○後藤委員長 次に、足立康史君。

○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。  ようやくというか、法案が終わって、きょうは一般質疑ということで、一般質疑は、ふだんなかなか、法案も大事でございますが、法案以外にも伺いたいことがございまして、きょうはお時間を頂戴して、特に雇用制度について質問をさせていただきたいと思います。  実は、十五日にも内閣委員会でお時間を頂戴して、国家戦略特区の関係で、新藤大臣に、雇用制度、いろいろ言われているけれどもどうかということを議論させていただきました。  私が新藤大臣に申し上げたのは、そもそも、国家戦略特区における雇用分野というのは、大変いろいろな意味で、国民も、いろいろな関係者が注目をしていた。ところが、一つの報道のされ方としては、ちょっと後退をしてしまったなという報道が一部にあります。それは確かに、例えば、いわゆる解雇制度に係る特区とかあるいは労働時間規制に係る特区とかが八田委員長のもとでは俎上にたしかのっていたと思うんですが、最終的にはそれは落ちているということ。  大臣のいろいろな御発言も報道でも出ていますが、私は、厚生労働省としての田村大臣のお考えもぜひきょう改めてお伺いしたいと思いますが、やはり特区については新藤大臣が特区制度の担当閣僚でいらっしゃいますから、新藤大臣にそのお考えを伺ったわけです。ただ、非常に、田村大臣に敬意を表してか、大変中途半端なというか、ここでは余り中途半端と言ってもいけませんが、明快なお答えは新藤大臣からはいただけませんでした。  結局、雇用制度というのはなかなか特区になじまないんだという趣旨とか、私がそこで抵抗をするわけですね、いや、なじまないことはないだろうと。すると、いやいや、雇用だけの特区というのはないんだ、何かをするための雇用制度なんだと。だから、何か特区としてこういうことをやりたい、そのために雇用制度が何か問題があれば、それはどうのこうの、云々ということをおっしゃるので、では、合わせわざであればいいのか、何かの特区の目的と雇用制度の見直しが合わせわざであればいいのかといろいろ伺うと、ちょっともう覚えていないぐらいよくわからない御答弁だったわけであります。私の記憶力が悪いだけかもしれませんが。  それを改めてきょう田村大臣の御前で繰り返したいと思って、内閣官房の富屋さんにお越しをいただいていますが、同じお答えだとすれば仕方がないのでやめますが、何か追加でありますか。

○富屋政府参考人 内閣官房よりお答えを申し上げます。  国家戦略特区法案の雇用分野に対してのいろいろお尋ねでございます。  本法案には、雇用ルールがわかりにくいことがグローバル企業や新規企業の投資阻害要因にならないようにということで、特区内では雇用ルールを明確化するための体制を構築することを盛り込んだところでございます。  この雇用分野につきましては、私ども、大切だと考えておりますことは、雇用条件を明確化することによりまして雇用の拡大を図っていくということでございまして、そういう点で、当初案から後退したというようなことは考えておりません。  具体的な内容といたしましては、裁判例の分析、類型化による雇用ガイドラインを活用いたしまして、企業に対して、地域特性に応じたきめ細かな相談ですとか助言サービスを事前段階から実施することによりまして、特区内での雇用の拡大を図ってまいりたいというふうに考えております。

○足立委員 確かに、新藤大臣とのやりとりの場では、今ほど、これほど後退したとは考えていないと明確にはおっしゃられなかったので、追加の御答弁だったとは思いますが。  これは、国民的には、あるいは私的には大変違和感が大ありで、やはり、厚生労働省は、きょう佐藤副大臣もおいででございますし、佐藤副大臣には内閣委員会にもお越しをいただいた。これは、特区にかかわらず、通常国会でいわゆる解雇の金銭解決の議論をしました。ところが、結局それは実現していないわけですね。田村大臣、今実現していない。せっかく通常国会で解雇の金銭解決の議論をしたのに、結局、マスコミとか民主党がわあわあ言うものだから。では、事実上、もし違ったらまた後でゆっくりやりましょう。ただ、いずれにせよ、今実現していないわけです。それは、事前型、事後型の事後型についても実現していないわけです。  さらに、今回、国家戦略特区ということで、アベノミクスの三本の柱の三本目の柱の最大の施策として動いている中でも、結局、八田委員長が取り上げた労働時間規制であれ解雇制度であれ、それは基本的には特区にはなじまないか何かわかりませんが、法案の俎上にはのっていないということで、新藤大臣であれば何かもう少し違う角度から御答弁がいただけるかなと思って御討議をさせていただいたわけですが、非常にのれんに腕押し状態だったということで、きょうは小泉政務官に改めておいでをいただいた。  というのは、もちろん御担当が違います、特区は特区の御担当があります。ただ、なぜ私が、あるいは私たちが雇用制度を大事、大事というかというと、あ、共産党さんのおっしゃる意味とは全く別の意味でですね。共産党さんは、これは解雇特区だからやめろということなわけですけれども、私たちは、いや、これはアベノミクスに必要だからやってくれと、全く逆の立場からこの雇用制度の話をしているわけです。(田村国務大臣「一緒、一緒」と呼ぶ)一緒ですね、そうです。  きょうは時間を四十分いただいているのでじっくりやらせていただきますが、ぜひ、もちろん田村大臣も大変マクロ経済にも御造詣が深くていらっしゃいますので、マクロ経済との関係についても田村大臣からいつもいただいていますが、アベノミクスを何としても成功させるためには雇用の改革が大変重要であるということをやはり改めて確認させていただきたいと思い、それで通告を出したら、ありがたいことに小泉政務官がおいでをいただいたということです。佐藤副大臣も私の大学の大先輩でいらっしゃいますが、小泉政務官も、留学先が一緒ですねという話を先ほどしていまして、そういうよしみもありまして、きょうは本当にありがとうございます。  改めて、アベノミクスのいわゆるマクロ政策、第一の矢、第二の矢、そういうマクロ政策と、それから、これからそれをミクロと循環させなければ絶対これは難しい。アベノミクスの成否というのは、ここでいろいろ議論していることを超えて、あるいはそれらを全部包含する形で、国の命運というか、経済、国民の生活を、仕事を守るために、本当に重要なテーマだと思いますので、ぜひ、小泉政務官、田村大臣に、もっと頑張ってくれと、こうよろしくお願い申し上げます。

○小泉大臣政務官 御質問をきょうはいただきましたけれども、足立委員がおっしゃるとおり、私はこの法案の担当ではないんですが、御指名ということでお邪魔をさせていただきました。  ちなみに、本法案の担当ではありませんが、産業競争力会議の雇用・人材分科会においては私が担当しておりますので、そういった観点からもお答えをさせていただきます。  おっしゃるとおり、アベノミクスの成否というのは、誰もがわかっているとおり、第三本の矢が実りあるものになるか、そういった観点からの、雇用制度改革についても同じような論点で委員もお話をしていると思いますが、三本の矢が三本しかないのかと言われれば、私は、これは百の矢でも千の矢でも万の矢でも、矢は通用しなければ何本でも打つんだ、そして、刀折れ矢尽きという言葉もありますが、矢が尽きれば刀もあるし、刀が折れれば体はあるし、次々にできることはやっていく。  そういった中で、今回の雇用制度改革の議論で、先ほど足立委員がおっしゃったとおり、一方では解雇特区だと批判をされ、一方では不十分だと言われ、どっちをやっても批判はあるんですね。そういった中で、今回、国家戦略特区法案の中で、雇用のあり方の明確化をしようと。  その明確化をする中での具体策においては、この法案の中でガイドラインをつくったり、また、雇用労働相談センターとかをこれから設置したりして、具体的に動き出していくと思いますので、足立委員の中で百という描いていた雇用制度改革があるとしたら、そこまでいっていないのかもしれませんが、着実に前に進めていこう、そういった思いでこの法案を出させていただいておりました。  ありがとうございました。

○足立委員 まさに、きょう、入り口で特区法案の話を申し上げましたが、特区法案こそ、一つの矢でしかないといえばでしかない。だから私は、おっしゃるように、特区法案の中でそれをやることを必ずしも求めているわけではない。  実際、さまざまな報道を拝見すると、総理御自身が、いやいや、まだこれは議論は続いているんだとおっしゃっているし、また、いろいろな関係団体、例えば経団連とかも、これは特区がだめでも一般でやればいいんだ、こういう御発言をされておられます。  雇用制度の見直し、雇用制度の改革に対する期待というのは、経済界、特にマクロ経済の循環を重視する立場からはやはり期待があるということで、きょう、内閣府、小泉政務官においでいただいたのは、特区法案というよりは、そもそも、経済を回すマクロ経済の、御担当ではないのかな、も含めてお越しをいただいたわけであります。  今おっしゃった第三の矢、第四の矢、ずっと矢がある中に、やはり雇用。雇用も、もちろん、賃上げだ何だ、そういうものもありますが、実際に労働移動を、できるだけコストをかけずに、失業なき労働移動を含めて、人材を、要は、経済成長というのは、実際に資源が動いて初めて成長するわけですから。私たちは、この後、田村大臣あるいは佐藤副大臣、皆様と、雇用制度にどういう課題があるかというのを個別にやるわけですけれども、仮に雇用制度に課題があるとすれば、それはやはりアベノミクスのために解決が私は絶対に必要だと思いますが、その点はいかがですか。もう一言。

○小泉大臣政務官 先ほどから委員のお話の中では、田村大臣の背中を押してくれ、こうおっしゃっていますけれども、安倍総理大臣もおっしゃるとおり、安倍内閣の中に抵抗大臣はいないと思いますので、みんな一丸となって、前に進めるために頑張ろうと思っていると思います。  そういった中で、雇用の政策というのは、おっしゃるとおり、アベノミクスの三本目の矢の中の大きな一つの柱であって、この雇用の中には、女性の活躍の推進も入って、高齢者の活躍の推進も、そしてまた若者の活躍推進も入っておりますので、さまざまな、それを矢といえば、その三本目の矢が、束ねた矢となって、その一つ一つの束ねられている矢は小さいものもあるかもしれませんが、一つの大きなものにして前に進めていかなければいけない。  そういった中で、一部の、解雇特区じゃないのかとか、そういった批判もある一方で、不十分だという逆方向からの批判もある中で、それでも前に進めなければいけない。少しでも、労働側、そしてまた使用者側を含め、国民の皆さんの幅広い理解を得る中で前に進めていくという強い決意で、今、安倍政権は、雇用政策のみならず、大きな経済成長のパッケージを進めていると考えております。

○足立委員 ありがとうございます。  私も役所にいましたのでわかりますけれども、労働省だ、経済産業省だ、あるいは内閣府だというのがございますが、やはり、経済ですから、雇用も産業に資するように、また、産業も雇用に資するようにということで、全体を回していくことが本当に大事だと私は思っているし、繰り返し申し上げますけれども、アベノミクスについては、本当に、皆さん、政府がどうお考えかわかりませんけれども、心配もしています。大丈夫かなと。それは、何としても、とにかく、このアベノミクスを成功させないといけないという思いですから、ぜひまた、引き続き、きょうもまたお忙しければ、きょうは大丈夫ですか。(小泉大臣政務官「あと一問ぐらい聞いてから帰りたいと思います」と呼ぶ)そうですか。ぜひ。ありがとうございます。  実は、私は、通常国会で解雇の金銭解決の話をしました。これは、佐藤副大臣よく御承知のとおりですが、当時、テレビ入りの予算委員会で、えらい議論が共産党さんを含めてありました。事前型だ、事後型だという議論がありましたが、当たり前のことで、金銭解決というのは事後型のことなんですよね。当たり前ですね、言うまでもなく。  要は、解雇紛争があって、労働者が、それはやはり不当解雇だよね、あるいは、和解をしてもう一回職場に戻ってもいいよとなったときに、いやいや、争ってまでしてなかなか戻りにくいよなと。だから、労働者側の選択肢をふやす。使用者側に力を与えるんじゃないんです。  労働者側の選択肢をふやすという観点で労働省は問題提起をされたし、恐らく、普通にヒアリングをすれば、労働側と使用者側とどちらが解雇の金銭解決を望んでいたかというと、微妙だと思うんですよ。必ずしも使用者側がそれを望んでいたわけではないと私は聞いています。なのに、なぜ、マスコミや……(発言する者あり)使用者側ですか。前副大臣がおっしゃるんですからそうかもしれませんが、私のネットワークが偏っているかもしれませんが、私が聞いているのは、必ずしもそんなにはっきりしていないよと。  いずれにせよ、労働省は、田村大臣は、それはやはりやったらいいと思っていたはずなんですよ。田村大臣はやったらいいと思っていたはずだけれども、結局、予算委員会でつるし上げに遭ってしまって、今実現していないのは、これはなぜですか。

○田村国務大臣 まず、前半の国家戦略特区の話でいきますと、やはり、特区の中でやらずに全国的にやれれば、そっちの方がいいというのは間違いないわけであります。五年間有期を繰り返した、いよいよ五年を超える契約以降、無期を主張すれば無期契約に変わる無期転換、この問題は、全国展開をする中において、一定の条件のもとで、そういうものを一定期間、五年以降も有期で繰り返すということができるようなことを、いよいよ議論を始めていただくということでありますから、これは特区じゃなくてもいいんだろうというふうに思います。  それから、労働時間法制、制度に関しましても、今、労働政策審議会の中でやっていただいているんですね。議論を始めていただいておりますから、これも、全国展開の中でどのような形にするかということでありますから、特区でわざわざやる必要はないであろうということであります。  最後に言われた、これは、解雇特区という言い方がちょっと余りにもひど過ぎたんですが、要は、ちゃんとガイドラインをつくることによって何がいいか、また、相談、指導をするセンターがあることで何がいいかといいますと、海外から来た企業というのは、日本の労働法制はよくわかりません。国によっても違うと思います。自国でばんばん切れるような会社が来たら、実はばんばん切っちゃうかもわからないですね、首を。それで泣き寝入りする方々はそれで終わりかもわかりませんが、逆に訴えられたら今度は裁判になっちゃうということで、非常に不安定。  そこで、日本の場合は今までの判例等々で分類化していくとこういう形になりますよねということをちゃんと助言することによって、企業も安心して人を雇える、労働者の方も安心して働けるということで、これが一番、世界で最も企業が事業をしやすい、そういうような特区を目指しているわけでありますから、事業をしやすいんじゃないか。ということは、逆に言うと労働者も安心して働けるわけでありますから、非常に理にかなった今般の制度になるというふうに私は思っておるわけであります。  それで、後段に入ります。  事後金銭解決、これは今までも実は議論をしたことはあります。問題は、労使で話がつきません。それは労働者からしてみれば、金銭解決はお金は多い方がいいわけですよ。今、リストラ等々で、それぞれ自主退職する場合、かなりの金額を退職金に上乗せでもらっているわけですよね。当然、労働者側は、それぐらいもらえるんでしょうね、だって、今そうだもんという話になる。それは企業側はそれだったら意味がないですから、そこでいろいろな議論になるということで、なかなかここは折り合いがつかない。  もちろん、どちらから言い出すかといえば、言い出すのは労働者側からという話になると思います。それは、労働者が残りたいと言っているものを、いや、金を払うからもうやめていってくれというわけにはいかないんだろうと思いますけれども。そこのところの議論もあるんだと思います。  それからもう一点は、中小零細はまた別です、考え方が。仮に、企業側、大企業側にとってみればこれでいいかなという一つの水準をつくったとしても、中小零細は解雇というところは結構シビアでありまして、こういう中小零細の立場もまたあるんですね。そこで働く方々の立場もある。だから、今委員が言われた、実はこれは企業の要望じゃないんだよねというのは、もしかしたら中小零細で働く方々の要望なのかもわかりません。  それぞれ、いろいろなところでいろいろな議論がありますので、利害を合わせていくのが本当に難しいということがあるということは御理解をいただければありがたいというふうに思います。

○足立委員 田村大臣、しかし、その難しい利害調整をするのがお仕事ですから。私は、この金銭解決はぜひやっていただきたいと思っているんです。ある意味では当たり前のことで、要は紛争時の選択肢をふやすというのは私は極めて合理性の高い話だと思っています。これは尽きませんので、あれですが。  もう一つ、解雇については、金銭解決以外に、そもそもの解雇法理、これをちょっと議論したいんです。  ちょっと今、小泉政務官、先ほど御指名ということがありましたが、別に個人的に指名しているわけではなくて、マクロ経済と雇用ということになると甘利大臣のところになるのでおいでいただいたということですので、くれぐれも、個人的にやっているわけではありませんので、御理解をよろしくお願いします。  それで、解雇法理は大議論があると思っています。もちろん、解雇法理についても、判例法理についても、いろいろシフトしてきているという説もあるし、東京と大阪で判例の傾向にまだちょっと違いがあるというふうに指摘をされる方もいらっしゃいます。だから、私なんぞが言及をするような世界ではないかもしれません。  ただ、普通に素人なりに見渡してみても、日本の解雇の四要件、例えば典型的には経営の悪化要件というのが入っているわけです。ところが、グローバルに解雇の制度というものを見ると、必ずしも日本のような枠組みが一般的ではない。むしろ、英米独仏などの先進国を見ると、例えば解雇者の選定における先任者保護の概念が、コンセプトが英米独仏などには入っているし、勤続年数を枠組みの中に入れているわけです。基本的には、日本は、あればあれですけれども、私はないと思っているんです。  諸外国、グローバルスタンダードという言い方がいいかわかりませんが、なぜ欧米先進国でそういう概念が入っているかというと、極めて合理性があるわけですね。長く働くと、やはり移動しにくくなるわけです。まだ短いうちは、ほかでまたトライすることもできる。いろいろなものを学んでいく能力もある。ところが、三十年、四十年、五十年とあるところで働けば、それは転職のアビリティーというか、そういうものはやはり下がっていく。だから、私は大変合理性のある議論だと思っていまして。  そういう一定の、欧米先進国で一般的になっているようなことを含めて議論すれば、例えば、ドイツのように、ドイツには経営悪化要件はないんです。ドイツの解雇法理、解雇法制の中には経営悪化要件はないんです。この経営悪化要件を柱の一つとする日本の法理というものは、やはり解雇制度、法制的な措置として乗り越えていくべき課題なのではないかと私は思っておりますが、いかがでしょうか。

○佐藤副大臣 足立委員、先週、別の委員会でこの議論もさせていただいて、時間切れで、きょう、この厚生労働委員会でもされているんだと思うんです。  委員の御主張も踏まえた上で、私どもといたしましては、解雇に関する基本ルール、何をグローバルスタンダードと見るかというところなんですけれども、使用者の意思で自由に解雇できるという原則のもとに、人種、性、年齢、障害等による差別的な解雇を不当とされる、そういうアメリカという国は別として、欧州諸国の多くであるとかあるいは韓国というのは、日本と解雇に関する基本的ルールは共通した傾向にあると私どもは考えております。  具体的には、日本や韓国、また多くの欧州諸国では、使用者が解雇を行うに当たり、正当ないし合理的な理由が必要とされ、その旨が法律に明記されていることと、もう一つは、法律に明記されているか否かは別として、経済的理由に基づく整理解雇の司法判断に際しては、解雇の回避努力が求められること、人選の妥当性が求められること、労使協議や労働者への説明等の手続が求められることなどの共通点が見られるところでございます。  その上で、我が国においては、欧米諸国と比べて、いわゆる正社員について、職務、勤務地の限定が弱く、残業命令や職種転換、配転、出向等が前提となる実態が広く見られております。こうした人事労務管理の実態に照らして、解雇回避努力の履行が幅広く求められるんですが、これは法律等に定めるルールの問題ではなくて、実態としての雇用システムの問題であると考えております。  このため、我が国の雇用システムの実態を変化させることなしに、現在のルールにかえて、金銭解決や先ほど言われておりました先任権保護を導入しても、労使の間に根づかせることは難しいと考えております。  また、委員御指摘の人員削減の必要性については、我が国の裁判例というのは総じて経営判断を尊重する傾向にあることにも留意すべきと考えております。  これは、ドイツも同じような例があるんですね。ドイツの解雇制限法においても、当該事業所における労働者の継続就労を妨げる緊急の経営上の必要性に基づかない解雇は社会的に不当であるとされておりまして、人員削減の必要性が要件に含まれているということになっております。  ただ、一方、裁判においては、企業家の決定は、その客観的正当性またはその合目的性について審査することはできず、その決定に明らかに理由がなく、不合理または恣意的かどうかだけが司法審査されると聞いておりまして、ドイツに人員削減の必要性は要件に含まれているんだけれども、実質的には日本と同様に緩やかになっている、そういうものと承知しておりまして、この点、我が国の整理解雇要件における人員削減の必要性について見ても、我が国の裁判例も総じて経営判断を尊重する傾向にあるものと承知しておりますので、同様の基準ではないか、そのように考えております。  いずれにしても、各国の雇用の実態にはそれぞれの歴史的経緯を踏まえた特徴がありまして、我が国の雇用のルールについては、その雇用システムの実態を踏まえ、当事者である我が国の労使間で十分に議論を尽くされるべき問題である、そのように認識しております。

○足立委員 ありがとうございます。  本当に、私、きょう、今副大臣の御答弁を伺っていて、これはもうちょっと、私の方も含めて、時間をかけてやらないといけないなという、やはり奥深い世界ですので、ぜひ今度は一時間ぐらいいただいてこればかりやりたいと思うんですが、きょうはもう、よく考えたらあと十分しかないので、外国人の話を、ちょっと関係の方もおいでいただいているので、やりたいと思います。  雇用制度については、解雇の制度とそれからやはり労働時間規制、佐藤副大臣とはまた別の機会にぜひ御意見交換させていただきたいと思いますけれども、大阪が何とか再生したいといって特区に手を挙げているわけです。そのときに、プロフェッショナル型の職務の人たちにやはり労働時間規制、ホワイトカラーエグゼンプション、これをやりたいと言っておるんです。これは私は理があると思っているので応援しているんですけれども、なかなか労働省の壁は厚くてできていませんが、頑張りますので、またおつき合いをお願いします。  今申し上げた外国人なんですけれども、きょうは外務省の柳審議官にもおいでをいただいています。ありがとうございます。  EPAを通じて看護師とか介護士を受け入れてきています。一時、相当、報道でもこうなりました。問いをちょっと飛ばしていますけれども、そもそもこれは何のためにやっているんでしたかというのを、審議官、お願いできますか。

○柳政府参考人 お答え申し上げます。  フィリピン、インドネシア及びベトナムとの経済連携協定に基づきまして、看護師及び介護福祉士の候補者の受け入れというものは、原則として外国人の就労が認められない分野におきまして、経済連携の強化という観点から、公的な枠組みで特例的に受け入れているものでございます。

○足立委員 今おっしゃったように、外務省的に言うと連携強化ということなんですけれども、これは労働省的に言うとどうなりますか。

○高鳥大臣政務官 足立委員にお答え申し上げます。  今ほど外務省の方からも答弁がございましたが、この目的につきましては、看護、介護分野のいわゆる労働力不足への対応として行っているものではなくて、経済活動の連携強化の観点から、二国間協定に基づき、公的な枠組みで特例的に行っているものでございます。

○足立委員 なるほど労働省としてもそれは同じで、これはEPAだからEPAだ、連携強化だ、こういうことなわけです。  今例に挙げたのは看護師や介護士なわけですけれども、まさにEPAで来られたアジアの方々が実際におられる場は多分社会保障の現場だと思うんですね、医療であったり介護であるわけですから。この社会保障の現場で特例的に受け入れていらっしゃるわけです。  すると、一般論で、日本の社会保障を考えるときには外国人というのはどういう位置づけ、今の話だと連携のためですから、社会保障制度をどう維持運営していくかという観点からいくと、特に外国人労働者の位置づけはないと理解していいですか。

○田村国務大臣 今、際立って外国人労働者の位置づけというものはありませんが、看護師の場合は、実は就労目的で在留が認められる者の中に入っておりまして、これは専門的、技術的分野ということで、日本で看護師試験を受かられれば、今のEPA、FTAの枠とは別に、そもそもが日本で看護師として仕事ができるわけであります。  ただ、問題は、やはり、今回のEPA、FTAでもそうなんですけれども、日本語能力、語学能力。特に、看護の場合は、命に直結する部分が非常に多いわけでありまして、意思の疎通、コミュニケーション等々がとれないといろいろな問題が生じますので、やはりここは、かなり専門的な日本語が必要になってくるということでございまして、なかなか受かる率が少ないという現状があるのは事実であります。

○足立委員 今おっしゃったように、EPAの外でも、看護の場合はやっているということですね。だから、看護の場合は専門的、技術的という枠組みで在留資格が与えられる。そうすると、反対に言うと、介護士はないということで、それは、やはり看護というのは専門的、技術的で、介護というのは専門的、技術的ではないということですね。一応、改めて。

○田村国務大臣 一般的にそうというわけではないんですが、今回、就労目的で在留が認められる者という中においての専門的、技術的分野というものには該当をしていないということであります。

○足立委員 きょう、こういうテーマを取り上げさせていただいたのは、そもそも議論の余地がないのかもしれませんが、私は、介護等の現場をいろいろ地元でも拝見をしていると、本当に皆さん、大変厳しい。いわゆる給与のレベルとかも、いろいろ議論になっていますよね。  だから、ある意味で、限られた財源の中で良質のサービスを提供していくというときに、労働市場は一つだから確かに日本人なのかもしれませんし、そこはやはり、もし、アジアの供給の理由と、それから受け入れるニーズが合致をし、かつそれが社会保障政策の中でうまく位置づけることができるのであれば、私は、むしろ、EPAで連携のためにという別の目的で動いてきたわけですけれども、それを拡大することによって、社会保障の枠組みをつくっていく、あるいはそれを維持していくときの一つの選択肢になり得るのではないかという思いで、きょうはちょっと取り上げさせていただいているわけです。  田村大臣の御見識というか御見解の中で、あるいは政府としては、そこは今のところ、社会保障の中で、社会保障の維持、社会保障制度、社会保障政策を推進していくに当たっては、視野にちょっと入ってこないということですか。

○田村国務大臣 いろいろな御意見があられることは我々も認識いたしております。介護職員がかなりこれから不足が見込まれるという問題もあります。しかし一方で、社会的コストという問題もあるわけでありまして、そこのところをどう考えるかというのは、かなり国民の皆様方の広範な議論をいただかないと、ここは難しい。  つまり、将来的に大変な社会的コストが生じることだってあるわけでありまして、そういうものも踏まえて、国民広範の御議論が必要な部分であろうというふうに思います。

○足立委員 実は、きょう、この厚生労働委員会の枠組みになかなかおさまらないところもあるんですが、個人的あるいはまた党の中でも議論していきたいと思っているのが、やはりこの外国人の問題なんです。  それは、外国人と一言に言いましても、おっしゃったように、社会的コスト、例えば、家族を連れてきちゃったらどうなるんだとか、移民の話も含めて、外国人労働者の問題というのはいろいろあります。それから、さらに言うと、もうそういう議論は、今、日本にはないかもしれませんが、そもそもの人口減の中で移民の議論もあったこともあるし、それから、労働者の面で、例えば研修制度と入管の制度との接続の問題とか、いろいろ議論があると思います。時々盛り上がるんですけれども、最近、若干低調かなと思うんです。  私は、やはり、そもそも、日本の人口、少子高齢化の問題、それから社会保障の限られた財源の中での質の高いサービス、こういうことを考えると、移民政策はどうあるべしやという話と、それからいわゆる担い手はどうあるべきかという両面でこの話は重要だと思うし、きょう後ろにおいでのEPAの関係では大変な労力をかけてその連携に尽くされてきておられると思いますので、私としては、ぜひこの分野が、連携という目的であれ、社会保障の問題であれ、二国間あるいは多国間を通じた専門的、技術的人材の交流が拡大することを希望申し上げて、もう時間が来ましたので、質問を終わります。  大変にありがとうございました。