自分の物語をつくる -成人の日にあたって-
今日は成人の日を迎えられた新成人の皆さん、誠におめでとうございます。私も、みんなの党の渡辺よしみ代表(人形!)とともに、第64回茨木市成人祭にうかがい、お祝いを申し上げました。
新成人の中には、東北楽天ゴールデンイーグルスの西田哲朗選手のように、既に一流の舞台で活躍されておられる方々もおられました。本当に素晴らしいです。一方、厳しい雇用環境の中で希望の職業に就けず、苦労されておられる方々もおられることと存じます。
私は、新成人の皆さまお一人お一人に、心のなかで、「自分の物語をつくりゆけ」とエールを送らせていただきました。小川 洋子さんと河合隼雄さんとの対談に『生きるとは、自分の物語をつくること』という著書がありますが、表題のとおり、人生の一つの側面は「自分の物語を紡ぐこと」であると考えているからです。
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人生には、「無駄」としか思えないようなこともあります。「修正」を余儀なくされることもあれば、苦しい「挫折」も味わうでしょう。しかし、それでも「大丈夫!」という楽観主義で、自らの人生を切り開いていっていただきたい。その「無駄」も、その「挫折」も、すべて自分の物語の大切な1ページとしていける、そう信じています。
私の尊敬する経済学者・玄田有史さんは、その著書『希望のつくり方』において、「希望」というものが「実現」と「挫折」といった相反しあう両義的な性格のものであることを示されています。自分が挫折だと思っていたことが成功の糧となったり、成功だと思っていたことが敗北の原因を作っていたり、人生とは、なかなか奥の深い、味わい深いものです。
一例を挙げれば、あのアップルのスティーブ・ジョブズは、パソコン「マッキントッシュ」を開発した後、いったんアップルをクビになっていますが、後にそれを「そのときは気づきませんでしたが、アップルから追い出されたことは、人生でもっとも幸運な出来事だった」と述懐しています。人生には、そういうことがあるということです。
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玄田有史さんは、更に、会社の同僚や家族などより、それほど頻繁に会わない人たちとの「ウィーク・タイズ」(弱いつながり)の方が、希望を生みだしたり、かなえたりする上で大事だとも指摘しています。
今日再会した同窓の仲間たちとは、頻繁に会うわけではないけれど、会えばすぐに気持ちが通じる。そうした同窓の仲間たちは、皆さんが思っているよりも、ずっとずっと、今後の人生を生きていく上で大切な存在だということです。
ともに成人を迎えた仲間たちのことを、遠くからであっても気遣いながら、今後とも、自分自身の挑戦を続けていっていただきたいと存じます。私自身も、「最後の勝ち」を期して、力を尽くしてまいります。