1.綱領棚上げして「大同団結」呼びかける共産党

共産党の志位委員長がクリーンヒットを飛ばしまくっていて興味深い。昨日も、自らの提唱する「国民連合政府」が実現すれば、党綱領に掲げる日米安保の廃棄や自衛隊の解消を凍結する考えを示したという。民主や松野維新との共闘をなんとしても実現したいという、その思いが伝わってくる内容だ。

志位委員長はその上で、安保法制の「廃止」という旗頭の下、「大同団結」を呼びかけている。いまの政界で「大同団結」をことさら強調しているのは、共産党に加えて、民主党の岡田チーム、維新の党の江田松野チーム、そして自民党の大阪府連の4チーム。分かりやすくて、とても良いと思う。

もちろん、ことさら「大同団結」を呼びかけなければならないのは、思想信条の違いが大きいからであって、実際は「大同小異」ではなく「小同大異」、「大同団結」ではなくて「小同野合」、違いを糊塗しているに過ぎない。賢明な国民の皆様は先刻お見通しだろうが、敢えて指摘しておきたい。

 

2.「自共共闘」がますます深化する大阪の政治状況

「大同団結」チームとして、共産、民主、江田松野維新に加えて大阪自民党に言及したのが、大阪以外の方には分かり難いかもしれない。しかし、大阪では、先の都構想に係る住民投票に際して、自民党と共産党が街宣車に同乗しマイクをともにした。大阪の政治は、いろんな意味で国政のはるか先を走っているのだ。

例えば、ウィキペディアで「自共共闘」の欄を見て欲しい。大阪維新の会の橋下代表が勝利した2011年の大阪市長選挙から今年5月の住民投票まで、大阪自民党と共産党が(毛細血管が繋がろうかというくらい)長年にわたり共闘を続けてきた様子が見て取れる。

大阪維新の会は、まさに選挙のための野合でしかない「大同団結」との戦いを続けてきた。だからこそ松野維新の民主や共産との連携は許せない。官公労や自治労の支援を受けて、どうして公務員人件費に切り込むことが出来るのか、どうして正社員や高齢者の既得権に切り込んでいけるのか。

 

3.大阪維新に安倍政権が共感する理由

先の安保国会の会期末に民主党や共産党は安倍政権に内閣不信任決議案を突きつけた。その民主党や共産党と大阪の自民党が、大阪の府市ダブル選挙では「大同団結」しようというのだから、天下の自民党が聞いて呆れる。大阪の自民党が果たしている役割は、国政における民主党と似たり寄ったりだ。

安倍総理や菅官房長官が大阪維新の政治にシンパシーを表明して下さっているのは、もちろん、かねてから人間関係があるとか、政策的に共鳴できるとか、そういうこともあるだろうが、より本質的には、共産党や大阪自民党が思想信条の違いを無視してなりふり構わず野合する、無責任な「大同団結」路線への違和感なのかもしれない。