183-衆-厚生労働委員会-15号 平成25年05月29日

○松本委員長 次に、足立康史君。

○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 今の山井委員に続いて、主に生活保護について質問をしてまいりたいと存じますが、最初に、今、山井委員からもございました大阪の守口のこの件、これは質問ではございませんが、これは、今、山井委員が確認をしていただいたとおりで、私も大阪出身で選挙区も大阪でございますので、大変心を痛めております。
 DVだという議論も、今、議論として御紹介がありましたが、転居を経たということで、やはり福祉の支援というか、福祉のそういうセーフティーネットから、転居を経て漏れてしまった、結果的にはそういうことになったわけであります。
 先ほども御答弁いただいたように、この問題については、一つの事案ということではなくて、本当にこういうことを二度と繰り返してはいけない、再発を防止しなくてはいけないという思いで、ぜひ厚生労働省として取り組んでいただきたいと思うし、また、私たちも、顕在化したのはこのことでございましたが、その一歩手前のような方々がたくさんいらっしゃるのは想像にかたくないわけでありまして、政治あるいは行政に携わる私たちは、こういう点について、これまで以上にやはり想像力を持って対処をしていかないといけないなということを、私自身、肝に銘じているところでございます。
 では、生活保護でございますが、きょうは、最後に子どもの貧困法の話もしますが、与野党お座りいただいているので、では、最初にやっちゃった方がいいですか。古屋先生と、それから山井先生にお座りをいただいていますので。
 きょうは、幾つか、生活保護が中心であります、それから困窮者の話も申し上げるし、それから、最後にと思っていましたが、これを先にやります。
 今も話がございましたが、与野党から提案のある子供の貧困対策については、我々日本維新の会としても、さまざまなお話をさせていただいていますが、今大臣からもあったように、ほとんど同じですね。最大の争点は、目標の設定に関する部分であると承知をします。
 それぞれ、与党、野党のお立場から、この点についての是非あるいは考え方、これを、簡潔で結構ですから、御紹介をください。お願いします。

○古屋(範)議員 このたび、自民、公明の与党で、子どもの貧困対策の推進に関する法律案を提出いたしました。
 子供の貧困対策の目標を設定する件について、その是非についての御質問でございます。
 子供の相対的貧困率の削減目標値を定めることについては、貧困率は可処分所得のみで算出をされているために、学習支援や保育といった子供に対する現物サービスの充実等が貧困率の改善につながらず、現物サービス等の対策の推進力につながらないおそれがございます。また、資産の保有状態が全く反映をされていないため、貧困の状態をあらわすものとしては十分ではないと考えます。
 一方、子供の相対的貧困率等、貧困に関する指標を調査、把握することは必要と考えています。例えば、子供の相対的貧困率や生活保護世帯児の高校進学率など、さまざまな指標を把握して施策を講じていくことは大切だと考えております。
 いずれにいたしましても、子供の貧困を減らすために、子供の幸福のために、これからも全力を挙げていきたい、このように考えております。

○山井議員 お答え申し上げます。
 古屋先生もおっしゃいましたように、数値目標というものをどう考えるかですが、一つは、無料学習支援や就労支援、相談事業等の現物サービスが子供の貧困率改善や削減というものに余りつながらないのではないか、そういう御指摘もあったのではないかと思います。
 確かに、一年、二年ではそうかもしれないですけれども、やはり、先ほど田村大臣からも御答弁いただきましたように、子供の貧困の連鎖を断ち切るという意味において、中長期的には子供の貧困率というものの改善に寄与するのではないかと私たちは思っております。
 先ほどもお見せしましたが、がん対策法は、十年間で二〇%死亡者を減らすという計画を立てたら、それに沿って進んでいっております。
 その意味では、この数値目標というのは実効性を担保する上で必要ではないかと思っておりますし、何よりも、議員立法というのは、法律ができたら、あとは対策を政府に委ねるわけです。そのときに、例えば、子供の貧困率を三年ごとに一%ぐらい下げる立法趣旨なのか、三年ごとに三%ぐらい下げる国会議員の立法趣旨なのかによって、政府の対応も正直言って変わってくるんですね。
 そういう意味では、せっかく国会議員全員の意思として議員立法で成立させる以上は、やはりこれぐらいのスピードで下げることを国会議員の立法者の意思としては考えていますということを入れておいた方が、政府も今後の検討をしやすいのではないかと思います。
 ともあれ、私は、今回、下村大臣や古屋先生を中心に、自民党、公明党も、与党という非常に責任の重いお立場でこういう議員立法を提出してくださったこと、我が党の法案、野党案とはそれほど違いませんし、すばらしい法案だと思っておりますので、こういうすばらしい法案を自民党、公明党さんが提出されたことに、心より敬意を表したいと思います。

○足立委員 ありがとうございます。
 こうして、実は、前回の厚生労働委員会の審議においても、あのときは厚生年金基金の法律について、政府と、それから、それこそ野党案というか民主党案で山井委員にお座りいただいて、田村大臣と山井委員に若干の討論をしていただいたことがありましたが、こういう形で複数の案が並んで、この委員会でいろいろ議論をするということは、私は、こういう形でいいなと思ってやっているんです。これは質問じゃないんですけれども、こういうことはありますかね。非常に変わったことをやっているのかもしれませんが。
 きょうも大変多くの方が傍聴にいらっしゃっていますので、それぞれの案の趣旨と、それから、これは必ず一つにして成立をさせないといけないわけですから、調整をしていかないといけないということで、ぜひそれを、見えないところで調整するのではなくて、できるだけこういう形でわかるように議論をいただくのがいいかなと思って御質問を申し上げたわけでございますので、ぜひ御理解をいただいて。
 加えて、今それぞれおっしゃっていただきましたが、特に古屋委員におかれては、貧困率の、可処分所得という指標の、ある種の限界というか、そういう御指摘もいただいたし、あるいは山井委員の方からは、いや、これは政治の、あるいは立法府の立場として目標は決めていくんだ、中長期的なある種の実効性を確保するために必要なんだ、こういう御趣旨がありました。
 それぞれの一番大事な部分について、古屋先生におかれては山井さんのおっしゃったことについて、逆もしかり、ちょっとコメントをいただけますでしょうか。

○古屋(範)議員 確かに、子供の貧困率を下げていくということは政策の一つだというふうに思います。
 しかし、それだけでは子供の貧困というのは決してなくなるものではない。私も、多くの、大変な立場にある方々とこれまでも寄り添って生きてまいりました。その中で、非常に問題は複雑であり、また、根が深く、多岐にわたっているということでありまして、私たちは、やはり子供に直接届く、特に教育の機会均等、教育の支援等々を初めといたしまして、そういう総合的な支援を行い、本当の意味で子供の幸福を願っていく、推進をしていくということが重要なのではないか、そのように考えております。
 以上です。

○山井議員 御質問ありがとうございます。
 この法案は、趣旨は同じ方向でありますので、けんかする法案でもありませんし、必ず、与野党仲よく成立はさせていきたいというふうに思っております。
 ただ、私、一番の心配は、先ほども言いましたように、今、子供の貧困率が上がっていっているわけですね。法案が成立してから数年たったときに、ますます子供の貧困率が悪化していっていたという結果が出たときに、恐らく、一般の人からすると、あの法律は何だったんだということになりかねないと思うんですね。法案が成立して喜んだ方々が、数年たったら、全然何にも変わっていなかったねということになったら、やはりこれは、国会議員というのは何なんだということになりかねないと思います。
 そういう意味では、やはりこれは、貧困家庭のお子さんたちが切なる思いで、お母さん方、お父さん方も含めてですけれども、切なる思いでこの法案の成立を願っておられるわけですから、少なくともその方々を失望させることがあっては絶対にならないわけで、その意味では、少なくとも、今悪化していっている子供の貧困率を少しでも下げるんだ、何が何でも下げるんだという意思を国会議員全体と政府とで共有することが私は必要だというふうに考えております。

○足立委員 ありがとうございます。
 古屋先生はちょっと外されましたが、古屋委員それから山井委員の御指摘、私はよくわかります。
 それから、今、薗浦委員に来ていただきました。せっかく来ていただいたので、あと一つだけ、ちょっと往復させていただきたいと思うんです。
 私、要すれば、自公案と野党案ということでやっていますが、いずれにも一理あるし、やはり一定の目標を掲げてやることは大事なんだけれども、その目標が、ある種、硬直的では意味がないということですから、ぜひ、さっき山井委員もおっしゃったように、この法律をとにかく仕上げないといけない。
 仕上げるに当たっては、もちろん、我々日本維新の会も全面的に御協力を当然するし、一緒にそこは考えていきたいと思いますが、やはり目標は要るだろう。しかし、それを法律に書くと、硬直的な目標になって、かえってゆがめることがあるとすれば、例えば大綱に、より丁寧に、子供の貧困対策の国家目標、国としての目標をしっかりと書き込む。ただ、それは、大綱ですから、丁寧に書けるわけですから、今、自公からあったような点についても丁寧に書く、そのかわり、でも、しっかり書くぞと。国の目標として、曖昧にせず、明確な形で数値を書き込むということについて、今ここで決着するものでは当然ないけれども、私は、そういう落としどころ。
 要は、法律からは落とすけれども、具体的な数値目標を例えば大綱に書く、例えばこういう議論について、それぞれ、薗浦委員と山井委員、ちょっとどういうお考えか、お聞かせいただければと思います。

○薗浦議員 御質問をいただきまして、ありがとうございます。
 御指摘いただきましたように、法律でいろいろなものを縛ってしまうと、全て、新しく何か問題が出てきたときに法改正をしなきゃならぬという意味で、なかなか法律には書きづらいということもあります。
 一方で、我々は、法律の中に、いわゆる子供の貧困の改善に資する、それから、いろいろなものについて調査をしなさい、研究をしなさいということを書き込んでいます。その調査研究の結果、当然、それが改善をしないということであれば、法律を見直さなければいけないという法律の見直し規定も入れています。当然、数値を悪くしようと思って法律をつくる人は誰もいないわけですから、それを担保するために、あえて、調査研究をやりなさい、見直し規定、これによって担保をさせていただいたという形をとっております。
 もちろん、その大綱の中に子供の貧困率を含めていろいろな数字を指標として入れて、それを全体的に改善するのだという考え方をとることは全くやぶさかではございません。

○山井議員 御質問ありがとうございます。
 今、薗浦議員からも、子供の貧困率を含めた数値の改善を目指すというお話がありました。やはり、それについてどれぐらいの程度を目指すかということなんです。
 確かに、今まで、日本の法律で数値目標に関する法律は二つしかないんですね。がん対策基本法、これも薗浦議員おっしゃったように、法律には入っていないんです。でも、計画の中で数値目標が入っています。農業対策基本法、これも法律の中には数値目標は入っていません。実際の農業対策基本計画の中で、四一%の食料自給率を五〇%にするというふうに決めています。
 そういう意味では、足立委員も御指摘のように、今、野党案では法律そのものに三年間で一〇%と書いてあるのは、ちょっと書き過ぎと言われれば書き過ぎかもしれません。そういう意味では、私たちもこれから修正協議はしていきますが、法律から落として、そのかわり大綱や計画の中でそういう何らかの数値目標を入れていくという形でもよいかと思います。
 それと、もう一つ重要なのは、その実際の最終的な数値目標なり何らかの大綱や計画を決めるときに、先ほど私も質問させていただきましたが、がん対策基本法のように、決める際にはぜひ当事者の方々の声を反映させるということが必要だと思います。

○足立委員 ありがとうございます。大変わかりやすい御答弁をいただいたかと思います。
 とにかく、私たちも、あるいは私も、この子供の貧困対策について実効を上げる、そのために数値目標が必要であれば、やはりそれはしっかりと書いていくべきだと思います。
 ただ、間違った書き方をすると、それはまた施策をゆがめることにもなりかねないわけで、やはり、今、山井委員もおっしゃったように、関係の方の意見をよく伺って、この子供の貧困対策をまさに、本当の意味で実効を上げるためのある種の国の目標、これはぜひ具体的な形で示していく必要があると私は思うし、そのために、私たちもその協議に協力を、一緒になってつくってまいりたいと思っております。
 では、これでこの話は一旦締めたいと思います。ありがとうございました。
 では、続きまして、冒頭申し上げた生活保護でございます。
 私は、この生活保護については、先週金曜日の厚生労働委員会でも取り上げさせていただきました。そのときは、主として年金の話を取り上げさせていただいて、生活保護と老齢基礎年金の整理がいかがなものかと。
 年金という保険制度から漏れる、低年金あるいは無年金になる、すると、その先には、いわゆる身ぐるみ剥がれるというか、資産についても非常に厳しいハードルがあるその生活保護というところに入らざるを得ない。
 高齢化に伴って、高齢者の生活保護が非常にふえている、これが今の現状だと思います。この点については御指摘を既にしたわけですが、またきょうも、先ほどみんなの党の柏倉委員の方からも同じような御指摘がありました。
 むしろ、現役について、生活保護と最低賃金、あるいは失業保険について、そういう現金給付について、日本にはさまざまな制度があるわけです。生活保護もあれば、働く人の賃金については最低賃金制度がある、そして、失業された方には失業給付が給付される。ところが、これが不整合じゃないのかという感覚が広がっているように私には感じられます。
 例えば、長年、真面目に年金の保険料を納めてきた、掛けてきた方々と、そういうことを一切、保険料を払わずに生活保護を受けられている方とが一カ月に使えるお金は同額なんですね、簡潔に言うと。これはやはり、近くにいても、そういうお二人の高齢者の方が、一生懸命掛けてきた方と掛けていない方が全く同じ生活をするということについて、ある種の不公平感があるように私には思われます。
 また、現役の方についても、額に汗して懸命に仕事をしている方と、いろいろな理由があるわけでございますが、そうではない方の一カ月の生活費、金額が同じ。あるいは、最低賃金、先ほど田村大臣からも御紹介があったように、最低賃金については、一部それが逆転をしているケースがある。額に汗して働いている方の方が貧しいということが、今の日本のこの制度の中ではあるわけですね。
 こういう、さまざまな制度の間の不整合はいわゆる不公平感をもたらすし、あるいは、保険料を払うということについては、モラルハザード、もう払わなくていい、自分は生活保護があるんだから、もう保険料は払わない、そういう方が生まれてもおかしくないと私は思いますが、この点、田村大臣の方から、基本的な御理解というか御認識を教えてください。

○田村国務大臣 今、それぞれの制度間で不公平ではないかという部分もあるという御指摘でございました。
 生活保護と、それから最低賃金という意味からいたしますと、確かに、最低賃金が生活保護水準以下であるという県が幾つかあるわけでありまして、これは早急に解消しなきゃならぬということで取り組んできているところであります。
 もちろん、一方で、経済の実態がありますから、これはしっかりと審議会でお話しいただいて、そこでお決めをいただくことでございますので、そこは実態とうまくクロスさせながら御議論をいただいて、早急に引き上げをいただければありがたいというふうに思っております。
 その最低賃金にいたしましても、それから老齢基礎年金にいたしましても、基本的には、先ほど委員おっしゃったとおり、蓄えという選択があるわけでありますし、消費も自由なんですよね、あるものにおいて。
 しかし、生活保護家庭となると、例えば、必要不可欠でない場合は自動車が買えないだとか、いろいろな制約がかかってくるわけでありますし、貯金は当然持てないということであります。先ほど、大学を目指そうという場合には、それに対しての準備金というような形での預貯金、これは認めるような形に制度改正をいたそうと思っておりますが。
 でありますから、当然、一方で制約があるのとないのとという意味からしますと、それはやはり生活保護でお暮らしの方の方が窮屈な部分はあられるのだというふうに思います、制度的に。
 しかし、では、今の老齢基礎年金の水準がどうなんだということもございましたので、昨年、これまた委員から言わせると、ぬえのような制度だと言われますけれども、福祉的な給付という形で、低年金者、低所得者に対して上積みをさせていただいた。
 さらには、これからの国民年金の動向を見ていきますと、マクロ経済スライドがかなりの期間かかるという中において、実質目減りをする、こういう可能性がありますから、これに対して中長期的にどうするんだ、こういうような問題意識を我々も一応持っておるということでございます。
 なかなかすっぱりと委員が求めるようなお答えにはならぬわけでありますけれども、それぞれ制度が違うという中において、それによって受ける制約といいますか自由度も違うというのが、簡単に言いますと結論でございます。

○足立委員 田村大臣、ありがとうございます。
 まさにこの点、何度も大臣とは討論をさせていただいてきているわけでございますが、制度が違うんだ、趣旨が違うんだ、こういう話がいつもございます。それは私ももちろん理解をしているわけですが、だからこのままでいいと思うか、制度は違うけれどもできるだけ整合させていった方がいいぞ、これが私が申し上げていることで、制度は違うんだけれども、不整合であることが原因になってそれぞれの制度の基盤がもし揺らいできているとすれば、それはやはり大変大きな問題であるし、不整合を解決するためにさまざまな知恵を我々も尽くしていかないといけないと思っております。
 それから、大臣が今御紹介をされた生活保護の方は、要は、わかりやすく言うと身ぐるみ剥がれるというか、そういう言葉はお使いになりませんが、そういう厳しいものを求められるわけです。ただ、それは、だから生活保護のお金はたくさんでいいじゃないかという理由にはならないと思うんです。
 その条件というのは、真に生活保護を受けるべき方はどういう方か、そういうスクリーニングをしているだけであって、だからその人はかわいそうじゃないか、だから給付額はたくさんでいいんだということではない、そういう趣旨ではないと思いますから、これはもうやりとりしませんが、ぜひこの不整合については、私は重大な不整合があると思っていますので。これは私の意見ですが。
 では、田村大臣、手を挙げていらっしゃるので、お願いします。

○田村国務大臣 一番の違いは、生活保護という制度は、これは公費で全てやっているわけですね、税金、国の税金、地方の税金でやっています。もし横並びで、生活保護と同じだけの水準の基礎年金という話になると、これは全額税方式という話になります。つまり、御本人が保険料を払わずして全て税でやる。そういう国も若干なりともないとは言いませんが、そのときに、その財源をどうするんだと。
 今は、少なくとも自助努力の中で保険料を一定程度納めていただいて、そして、年金という制度の中で老後の生活の一定の所得を得られているわけでありますが、これを全部、生活保護と仮に同じ水準の税という話になりますと、今言われたとおり、本来必要な方に税としてお支払いしておるのが生活保護でございますから、そうじゃない、例えば蓄えのある方々にまで税でという話が出てくるわけでございます。
 理想はわかるんですけれども、そこら辺のところも、実はなかなか制度の難しいところであるということは御理解をいただければというふうに思います。

○足立委員 ありがとうございます。
 本当にいつも、田村大臣には敬意を表したいと思います、というか感謝申し上げたいと思いますが、非常に率直にいつも御討論させていただけるので、私も非常に議論が前へ進むわけでございます。
 今おっしゃった点、私もよくわかるんですが、ただ、例えば、きょうも、みんなの党の柏倉さんとのやりとりの中で国民年金について若干議論がありました。
 国民年金について大臣がよくここで御紹介されるのは、国民年金というのはもともと自営業者の方のものだというふうにおっしゃる。確かに、自営業者の方であれば、六十歳を超えても、六十五歳を超えても、その自営業はすぐにやめないかもしれない。すると、だんだん収入は細るかもしれないけれども収入はある。それへの上乗せなんだからそれでいいんだ、ある程度その上乗せ年金、基礎年金が少なくてもいいんだという議論はあるかもしれない。
 ただ、まさに、私がここで繰り返すまでもなく、国民年金の加入者の方については構造が変わってきているわけですね。いわゆるそういう、ずっと収入がある自営業者の方ではなくなってきているという実態が別途あるわけです。そういう雇用情勢とか、経済情勢、社会の環境の変化に応じて、やはりこの制度は抜本的な整理がもう一度必要ではないかと私は思っています。
 その上で、ぜひ確認をしたいのは、今、田村大臣といろいろ意見交換をさせていただいたこの制度間の不整合、私は、これはあると。大臣も一応、制度が違うという理由でもあるということでございますが、これは最近のことなのか、昔からそうなのか。また、不整合の理由というか、ある種この実態を、例えば雇用環境が変わってきたからこういうことが起こっているのか、そもそも昔からこれはこういう関係ですよということなのか。
 副大臣、ぜひよろしくお願いします。

○桝屋副大臣 委員の先ほどからのお話、制度間の不整合という表現をされましたけれども、どうしてこういう状況が起きているのか、いつから始まったのか、なぜこんな議論が起きているのか、こういうお尋ねでありますが、とりわけ昨今の国民生活を取り巻く厳しい経済状況などの中で、とりあえず生活保護制度の見直しということもありまして、制度間の水準についての大きな関心が集まっているというふうに思っております。
 各制度間の一定の前提のもとに、委員の御指摘でありますから整理いたしますと、まず最賃でありますけれども、最低賃金、これについては、もちろん働いて収入を得る、こういうことでありますが、生活保護との関係でいいますと、生活保護との逆転現象が生じている地域は、現在、六都道府県、逆転というふうにおっしゃいましたが、四十七のうち六都道府県だ、こういう状況でございます。
 それから、基礎年金、これも何度も議論されておりますが、満額で、フル年金で月額六万五千五百四十一円、一方、六十代の高齢者単身世帯の生活扶助の基準額は、都市部では月額八万八百二十円、郡部では六万二千六百四十円となっているわけであります。これだけの格差がある、こういうことでございます。
 それから、失業給付について申し上げますと、これはなかなか面倒でありますが、離職前賃金や年齢等により異なっておりますが、二十代の基本手当日額を三十日で月額換算いたしますと、下限額は五万五千六百八十円、上限額は十九万三千二百円となっている一方、二十代の若年の単身世帯の生活扶助の基準額は、都市部では月額八万四千九百九十円、郡部では六万五千八百七十円となっているわけであります。
 いつからこれがこういう状況かというと、大臣が何度も答弁していますように、それぞれの制度の変遷の中でこういう状況になっているわけでありまして、最近起きている状況ではないというふうに理解しております。

○足立委員 桝屋副大臣、ありがとうございます。大体、実態はよくわかりました。
 その上で、生活保護受給者の実態を見ると、いわゆる高齢者の方もおられるし、あるいは障害で働けない方もいらっしゃる。いろいろな方がおられるわけですが、私は、やはり生活保護というのは、さっき大臣からも御指摘があったように、これはラストリゾートですね、本当の最後のセーフティーネットなんだと思います。よく、第一、第二、最後、第一が雇用保険ですか、端的に言うと、働いている方を雇用保険でお支えする、これが第一のセーフティーネット、そして、ラストリゾートたる最後のセーフティーネットが生活保護。
 そして、それは税金で賄われているということなのだから、私は、やはりこの生活保護制度というのは、ある程度、ラストリゾートであればラストリゾートとしてのある種の、あるべき姿というか仕切りというか、筋目を通しながら、この制度を持続可能な形で、特に、本当に生活保護、ラストリゾートでお支えをするべき方、さっき冒頭、大阪の守口の話に私は言及申し上げましたが、本当に支えてあげないといけない方に手が届かないような状況で幾ら生活保護がぐっと拡大をしていっても、それは本来の制度の趣旨とは違う、そういうふうに思っております。
 ところが、今の生活保護の実態を見ると、さっき申し上げたように、年金から漏れるとか、あるいは失業する、その結果、なかなか、第二のセーフティーネットが薄いものだから、すぐに生活保護に入って、膨らんでいるような印象を私は持っています。
 こういう、いわゆる生活保護になっている方の要因の多様化みたいなものについて、その実態と、それをどうしていくんだということをぜひ、副大臣、お願いします。

○桝屋副大臣 お答えします。
 生活保護受給者が抱える多様な自立阻害要因、この状況についてというお尋ねでございました。
 委員が御指摘のように、生活保護受給世帯の増加とともに、高齢者世帯あるいは疾病・障害者世帯、その他の世帯数がそれぞれ増加しております。生活保護受給者の能力や取り巻く環境、目指すべき自立のあり方についても、委員がおっしゃるように多様になっているというふうに思っております。
 そのために、福祉事務所においては、これが委員おっしゃるようにラストの制度であるがゆえに、当然、さまざまな今のこの時代状況の中で、最後のセーフティーネットとして全ての方を支援、支えなきゃいかぬわけでありますが、そうした福祉事務所においては、その状況あるいは自立阻害要因を把握した上で、必要な支援を組織的に、効率的に行っていこう、こういうことで、自立支援プログラムを策定し、取り組みは行っているところでありますが、なかなか容易ではない、こういう状況でございます。
 就労支援については、個々人の能力や取り巻く環境等の状況を踏まえて、これは福祉事務所とハローワーク、委員もよく指摘されますが、チーム支援を行ったり、福祉事務所に就労支援員を配置するなどの取り組みによりまして、効果を上げている。
 それからまた、就労が容易でない高齢者等に対しましては、社会貢献活動あるいは職場体験の場を提供するなど、NPO等の民間団体と連携した支援も行っているところであります。
 このような、現在でも、ケースワーカーと関係機関が連携し、きめ細かな支援を行っているわけでありますが、なかなか大変な状況だ、こういうことでございます。

○足立委員 副大臣、ありがとうございます。
 私、今御紹介あったような状況にある中で、特に二つの点で、この生活保護のあり方についてちょっと確認をしておきたいと思います。
 一つは、高齢者です。高齢者については、何度もあったように、これが老齢基礎年金の補完制度みたいになっていて、低年金の方の、低年金の低いところを生活保護が補完している、年金制度の補完制度になってしまっている部分がある、こういうふうに思います。
 ところが、高齢者も、生活保護ですからケースワーカーが張りつくわけですね。違ったらちょっと教えていただいたらいいと思いますが、要すれば、普通の年金受給者よりも、生活保護の高齢者の方は、全く状況は同じであるにもかかわらず、ケースワーカーがつくなどなど、より手厚い福祉の恩恵に浴しているわけですね。
 私は、高齢者の方については、ほかに特段の事由がなければ、生活保護、いわゆる年金の補完制度になっているようなケースについては、生活保護とは別の、何か、福祉制度というか、生活保護よりはより緩い確認事項で入ることができるような、それこそ第二生活保護のような制度をつくって、本来その方に望ましいレベルの福祉、あるいは望ましい内容の福祉を構想すべきだと私は思っているんですけれども、いかがでしょうか、副大臣。
    〔委員長退席、西川(京)委員長代理着席〕

○桝屋副大臣 これも極めて大事な御指摘だと思います。
 今委員がおっしゃった、生活保護が年金の補完制度になっているという御指摘については、いささか、いや、そうじゃないよと言いたくなるわけでありますが、一方で、今の経済的給付という観点だけから見れば、確かにそうした指摘も当たるのかもしれないなと思いながら聞いておりました。
 委員、やはり、生活保護制度において、例えばケースワークを考えますときに、経済的給付だけではありません。高齢者の方々にとっては、一人のケースワーカーが、委員、聞いておられますか。(足立委員「聞いています」と呼ぶ)
 一人のケースワーカーがつくのは何か無駄ではないかというようなお話もされましたけれども、なければないでいいじゃないかという御指摘でありますが、やはり、生活保護を受給されておられる高齢者世帯はさまざまな問題を同時に持っていることもありまして、本当に保護が必要な方には生活保護制度において適切に対応することも必要だろうというふうに思います。
 新たな制度をつくればいいではないか、こういうことでありますが、新たな制度を創設するよりも、まずは、我が国の年金制度において、大臣もおっしゃっていますけれども、新たな福祉的措置として年金の加算制度も始めたわけでありますし、あるいは、非正規労働者に対する厚生年金の適用拡大、これは非常に重要なことだと思っておりますが、保険料納付意欲に悪影響を与えない形での、さっき言った低所得者、低年金の方に対する福祉的な給付、こうした制度を拡充するということで対応することが必要ではないかと思っている次第でございます。

○足立委員 桝屋副大臣、ありがとうございます。今、ちょっと書類を見ていまして、失礼しました。
 私が提案申し上げているのは、例えば、ケースワーカーの支援はない。高齢者の方であれば、ある状況になれば介護保険制度もあって、今は、そういう介護保険制度の中で高齢者の方をお支えする枠組みはあるわけでございますから、その上で、例えば、資産を十分に活用しているか、扶養義務者からの援助がちゃんと、そういうことを全部チェックした上で、一定の生活費を給付する。
 ただし、例えば、さまざまな医療等のサービスを受ける際には一定の自己負担を導入するとか、そういう、生活保護制度というのは、もうラストリゾートですから、だから医療扶助もある。その制度に全てを入れるのは、さっき税金という観点も大臣からあったように、やはり第二生活保護制度といったようなものを構想する時期にもう来ているのではないかと私は思っている次第でございます。
 ちょっと時間がなくなってきましたので、先を急ぎます。
 生活保護については、今申し上げたように、医療扶助の適正化というのが課題になって、今、この審議においても取り上げられているところでございます。
 指定医療機関については、指定医療機関ですから、またいろいろな適正化をしていかないといけないわけですから、医療全体の適正化の際に声高に言われているような例えば電子レセプトとか、医療政策全体で厚生労働省として取り組まれているようないろいろなアイテムについては、まさに、指定医療機関にはそれを義務づけるとか、この医療機関については当然その義務づけに服していただいても全然構わないと私は思うんですが、いかがですか。

○村木政府参考人 指定医療機関でございますが、これはやはり不正があってはならないということで、厳正な対応をこれからしていきたいと思っているところでございます。
 電子レセプトを義務づけるかどうかですが、少し形どおりというか、理屈っぽく言えば、電子レセプトの導入そのものと、それから、医療扶助を適切に提供してくれるかどうかというところの医療のサービスの質の問題というのは、必ずしもイコールではないということでございますので、それをもって指定をしないというところまで言うのかどうかというのは、これはちょっと、そこまでは言い切れないかなというふうに思っております。
 ただ、原則はほとんどのところが電子レセプトの請求でやってくださっていますし、社会保険診療報酬支払基金の公表のデータですが、医療全体で九二%、特に医科のレセプトで九六%ということになっていますので、ほぼカバーをしているのかなというふうに思っています。
 例外的に、例えばお医者様が非常に高齢のところなんかは外れていますので、そういうところを指定医療機関から外すかとかいうことになりますので、そこまできちんと仕分けをするというのはなかなか難しいかと思っています。
 いずれにしましても、電子レセプトがあってもなくても、指定医療機関の適正化ということはしっかりやっていきたいということで、今度、制度改正にも盛り込んだところでございます。

○足立委員 村木局長、ありがとうございます。
 もう一つ、ちょっと御意見を伺っておきたいんです。
 生活保護については、今、生活、住宅、医療と、さまざまな扶助別の支給になっています。これは、全体の入り、生活保護費を、何とかいろいろな支出をやりくりするというような、ある種、受給者の側での工夫みたいなものがなかなか働きにくいという指摘があります。私の周りにはあるんですが、生活保護について、例えば、扶助別ではなくて、一括支給というようなことが検討され得るものかどうか、ちょっと御意見を賜れればと思います。

○丸川大臣政務官 今おっしゃった、住宅扶助であるとかあるいは教育扶助等について一括支給するかどうかということについてなんですが、生活保護受給者の方たちが、金銭面も含めて生活管理が十分でない方というのが現実にいる中で、一括してお渡ししていく中でのやりくりというのが、どこまで自己責任として求めることが適切かということがあるかと思います。
 ですので、今回の生活困窮者支援法の中でも、そういう家計のやりくりについて面倒を見ていく、アドバイスをするというような事業もメニューの中で入っているということでございますので、医療費扶助については別の形での適正化というのをしっかり進めていきたいと思っております。

○足立委員 ありがとうございます。
 丸川政務官おっしゃったように、確かに、私が指摘している面も、ある種一つの面で、今おっしゃった別の面もあるのはよくわかりますが、これはまたいろいろな機会によく討論させていただいて、深めさせていただきたいと思います。
 もう時間がなくなりますが、最後に、きょうは一貫して私は生活保護のテーマを扱いましたが、実は、生活保護ももちろん重要なんだけれども、もう一つの法案である生活困窮者自立支援法、この法律は大変重要だと思っています。もう時間がないのでここでやめますが、本当に福祉の体系を見たときに、そこだけ穴があいているんですね。
 第二のセーフティーネットという言葉は大変すばらしい。これは、第二のセーフティーネットというのはどなたが最初に言い出されたんですかね。私が初めて見たのは公明党さんの何かだったと。公明党さんですかね。田村大臣ですかね。ちょっとまた委員会質疑を通じて明らかにしていきたいと思いますが、第二のセーフティーネットというのは本当に重要だと思います。
 私、政治を志す前に、経産省におったときに、若者自立・挑戦支援ということをやりました。これは文科省も厚労省も経産省も入って、非常に大がかりに予算もつけてやった。非常に一時的な予算が相当動いたので、恒常的にどこまで若者、若年者支援というもの、そのときの取り組みが今にどう至っているか、私もちょっとフォローができておりませんが、ニートだとかフリーターという言葉を通して、若者支援のところについては、まだまだ課題はあるかもしれないけれども、相当な手が行き届くようにはなったように伺っています。
 一方で、今回取り上げる生活困窮者というところについては、まさにあいていたわけです。
 ただ、今申し上げた若者の自立支援は旧労働省、雇用政策でやってきたわけですね。今回の困窮者自立支援は、同じ自立支援なんだけれども、かつ、同じ現役支援なんだけれども、現役世代の自立を支援するという意味では同じなんだけれども、別の制度になっている。
 これは、デマケというか、あるいは連携というか、どうなっているか。ぜひ、簡潔で結構ですから御紹介いただいて、私は、できるだけ、一本化というか、同じ趣旨であれば、現役世代の自立支援ということで、やはり一つの制度として、政策体系としてしっかり整理できるのかなと思っていますが、いかがですか。

○桝屋副大臣 ありがとうございます。
 とりわけ若者について、ハローワーク等の自立支援対策、それから、今回の生活困窮者の新しい制度、役割と連携はどうなっているというお尋ねかなと思っております。
 それで、委員、一般的には、やはりハローワークによる支援は、就職意欲あるいは能力を持った求職者の早期就労に利点があるんだろうというふうに思っております。
 福祉施策における支援は、求職活動を行うために必要な生活習慣あるいは社会参加能力の形成、あるいは就労意欲の醸成なども含めた個別の支援に利点があるのではないか、こう思っておりまして、生活困窮者にはさまざまな課題があることが多く、そのため、就労支援は一人一人の状況に照らして、福祉分野、雇用分野の双方がそれぞれの利点を生かして適切に対応していくことが重要だと考えております。
 新法では、直ちに一般就労につくことが困難な生活困窮者に対して、生活習慣あるいは社会能力を形成するための支援を行う就労準備支援事業、あるいは、軽易な就労の場を提供する就労訓練事業、中間的就労でありますが、これを創設して、一般就労につくための支援を推進する。
 一般就労が見込まれる方は、ハローワークと福祉事務所がしっかり連携をしてやっていきましょうということで、今までのハローワークでの作業等も、委員が取り組んでこられたような事業とうまくマッチングして進めていこうと考えているところでございます。

○西川(京)委員長代理 足立康史君、質問時間が過ぎております。

○足立委員 ありがとうございます。
 はい、もう終わります。
 第一、第二、そして最後のラストリゾート、この三つの層の中で、今のような話は、恐らく第一と第二の間にある話だと思います。
 雇用保険という第一のセーフティーネット、そして、この間で今まで忘れられていた、手が入っていなかったけれども、これからますます重要になる第二のセーフティーネットたる福祉、そして、ラストリゾートたる生活保護、この三つのレイヤーがそれぞれ補完し合いながら、真に限られた財源の中ですが、本当に支援の必要な方に手が届く、そういう福祉制度をこれからも整備していただけるようお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。