185-衆-内閣委員会-6号 平成25年11月15日

○柴山委員長 次に、足立康史君。

○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 ふだんは厚生労働委員会で仕事をさせていただいておりますが、きょうはもう正午を過ぎておりますが、この時間設定は私がしたわけではありませんので御容赦をいただいて、二十分ほど御討議をお願いしたいと思います。
 きょうは、厚労省の佐藤副大臣にもお越しをいただいています。厚労委でも申し上げましたが、大阪の大先輩でありまして、大学の先輩でもあります。何とぞよろしくお願い申し上げます。また、新藤大臣、よろしくお願いします。
 きょうは、いわゆる雇用特区について議論をさせていただきたいと思います。ただ、きょう維新の質問者の方から、山田委員の方から、グローバルスタンダードでという話も申し上げたかと思います。我々日本維新の会は、雇用については、やはりこれだけグローバルな経済になった中で、日本の雇用制度についても改革しなくてはいけない、こういう基本認識がございます。
 そういった意味で、この委員会でも、維新以外の野党の皆様から、特に共産党からは、いわゆる雇用特区については解雇特区というような議論が、この審議にかかわらず、議論があったかと思います。
 そういう一部野党の雇用特区に対する意見に対して、十月十六日の本会議でも、安倍総理の方から、解雇特区といったレッテル張りは事実誤認だ、不適切であると大変強い語調でおっしゃられ、私は、まさにそうだと。いろいろ八田委員長などから御提案のあった提案を、むしろ成長戦略の肝になる改革である、特に、アベノミクスをしっかりと成功させるためには、雇用改革なくしてアベノミクスの成功なしと言ってもいいぐらい、雇用規制の改革は重要であると考えています。
 ところが、結果的には、見直しというか修正というか縮小、あるいは断念ということが報じられております。これは、安倍総理が本会議で大変正しく雇用特区の趣旨についておっしゃっていただいたにもかかわらず、なぜ、実際の法案の取り扱いについて、雇用特区が縮小してしまったのか。
 新藤大臣、御担当の大臣としてこれをどう見ていらっしゃるか、御答弁をお願いします。

○新藤国務大臣 私たちは、きちんと国民の皆さんに、何が目的なのかということを説明していく、そういう義務と責任があると思います。ですから、まだその気持ち、意向が伝わっていないとするならば、さらなる努力をしていけばいい、このように思うんです。
 私、再三申し上げますけれども、手段の目的化に陥るんです、日本人というのは。ですから、雇用のところも、雇用をどうするんだ、どうするんだと。一体、何の分野で働いてもらうんですか、どうしてそんなに人が必要なんですか、そこの議論が大事だと思いませんか。ここでこういう仕事をやるから、いろいろな人が集まってくるよ、そのときに、働き方が多様なものであって、しかも雇用の拡大につながるようなルールの改善が必要だよね、それが規制緩和なのであって、何をやるかということを議論すればいいと思うんですよ。しかし、この制度として後退したか前進したか、私は、そういうことを言われても余り気にはしておりません。
 大切なことは、今後、少なくとも、雇用の拡大をするために、まだ具体的なケースが設定されていないにもかかわらず、このように、労働紛争の予見可能性を高めるような、そして今まで全くさわってこなかったところに、担当である厚生労働省も踏み込んできた。そして、今後さらに検討していきますと大臣が言ってくれているわけであります。そういう中で、さらに雇用の活性化を促すための規制というのは、必要に応じて検討していきたいと思います。
 まずはメニューを、とりあえず、ここまでのメニューはそろえました。これも機能をしていくと思いますし、させるようにしなくてはいけないと思いますが、大事なことは、こういうルールを使って何をなし遂げるかということをきちんと示さなければいけなくて、それを我々がまだ示していないものですから、皆さんからこういった御心配をいただくことになるわけであります。
 しかし、なぜ我々がそれを示さないのかといえば、それは、この法案を成立させていただいて、そういう目的と区域を設定するための仕組みを、ここでもって、国家として取り組むわけでありますから、ぜひそれを法案として成立させていただいた上で、そういったものをお示ししたい。そこでたくさんの御意見をいただきながら、皆さんがよしと喜んでいただけるような、そういうプロジェクトを組み立てていかなければいけない、こういう責任を私は感じております。

○足立委員 ありがとうございます。
 今、新藤大臣がおっしゃったことで言えば、要すれば、地域に、あるいは企業に具体的なニーズがあれば、これは、いわゆる解雇制度に係る、雇用特区というものは非常に広い、雇用制度は非常に広うございますが、雇用制度の中でも解雇制度、解雇制度に係るメニューも、今後、ニーズがあれば検討の余地はある、こういうことでしょうか。

○新藤国務大臣 そもそも、雇用特区というのは何だということでございます。雇用だけに限定した特区をつくるんですか。ですから、プロジェクトを組んで、国家戦略特区の中で行われるプロジェクトにはこういう雇用ルールが適用されますよということなのであって、雇用だけの特区なんてあり得ないじゃないですか。というふうに考えてみたらどうかと私は思うのでございます。
 特区における雇用制度をどういうふうに考えるかという論点だと思うんですけれども、字面にすると、雇用特区はどうするのとなると、今みたいな私の話になっちゃうんですね。
 ですから、とにかく目的をきちんと設定して、そのために必要な手段は考えましょう、ルールの改善が必要なものについては、これも取り組みたいと思います。しかし、それは関係の皆さんとの協議が調わなければできないことであるから、それを国民の前で、透明性、公開性を持って、国がこういうことであれば経済が広がっていくのではないか、こういう観点からこれだけの成果も出せるのではないか、こういう指標を設定した上でそういった議論をしていきたい、こういうことでございます。

○足立委員 ありがとうございます。
 ただ、新藤大臣、これはこだわるわけじゃないんですが、今、雇用だけの特区はあり得ないじゃないか、こうおっしゃった。私もここで帰るわけにいかぬので、もうしばらくおつき合いいただきたいんです。
 先ほど、山田委員からグローバルスタンダードという話がありました。
 雇用制度はもちろん国それぞれで、ILOでいろいろな議論がありますから、途上国などはできるだけグローバルな枠組みでの議論がありますが、先進国を見ても一定の幅はあります。ただ、先進国の雇用制度の特に解雇にかかわるルールを並べてみると、やはり日本は特殊なんです。
 英米独仏と言われているいわゆる欧米の先進国について、基本的に、解雇者を選ぶルール、新藤大臣、これは佐藤副大臣の領域ですからあれですが、ただ、担当大臣としてぜひ御理解をいただきたいのは、被解雇者の選定について。
 アメリカでよく言われているいわゆる先任者保護、長く勤めている人を大事にするという大きな枠組みがあります。これは、まあアメリカは特殊ですけれども、アメリカだけではなくて、イギリス、フランス、ドイツ、あるいはスウェーデン等でも一般化しているわけです。
 これは当たり前のことで、長くその企業にいれば転職しにくくなりますね。要は、そこに長くいない方は、ほかにまた行く余地もある。若ければまたほかでトライする余地もある。でも、例えば五十、六十までずっと長くいたら、急に出ていってくれと言われたら、大変だ。
 いろいろな合理的な理由があってそういう制度を設けているんですが、日本にはそういう要件は、解雇の法制、あるいは判例法理にも基本的にはないと承知している。むしろ、日本では、いわゆる経営の悪化、事業体の経営が悪化することを、解雇の四要件ということの中に、明確に判例法理として一定の確立を見ているわけでございます。例えば、ドイツなんかを調べてみると、こういう経営悪化の要件はありません。そういう日本の解雇制度というのは、やはり特殊なんですね。
 だから、例えば私も佐藤副大臣も、地元ですけれども、大阪なんかでそういう特区をやろうと言っているのは、大阪は、これから東京と競争するんじゃないんだ、シンガポールや香港、上海等と競争するんだということで、やはりグローバルな制度を見たときに、どうしても日本というのはハードルがある。
 そういう観点で、雇用に関する制度、これは解雇制度もそうだし、あるいは労働時間規制もそうだ、やはりしっかり取り組んでいきたいということで、雇用制度に着目した特区を提案しているわけです。やはり、それはあり得ないということですか。

○新藤国務大臣 私が申し上げているのは、雇用制度のみに特化して行われる特区というのはあり得ないと言っているんですよ。雇用というのは、どこかで雇われるんだから。
 もちろん、今委員がおっしゃるように、雇用のルールをいろいろと改善しよう、これは重要だと思います。グローバルの競争に勝ち抜くために、人材を確保するために、やはりそれは必要な要素だと思います。しかし、その人たちは、そういうルールを改善された中で、何の仕事で働くんですか。どういう仕事が集まるから、そこの企業やそこの仕事に対して働く人にこういうルールが適用されますよ、これは合わせわざでしょう。
 ですから、雇用だけのことに特化するのでなくて、しかもそれは、国家戦略特区においては、望むならば幾つかの特区で同じようなルールができるわけでございます。特に雇用などという働き方については、全国でできるもの、それをまず特区でやってみようじゃないか、こういうことなんですから、その意味で、もちろん議論は大切ですし、まだまだ詰めなきゃいけないことがあるんですが、しかし、後退したかとか、前進したかとか、そういう議論は余りしても意味がないのではないかという意味において申し上げているのでございます。

○足立委員 ありがとうございます。
 すると、合わせわざであれば、解雇に係る制度、労働時間に関する制度があり得る、これでよろしいですか。

○新藤国務大臣 それは今、厚生労働省を初めとして、私ども必死で議論をしているところでございます。

○足立委員 きょうは佐藤副大臣においでいただいて、大変難しいテーマだと思うんですが、私がこう申し上げている趣旨は、例えば、通常国会でも実は解雇の金銭解決の話というのがあったんですね。これは、正直言って、何か解雇する側のためにその制度があるような誤解があったんですが、実際私、いろいろな人に聞くと、むしろ経営側はそんなに望んでいないんです、お金を取られるわけですから。
 でも、結局、今回の解雇紛争については、これはけしからぬじゃないかということで裁判になったというときに、労働者側が勝って、やはりそれは不当だったというときに、裁判までして争ってしまったときに、その会社に戻りますか。でも、戻るしか今はないんです。そうすると、けんかをしたところにまた戻るしか今の日本の労働者はないんです。それは労働者の選択肢が、まさに世界標準から見てもそれだけかよと。むしろ世界的に見れば、敗訴したときにお金でごめんなさいと金銭解決を、敗訴に行く前もあります、もちろん和解で。その紛争を、戻るだけじゃなくて、金銭で報いる、解決するという労働者側の選択肢なんです。それを労働者が選べばいいんです。
 労働者側の選択肢をふやすことを考えて政府は提案をしていたはずなんだけれども、一部野党の、日本維新の会を除く野党の何かいわれなき、まさに総理もおっしゃっている、ちょっと言葉は忘れましたが、非常に不見識な、合理的でもない、マスコミも含めたそういう不当な議論によって、政府が一旦それは取り下げた。実際に、これは新藤大臣の領域じゃないです。いわゆる解雇の金銭解決というのは、厚生労働省が正面から取り組んで、マスコミや民主党や共産党の反対で引っ込めたんですよ、今申し上げたことを。
 この解雇特区においても同じようなことが起こるのでは、アベノミクスを成功させるためには、やはりこれは雇用制度なんです。それはおっしゃるように、特区かという議論はあります。もう全国でやろう。でも、特区というのは、本来、全国でやるんだけれども、なかなか全国ではハードルが高いからまずここでやるんだということで、大臣のリーダーシップでやっていただいているわけですから、私は、雇用制度、絶対やらなあかん、解雇制度、労働時間規制、絶対にやるべきだし、それをいずれは広げていって、厚生労働省の労働政策の枠組みの中でしっかりとこの制度を整備していく必要があると思うんです。
 本当に一言ずつで結構ですので、新藤大臣と、申しわけない、佐藤副大臣、時間がなくなりましたけれども、一言で結構なので御見解をお伺いできればと思います。

○柴山委員長 質疑時間が終了しておりますので、文字どおり一言ずつお願いします。

○佐藤副大臣 今、足立委員が質問の中で申されていました解雇の金銭解決制度、二種類あると思うんですね。事前型と事後型。
 事前型については、春の通常国会の予算委員会でも、党でも、総理が、そういうものについては導入しないという旨を累次にわたって答弁をされております。
 問題は、今おっしゃられた、現職復帰を希望しない場合の救済方法としての事後型の金銭解決制度については、ドイツを初め、欧州諸国の例もあって、検討の余地が一概に否定されるものではないと思っておりまして、過去においても、平成十五年、また平成十八年、審議会で議論された経緯がございます。それについては、懸案になったのは、一つは、やはり申し立ての主体、もう一つは、補償金の水準をどうするか、そういう難しい論点もありまして、やはり労使の合意を得るに至らなかったという課題であることを踏まえて、やはり、我々としても、慎重にこれはしっかりと議論していくテーマである、そのように考えております。

○新藤国務大臣 目的達成に向けて、必要な議論というものはいつもやっていくべきだと思っております。

○足立委員 大変にありがとうございました。