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あだち康史
あだち康史
衆議院議員
Profile
衆議院議員4期、大阪9区支部長。日本維新の会憲法改正調査会長、国会議員団政務調査会長、幹事長代理、コロナ対策本部事務局長等を歴任。1965年大阪生まれ。茨木高校、京都大学、コロンビア大院。水球で国体インターハイ出場。20年余り経産省に勤務し欧州に駐在。東日本大震災を機に政治を志す。
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あだち康史のコラム column

石原新党で完成する二大政党包囲網 ―大阪、愛知に続いて東京が蜂起したことの意味―

足立 康史

1.「体制」の内(ウチ)と外(ソト)

私が一年前に行政から政治に転身するにあたって、多くの心ある先輩方からご指導をいただいた。その中で一番重く受け止めてきたのは、「体制」の内(ウチ)と外(ソト)、という指摘だった。みんなの党は、若干16人(現在は13人)からなる弱小政党だったし、維新の会も、昨年の大阪ダブル選挙以前は単なる大阪の地域政党だった。ある与党に近い先輩は、「(維新といっても)所詮は体制の外」、「(選挙受けすることを)何でも言える」と吐き捨てた。

それでも、私は、来たる総選挙は五十年、百年に一度の大戦になると確信し、唯一まともな経済政策を掲げる国政政党だったみんなの党の門をたたいたわけだが、確かに、二十年余りにわたって「体制」の中で働いてきた経験から、その指摘の意味するところはよく理解できた。いくら改革を訴えても、日本の経済と社会を仕切っている「体制」(=権力を構成する人々とそのネットワーク)を味方につけなければ、本当の「体制」維新は相成らない。

2.大阪、愛知に続いて東京が蜂起

そうした中、この2、3年の、特に地方政治における政治変動は、とても興味深いものがあった。2010年春の大阪維新の会や河村たかし市長の減税日本の創設に始まり、11年の統一地方選挙と大阪ダブル選挙における勝利、そして今年に入って8月には大村秀章知事による中京維新の会の設立。以前のコラムでも書いたように、“地方の政権”を掌握している大阪市長や大阪府知事、更には愛知県知事が体制維新に向けて立ち上がれば、それは“中央の野党”に勝るとも劣らぬインパクトを持っている。

しかし、そうした動きも、あくまでも大阪と、それに刺激された愛知の動きに限定されていた。私は、東京に出張するたびに、どうすれば東京を巻き込むことができるか、東京の街々を仰ぎながら、そんなことばかり考えていたように思う。もちろん、みんなの党は関東に基盤のある国政政党であり、国会対策を含めて名実ともに東京・関東攻略の最前線に位置しているが、代表の地元栃木や幹事長の神奈川でも、統一地方選で地方議会を掌握するどころか第一党にもなれなかった。

そうした中での、石原東京都知事の辞任劇と新党の旗揚げである。新党の顔ぶれに制約はあるかもしれないが、都知事を辞しての代表就任であり、大きなインパクトを持つことは確実である。関東における第三極の拠点がみんなの党になるのか石原新党になるのか、といった政局報道も目に付くが、そのような政局は大河の表面の小波に過ぎず、本当に大事なことは、大阪、愛知に続いて東京が動く、という事実である。

私はよく、政権復帰を目指す自民党の本質を、いまも五十五年体制の亡霊が徘徊している、と表現するのであるが、自民党の国家ビジョンの柱は、昔も今も、累次の全総(全国総合開発計画)が謳い上げてきた「国土の均衡ある発展」である。東日本大震災を政治利用して「国土強靭化」と言い換えても、その本質は地方へのバラマキを本質とする土建国家日本である。そして、そうした政治に違和感を募らせているのが、関東、関西、中京をはじめとする大都市圏である。

本稿の標題を「石原新党で完成する二大政党包囲網」としたのは、大阪を中心とする関西や名古屋を中心とする愛知・中京に加えて、関東の中心である東京のガバナー(知事)が立ち上がったことで、大きな文脈における潜在的なプレーヤーが全て出そろった、という意味である。五十五年体制の亡霊=二大政党の談合政治を乗り越え、地域の現実に即し、グローバル競争に対応した新しい政治体制を作っていく、「体制」の外(ソト)だけでなく体制の内(ウチ)を巻き込んで作っていく、そうした環境が整いつつあると捉えている。

3.来る総選挙の旗頭は「体制維新」

さて、その石原新党との連携について、日本維新の会の橋下代表は「石原都知事とも、一番肝心な部分の政策、理念、価値観、こういったところは絶対に一致させないと有権者から、そっぽを向かれるということを繰り返し言っているところ」と指摘、みんなの党の渡辺代表も「基本政策や政治理念が違えば政界再編の対象にはならない」と慎重な発言を続けている。

確かに、来たる総選挙にあたって大事なことは、分かりやすい選択肢を有権者の皆さまにお示しすることであり、政党間の選挙協力にあたっては、まさに今日から維新とみんなの政策協議が始まったように、関係者の間での政策協議が不可欠であろう。しかし、その上で更に大事なことは、私が五十五年体制の亡霊と呼ぶ現在の二大政党を作り直し、平成の時代に相応しい政治体制と行政の仕組みを作ることである。

かつて自由民主党の国家ビジョンの下に、先輩方が築きあげて下さった日本の大きな経済と豊かな社会。そうした先進大国日本を次代に確実に引継ぎ、今後もその繁栄を享受していくためにも、来る総選挙では、「体制維新」を旗頭に自民党や民主党に代わる第三の選択肢をお示しし、勝利しなければならない。そして、その選択肢は、東京、大阪、愛知をはじめとする大都市圏の住民の意志をしっかり受け止め、それを具体化するものでなければならない。政局は混乱を極めているが、それだけは実現しなければならないのである。

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