊洲移転をめぐる石原元都知事に対する責任追及において、都が一体どういう訴訟方針で臨むかということは結局まだ決まっていないわけです。ひどいですよね。小池都知事というのは本当に何も決めないんだなということを痛感するわけですが。
 いずれにせよ、弁護団を組み直してでも、団体が個人を住民と一緒になって追及するということになったのでは、これは制度の趣旨に反すると私は思いますが、副大臣、どうですか。

○原田副大臣 お答えを申し上げます。
 住民訴訟が提起されている場合には、通常は、地方公共団体と住民とで、財務会計行為の違法性や地方公共団体の長等の責任の有無について判断が分かれるところでございます。
 住民訴訟が提起されれば、地方公共団体は被告として、財務会計行為の違法性や長などの責任の有無に関する地方公共団体の判断内容の正当性を主張、立証することとなります。
 通常は、地方公共団体は、長や職員の財務会計行為が正当と判断していると考えられるため、基本的には長や職員と主張内容が一致するものと考えられます。
 しかしながら、現職の長は、本来、客観的に発生している債権があれば、原則としてこれを行使すべき義務を負うものでありまして、事後的な調査などを踏まえ、地方公共団体が長や職員と異なる主張をし、例えば元職の長の責任を追及することも、必ずしも住民訴訟制度の本来の趣旨に反するとまでは言えないものと考えております。

○足立委員 本来の趣旨に反しないケースもあるよと今おっしゃったわけですね。でも、今起こっていることは、実際の現場で起こっていることはほとんどが反しているんじゃないかと私は言っているわけです。東京はそうですね。だって、弁護団をかえてまで追及しているんですよ。
 それから、原田副大臣よく御承知のとおり、我々の地元でも、豊能町、能勢町のダイオキシンの問題も、それは副大臣はもうプロだと思いますが、結局、選挙で争って前体制をひっくり返した新体制が、前体制を追及するわけです。それは、今副大臣が御紹介をされた本来の趣旨に反するんじゃないんですか。

○原田副大臣 個々の事案についてのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。

○足立委員 個々の事案じゃなくていいですよ、では。
 そういうふうに、選挙で争った、政争、政治がそこに持ち込まれることはたくさんありますね。まず、それは認めますか。

○原田副大臣 お答え申し上げます。
 先ほども答えさせていただきましたように、現職の長は、本来、客観的に発生している債権があれば、原則としてこれを行使すべき義務を負うものでありまして、事後的な調査などを踏まえ、地方公共団体が長や職員と異なる主張をし、例えば元職の長の責任を追及することも、必ずしも住民訴訟制度の本来の趣旨に反するまではいかない、このように私は思っています。

○足立委員 答弁になっていないんです。ちょっと教えてあげてくださいよ。
 そういう本来の趣旨に反しないケースがあり得るという副大臣の御説明はごもっともですよ、それは私も否定しません。しかし、選挙を経て、与党と、まあ、地方だから別に与党も野党もない面もありますが、ある面もあります。要は、ある前職を支えていた政治勢力と新首長を支えている政治勢力が割れて選挙で戦うわけです。政権交代が起こった。いいですよ、それは。
 ただ、その新しい地方公共団体が元首長を、もとの長を追及する形でやるケースが東京、豊能町、能勢町、我々の地元でも起こっていますね。まず、そういう政治化している案件があるということ。私は今、事例を申し上げましたが、一般論としてそういうケースが多々あるということは認めないんですか。

○原田副大臣 政治問題化しておるところは認識をいたしております。
 ただ、その問題に関しましても、訴訟の場で、制度に沿って……(足立委員「聞いていないです、そんなことは」と呼ぶ)想定をさせていただきたいと思います。

○足立委員 そんな言いわけしなくてもいいので。
 私が聞いているのは、政治化しているケースが多々ありますねと言っているわけです。それは、先ほど申し上げたように、本来の趣旨に反するという理解でいいですね。いいですか。局長でいいよ。

○安田政府参考人 お答え申し上げます。
 副大臣の方から御答弁申し上げましたように、今のお話は、第一段の四号訴訟において、地方公共団体と元首長の意見が異なるというようなケースでございましたけれども、それだけに限りませんで、例えば、住民訴訟において権利放棄をする場合の議会と長との関係等々も含めて、政治的な状況によって影響を受けているのではないかというケースはあるものというふうに認識しております。

○足立委員 実際、先ほど御紹介をいただいた地制調の答申においても、今おっしゃったように、「政治的状況に左右されてしまう場合があること等が指摘されている。」こう書いていますね。東京がどうだとか私たちの地元がどうだというのは各論だからそれはいいんですが、私は、すごく多いと思うんですよ。
 副大臣、少なくとも、選挙で体制がかわる、選挙で戦うわけですよ、首長選挙で戦ったと。前体制を、新体制が住民と一緒になって前体制の首長個人を、団体が一緒になって追及するという構図になることは、だから、一般論としてはあり得ると私は思うんですが、いいですねと言っているんです、副大臣。ちょっと副大臣、それぐらい答えてくださいよ。

○原田副大臣 一般論としてはあり得ると思います。

○足立委員 まさに、一般論としてあり得るんですよ。
 加えて、各論は政府は答えないということで、個別のところでやればいいと思いますが、東京なんかひどいですよ。小池さんは本当に、皆さん覚えていらっしゃいますか、小池さんはいいかげんにした方がいいですよね。覚えていらっしゃいますよね。豊洲移転をめぐる石原元都知事に対する責任追及。小池さんは、わざわざ弁護団を取っかえてまで石原前都知事を追及すると言っているんですよ。これは東京の話です。
 局長、こういうのは、先ほど私が局長に冒頭伺った、団体を間に入れた趣旨に反しませんか。

○安田政府参考人 お答えいたします。
 先ほど副大臣から御答弁申し上げたとおり、現職の長は、本来、客観的に発生している債権があれば、原則としてこれを行使すべき義務を負うというものがございますので、その個別のケースについて、こういう、それが政治的なものなのかどうなのかということは、私ども、申し上げることはできないということでございます。

○足立委員 いや、局長、もうちょっといけるでしょう。
 すなわち、政治化しているのは認めているんでしょう。政治化しているケースがあるわけですよ。そうしたら、その団体が、それは債権を持っているんだから、その債権を忠実に確保していくというのは当たり前ですよ。当たり前だけれども、政治化しているということは、政治といったらどっちかですよ。政治的にポジションをつくって団体が個人を突き上げるというのは趣旨に反している。
 そういう趣旨に反しているケースが世の中に一個もないんですか。私は、冒頭局長が答えてくださった、世の中にその趣旨に反するケースがあるだろうと言っているんです。あることを認めないんですか、局長は。

○安田政府参考人 お答えいたします。
 個別について申し上げることはできないと思っておりますけれども、政治的な影響が訴訟の遂行においてあると言われているケースというのはありますし、それが新聞等で報道されているものもあるというふうに認識しております。

○足立委員 だめだね、総務省は。副大臣も同じですか、副大臣。

○原田副大臣 先ほどお答えしましたように、一般論としては私はあり得ると思います。
 以下は、今局長が答弁したとおりでございます。

○足立委員 大臣、細かいことはいいんですけれども、大臣も大体そんな感じで。
 大臣、これはそういう、小池都知事のことを言いません、小池都知事は僕は嫌いですが、好き嫌いじゃないな、おかしなことをやっていると思いますよ、地方自治法の趣旨に反することをやっていると私は思っているわけです。
 ただ、各論はいいですよ。一般論として、政治化しているわけですから。政治化しているケースがある。今、局長は、いや、それは報道ベースだとかわけのわからぬことを言っている。審議会に指摘されているんだから。だから、そういう逃げの姿勢はよくないよ。別に、あるからだめとは言いませんよ。あるけれども、ほかにも大事なことがあるから、全体としては制度はどこかで決めなあかんから決めているんでしょう。それを認めないというのはおかしいんじゃないですか。
 僕は、だから、政治化しているということを認めるのであれば、本来、もともと制度をつくった趣旨から離れて、団体がそういう、本来追及すべき債権を超えて政治的に元職を追及するというようなことが世の中にはあると思うし、それは制度の趣旨に、ちょっとずれているんじゃないか、こう思いますが、大臣、ちょっと前向きに。

○高市国務大臣 先ほど来委員がおっしゃっていますような係争中の案件につきましては、私どもは答弁ができません。
 しかしながら、一般論として、例えば、首長さんがかわって非常に激しい争点として対立があったというようなときに、政治的な対立がその後も続くということというのはあり得ると思います。
 ですから、今回の法改正案というのは、まさに、例えば議会が政治的な配慮をし過ぎて、全く損害賠償請求権の放棄を不合理に行うようなことのないように、また、監査委員の制度というものをしっかりと強化して公正公平にするように、そしてまた、余りにも個人が過大な損害賠償を求められたり、亡くなってしまった場合に御遺族が過大な賠償に苦しむというようなことが合理性なく行われないように、そういったさまざまな意味を込めて改正案を提出させていただいております。
 何とぞ御賛同を賜りたいと存じます。

○足立委員 もう時間が来ましたので終わりますが、大臣が丁寧に御答弁いただきましたので、前向きに検討させていただきたいと思いますが。とにかく、そういうのがあります。
 もうきょうは時間がないのでやめますが、百条委員会でも同じことがあります。私の地元、茨木市でも、地方自治法に規定している正当な理由という解釈を議会の多数派でやって決めちゃって、元職を告発するという、とんでもないことを私の地元の自民党がやっていますので、これは苦言を呈して、質問を終わります。
 ありがとうございます。

https://www.youtube.com/watch?v=TrfzuDe0BKQ

 

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