民主党の枝野幹事長が、国民連合政府を提唱する共産党と組むことによって、票が増えるのか減るのか、よく見極めていきたいという趣旨の発言をして物議をかもしている。まあ正直と言えば正直だが、政策実現より選挙に当選することの方が大事かのような物言いには、深刻な違和感を感じずにはおれない。

私が選挙に臨むに当たって共産党と手を組まないのは、(枝野氏が言うように)共産党と組むと票が減るから、ではない。むしろ、共産党の票をもらって仮に当選しても、その後の仕事に支障をきたすことが明らかだからだ。官公労や自治労に支援を求めないのも同じ理由、必要な改革ができなくなるからだ。

そうした意味で国民の皆様には、政党にも政治家にも二種類あるということを冷徹に見極めていただきたい。1)選挙のため票のためなら共産党とも手を組む政党・政治家と、2)何があっても共産党や公務員労組とは手を組まない政党・政治家。国や地域の未来にとって、前者が有害なことは明らかだろう。

そして本当に有害なのは、共産党と組んでおいてまるで組んでないかのように有権者を騙す詐欺集団だ。民主党や維新の党の江田松野チームは「共産党は黙って選挙で応援してくれたら助かる」が本音。国民連合政府等と振りかぶって出てこられると、それこそ「票の増減を見極める」ことが必要になるからだ。

国政で民主党がやっている有害な政治を、大阪では自民党が率先して実行しているから開いた口が塞がらない。自民党大阪府連の新会長中山泰秀議員は、民主党や共産党の支援を得るために自民党の看板を下してしまった(大阪ダブル選の)立候補予定者たちのことを「生粋の自民党」と紹介し、失笑をかった。

中山氏は大阪ダブル選では「自民党のカラーを前面に押し出して戦い抜く」とうそぶいていたが、要すれば、公務員労組や共産党の支援は受けるが、そのことを市民府民に悟られないように「自民党のカラー」でカモフラージュする、と宣言しているのだ。民主党よりよほど「たちが悪い」と言わざるを得ない。

票のためなら共産党とも手を組む政党・政治家は有害だが、共産党と組んでおいて、まるで組んでないかのように有権者を騙す政党・政治家は何倍も有害。あからさまな民共連携よりも(大阪で展開されているような)保守系の顔をした自共共闘の方がよほど有害。いま必要なのは、こうした当たり前のセンスだと思う。