日本維新の会は、安倍政権の経済政策について一定の評価をし、先週の衆議院本会議でも補正予算案に賛成をいたしました。橋下代表も、「よいものは協力するが、だめなものはだめと言う」と述べられている通り、いわゆる「是々非々」の姿勢で臨むということです。

しかし、よく考えてみると、これは、何か特別なことをやろうとしているのではなく、至極当たり前のことです。 「是々非々」というのは、「是を是とし非を非とする、之を智と謂い、是を非とし非を是とする、之を愚と謂う」という「荀子」のことばからきているそうですが、(天下国家のために)「善いことは善いとして賛成し、悪いことは悪いとして反対する」という趣旨ですから、当たり前のことです。

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ところが、問題が国会における政治闘争となると様相は一変し、「是々非々」ということは非常に難しくなります。

1)まず、国会においては報道されないものまで含めて本当に多くの案件について審議をしているのですが、与党であれば原則賛成の立場から精査をしますし、既存野党は原則反対の立場から精査をします。ところが、「是々非々」という”新しい野党像”を追求した途端、一つ一つの案件ごとに、虚心坦懐に向き合い、自分(たち)の立ち位置について検討をしなくてはなりません。更に、反対する場合には対案を示す、ということまで考えれば、これには大変な労力が必要となるのです。

2)他方、政策論は一件一件の案件ごとに必ずしも独立しているわけではありません。維新は補正予算案に賛成しましたが、(拡大国対委員会の場で私からも指摘をした通り、)予算案に賛成するということはとても重たいことです。補正予算案に賛成すれば、当初予算案の大部分にも賛成することが期待されますし、当初予算案に賛成すれば、多くの予算関連法案にも賛成することとなります。自らの行動がその将来の行動をも縛ることとなるわけです。(既存野党のように何でも反対、であれば、縛られることもないので、気楽なのものです。)

3)更に、政策論に加えて、与野党との連携など政局にも配慮が必要です。日本維新の会は、みんなの党との連携・協力・合流を目指していますので、できれば協調して動きたいのですが、それぞれ独立した政党ですので、仮に政策論で一致していても、判断が異なってくることがあり得るのです。上記の補正予算案への賛否は、まさに両者の賛否が分かれた最初の大きな事例となりました。

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今回の補正予算案に維新が賛成したことをもって、維新が自民党の補完勢力になってしまうのではないか、といった危惧も漏れ聞こえてきますが、私たち日本維新の会は、安倍政権に対しては「是々非々」というよりも「是是是非」くらいで丁度いいのではないかと考えています。

日本維新の会は、地域政党から生まれた新しい政党であり、大阪府市で首長とともに議会を掌握、自民党の反対のための反対に辟易している当事者でもあります。それに、なんでも反対よりも、「ここぞ」というときの反対のほうが、反対の意志を強く押し出すことができるという面もあります。

そうした意味で、今後の国会運営において、維新は「是是非非」というよりも「是是是非」で臨んでいくことになると思うのですが、そこで大事なのは、どこで自民党とけんかをするのか、「ここぞ」というのは何処か、要すれば「非」はあるのか、ということです。既に述べたように、是々非々というのは簡単ではないので、下手をすれば「是是是是・・・」になってしまい、それこそ自民党の補完勢力に堕してしまいます。

私は、この春以降の国会において焦点となる争点は、少なくとも三つあると考えています。

  1. 規制改革(混合診療など)
  2. 社会保障(負担と給付のバランス)
  3. 地方分権(道州制基本法など、特に税源移譲)

本稿では各論については詳述しませんが、1)負担の先送り等に歯止めをかけるとともに、2)日本の持続的な繁栄を可能とする統治機構改革に全力を尽くしていく中で、日本維新の会という新しい政党の軌道を定めてまいりたいと存じます。こうした「3つの改革」を実現することこそ維新のレゾンデートル=存在意義であると心して国会活動に取り組んでまいります。