原子力問題調査特別委員会
○森委員長 次に、足立康史君。
○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。 今、玄葉委員の質疑において田中委員長が、今回の福島第一原発の事故、こうした事故は二度と起こしてはならないんだ、こういう思いを改めておっしゃってくださいました。これは、福島出身の玄葉委員、あるいは我が党の、本会議の後、きょう午後一番で質問に立たせていただきます小熊慎司議員も福島出身、私は大阪出身でございますが、そうした福島出身の議員の方々と全く同じように、今回のこの事故、二度と起こしてはいけないこの思いを同じくして、今、仕事に取り組んでいるところでございます。 そうした中で、先ほども田中委員長から確認をいただきましたように、この福島第一原発の収束をさせ、そして安全に廃炉をしていく、この作業が、玄葉委員の言葉をかりれば、これは国家の威信をかけた戦いだと。私も全く同感でございます。 しかしながら、この原発の廃炉、そして原子力発電事業を推進する、原子力事業を推進する今の推進の体制、これを見ると、本当に心もとないものがございます。 四月十九日にこの委員会で私は汚染水の問題を取り上げさせていただいて、そして、きょうおいでの廣瀬社長にも二〇〇二年の原発のトラブル隠しのことも取り上げて、本当に覚悟を持って事業の推進そして福島の廃炉に取り組んでいただきたい旨お願いをいたしたところでございますが、その後も、汚染水の問題に加えて、今も再三指摘があります「もんじゅ」の点検漏れの問題、いずれをとっても、今の日本の官民、今の日本の行政府とそして電力事業者に原子力事業を推進していくその力が本当にあるのかな、こういうふうに懸念をしているところでございます。 そうした中で、参議院で予算委員会等を開催してまいりましたが、今週にも総理の方から、この廃炉の問題を含めて、安倍政権としては、東京電力に押しつけるのは間違いだと考えている、もっと国が前面に出て、とるべき責任を果たしていくんだ、また茂木経産大臣も、再三、一歩前へ、前面にということを繰り返しておっしゃっています。この、前面に立つとおっしゃっている趣旨について御答弁をお願いします。
○赤羽副大臣 赤羽でございます。 私も、昨年十二月二十七日に経済産業副大臣また原発の現地対策本部長の任命を受けまして、直後から第一原発の四号機の中にも入りました。毎週定期的に福島入りをさせていただいて、できるだけ一F、二Fの現場には足を運ぶようにしておりますが、今、足立委員御指摘のように、まさに今回の一Fの廃炉というのは、世界に例を見ない、大げさに言うようでありますけれども、人類史上初めての挑戦というぐらいの気概でやらなければ、とてもなし遂げることができない難事業だというふうに認識をしております。 であるがゆえに、単に東電関係者に任せるのではなくて、国が前面に出て、しっかりとした、必要なことは予算をつけ、ロードマップも政府の責任としてつくっていかなければいけないという思いで事を進めさせていただいております。 その中には、放射性物質の分析ですとか、遠隔操作ができるロボット等に関する開発、実証、また、それの研究開発拠点の整備等の研究開発の推進におきまして国が主導的な役割を果たし、平成二十四年度の補正、また、昨日成立をいたしました当初予算にも計上させていただいておりまして、そういった意味でも、国としても全力で廃炉に取り組んでいくということが一つでございます。 また、廃炉に向けました中長期ロードマップにつきましても、茂木大臣が一月の頭に現地に行きまして、やはりこれは、一号機から四号機までそれぞれ号機によって異なる状況をもう一度精査して、そして燃料デブリ取り出しスケジュールをできる限り前倒しにするなど、六月中をめどに、中長期ロードマップを政府の責任として見直すこととしておるところでございます。 そして今御指摘がございました、昨今問題となっております汚染水の問題につきましても、廃炉対策推進会議のもとに汚染水処理対策委員会を設置いたしまして、政府、原子力規制委員会、東電、産業界が一体となって検討を行っているところでございまして、この地下水の流入対策につきましては、五月中を目途に、今後の対応方針の第一弾を取りまとめることとしております。 これらの取り組みを通じまして、安全維持に万全を期して、安定的に、また速やかに廃炉を完了できるように、これが福島再生の大前提であるというふうに考えておりますので、全力で取り組んでいきたいと思いますので、御指導のほど、よろしくお願いしたいと思います。
○足立委員 今、赤羽副大臣から御答弁いただきましたが、本当に大事なところなのでもう一言ちょっと確認しておきたいんですけれども、茂木大臣であれ、あるいは総理であれ、研究開発、研究開発と言うんですね。研究開発、研究開発と言っている一方で、今おっしゃったように、廃炉推進体制をつくってロードマップをつくる。これでしっかりやるのかなと思って、廃炉推進体制の強化についてということで、福島第一原発の廃炉推進会議の設置の要綱を見ますと、また研究開発と書いてあるんですよ。「燃料デブリ取り出し等に向けた研究開発体制の強化を図るとともに、現場の作業と研究開発の進捗管理を一体的に進めていく」と書いてあるんですよ。 これは、経産省は研究開発以外のことには手が出せないということですか。
○赤羽副大臣 原子炉の中の作業、直接に今入れる状況じゃありませんし、その遠隔操作ができるロボットの技術開発ですとか、炉内の状況の把握、解析、そういったものも進めていかなければいけない、そういったことを所掌しているのは私たち経済産業省だということ、中でそういうことを言っているんだというふうに認識をしております。
○足立委員 四月十日の経済産業委員会において民主党の馬淵委員が、そもそも所管しているのは経産省だよなと、ついては、所管する立場から茂木大臣はどういう責任を負っているんだ、こういう質問をされて茂木大臣は、いや、所管する立場からやり得ることは全てやっていくんだ、こうおっしゃっています。 研究開発に全く関係のないこともやる覚悟があるのか、おっしゃってください。
○赤羽副大臣 今御質問の、研究開発と関係ないことを全てやるかというと、ちょっと御質問の趣旨が明確ではない、理解が明確ではないかもしれませんが、私どもの心構えとして、冒頭申し上げましたように、人類史上初めての挑戦だ、それに対して立ち向かっていくんだという意気込みである以上、政府の責任としてしっかり全てに取り組んでいくという決意でおります。
○足立委員 原子力事業を所管している、あるいは電力事業者を監督している立場から、あるいは、この福島の事故に一定の責任を持って総理自身が前面に出るとおっしゃっているその前面という点について、研究開発以外のことでどのような御努力をされておられ、これからもされる決意なのか、お聞かせをください。
○赤羽副大臣 先ほどの御答弁した中に申し上げたと思っておりますが、例えば今の汚染水の問題、現在当面する深刻な課題の一つでございます。 このことにつきまして、先ほど申し上げましたように、廃炉対策推進会議のもとに汚染水の処理対策委員会を設置いたしまして、ここは原子力規制委員会にも入っていただいて、政府と原子力規制委員会、そして東電、また建設業界等々の産業界が一体となって検討を行っていく、この立ち上げもさせていただきましたし、きょうも二回目の会議をさせていただいております。 五月中を目途に今後の対応方針を、第一弾でございますけれども、取りまとめを発表することとしております。
○足立委員 ちょっと時間がなくなってしまうんですが、おっしゃったように、今、廃炉対策推進会議のもとに汚染水処理対策委員会が設置されていますが、これは、経産省の設置法のどの条項に基づく事務でありますか。確認させてください。
○赤羽副大臣 電気事業を所管する法律のもとに設置されております。
○足立委員 ありがとうございます。 まさにこれが大事なところなんです。これまで国会の答弁、何度もさまざまな党派から、国が前面に出る、先ほど玄葉委員からもお話がございましたが、国がもっと前面に出ないとこれは大変だとみんな思っているんです。研究開発、研究開発、それは、研究開発で一歩前に出る、当たり前ですよね。先ほどもあったように、赤羽副大臣御自身がおっしゃっているように、この問題というのは、日本全体の問題であり、またさらに言えば、世界の問題なんです。そういった研究開発等について国が前面に出るのは当たり前なんです。 我々国会が今求めているのは、もっと前なんですよ。当たり前のことを粛々とやっているんじゃないんです。これまでと違う、場合によっては法律改正したらいいですよ。もともとの原子力賠償法の枠組みを一切超えていないんですよね、今は。私は、今の原子力事業者あるいは機構の見るにたえないこの惨状を見るにつけ、やはり、もう一度法律改正に取り組んで国が本当の意味で前面に出る必要がある、そう思っています。 今、国会答弁で安倍総理あるいは茂木大臣が、前面に出る、前に出る、これは単なるリップサービスですよ。本当の意味で、法律に基づく前面に出るということについてやはりしっかりとやっていただく必要がある。ちょっと赤羽副大臣、ぜひこの御決意をお願いします。
○赤羽副大臣 十九年前、私自身、阪神・淡路大震災で家を失った。そのときが政治家の原点であります。そのときの悔しい思い、つらい思いを忘れずにいながらこの今の職務についております。福島に毎週のように足を運んで、本当にこの原発の災害の大変さ、深刻さということを改めて認識をしながら、先ほど何回も申し上げました、人類史上初めてなんということは軽々しく言うべき問題ではないと思っておりますので、委員の御指導もいただきながら、やれることは全てやっていくんだ、リップサービスではなくて、政治家としてしっかりと取り組んでいきたい、こう決意をしております。
○足立委員 ありがとうございます。 まさに今赤羽副大臣がおっしゃったように、原子力事業というものを所管する立場からやり得ることは全てやっていく、必ずこれは実行をしていただきたいと思います。 今、国と事業者の役割ということを申し上げましたが、もともと原子力事業についての国の責任ということを一番重く規定しているのは、いわゆる原賠法、原子力損害の賠償に関する法律です。 事故が起こった直後に、これは一体誰がどう責任をとるんだということで、相当国会においても議論があったと承知をしています、私はまだ議員ではございませんでしたが。第三条に、一義的には原子力事業者なんだが、損害が異常に巨大な天災地変または社会的動乱によって生じた場合はこの限りじゃない。 ただ、この福島については、今、赤羽副大臣がおっしゃったように、大変重たい事故ではあるけれども、ただし書きには該当しないという整理をされて、ちょっと条文をお配りしていなくて恐縮ですが、国の措置、第十六条、あくまでも国は、東電が賠償し切れないときに東電に対して必要な援助を行う。これは後ろに立っているんですよ。後ろで援助するんですよ。こういう枠組みに立っている、これが今の国の現状だ、そう思います。これは法律ですから仕方ない。 しかし、原子力損害賠償支援機構法をつくりました。つくった支援機構法のその附則でこの原賠法に言及しているんですね。この法律の施行後できるだけ早期に賠償法の改正等の抜本的な見直しをするんだ、こう書いてあります。そして、附帯決議で、できるだけ早期にと書いてあるのは「一年を目途とする」、こう書いてあります。もう一年たちましたがどうなっているでしょうか、文科副大臣ですね。
○福井副大臣 原賠法第三条一項ただし書きの取り扱いにつきましては今先生おっしゃったとおりでございますが、もう一度繰り返しますと……(足立委員「もう繰り返さなくていいです」と呼ぶ)そうですか。 今、十六条はおっしゃいましたが、十七条もございまして、同法十七条におきましては、政府が、「被災者の救助及び被害の拡大の防止のため必要な措置を講ずるようにするもの」という旨が規定されているところでございますので、その趣旨にのっとり行政行為が行われるというふうに承知をいたしております。
○足立委員 まさに今副大臣がおっしゃったように、第十七条には、仮に先ほどのただし書きに該当した場合には、被災者の救助及び被害の拡大の防止のために必要な措置を講ずるということとしていますが、今回はこれに該当していないんですね。今回はこれに該当していない、あくまでも十六条。 私が質問しているのは附則ですよ。附則の実施はしたんですか、附則に書いてある抜本見直し。
○福井副大臣 失礼しました。 附則第六条第一項におきましては、できるだけ早期に、今般の原子力事故の原因等の検証や、原子力損害の賠償の実施状況を踏まえて、原子力損害賠償制度における国の責任のあり方等について検討を加え、そして、これらの結果に基づき必要な措置を講ずるものとされております。 これらにつきましては二つございまして、大前提となる我が国エネルギー政策における原子力の位置づけ等の検討を踏まえる必要がある、これが境界条件の一つでございます。 もう一つは、被害者への賠償支払いが当面継続する見込みであるということで、損害賠償の全体像、これがいまだ明確になっていないという状況にあること、これも境界条件その二でございます。したがって、必要な措置を講ずるための検討の途上にあるというところでございます。 政府といたしましては、まずは、現行の枠組みのもとで、被害の方々に対する適切な賠償支払いを着実に実施していくことを最優先としております。 同時に、現在進行中の福島の賠償の実情を踏まえながら、現行制度や賠償実務上の課題の抽出を行いまして、原子力損害賠償制度の見直しに資する情報の収集、整理などを、関係省庁と連携して引き続き行ってまいりたいということでございます。
○足立委員 副大臣も大阪出身だと伺っているので、大阪人としてもうちょっと、役人のあれを読むんじゃなくて、私が申し上げているのは、一年をめどに抜本見直しするんじゃなかったんですかと言っているんですよ。あるいは、副大臣がおっしゃっているのは、この「できるだけ早期に、」はここにかかっていないんですか。この附則をどう読んでいるんですか。
○福井副大臣 ありがとうございます。 同じたこ焼きを食べたその血液が私の体に流れている、その肉声で今申し上げたところでございまして、もう繰り返しませんけれども、原子力の位置づけと損害賠償全体像、この二つが境界条件になって、いまだ検討の途上にあるということをぜひ御理解いただきたいというふうに思います。
○足立委員 しっかりこの附則で書いた一年をめどに抜本見直しがされることをみんなが期待しているんですよ。なぜならば、もともとある原賠法の枠組みの中に国がとどまっているからなんですよ。今回の福島第一原発事故は、これまでの原賠法が想定していなかった、まさにインパクトというか、我々、本当に大きな、重い宿題を背負ったんです。 政府としてこの機構法の附則をしっかり実施をする、原賠法の抜本見直しをする。いつまでにやるか、お答えください。
○福井副大臣 繰り返しになって恐縮ですが、その境界条件を御理解いただいた上で、検討の途上にあるということも御理解いただいた上で、情報収集を図る。一番大事なのが、被害者の方々に対する適切な賠償支払いを着実に進めていくということでございます。それを、一番大事なこと、最優先ということで今行っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○足立委員 条文のことでやり合っていても仕方ないので、これで次の話題に移ります、あと十分だけしかございませんが。 この特別委員会の、あるいは田中委員長を初めとする規制委員会の重大な任務の一つは、今申し上げた、安全に廃炉を進める、それを監督する、これは当然ですが、事故究明、原因の究明、これが第一であるかと思います。この原因究明の現状、見通し、田中委員長、お願いします。
○田中政府特別補佐人 御指摘のように、今回の事故の分析をきちっと行って、その知見を原子力規制委員会の所掌事務の一つであります安全規則に取り入れていくということは、大変重要なことであります。 これまで、国会事故調とか政府事故調等において事故調査の報告書がまとめられていますけれども、そのいろいろな分析についても技術的な評価の違い等もございまして、引き続き、それについてまだ今後詰めていく必要があるということでございます。 このため、私どもとしては、先日、事故調査委員会を発足させました。事故調査といいましても、これから私どもが行うべき事故調査は、廃炉を進めながら適宜行っていくということになりますので、相当長期にわたるかと思います。 そういったことを踏まえまして、当面は月に一回ぐらい、個別の論点になっているところを明確に解析するような形で事故調査を進めていくということで進めておるところでございます。
○足立委員 ありがとうございます。 今おっしゃっていただいたように、検討会をつくられて、五月一日に初会合を開かれたということで報道もされています。更田委員が担当委員として取りまとめていらっしゃるようですが、更田委員は、この事故原因の検証は十年、二十年間続くものになるだろう、こういうふうにこの会合でおっしゃっていると報じられております。 一方で、きょう廣瀬社長においでいただいていますが、これは事前に東京電力にと申し上げていなかったので、可能であればで結構ですが、十日に、電源喪失の原因について、国会事故調は津波によるものではない可能性があると指摘していたのに対して、いや、これは津波が原因だったんだ、二年以上たったけれども、よく考えたらデータがあった、それを解析してみたらやはり津波が原因だったとわかったという発表を東京電力のクレジットでされています。 これはそういう事実でよろしいですか。
○廣瀬参考人 東京電力の廣瀬でございますが、お答え申し上げます。 この事故原因につきましては、これまでも私どもの社内の事故調査報告も出しておりますし、また、その調査報告を受けて、私どもの原子力の改革プラン等々についてもこれまで解明に努めてきたところでございます。 その結果、私どもが持っておりますパラメーター等々から判断をして、また、その後の目視の点検等々も判断して、特に今問題となっております幾つかの機器については津波によってその機能を逸したということは、これまでも申し上げているところでございます。 今、足立先生の御指摘の、十日に発表させていただいたものは、そうした膨大なデータの中でかなり細かいデータについてまだまだ全部一つ一つ見切れていないものがあって、これはまたこれで一生懸命やらなければいけないところでございますけれども、今回、そうしたデータが見つかって、そのデータをまた解析したところ、それはむしろ私どもの主張を裏づける、津波によってその機能がそこの時点でとまってしまっているというデータがまた改めて出たということで、発表させていただいたということでございます。 この後も十年、二十年続くかどうかは別といたしまして、まだまだわからないことも当然ありますし、先ほどのお話のように、ロボットで中に入ってみたらこういうことがあったというようなことも今後も当然起こり得る話でございますので、引き続き、そうしたことも踏まえて、そうしたそれぞれのタイミングで我々なりの考え方をお示ししていくべきだというふうに考えております。
○足立委員 まさに、いわゆる東電の事故調査、これにおいては、今廣瀬社長からおっしゃっていただいたように、当初からそういうお立場をとっておられる。それが改めてデータで補強されたということかと思います。 こういう内容について、国会事故調は当初から、いや、それは違う、こういう報告書を出しているわけですが、事故原因についての国会事故調の報告、すなわち、津波以外に原因がなかったかどうかわからないというこの国会事故調の指摘、それから今回の十日の東電の発表、これを規制委員会としてどのように評価をされているか、田中委員長、お願いします。
○田中政府特別補佐人 今回見つかったというデータは、今、事故の論点を解明する上で大変大事なものでありまして、非常用の電源がいつとまったかというようなことに関するものでございますけれども、こういったデータは客観的に私どもの事故調査委員会できちっとそれを分析した上で、私どもとしては、東京電力とか国会事故調とかの分析にとらわれないで、私どもとしてきちっと分析を進めていきたいというふうに思っています。
○足立委員 ぜひよろしくお願いします。この原因究明については、二十年、三十年、百年続くかもしれないこの原因究明、必ずやり遂げねばならないと思っております。 その何十年とかかる原因究明の中で、収束に係るさまざまなデータ等が散逸をしていっているんじゃないか、一部、そういう懸念を指摘する声がございます。先ほど来ありますように、今回の収束作業は、日本のみならず、世界の原子力事業にとって大変重要なデータがいろいろある。ところが、国会事故調の報告書は国会図書館に保存され、政府事故調の報告書は内閣官房、そして、日々の現場のデータは全て東電が今持っている。私は、この収束過程でのさまざまな知見、データ、ノウハウ、これはやはり国としてしっかり保全に取り組んでいく必要がある、このように考えております。 そうした観点から廣瀬社長に、今、東電においてそういう記録の保全という観点でどのような取り組みになっているか、御説明をお願いします。
○廣瀬参考人 お答え申し上げます。 私ども、あの事故を起こしてしまった当事者といたしまして、二度とこのような事故を起こさない、そうするためにも大変貴重なデータ等々の資料だというふうに認識しておりますので、その散逸を防ぐべく、万全に保全をしていくということを徹底しております。 そうした中で、さきに御指摘がありましたような、新たなデータの解析等々で新たな事実が判明するということもあろうというふうに思っております。
○足立委員 そういう記録の保全という観点で、東電の中で、事故前の規定にプラスして、何か記録の保全についての内規等はございますでしょうか。
○廣瀬参考人 御存じのように、私どもは訴訟も抱えておりますので、そうした観点からも、しっかり保存をしておきませんとそうしたことにたえられないということで、社内でそうした指示を徹底して、保存をしておくようにということを徹底させていただいております。
○足立委員 別に揚げ足取りをするつもりは全くございませんが、今は廣瀬社長がおっしゃったように、民間事業者ですから、当然、民間事業者としての利益に資するデータは大事にするけれども、反対に、訴訟においてマイナスになるデータは廃棄をする可能性だって、一般論ですよ、ある。 赤羽経産副大臣、これは東電に任せておいて大丈夫ですか。
○赤羽副大臣 そのようなことはないと思っておりますが、そういった懸念をなくすためにも、本年四月四日に開催をいたしました廃炉対策推進会議の事務局の打ち合わせにおきまして、資源エネルギー庁の担当管理職から東京電力の担当部長に対しまして、廃炉を進める中で、損傷した機器や瓦れき等の廃棄物を動かす場合には、記録を残す等の対応をしっかり行うようにと改めて指示を行ったところでございます。
○足立委員 私は、今おっしゃったような形では、とても東京電力がその記録の保全をなし得る、端的に言えば、信頼が十分できない状況に今あります。国会でこうして活動する身として、やはりこの記録の保全については、私あるいは維新の会、あるいはさまざまな各党との連携の中でまたしっかりと法的な措置にも取り組んでまいりたい、そのように一言申し上げておきます。 もう時間が最後になりますが、あと最後に一点、どうしても聞いておきたいことがございます。 福島第一原発の原子炉建屋の耐震安全性です。二十三年の五月、二十四年の八月からまたこの春にかけて、さまざまな検証を東電としてされておられること、これは報道でも承知をしております。しかし、東電の報告書を見ると、十分な安全性を有している、耐震性に問題ない、このような言葉がずっと並んでいます。どういう基準に照らして十分な安全性とおっしゃっているのか、御答弁ください。
○廣瀬参考人 私ども、御指摘のように、地震以降、当然壊れておる部分がございますので、そうしたことを織り込んだデータをもとにした解析を行って、現在申し上げているのは、二年前の地震と同程度のものが発生したとしても耐震性に問題はないという結論をつけているところでございます。
○足立委員 もう時間が来ましたので最後にしますが、今、廣瀬社長は、先般の東日本大震災と同等の地震が来ても大丈夫だ、こういうことをおっしゃいましたが、こういう認識で経産省そして規制委員会、大丈夫ですか。震度六強の揺れに耐えられる等の言及も一部にございます。 いわゆる東日本大震災級の地震でも今の福島第一原発四号機を含め大丈夫だということを経産省、規制委員会に確認をさせていただいて、私の質問を終わらせていただきます。
○赤羽副大臣 安全基準につきまして、規制委員会の判断に委ねるという立場でございます。
○田中政府特別補佐人 福島第一は水素爆発等でかなり傷んでおりまして、それを踏まえた上で、まさに御指摘のように、震度六強に耐えられるように、特に一番問題になりますのは使用済み燃料プールを支えるところでございますので、それについては重点的に補強をしていただいて、一応今は六強ということになっております。 これについては、四半期に一回ずつ、その状況を確認しながら安全を確保していくということをしております。
○足立委員 六強以上の地震が来ると大変なことになる、私はこの福島第一原発の現状については厳しい認識を持っていますので、ぜひ皆様方も共有をしていただいて、全力でこの安全の確保に努めていただきたい、こう申し上げて質問を終わります。 ありがとうございました。