○三ッ矢委員長 次に、足立康史君。

○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 先生方、きょうは本当にありがとうございます。
 私は、今質問させていただいた自民党、民進党、公明党、共産党の先生方とはちょっと別の角度から申し上げたいと思います。
 というのは、核不拡散の問題は、これは大変重要な問題でありますが、まさに今、北朝鮮の問題で激動しております。だからこそという議論ももちろんありますが、これは本当にもう北朝鮮は核兵器を持っているわけですから、事実上、NPT体制であれ何であれ、激動していて、それを米国がたたくかどうか。たたけば、大変なおびただしい被害がソウルや日本に起こるということはもう避けられません。
 では、北朝鮮の核保有を認めるのかという議論に実はなると思っていまして、国会でまた、この場ではございませんが、この場も含めて、外務委員会も含めて、そういう核の、NPTレジームのあり方については改めて検討せないかぬと思っているし、もし北朝鮮が本当に核保有を続けるということになれば、本当に日本はいつまでもアメリカに頼っているだけでいいのかという議論が必ず必要になってくると思います。
 きょうの議論は、総じて過去のレジームのもとでの議論ですので、ただ、では、次なるレジーム、あるいは過去のレジームをどうやって維持するのか、あるいはもしレジームが変わるとすれば、それはどういうレジームなのか。これは、またぜひ先生方に別の機会にいろいろ御指導いただきたい、こう思っています。
 では、きょう、限られた時間ですが、ぜひ伺いたいと思いますのは、冒頭、浅田先生が、原子力協定の目的として二つの柱があって、一つは核の不拡散云々、そういう議論、もう一つは原発輸出、あるいは国際展開、温暖化の問題、こういう御紹介をいただき、当然でありますが、大変大事な整理だと思っています。
 国会では、総じて、前者というか、核不拡散の問題にきょうも光が当たっていますが、私は、実は関心があるのが原発輸出の問題です。
 先生方は御専門ではないかもしれませんが、この日印原子力協定にずっと着目をいただいてきた、注目をいただいてきた中で、日本政府がこの協定に踏み込んでいったその背景について、それは一体何が本当に目的だったのか。先ほど自民党の大野先生からちょっと言及があったような、私はちょっと違うんじゃないかなと思うんですが、いわゆる核の不拡散の問題にコミットをしていくためにあえてインドに手を突っ込んでいっているんだという議論もあるかもしれませんが、私はどうかなと思います。それから、原発をとにかく輸出したいんだ、東芝、日立、三菱重工等の原子力技術者が飯が食えませんから、そういう問題なのか。あるいは、いやいや、新幹線を売りたかったんだ、その取引だという議論さえあります。
 先生方は御専門ではないかもしれませんが、どのようにごらんになられているか、個人的御意見でも結構ですから、御紹介をいただければ幸いです。

○浅田参考人 日本政府がどのような動機かというのは、私は知る由もないわけですけれども、外から見ている者としましては、先ほど御紹介のありました、核不拡散の側面とそれから国際展開の側面と、二つ分けてお話しになったわけですけれども、この二つは別物ではないというふうに私は思っております。
 といいますのは、原子力ルネサンスと言われた二〇〇〇年初めの時期に、いろいろな国が原子力を他国に展開しようというふうな動きを見せておったわけですけれども、その中にはアメリカとか日本は当然入りますけれども、フランスも入りますけれども、それ以外にも中国とかロシアとかといった国も入っております。
 総じて言いますと、中国やロシアの原子力輸出というのはかなり緩い条件のもとで輸出しておるということがありますので、そういったものに対して、日本などの厳しい条件のもとで輸出するということになりますと、それは輸出先の国における核不拡散に資するということにもなるわけでして、原子力展開と不拡散というのは別物ではなくて、日本による原子力展開は国際的な核不拡散体制の維持あるいは改善に役立つというふうに思っております。

○鈴木参考人 私の理解は、二〇〇八年のNSGの例外化までは日本は原子力輸出はインドに対しては非常に消極的だった。それだからこそ、あの二〇〇八年のぎりぎりの判断ということになったと思います。
 一方、二〇一〇年、交渉を開始したときは民主党政権で、私も原子力委員におったんですが、そのときの理解は、原子力が経済成長戦略の一つとして輸出に励むということで、原子力委員会も成長戦略の一環として原子力の国際展開ということを報告書で出しております。ただし、そのときの条件として、先ほど私が御紹介させていただいた厳しい条件をインドには課すべきだということでありました。当時は、原子力ルネサンスという状況、先ほど浅田委員からもありましたが、国際的な原子力市場の拡大、逆に、日本国内の原子力市場は縮小の傾向にありましたので、そういう意味でも、原子力産業の発展という意味では意味があったんじゃないかというふうに理解しております。
 一方、もう一つ大事なことはアメリカとの関係でありまして、アメリカが原子力協定を結んで輸出するというときに、日本はパートナーとしてついていかなきゃいけないということもありまして、日米関係という面からも日印原子力協定が、協力が必要であるという認識があった。
 ただ、現在は、原子力ルネサンスの動きもかなり変わってきましたし、先ほど申しましたように、日米の原子力産業の提携の問題についてもかなり変わってきておりますので、そういう意味でのもう一度見直しというのは、原子力産業の展開という観点からも見直し、当然、福島の事故の教訓もありますので、見直しする時期ではないかというふうに考えております。

○福永参考人 ありがとうございます。
 二〇〇八年に、国際的に輸出入が許された。そして、二〇一〇年から日本はこの交渉に入ったわけですけれども、それはやはりいわゆる新経済戦略ということで、インフラ輸出というところから入っていったんだろうと思います。
 しかしながら、その後の二〇一一年の三月十一日の事故、そして、国際的な原子力業界の低迷ということからしますと、その始まりと今の時点での環境の違いということにつきましてはかなり大きなものがあるのではないか。さらに、オバマ大統領が広島を訪問するというようなこともあり、核廃絶へ向けての勢いも変わってきていますし、脱原発という勢いも変わってきておりますので、やはり、ここは少し慎重に、急ぐことはないのではないかというふうに考えております。

○足立委員 ありがとうございます。大変参考になる御意見をありがとうございます。
 その関連で、私が今、原発輸出ということについて幾つか御意見を賜ったわけですが、実際にメーカーがあって、それで輸出をするわけです。確かに大規模な技術者の方々が雇用されているわけですね。それで仕事をしっかり確保せないかぬと。
 ただ、私がこの議論にやはり違和感を持つとすれば、持っている部分があるわけですが、国内の議論が余りに適当というかうやむやで、原子力賠償の仕組みも、結局、無限責任のまま、何か本当に国の事業なのか民間の事業なのかよくわからない。原子力をめぐる、原子力発電をめぐる責任の主体は国なのか民間なのかさえ、日本国内はいまだに決着がついていないんですね。それから、福島の汚染水の問題。私は、希釈して、海洋投棄というのかな、したらいいと思いますが、風評被害で、しません。
 だから、やはり日本の今の安倍政権、政府の原子力に関するスタンスは本当に中途半端だと思っていまして、そういう中で、外に活路を求めるというのは本当にけしからぬな、こう私は思っているわけであります。
 本当にやるのであれば、再生エネルギー等がまだ十分でない中で、やはり最新鋭の原発の方が安全なんだから、国内のリプレースも含めてしっかりやっていくべきだし、そういう意味で、政府の、ちょっとまた御専門から離れますが、ちょっと外に活路を見出すのはよこしまじゃないか、言葉は悪いですが、こう思いますが、いかがでしょうか。また三先生にお願いできればと思います。

○浅田参考人 外に活路をというお話であったわけですけれども、国内がこういう状況であるときに、日本が原子力技術の水準を維持するためには何ができるかということを考えなければいけないというふうに思います。
 原子力発電を今後どのようにするにしても、最低限、使用済み燃料の問題とか備蓄されておるプルトニウムの問題とかいろいろなものがありまして、しかし、逆に原子力の人材を見ますとどんどん減っておるというふうな状況がありますので、国内がこういう状況にあるときには、原子力産業を国際展開して日本の国内の技術力を維持するというのは一つ重要なことじゃないかというふうに思っております。

○鈴木参考人 実は私は原子力政策が専門なので、この件については長い回答があるんですが。
 一言で申しますと、御指摘のとおり、現在のエネルギー基本計画に書かれている原子力政策というのはきちんと整理されていないということで、福島事故の教訓を踏まえて、もう一度エネルギー政策の中で原子力政策の議論をすべきだと私も思っております。
 技術力の維持については浅田先生と私は同意見で、技術を維持しないと、国内の廃棄物問題、福島廃炉問題を考えても、今後三十年、四十年、技術力が必要なわけですね。ただ、それが輸出で本当に維持できるかどうか、あるいは、だからといってどこにでも輸出していいというわけではありません。その意味では、技術力の維持を理由にインドに原子力を輸出するということは私は反対であります。

○福永参考人 ありがとうございます。
 二点のみ申し上げますと、一つは、もう今、今後日本の国内に新規の原発をつくるということはほぼ不可能であろう、国民感情ということからしてもですね。その上に立った上で、果たして日本が外に向けてどういうことができるのかといえば、それはもう確実に、福島事故の経験、そして失敗、その対策、何が必要であったのかというようなことをきちんと正確に伝えていく。
 その上で、さらには日本は、新しい原発をつくることよりも、むしろ廃炉の方に日本の技術者なり技術を向けていき、世界の原発、老朽化している原発が多くなっておりますので、そちらの廃炉というところに協力していくというのも一つの道だろうなと考えております。

○足立委員 ありがとうございます。
 時間が限られていますが、可能であれば浅田先生に一言頂戴したいんですが、福永先生の方から、協力停止は実質不可能だ、こういう御指摘をいただいております。可能でしょうかというのが質問ですが、どうでしょう。原子力協定は幾つかありますが、協力停止の前例はありません。実質可能かどうか、ちょっと一言いただければと思います。

○浅田参考人 可能かどうかと言われますと可能というふうに答えるしかないわけですけれども、これまでの国会の審議の中でも、核実験を行った場合には協定を終了し、そして協力を停止するというふうにおっしゃっていますので、可能だというふうに思わざるを得ないと思います。

○足立委員 ありがとうございました。