1.ミイラ取りがミイラになった維新の党

大阪で始まった橋下改革には、公務員制度改革から都構想等の統治機構改革まで無数の改革が含まれるが、政治体制という面でも明らかに歴史的な仕事を成し遂げた。橋下知事誕生から8年、大阪の民主党を壊滅させ、自民党を二つに割って、自民党と切磋琢磨する(保守系中心の)一大政治勢力を構築した。

大阪で事実上実現したと言える保守系二大政党を国政でも実現していきたい、そうした思いで3年前の日本維新の会の結党に参加したが、その母体となった国会議員の多くは、次世代の党に移って討ち死にしたり、松野代表のように、ミイラ取りがミイラになって変質してしまった。残念でならない。

ミイラになってしまう理由はただ一つ、選挙だ。手段でしかない国会議員になることや徒党を組むことが自己目的化し、それ以外には信念もない、譲ることのできない政策もない。だから世論調査に過度に反応する。彼らにとっては、都構想も選挙のための手段、安保法制反対も選挙のための手段なのだ。

 

2.信念のかけらも見えない松野執行部

維新の党の分党騒動の本質は、橋下改革の旗のもとに集ったはずの松野代表や江田前代表が、5/17大阪都構想の住民投票を境に大阪維新を見限ったということであり許すことはできない。加えて国会議員として絶対に看過できないのは、政治家としての思想信条の根幹ともいえる安保法制への姿勢だ。

松野代表は、日本維新の会の国会議員団幹事長として、集団的自衛権の限定容認を内容とする「見解」をとりまとめた当人だ。その松野代表が(元民主党ではない)日本維新の会出身者を執行部から一掃した上で、政府がこのまま採決に入れば「内閣不信任に値する」とうそぶいている。訳が分からない。

そもそも維新の党の独自案は、共同代表であった橋下代表と江田憲司前代表が調整しまとめた妙案であり、「集団的自衛権を否定していない」という点では政府案に類似している。江田前代表の思いを尊重し憲法適合性を前面に訴えてきたが、与党協議を通じて、その差は大きくないことが明らかになっている。

 

3.安倍内閣への不信任には反対である

維新の党の独自案に係る与党協議は、本日の会合に引き続いて週明け火曜日にも予定されているが、プラカード掲げてデモや集会といった示威行為にひた走る民主党や共産党と手を繋いで、挙句の果てに「不信任」をチラつかせる松野代表率いる維新の党と、与党のだれが真剣に協議に向き合うというのか。

大阪の橋下代表のもとに参集し真剣な討議を経て練り上げた維新の党の独自案と、それに基づく与党協議。これらを台無しにしてしまったのは、政府与党ではなく獅子身中の虫、松野代表や柿沢前幹事長そして後ろで糸を引く江田前代表であると宣言しておきたい。

松野代表は「(維新案が入れられない場合)当然不信任に値する」と明言したが、本日の代議士会でも意見した通り、私は不信任に反対である。累次の修正協議を催し真剣に意見交換してきた相手に、協議が整わないからといって不信任を突きつける、そのことの方がよほど不信任に値するのである。