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あだち康史
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衆議院議員
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衆議院議員4期、大阪9区支部長。日本維新の会憲法改正調査会長、国会議員団政務調査会長、幹事長代理、コロナ対策本部事務局長等を歴任。1965年大阪生まれ。茨木高校、京都大学、コロンビア大院。水球で国体インターハイ出場。20年余り経産省に勤務し欧州に駐在。東日本大震災を機に政治を志す。
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議事録 Transcripts

2015年9月4日 衆議院 経済産業委員会 一般質疑 東電福島第一原発事故の教訓と原発再稼働責任法案

足立 康史

189-衆-経済産業委員会-30号 平成27年08月28日

○江田委員長 次に、足立康史君。

○足立委員 維新の党の足立康史でございます。
 経産委の皆様方も御無沙汰をしておりますというか、ふだんは厚生労働委員会で仕事をしておりまして、きょうも久しぶりに経産委に来させていただきましたら大変整然と審議が行われていて、厚生労働委員会にいますと、もっと、大変整然とは言えないような、きょうも法案の審議だったんですが、年金情報流出の集中審議みたいな感じになっていまして、私も質問してまいりましたが、ようやく抜け出してくることができまして、ほっとしております。
 きょうは、私の方からは、お手元に資料を配らせていただいています。ちょっと字が多くて恐縮ですが、いわゆる原発再稼働責任法案という形で、我が党、維新の党が、今まだ法案の提出には至っておりません、大変膨大なものでありまして、今、衆議院の法制局と調整しながら条文に落とす作業をしておりますが、ここにお配りをしているのはその骨子であります。
 それで、きょうは、こういうものも背景に、川内原発も再稼働されましたので、原子力政策について幾つか御質問をさせていただきたいと思います。
 こういう議員立法といいますか、これがすぐに成立するとは思っていませんが、我々がもし政権をとることが将来あったときにはこういう枠組みで議論をやはりするだろうというものを、具体的な法案のレベルでつくっていくことが大事だと思っております。与党と、あるいは政府と議論をさせていただくときにも大事だと思っております。
 きのう、我が党でも若干、報道の言葉で言うと内紛とか分裂とか、そういう議論がありますが、一体何をもめているのかというと、結局、こういう真面目な仕事をするのか、あるいは山形の市長選挙のような、地域の大事な四年に一度の選挙で、あたかもそれを安保法制一色にするのか、そういう政治への姿勢、これをめぐって若干党内でがたがたしたということで、何とぞ皆様におかれましても御理解のほどをいただきたいと思います。
 ちょっと余計な前置きが入りましたが。
 それで、経済産業委員会あるいは予算委員会でるるこれまでも御質問を申し上げてきたことは、二〇一一年の東日本大震災に伴う福島第一原発の事故、これを受けて、同じ二〇一一年の八月に、賠償責任あるいは廃炉に係る支援機構法ができています。この支援機構法の附則に、原賠制度あるいは国の責任のあり方について、そもそもこれは速やかに見直すんだ、こう書いてあります。
 これは、宮沢大臣、ふだん御挨拶もできていなくて恐縮でありますが、改めて、私は、川内の再稼働が、もともと、これだけの長期間、日本じゅうの原発がとまっていなければ、それはそれで一つの考え方だと思うんです。
 しかし、政府も、政権がまた違ったということもあるかもしれませんが、一旦これはとまっているわけでありまして、いわゆる保安院を改組して規制庁ができ、規制委員会を整え、原子力委員会を整え、やってきている中で、安全規制については一定の、これはまた見直しの議論もあるかもしれませんが、一定の段取りを整えて、エネルギー基本計画の閣議決定に至り、そして今日を迎えたわけでありますが、きょう私が御質問させていただくのは、では、それ以外はどうなっているんですかということなんです。
 大臣、まず、支援機構法で、法律が求めている国の責任、原子力事業に係る国の責任というものはきちっと見直しが行われたと考えていいのか、いや、それはこれからだということかを含めて、ちょっと御紹介いただければと思います。

○宮沢国務大臣 これは正確には内閣府の方から答弁していただいた方がいいと思うんですけれども、そういうふうに附則で定められているのに基づいて、現在、原子力委員会において検討が行われていると承知をしております。

○足立委員 失礼しました。
 内閣府の方からちょっと御紹介ください。

○中西政府参考人 お答え申し上げます。
 今先生御指摘の原子力賠償制度の見直しということにつきましては、この五月から、原子力委員会のもとに設置されました原子力損害賠償制度専門部会といったものが立ち上がりまして、いろいろな形の専門的かつ総合的な観点で検討が進められております。
 既に、五月の第一回から三回にわたってこの委員会を鋭意進めているというところでございます。

○足立委員 中西審議官、まことに恐縮ですが、一つ更問いですが、今おっしゃったように、五月から、あるいはこの八月二十五日にも第三回が開かれたということでありますが、二〇一一年に事故が起こって、もちろん、さまざまな優先事項があったことは承知をしていますが、逆に言うと、ことし、この五月に検討を始めたということで、始まったばかりなんですね。
 これはちょっと全体の話になるかもしれませんが、大臣、恐縮です、規制委員会は、原子力規制委員会に係る事項はあれだけ大議論をして状況を整えた。この賠償を初めとするある種の、特に事故があったときの国の責任とか、事故に限らないと思います、そういう国の権限と責任について抜本的に見直しを行う、速やかに見直すと法律に書いてあるんだけれども、これがなぜ行われないまま再稼働に至ったかということが問題なわけであります。
 それは、やはり民主党政権のときですね、あの法律は。民主党政権のときに書いちゃったと。それほどそれは重要な問題ではなくて、今検討されている中で、もしかしたら将来必要になるかもしれないけれども、その程度の問題だということなのか、それが一つの仮説です。もう一つの仮説は、余りに重たい課題だから、まず再稼働しながら考えていこうということか、これはどっちでしょうか。

○中西政府参考人 お答え申し上げます。
 機構法の制定以降、先ほど宮沢大臣の方からもお話がありましたけれども、いろいろな、エネルギー基本計画であるとか、さらには、賠償という関係では国際的な条約がございまして、CSC条約、そういったものの検討のために時間がかかったのも事実でございまして、そういったものを踏まえながらようやく福島の賠償も進んできたということを踏まえて、この五月から検討が開始されたというところが事実でございます。

○足立委員 あと、きょう御提示をさせていただいている紙、一枚大きなものをめくっていただくと五兆円という数字が出てきます。野党でありますので必ずしも十分な議論が尽くされているとは思っていませんが、大体、電力会社の責任を有限にする、これは私は当然のことだと思いますが、東京電力が事故を起こした中で、その電力会社の有限責任の枠組みをつくるということは政治的には必ずしも容易ではないのはもちろんわかります。
 東京電力に既に七兆円を超えるお金が流れている中で、諸外国の有限責任のラインは、ここに書かせていただいていますが、これはレートにもよりますが、米国で一兆五千百億円、英国では二百五十二億円、フランスが百十九億円、こうなっています。端的に言うと、この間をとって五と書いてあるわけです。
 これは、ぜひ御紹介いただきたいのは、今、議論を始められています。当然、有限責任の枠組みはつくられると思うんですが、まず、有限責任の枠組みはつくるということかどうか、つくる場合のレベル感、端的に言うと数字です。
 これは、見込み、頭の中にあれば、御紹介できる範囲で教えていただきたいと思います。

○中西政府参考人 お答え申し上げます。
 今先生御指摘のような視点での有限責任をどうするかどうかといった論点も含めまして、まさに先ほどの専門部会の方で検討を進めているというところでございますので、また引き続き検討を進めていくという状況でございます。

○足立委員 こだわりますが、有限責任、今は無限責任ですね、無限責任の枠組みを維持する可能性もありますか。

○中西政府参考人 有限責任、無限責任の件につきましても、まだそこは両論、白紙の状態で、ゼロからの検討を進めているというところでございます。

○足立委員 本当は、ここに電力会社の社長さんがいれば、無限で新設ができますかとか、そういうことになるわけですが、厚生労働委員会の雰囲気ですとまたこれは突っ込んでいくんですが、経済産業委員会ですからこの程度で終わります。
 これは大事なテーマだと思いますし、私どもとしては、党内にもいろいろな意見がある中で、とりあえずこういう紙を出したというところの思いはぜひ政府も理解をいただければなと思いまして、御紹介そして質問をさせていただきました。
 それからもう一つ、きょうは内閣府から原子力災害の御担当にもお越しをいただいています。皆さんも大先輩でありまして、恐縮であります。
 私が避難計画の問題で一番違和感があるのは、実は先日、私は災害対策特別委員会というところにも属していまして、活火山の防災の法案が出てきました。すばらしくよくできているんですね。もう全て法律に書いています。一体誰と誰と誰が参画をして協議会をつくって、何をするんだということが全て法定されています。ところが、この原子力の世界は、防災基本計画に書いてあるんです、いろいろなことが。
 何となく、やはり原発については、非常にセンシティブなのでできれば国会で議論したくない、できれば静かに、着実に粛々と作業をしたいように見えるんですが、活火山並みの法制度が私は必要だと思いますが、それはいかがでしょうか。

○山本政府参考人 御指摘の活火山に関します法律のもとで、火山防災協議会が法定で設置されるというふうに決められたところでございます。
 私どもが承知している範囲内で理解しているところによりますと、まず、この火山の協議会につきましては、自治体の主体的な取り組みのために具体的な避難計画の策定まで至っていないようなケースがあるとか、あるいは、その構成員に専門家が含まれていないといったような、必ずしも十分な取り組みが行われていない、こういう実態を踏まえて火山防災協議会については法定化がなされたものというふうに承知しているところでございます。
 一方で、原子力分野の地域協議会につきましては、各地域ごとに設置をしておりまして、それぞれの緊急事態への対応が実効性があるのかどうかというのを確認しているところでございます。さらに、地域協議会で確認が終わったものについては、全閣僚の皆様がメンバーとなられます原子力防災会議、こちらの方で報告し了承するという形をとっているものでございます。
 いずれにしても、大きな違いは、国が主体的になってこの仕組みを動かしているということでございますので、もちろん法律に書くのも一つの案かもしれませんけれども、国が主体となっておりますので、十分な実効性があるような仕組みになっているのではないかというふうに理解しておるところでございます。

○足立委員 私自身は、活火山並みの法制度が望ましい、こう思って、この紙にもそういう形で、三枚目の紙ですが、書かせていただいています。その二という紙に書いていますが、原子力規制委員会が今でも原子力災害対策指針を示されています。基本的に、これまでは指針を示しているだけに見えるわけです。
 一昨日、何かまた規定の改定もあったやに伺っていますが、いわゆる避難計画に原子力規制委員会が一体どういうふうに関与をしてきて、もしそれが、強化されたのかこれまでどおりかわかりませんが、その辺の規制委員会の関与を御紹介ください。

○荻野政府参考人 地域防災計画の策定に関します原子力規制委員会の関与についてのお尋ねでございます。
 地域防災計画につきましては、災害対策基本法に基づいて、地域の実情を熟知する自治体が中心となって策定することとされておりますが、政府としてもこの取り組みを全面的に支援するため、各地域ごとに、ただいま内閣府の御答弁もありましたけれども、地域原子力防災協議会において、内閣府原子力防災が中心となって支援をしているわけですが、当然、原子力規制庁を含む関係府省庁の担当者が関係自治体と一体となって地域防災計画の充実強化に取り組むということになっております。
 その上で、計画の具体化、充実化が図られた地域につきましては、その計画が原子力災害対策指針等に沿った具体的で合理的なものであることを原子力規制庁を含む地域原子力防災協議会で確認いたしまして、さらに、原子力規制委員会委員長も参画する原子力防災会議において国として了承するということでございます。
 このような形で、原子力規制委員会としても、専門的、技術的観点から役割をしっかり果たしてまいりたいと考えております。

○足立委員 今現状を御紹介いただきましたが、私は、繰り返しになりますが、規制委員会の果たす役割も含めてしっかり法定化をさらにしていくということを提言させていただきます。
 次に、もう時間がなくなってまいりましたが、いわゆる地元同意についても、私どもの骨子案では法定化をすると。
 ただ、これはやみくもに法定化すると事実上原発ゼロ法案になってしまいますので、それは我々の本意ではありません。むしろ、一体誰に、どういう権限が、どういう理由であるのかということを法律上明確にしていく中で、国の責任、加えて地域の責任も明らかになる。
 地域というのは、決して受け身だけではなくて、電力の発電をするし、また電力の消費をする地域でありますから、また、一旦事故が起これば大変な損害をこうむるわけでありますので、一体それは都道府県なのか市町村なのか、しっかり議論を深めていくべきだと私たちは思っています。
 我々の提案では、これはUPZ圏内の都道府県ということに限定をしておりますので、基本的な同意権者は、川内原発の場合は鹿児島県、そして高浜原発の場合は福井県、京都府、滋賀県、こうなっておりますが、関係の市町村あるいは広域連合の意見も聞くという枠組みをつくらせていただいています。ちょっと時間がないのでこれについて御意見を求めることは割愛しますが、そういうことをやっている。
 それからもう一つ、これも議論があるところでありますが、今、原発再稼働について、やはり国民の理解が進んでいません。
 世論調査は私は余り重視しない方でありますが、その背景には、冒頭私が内閣府に、また大臣に答弁いただいた、やはり国がしっかりと権限、責任をはっきりとしていない。大臣も、再稼働のときの記者会見では、しっかり国の責任を果たしていく、しっかりと、はっきりとそうおっしゃっているわけですが、一体何の責任をどこまで負うのか、その法的な枠組みがないわけであります。
 例えば、再稼働についても、一つの考え方としてわからないではありませんが、閣議メンバーが、内閣がしっかりと再稼働のボタンを押すというのがやはり私は国民に対して必要なことであった、こう思いますが、では、政府はいつボタンを押したんだというと、エネルギー基本計画の閣議決定がそれだと。
 理屈はわかるわけでありますが、それについても一定のスキームを、若干無理筋を含んでいるようなところはありますが、法律上の理屈も一応盛り込んだ上で、供給計画の認可という一定の枠組みをつくりながら、関係閣僚会議が個別の原発の稼働についてボタンを押す枠組みを維新の党としては提示させていただいているところであります。
 それから最後に、最終処分ですね。これは、小泉元総理やあるいは我が党の最高顧問、きのう最高顧問をやめちゃいましたが、橋下徹前代表がずっとこだわってきているのが最終処分なんです。これについても枠組みを提示しています。
 例えば、東洋町が、町長が文献調査をすると言っただけで、えらい騒ぎになって選挙になるわけです。これが日本の最終処分の現状、現実です。それに対して我が党は、例えば、川内原発を再稼働するのであれば、九州においては文献調査は協力してよ、福井で高浜原発を再稼働するのであれば、関西がその責任を負う、大消費地を含む地域に一定の責任を課するべきじゃないかという提案をしています。
 この点についても、最後、これは大臣にお願いしていいのかな、我が党のこういう、若干、野党だからこういうことを言えるのかもしれませんが、御感想があれば御紹介いただければと思います。

○宮沢国務大臣 我々は今、事故の起こった後で、民主党政権時代につくられた法的枠組みの中で仕事をしておりまして、これ自体、私としてはよくできたスキームだろうと思っております。
 ただ一方で、完全無欠というわけではございませんので、こういうような提案をいただいて、いろいろ将来にわたって検討するということは大変ありがたいことだと思っております。

○足立委員 ありがとうございます。
 ぜひ、今、安全保障法制は大変な議論になって、議論が深まってきていますが、原子力についても引き続き議論を深めさせていただくようお願い申し上げて、私からの質問を終わります。
 ありがとうございました。

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