1.官邸が大阪維新に送る最大限のエール

大阪都構想は、大阪府と大阪市との間で長年問題になってきた「二重行政」を解消するという広域行政に係る課題と、住民サービスを強化するという基礎自治体に係る課題とを、一体として解決していくための統治機構改革案です。

私自身、大阪選出の国会議員として大阪都構想を実現するために邁進しているところですが、なぜ与党である自民党の大阪府連や公明党の大阪府本部だけが必死になって大阪都構想に反対しているか、未だに理解ができません。唯一考えられる合理的説明は、保身です。「自分の議席」という既得権が失われる、というのです。

皆様ご承知の通り、政権の命運をかけて成長戦略を推進する安倍政権は、都構想の目的は重要である、そう評価しています。1月27日の衆議院本会議では、柿沢政調会長の質問に対し、安倍総理は以下のように答弁されています。

「いわゆる大阪都構想は、二重行政の解消と住民自治の拡充を図ろうとするものであり、その目的は重要であると認識しています。政府としては、住民投票において実施の意思が示された場合には、必要な手続を進めてまいります。」(平成27年1月27日)

また、参議院予算委員会でも、語尾こそ違えど、一言一句同じ答弁です。
「いわゆる大阪都構想は、二重行政の解消と住民自治の拡充を図ろうとするものであり、その目的は重要であると認識しています。政府としては、住民投票において実施の意思が示された場合には、必要な手続を進めてまいる所存であります。」(平成27年2月3日)

これは何を意味するのでしょうか。総理官邸は、考えに考えて、この答弁を決定したのです。思い付きではありません。軽い答弁でもありません。国政では野党である維新が本拠地大阪で取り組む看板政策について、政府与党として、可能な限りの最大限のエールを送っているのです。

 

2.大阪都実現のために整備された大都市法

そもそも、大阪都構想はじめ都制(特別区)を導入するための法律(大都市地域における特別区の設置に関する法律/大都市法)の提出者は、自民党、公明党をはじめとする7会派でした。何でも反対の共産党や野党に徹している民主党は仕方ないとしても、どうして自民党や公明党が反対するのでしょうか。

2月25日の衆院予算委員会で私は、石破地方創生担当大臣や高市総務大臣に次のようなパネルを使って大阪都構想の必要性を紹介しました。

政令指定都市を中心地とした都市雇用圏_01

全国の政令市を核とする都市雇用圏に対し、政令市の行政区域がどの程度をカバーしているか(=適合度)を比較しているのですが、東京市(現在の特別区)と大阪市が2割強と極端に低く、全政令市の中で最低なのです。

東京の適合度は、過度の東京一極集中等を背景に都制によっても2割強から4割まで改善しているに過ぎませんが、大阪の適合度は、大阪都構想により2割から7割まで大幅に改善するというわけです。大都市法はまさに大阪都のために整備された法律なのです。

こうした中、東京においては72年前、東京市を特別区に再編するとともに東京府に統合し、日本の経済発展を牽引する大都市東京に相応しい行政の仕組み(=統治機構)を整備したのです。その後70年以上、東京において「二重行政」という言葉を聞くことは終ぞ無くなりました。

大阪都構想は、東京に72年遅れての取り組みとなりましたが、成熟した民主主義の下、住民自身の投票によって統治機構を決していくのは、日本の歴史上初めての挑戦となります。今後、50年100年にわたる日本の経済発展を支えていく双発エンジンの片翼として、大都市大阪発展の基盤を作ってまいりたいと存じます。

 

3.公明党の住民投票賛成は歴史の必然

先に、大阪の自民党と公明党を並べて言及してしまいましたが、公明党さんは最後には必ず住民投票に賛成して下さる、私はそう信じていました。かつて公明党大阪府本部代表であり党の副代表でもあった白浜一良元参議院議員は、次のようにエールを送って下さっていたからです。

(大阪都構想をどう見るか、との問いに対して、)
統一地方選挙で争点になって以来、前向きに捉えてきました。大阪府と大阪市の二重行政のムダ解消や、府と市が一体となって住民の声を汲み上げて、地盤沈下が叫ばれて久しい大阪の再建を図るという方向性は、公明党とも共通しています。(公明新聞

また、次のようにも語られています。
より本質的には「国に頼るのではなく地方の力で国を変えよう」という大きな“うねり”が起こっているのではないか。“地域の声を政治の場に反映させるという理念は、ある意味で公明党の歴史そのものでもあります。(公明新聞

公明党が住民投票に賛成して下さったことについては、密約説など下世話な話も喧伝されていますが、本質は違う、そう私は考えています。地域の声を最大限尊重する公明党さんが、住民投票の実施に賛成して下さるのは、ある意味で必然なのです。

 

4.断末魔に喘ぐ自民党大阪府連

一方の自民党大阪府連は、懲りずに「大阪会議(大阪戦略調整会議)」なる会議を提案し、話し合いで解決していく、と強弁して憚りません。話し合いで解決できるのなら、なぜ二重行政=ムダな投資が繰り返されてきたのか、と問わざるを得ません。

そもそも、彼らの提案する大阪会議は、地方自治法違反の条例案なのです。本件について、高市総務大臣の見解は以下の通りです。

<2月23日> 衆議院予算委員会・基本的質疑(総理はじめ全閣僚出席)

○足立委員

政令市と都道府県知事の一緒に入った会議(いわゆる調整会議)で決定をすれば、知事にそのテーマについての議案提出義務が発生する、そういう条例を検討している、あるいは上程した地域(=大阪府議会等)がありますが、こういったタイプの条例、これは問題ありませんか。

○高市国務大臣

今条例案が大阪府議会に提案されているということで、総務省にお問い合わせをいただいたと思います。(中略)地方自治法第百四十九条の規定で、首長さんには地方公共団体の議会の議決を経るべき事件につきその議案を提出する権限があるとされておりまして、何らかの条例を定めるのであれば、この法令との関係を慎重に検討する必要があります。

ただし、そもそもこの指定都市都道府県調整会議は、地方自治法を根拠にしておりますので、条例を定めていただく必要もございません。

<2月25日> 衆議院予算委員会・一般質疑(関係閣僚出席)

○足立委員

知事の議案提出権を制約している自民党大阪府連の条例、これは法律違反ですね。改めて伺います。

○高市国務大臣

国の法律である地方自治法の趣旨及び憲法、これに反する内容の条例案であってはならないだろうと思います。
(中略)
地方自治法の指定都市都道府県調整会議に関する規定に反することのないよう、整合性を図る必要がございます。
(中略)
そもそもこれは条例でやる話じゃないんです。地方自治法のたてつけの中で、私への勧告権も含めてなんですけれども、この調整会議を設置する根拠というのは地方自治法なんです。だから、必ずしも条例は必要ないんです。

自民党大阪府連は、地方自治法に規定する調整会議にひっかけて、似て非なる、地方自治法上課題のある調整会議を提示しているのです。

国政では与党である政党に属する政治家が、苦し紛れに法律違反の条例案を上程する、もう断末魔の様相です。高市総務大臣も自民党の大臣ですから、自民党大阪府連の条例案を頭から否定はしにくいでしょう。しかし、法律違反は法律違反です。できるだけ婉曲的に、遠回しに、その旨を表明されているのです。