189-衆-国土交通委員会-15号 平成27年06月12日

○今村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 再開に先立ちまして、民主党・無所属クラブ及び日本共産党所属委員に対し、御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。
 これより足立康史君の質疑に入ります。足立康史君。

○足立委員 維新の党の足立康史でございます。
 先ほど厚生労働委員会で総理に僣越ながら御質問をさせていただきまして、大変な騒々しい中でありまして、本当に国土交通委員会はいいなと思います。
 しかし、きょうの法案、きょうも傍聴されている方もいらっしゃいますが、大変重要な法案ですので、いただいた時間、二十五分、しっかり御質問させていただきたいと思います。
 きょうは主にURの話を中心にいたしたいと思いますが、まず、その前に、独立行政法人の統合の内容が今回出てございます。
 私、独立行政法人については政治に翻弄されてきた歴史が若干あると個人的には思っていまして、政治が行政改革をやるというときに、かつての特殊法人をいろいろ統廃合したりするわけですが、これは役所もそうですが、統合した方が何か国民の皆様というかマスコミから評価される局面もあれば、分割した方が何か喜ばれる局面もあって、若干政治的な色彩を帯びることが多々あります。
 しかし、今回の政府案は、そういうことではなくて、しっかりと独立行政法人のそれぞれの内容を踏まえて今回お取り組みである、こう思っています。
 今回は大きく二つの柱があると思いますが、担当の局長さんも違うということですので、それぞれで結構ですので、今回、統合することによってどういうメリットがあるのか。デメリットはないのかもしれませんが、きょうは都市局長も別途おいででいらっしゃいますが、お世話になります。かつて、ここで大阪都構想の話をして大変申しわけないことをしたわけでありますが、大阪都構想のときも、自民党、公明党さんから、デメリットも言え、こういうことをよく言われましたので、きょうは、デメリットも、もしあれば、あわせて御答弁をいただければと思います。

○森重政府参考人 お答え申します。
 船員教育機関の統合によりますメリット、デメリットについてお答え申し上げます。
 まずは、デメリットでございますけれども、私どもとして、今回の統合によりまして特段デメリットを想定しているものはございません。
 次に、メリットでございますけれども、この統合のメリットとして、船員の養成を行うために必要な学科教育と実習教育を一体的に行う最大の船員教育機関が誕生いたしまして、独立行政法人としての政策実施機能の向上や業務の質と効率性の向上を図ることができると考えております。
 具体的には、まず第一に、教育内容の高度化でございます。学科と実習を通じて一貫したカリキュラムを策定するとともに、教員、練習船、シミュレーターなどのリソースを相互に活用いたします。
 第二に、広報など発信力の強化でございます。大型の練習船を擁する魅力を増した学校であることを最大限活用いたしまして、学生の募集であるとか、あるいは海事思想の普及を強化いたします。
 第三に、柔軟な組織運営でございます。規模の大きい組織となることによりまして、重点的、弾力的な予算配分を行い、教育機関をより計画的、効率的に整備してまいります。
 統合後の法人はこのようにさせていただきまして、海洋立国日本を支える若手船員の確保、育成を着実に推進してまいりたいと思います。

○森政府参考人 引き続き、三研究所の統合のメリットとデメリットについて御説明します。
 まず、メリットについてでございますけれども、三研究所は、海上、港湾、航空に関する技術の研究開発等を実施しておりますので、今回の統合によって、これらの研究開発等を総合的、一体的に実施することが可能になります。これによって統合のメリットとして私どもが期待しているのは、海上及び航空交通分野、これは大変国際競争が厳しい分野でございますので、こういった国際競争力の強化に資するとともに、まさに日本として進めなくてはいけない海洋の利用推進への貢献、これがメリットだというふうに考えております。
 他方、デメリットと言えるかどうかはわかりませんけれども、私ども、当初、今回の統合によって、まず、研究所の名称が変更されて、今まで研究所が積み上げてきたプレゼンスと申しますか、こういったものが失われることを懸念しておりました。また、この問題というのは、職員の士気の問題にもかかわる問題だと私は考えております。
 また、御存じのとおり、三研究所は、立地が三鷹、調布、それから横須賀と離れております。それぞれの研究施設は大型の研究施設を持っておるものですから、統合後もそれぞれ現在の場所で研究業務を行わざるを得ないものですから、離れた場所で一つの組織としてマネージしていかないといけないということで、当初は、迅速な意思決定とかマネジメント機能の低下ということを懸念しておりました。
 ただ、この点についても、今回の閣議決定の中では、各研究所が有する研究開発業務上の特性、プレゼンスを損なうことがないように、各研究所の名称を継続的に使用してもよろしい、それから、重大事故、災害発生時等の緊急時の柔軟な対応及び迅速な意思決定を確保するという形で、閣議決定の中で一定の配慮がなされておりまして、そういった意味では、結果的には特段の支障は生じないというふうに考えております。
 いずれにしましても、統合後も、従来、三研究所は大変高い評価を受けておりましたので、こういった高い評価やプレゼンスを維持向上していくとともに、三研究所の知見を活用して新たな連携業務を進め、統合効果を確実に発揮してまいりたいというふうに考えております。

○足立委員 ありがとうございます。大変よくわかりました。デメリットも含めて丁寧に御説明をいただきました。
 大阪都構想も、今局長がおっしゃったような形で、もう少しわかりやすく説明しておけばよかったかな、こういうふうに思うわけでありますが、まあ、ともかくとして、独立行政法人の話はこれぐらいで終わらせていただきます。
 何といっても、今回の法律改正の話の中で非常に大きな、傍聴の方もいらっしゃいますが、URの業務の話、関係者も多いわけでありまして、その話に移らせていただきたいと思います。
 近接地建てかえがこれから可能になるということでありまして、私は、よく制度改正の提案を政府からいただいたときにいつも思うんですが、なぜ今までそもそもできなかったのかということが、まず最初、そこから押さえないと、実は、なぜ今そういう制度になっているかがわからないんですね。
 だから、今回も、近接地建てかえを可能にするということですが、まず、なぜ今までそれをできない、認めないということにしていたのか、御答弁をいただければと思います。

○橋本政府参考人 お答え申し上げます。
 現行の制度、現在の法律の規定では、現在地とその隣接地のみで建てかえが認められている、これは御指摘のとおりでございます。これは、建てかえという性格上、現在建物がある場所に新たな建物を建設して賃貸住宅を存続させることというのを法律上想定していたということでございます。加えて、隣接地というのは、今の法律の規定にございますが、新たに建設する住棟の配置計画等に応じて敷地の確保に柔軟性を持たせるためということで、あくまで現在ある賃貸住宅を存続させるということを念頭にしたものでございます。
 しかしながら、この制度では、建てかえに伴って居住者に往復の引っ越しという二度の負担をおかけすることになる、あるいは移転先や適地の確保に長い時間を要するなどの課題がございます。
 それから、最近は特に郊外の利便性の悪い団地等については空き家が大変ふえてきたということで、複数の団地をまとめて再編するということを考えざるを得なくなったという状況がございまして、老朽化が進んで空き家が多くなっている郊外の団地等につきまして、居住者の同意が得られることを前提といたしまして、コミュニティーが一体的に、より利便性の高い土地に移転をしていただくことが可能となるように、新しく近接地での建てかえという手法を導入する必要性が生じてきたということでございます。

○足立委員 私自身は、今局長がおっしゃったような状況の変化というか、当然今、日本の社会は大きな変化にさらされているわけでありまして、その中で国民の皆様の生活をしっかりとお守りしていくために、必要な取り組みについては私はやむを得ない、こう思うわけであります。
 これはちょっと通告をしておりませんが、きょうは傍聴の方もいらっしゃいますので、局長、住民の同意を前提に進めていくというお言葉もありましたが、恐らく今住んでいらっしゃる方々はこの問題について関心が当然高いわけでありまして、そういう方々に対する配慮というか、今、同意をしっかりとっていくんだということもそうだと思いますし、特に、今住まわれているそういう方々への配慮という点で何かもしございましたら、ちょっと通告しておりませんが、お願いします。

○橋本政府参考人 お答えを申し上げます。
 まず、URの団地の建てかえ、これは借地借家法の適用を受けますので、居住者の同意がなければ、まず建てかえができません。まず、それは大前提でございます。したがって、同意をいただくために丁寧に説明をする、あるいは皆様方にさまざまな選択肢をお示しした上でお選びいただけるようにすることが大事でございます。
 それと、やはり、郊外の不便なところの団地から例えば駅の前の団地に移れば、しかも新築であれば、通常のいわゆる近傍同種家賃でいいますと家賃は上がります。しかし、URのある意味都合でお移りをいただくわけでございますから、家賃の負担については現在の水準のままでお移りをいただけるように、先ほど答弁にもございました最大三万五千円の家賃の減額というのを続けさせていただいて、その範囲内でお移りいただけるようなところを近接地建てかえにしていくということで、家賃負担の水準についても当然に配慮をするということを考えております。

○足立委員 わかりました。
 近接地建てかえが可能かということについては、今おっしゃっていただいたことで私は一定の理解をいたしますが、先ほど冒頭も申し上げましたように、URを含め、独立行政法人の業務追加等については、私も役人をやっていたのでよくわかるんですけれども、もうしょっちゅう、法改正だということになると業務追加、こうなっていくところがあります。
 私は、ニーズがあるものはというか、合理的に説明ができるものはどんどんやればいいと思うし、そうでないものはやめていけばいいと結構合理的に考える方なんですが、ところが、世の中はそんなに激変しない、大きなトレンドで、少子高齢化を初めとして大きな流れであるわけですから、余りこれは毎年やらなくてもいいよななんて自分でいつも思っていたわけであります。
 ちょっと忌憚のないところで、もし御答弁いただければと思うのは、今回はURについてこういう措置が出ているわけでありますが、本当はこれをやりたかったんだけれども、大変だからちょっと来年にするとか、実はもう局長の頭の中にあって、局長だけじゃないか、いろいろな局もあると思いますが、例えばURについて言えば、そういうものがほかにあれば、ちょっと挙げておいていただいたらありがたいかなと。ちょっと変な質問ですけれども、済みません。

○橋本政府参考人 URの関連する制度でやるべきことは全て出し切っておるつもりでございます。
 しかも、URにつきましては、一つは、法律改正を何度かやっておりますが、相当部分が行革に伴う、ある意味URに対する制約をかけるものが大変多うございましたけれども、最近で申し上げますと、例えば東日本震災復興支援の拡充に必要な法改正をやったり、あるいは都市再生事業において民間事業者との連携手法の多様化に必要な内規の改正、こういうことをやっております。
 また、今回の法改正は、平成二十五年十二月に閣議決定された独立行政法人改革等に関する基本的な方針に基づいてやっておりますけれども、近接地建てかえは法律改正が必要でございましたけれども、これ以外にも、例えば高額家賃物件をサブリースにして民間にお任せをするとか、あるいは既存団地における福祉医療拠点の誘致を行う等、これは法律改正が必要でございませんので、内規なりあるいは業務の運営の仕方を見直すということで、そういう業務も新しく取り組んでおります。
 そういう意味では、やらなければいけないこと、新しいニーズに対応することは適宜適切に取り組んできたつもりでございますし、現在のところは新たなテーマはないのではないかというふうに考えております。

○足立委員 ありがとうございます。よくわかりました。
 今、局長がいみじくもおっしゃったように、実は、いろいろ政権交代もあって、あれをやるな、これをやるな、あるいは採算性についてより厳しくなっていったりとか、URの皆さんは結構御苦労も多いと思います。特に、民主党政権の時代に民業圧迫という話が大きく取り上げられて、何でもそういう事業の見直しということがいろいろ行われたわけであります。
 私は、やはり民主党政権の時代から、今、太田大臣は自公政権、安倍政権で国交大臣をお務めでいらっしゃいますが、大分変わったと思うんですね、雰囲気が。私はどちらかというと太田大臣の側であります、余り強調しても仕方がないかもしれませんが。ただ、とにかく政権交代の中でやはり変動しているのは事実だと思います。合理的なものであれば、私はそれは積極的に採用していったらいいと思いますが、少なくとも余りぶれるのは現場は大変だろうな、こう思うわけであります。
 大臣にぜひ一言御見識をまた開陳いただければありがたいのは、そういう民業圧迫論、民主党政権のときに言われていた民業圧迫論の中に、それはそうだよなという、もし一理あるということがあればそれも教えていただきたいし、また、今、むしろ自公政権では余りそういうことを言わない、要は、民業圧迫というのはちょっとそれは違うんだということで、一定の業務についてはやっていらっしゃるわけでありまして、民主党政権のときの議論、また自公政権のときの議論を両方にらみながら、大臣、その辺、民業圧迫論をどう捉えておられるか、ぜひ御教示をいただければと思います。

○太田国務大臣 私は、政治を担う以上、リアリズムということは絶対変えてはいけない、現場主義といいますか、あるいは、私の立場からいうと庶民の側に立つということだと思います。
 四文字熟語に気をつけろということを私は心がけてきました。富国強兵というような四文字熟語にふわっと行ってしまったり、構造改革ということでずっと行ったり、政権交代という四文字で行ったり、さまざまなもので四文字熟語、その中に民業圧迫ということもあったと思います。そこの中で、常に政治はリアリズムが大事であるという、私はそのように、そういう意味では、石川好先生が言う言葉ですが、四文字熟語に気をつけろと。
 その中の本当のリアリズムという、あるいは現場というか、URについては行政改革というような四文字熟語とか民業圧迫ということが言われてきたわけですが、私は、URのことについては、住み続けられるということ、どういうことであろうと、改革の名のもとに住んでいる人を追い出すというようなことがあってはならない。そして、居住者が安心して住み続けられるということを常に基本にして考えなくてはならないわけで、民業圧迫とか民営化ということについて、私は、UR団地の方たちとずっと一緒に活動してきまして、そういうことで本当に十数年大変だった、民主党政権の時代という以上に、さまざま、そうしたことで大変な不安の中にあったということで、何とか住み続けられることが大事だ。
 そして、高齢者がふえてきている。そして、ついの住みかとしてずっと住み続けていくという、昔は移っていくということがあったんですが、そういう人が多くなってきている。あるいは、空き家が増加している。現実をしっかり踏まえて考えていかなくてはならない、こういうふうに思い続けてきました。
 UR団地は、地域の貴重な財産として地域全体の安心に貢献するということが大事なんですが、同時に、少しでも住み続けられるということの観点から立つ行政というものが、URということについては、きょう大勢の方も来ていらっしゃっていますが、私は、そこのところに原点を置いてURというものの方向性を出すということが大事だということの中から、高齢者であっても、また、住む方が住み続けられる。改革だとかいう名のもとに、それは住んでいる人とは余り関係ない話です。
 その観点に立って、そして現実には空き家がふえているとかいうことがありますから、そうしたことの中でどういうふうに住み続けられるということ、そして家賃ということで大変気にされているということもあって、そして耐震構造を施さなくてはいけない、さまざまなものを勘案して、今回この措置をとらせていただいているということをぜひとも御承知いただきたいというふうに思っているところでございます。

○足立委員 ありがとうございます。
 大変大事なお話をいただきました。四字熟語に気をつけろと。大阪都構想は、三字、五字ですから、違ってよかったなと思いましたが。
 本当に、リアリズム、現場主義、庶民の側、大臣のお考え、きょう傍聴されている方もいらっしゃいますが、大変貴重なお話を伺えたと思います。私もきょうより、リアリズムを肝に銘じて、政治活動に邁進をしてまいりたいと思います。決意発表しても仕方がないですね。
 最後に、もう時間がなくなってまいりましたので、開発型SPC。
 これも大変大事な話で、きょうは都市局長がおいででありますが、本当に以前は失礼しました。ぜひまた御指導いただきたいと思いますが、開発型SPCで一つだけちょっと気になることは、今までも認めてきた開発型SPC、開発型SPCというよりは、一定の、要は、民間を公募して、それで民間が見つからないときのSPCへの出資、これは今までもできたということでありますが、今回はさらに初期段階からできるようにする、こういうことであります。
 私は、やはり、大臣がおっしゃったように、民業圧迫というようなことを申し上げるつもりはありませんが、しかし、URが都市開発において一体どういう役回りを果たしていくかというときに、一定の規範は当然あるんだろう、こう思います。そのときに、URが参画をしなくても同じような開発ができる場合には、わざわざ公的なURが関与する必要がないわけであります。
 ところが、今回の見直しによって私が一つだけ危惧をしているのは、結局、URがなくてもできる開発と、URが一緒にSPCを組成してやる必要がある開発、これはどこでそれを峻別できるんだろうか。民間は、大抵の場合はURがいてくれた方がうれしい。
 自分たちだけでもできるが、URがぜひ入ってくれというケースをどういうふうに峻別できるのかという点だけ、ちょっと不明な点でありますので、答弁をいただければと思います。

○小関政府参考人 お答えいたします。
 URによる都市再生事業でございますけれども、初期投資が大きくて、かつ収益の発現までに長期間を要するような事業、あるいは複雑な権利調整に長い期間を要する事業などについて、民間のみでの取り組みが期待できない場合に行うということにしております。
 実際に、民間の事業者と行った意見交換におきましても、ただいま申し上げたような、まちづくりに関するノウハウを有するURと共同出資した開発型SPCというのを使って共同事業を行うことをURに求めたいという声もいただいているところでございます。
 今回は、法律上、URと共同して事業を実施したいと考える民間事業者からのまず要請があるということを法律上の明文で置かせていただいております。
 加えて、URが都市再生事業を行う場合には、個別の案件ごとに、学識経験者等から成る第三者委員会の審議におきまして、民間のみでは実施困難かどうか、あるいはURが行う政策的意義が高いかどうかということも御審議をいただいて確認するということにいたしております。
 したがいまして、民間事業者の具体的なニーズや意向を踏まえて対応するということで、民業補完という考え方のもとに適切に運用してまいりたい、このように考えているところでございます。

○足立委員 ありがとうございました。
 時間を超過いたしまして、失礼しました。大変にありがとうございました。