1.維新の価値観とは何か

昨日、日本維新の会の橋下徹代表(現・代表代行)から公認証をいただき、待ちに待った出陣の日を迎えました。短い選挙戦ですが、地元・北摂の地に五体を擲って、全力で走り抜いて参ります。

さて、昨日、日本維新の会が石原慎太郎さんを代表にお迎えすることを決定し、またそれ以前にも、現職の国会議員の先輩方を同志として迎え入れてまいりました。その際に、橋下代表が繰り返し言われたことが、価値観の一致です。

政策とともに「価値観」の一致を求める。では、維新の価値観とは何か。私は、1)日本の将来への危機感と、2)政策の優先順位だと考えています。

2.日本の将来への危機感

石原慎太郎東京都知事が10月25日に緊急記者会見を開き、都知事を辞職し新党を立ち上げると宣言した、その原動力は、何といっても今回の総選挙が「日本再生のためのラストチャンス」だという危機感だったと思います。

そして何より、尊敬する大阪維新の会の先輩方が、覚悟を持って自民党を離党し、除名されてまで維新に集われた、その理由も、まさに停滞する大阪の経済・社会についての深刻な危機感でした。

大阪の大先輩であり、私の通産省の先輩でもある堺屋太一先生は、新著『第三の敗戦』で、いまの日本は、幕末、太平洋戦争に次ぐ第三の「敗戦」を迎えたんだと仰っています。私もまったく同じ考えです。

昨年三月の東日本大震災と福島第一原発事故は、戦後の日本の統治機構が既に機能していないことを示す、その象徴となりました。明治維新で武士の時代が終わり、終戦で軍人の時代も終わった、そして、原発事故で中央官僚の時代は終わったのです。

私が、二十年余りにわたる官僚生活に終止符を打ち、生まれ育った地元大阪で、分権型の国づくりに力を尽くしたい、と考えるに至ったのは、こうした大きな歴史観に基づくのです。霞が関での行政経験を活かし、日本再生に力を尽くして参ります。

3.政策の優先順位

その上で、政治がしっかりとその責任を担っていくために大事なことは、政策の優先順位です。限られた財源の中で、何を優先し何を劣後させるのか、それで国民生活は繁栄もすれば沈滞もするのです。

他方、官僚に優先順位を決定することはできません。霞が関の先輩たちから教えられたのは、日本国民に関わる何を取り上げても、塵の一つまで含めて、霞が関のどこかの部署が担当している、その徹底した分掌主義です。

極端な話、この世の森羅万象は霞が関のいずれかの役人が担当しているのです。その役人たちに、君の担当は本来的に優先され、あなたの担当は後でいい、とは言えないのです。それはあくまでも大臣が決めることなのです。

そして、その優先順位のことを「価値観」といい、これまでの人類の歴史の中で、様々な価値観、思想信条を巡って政治闘争が繰り広げられてきました。保守主義か革新主義か、大きな政府か小さな政府か、タカ派かハト派か、国家主義か世界主義か、理想主義か現実主義か…。

私は、統治機構の作り直しこそが最優先だという、そういう政策の優先順位こそが維新の価値観だと考えています。

4.統治機構の作り直しが最優先

9月12日に大阪維新の会のパーティーがあり、橋下代表が日本維新の会の結党を宣言されました。その際の演説で代表は、保守とか革新とか、そんなことはどうでもいい、とし、決定でき責任を負う統治の仕組みを作り上げることが最優先なんだ、と訴えられました。

例えて言えば、ロケットを打ち上げようという時に、その軌道を右寄りにするか左寄りにするか、その路線について争っているのが今の自民党・民主党の二大政党であり、そもそも、その発射台が、崩れているから新しく作り直そう、というのが維新の会だということです。

これは何も、政府組織についてだけ言っているのではありません。原発政策然り、消費税然りです。

原発ゼロか維持か、その前に、仮に動かすとしても安全基準ができてない、規制組織ができてない、事故時の賠償の枠組みもない、原発を動かすためのガバナンスがないではないか、と訴えているのです。ガバナンスを整備するとともに電力市場の自由化が実現すれば、高価な原発は放っておいても限りなくゼロに近づくのです。

消費税も、減税か増税か、その前に、消費税の位置付けを直すべきだというのが維新の価値観です。先般の増税法案の何が問題だったか、マクロ経済への悪影響もありますが、何より、今の中央集権体制を固定化するから問題なのです。橋下代表が、消費税の地方税化こそが維新八策のセンターピンだとおっしゃっているのは、それが、分権型国づくりの基礎になるからなのです。

今般の総選挙は五十年百年に一度の一大政治決戦です。その争点は、上に述べた「価値観」であり、国家の枠組みそのものなのです。これまでの中央集権の統治システムの下で既得権を保護していくのか、多様で活力ある分権型国家を構築していくのか、選択の時は今なのです。