2014年4月9日 衆議院 厚生労働委員会 一般質疑 医療分野における営利法人参入規制と利益連動等行為規制
186-衆-厚生労働委員会-9号 平成26年04月09日
○後藤委員長 次に、足立康史君。
○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
きょうは、皆様方の御期待にもかかわらず、小泉政務官はお呼びをしておりません。
私も若干反省するところがありまして、とにかく、非営利ホールディングにこだわりにこだわりを見せまして、毎回このテーマを取り上げたものですから、結果的に小泉政務官に毎回おいでをいただいた。
最近、廊下とかでもよく小泉政務官が駆け寄ってこられて、足立先生、文科省は頑張っているんですよとかですね、非営利ホールディングについて。いろいろお気遣いをいただいているものですから、大変申しわけないなと思いまして、きょうは、とにかく、同じように赤石次長にはお越しをいただいていますので、相も変わらずこのテーマを、できればもう一回、きょうでもう最後、諦めようかなと。最後のチャンスをいただきたいというふうに思って、赤石次長、ぜひよろしくお願い申し上げます。
午前中に、生活扶助の話、大臣もお疲れさまでございました。午前中のあの民主党との審議を見ていても、大臣も大変だなと思いまして、私のこの質疑はちょっと休憩をしていただいて結構ですので。原医政局長にじっくりお伺いをして、通告は局長にしか入れていませんので、小泉政務官とあわせて、大臣もちょっとゆっくりしていただければと思います。もし御意見があれば、いつでも挙手をいただきたいと思います。
私も、自分がこの場で確認をさせていただいていることをもう一回、棚卸しというか整理をしているわけです。
まず、冒頭申し上げておくと、徳洲会の話はまた別途やりますので、きょうはやりません。
私がこの持ち分にこだわっているのは、やはり、医療法人の経営者の方々、お医者さんは、皆さん、持ち分をお持ちなんですね、多くの医療法人は。だから、厚生労働行政が今進んでいる方向、あるいは、今度、地域の立法で、持ち分なしへの移行を促進するような規定も入っているわけでありますから、要は財産権に係る大変大きな政策だと思っています。
その政策は、もちろん今に始まったわけではなくて、平成十八年から、非営利性の徹底ということで明確化をされてきていることは承知をしているわけですが、一方で、いわゆる地域包括ケア。
地域包括ケアに参加をする主体を見ると、当然いろいろな、介護関係あるいはその介護関係の会社、営利企業もたくさん入ってくるわけですね。だから、そういう、地域において、医療保険、介護保険を背景とするさまざまな営利を含む主体が、連携をしながらサービスを提供していくに当たって、今、介護の分野は社会福祉法人と営利企業等が一定の規律の中で仕事をされているわけですが、医療については、プレーヤーであるところの医療法人が、軒並み、それは持ち分なしにいくんだということですから、本当かと。本当にそれでいいのかという、どうしてもその違和感だけは拭えないところに、産業競争力会議が、いや、ホールディングだと言ってこられたわけです。
私はそれを聞いて、非営利ホールディングとは何だということで、いろいろ拝見をしたわけです。
前回の、四月二日でしたか、この場での質疑までは、私は、非営利ホールディングの中のホールディングに注目をして、私たちの常識でホールディングというと、基本的には所有をするという理解だったものですから、所有をするんだからホールディングでしょうと。それだったら、持ち分をなくす方向じゃなくて、むしろ、持ち分と議決権をリンクさせる方向に逆に行かないとおかしいじゃないかということをここで騒いでいたわけであります。
しかし、それに対しては、厚生労働省もそうですが、小泉政務官あるいは赤石次長の方から、いやいや、所有しなくてもいいんです、議決権に割って入ればいいんですと。だから、議決権を相互に、入れ子のようになることによって、意思を伝え、また、ホールディングからも意思を伝えることができる、そういう説明なので、まあそうか、すると、そうだなということで、半分以上納得をしているわけであります。
しかし、そもそも、では非営利とは何だということで、非営利ホールディング、産業競争力会議の提案の中で、非営利というふうに来たわけですね。
それで、実は、また固有名詞を出すと怒られるかもしれませんが、赤石次長のところに鈴木補佐という方がいらっしゃいます。厚生労働省から出向されている方でありまして、ちょっと鈴木君と言って、私の部屋に来ていただいて、非営利ホールディングとは何ですかということを改めて聞いたわけです。
まあ、納得をしたわけです、また。役人に弱いというか、補佐クラスに来ていただくと非常に会話が弾むんですね。ああ、そうかと。
そこで納得した非営利ホールディングの本質は、要すれば、非営利というものをホールディングレベルで実現するから、その内部関係については、内部についてはちょっと規制緩和してよと。規制緩和という言葉がいいかどうかわかりませんが、内部の規律については、非営利ホールディングの目的に照らして必要なことであれば、多少そこは考えてもいいよ、こういう制度なんですよということで、ああ、そうかと。わかっているようで、今までわかっていなかったんだということで、初めてわかったわけであります。
次長、大体そういうことでよろしいですね。一応、鈴木補佐から聞いていますが、それでいいということで、一言いただけますか。
○赤石政府参考人 お答えさせていただきます。
全く、うちの補佐の申し上げたとおりでございます。
○足立委員 そうすると、結局、医療法人であれ非営利ホールディングであれ、目的に照らしていろいろ規制がなっていくわけですから、なるほどと。もうこれで話は終わっちゃうわけです。
そもそも、では非営利とは何だというのを考えてみたわけですね。すると、厚生労働省も長い、十年ぐらいこの話をやっていますね。これもきのう、厚生労働省の事務方においでをいただいて、十年前からあるこの非営利の議論というのは、要は配当禁止の議論は、これはもう終わっている話なのか、十年前の話をやると恥ずかしいから、終わっているなら終わっていると教えてくれと。すると、黙っているわけです。だから、終わっていないのかなと思って、きょうはここに来てしまったんです。
もし、医政局長の方からお話をいただいて、これは決着している話であれば、いただいている時間を使わずに終わるかもしれませんので、次の方はぜひ準備をしておいていただきたいと思うんです。
これは、要すれば、医政局長、配当禁止ということで、いろいろなものをつくっています。一方で、十年前に、規制改革会議と当時の榮畑課長との間でやりとりが残っています。そのときには、規制改革会議側は、これは配当といっても資金調達コストなんだから、銀行から借り入れたときの利子を、金利を払うのと何が違うんだという議論をしています。そのときの榮畑課長の答えは議事録がありますが、今、厚生労働省あるいは医政局は、この問い、すなわち、いわゆる配当規制と、いわゆる配当規制をしている一方で医療法人が銀行からお金を借りて金利を払っている、これはどう区別がつくんだという質問をすると、どうお答えになりますか。
○田村国務大臣 終わると申しわけないので、ちょっと先に訂正させてください。
先ほど重徳議員に対して、私、残業と言いましたが、夜勤七十二時間でございましたので、訂正をさせていただきたい。看護のところです。済みません。
その上で、今の話であるならば、借り入れはあくまでも元本も含めて返すわけでありまして、そのための利息という話ですよね。一方で、出資の場合は、要はそれは返すものではないわけで、利益を分配するわけでございますので、利益を分配するという意味からすれば、これはコストではございませんので、これはやはり非営利法人としてはそぐわないという話であります。
○足立委員 ごめんなさい、ちょっとよくわからなかったんですが。医政局長、もう一度お願いします。
○原(徳)政府参考人 お答えを申し上げます。
医療法人は、それぞれ病院なり診療所なり経営されております。その中で、例えば医療を行う上で必要な物品、薬もそうですけれども、そういうものを購入するために必要な経費というのは当然生じるわけでありますし、あるいは、機械を購入するときに例えば借金をするということもあるでしょう。
そういうような正常な、真っ当なといいますか、通常のそういう行為の中で、売り手側は商売で売るわけですから、利益がそこへ生じるのは当然でありますので、そういう意味において、通常の商行為の中で行われている分については構わない。例えば銀行からお金を借りて利息を払うというのは、これは当然であろうと思います。
ただ、それが異常に、通常の金利よりも高く誰かから借りて、トイチじゃないですけれども、非常に高い利息をそこへ払っているというようなことがあれば、これは配当に該当するというふうに考えるのではないかと思います。
○足立委員 大臣が、銀行への金利は利益の分配ではないんだ、こうおっしゃいましたが、そこをちょっと局長にも確認したかったんです。
あくまでも、利益からその金利が支払われるという点においては私は変わらないと思う、利益の分配ということではそれは変わらないと思います。こっちから申し上げると、それは、利益にリンクをしている、利益が大きければその利益の分配も膨らむ、その利益連動しているのが問題だということなのか、何が問題なんですか。要は、銀行への金利だって剰余金の中から払っていますよね。同じですよね、それは。何が違うのか、局長の方がいいかなと思って局長に振ったんですが。ちょっと、先に局長、やりましょう。
○原(徳)政府参考人 お答え申し上げます。
金利というのは、それぞれの状況によって定まってくるものだと思います。その中で、当然ながら、利息を払うためにはお金がないと払えないわけですから、先生のおっしゃるような、剰余金というのが何かわかりませんけれども、経費として払っていくということは可能だと思います。当然だろうと思います。
その中で、金利について、当然ながら、先ほど言いましたように、状況によっては変わり得るものではありますけれども、それが通常の関係の中で、例えば著しく高率で利息を払っているとか、そういうことがあるならば、五十四条に基づく剰余金の配当に該当するのではないかというふうに判断するということだと思います。
○田村国務大臣 病院は非課税ですからあれなんですけれども、まあ、非課税ではないですけれども、要するに企業ではありませんから当然会計は違うわけであります。しかし、借り入れは資金調達コストでありまして、これは返済するわけですよね。返済するための中での利息であるわけであって、利息は当然のごとく経費として払われるわけでありますから、そういう意味からすると、返すものに対する経費、つまり借り入れコストに対する経費というような話ですよね。
一方で、出資、株式というのは、これは返さないことが前提ですよね、基本的には。出資ですから。それに対して利益が出たものを分配するという意味でありますから、それは利益の分配であるわけでありまして、あくまでも何かをするために借り入れたコストとしての払う利息とは、当然意味合いは違ってくるわけであります。
○足立委員 大臣がおっしゃりたい気持ちはわかりますが、これは、いわゆる金融の基本的な、今や金融技術も発達していまして、昔みたいに、銀行借り入れと、資本、株式、いわゆるエクイティーファイナンスという二つがあるわけじゃなくて、非常に多様な金融手法が出てきている。だからこそ私は、医療法は何を規制しているのかということを聞いているわけです。
当時の規制改革会議の話でも、榮畑課長が、いやいや、配当も利子もお金が医療の外に流出している点においては一緒だ、こう答えています。何が違うんだ、もう一度、局長、お願いします。
その前に、私が申し上げているのは、先ほどから局長は、通常の相場というかから外れるとだめなんだという話をしていますが、それならそれで、それが基準なんだ、利益連動型が問題なんじゃないんだ、そっちが問題、どっちですか。
要すれば、通常の医療法人がかかわらないような、マーケットで行われている何かの相場観から外れると、それは利益供与だというような立論をしていくのか、あるいは剰余金連動型の分配に問題があるのか、どっちですか。
○原(徳)政府参考人 端的に言うと、やはり両方問題が生じるのではないかというふうに思います。
先ほど、利子として当然お金は外へ出ていく、これは確かでありますけれども、それはコストとして必要なものというふうに考えるべきだろうと思います。それに対して、事業活動をした後で出てきた剰余金、これを分配するというのとは本質的には違うのではないかというふうに思いますけれども。
○足立委員 これも本当に金融の基礎になるので申しわけないんですけれども、配当は、もうそれは資金調達コストです。配当も資金調達コストです。ただ、調達する資金の種類が違うわけです。
間接金融、直接金融、エクイティーファイナンス、デットファイナンス、いろいろな金融手法があります。私は、医政局が、あるいは厚生労働省が、この非営利ということで一体何を、では、もうちょっと結論を先取りして言えば、私も諸外国の例をいろいろ調べてみたんです。諸外国で非営利ということについてどういう整理をしているのか、ざっと調べてみました。
例えばイギリスなんかでよくあるのは、要すれば、配当制限しているんですね。例えばイギリスなんかでは、イングランド銀行の金利を基準として、利率の上限規制をすることによってお金の流出を防いでいるわけですね。すなわち、法人の種類によって参入規制をしているんじゃないんです。
今も、特養をどうするということが新聞でもばっと出ています。いろいろな別の場所で議論しています。そのときも、なぜ特養は社会福祉法人しかできないのかと問われたときに、やはり厚生省は答えに窮しているわけです。
そのときに、では、何かと言えば、それは、社会福祉法人は地域貢献をするんです、慈善事業をするんです、地域貢献をするから無税なんですと。結局、行為規制しているわけです。わかりますか。要すれば、株式会社か医療法人かという法人の種類別に参入規制をしているんじゃなくて、行為規制しているんですね。
配当も行為です。要すれば、一定の利率以上の金利でお金を外に流出させると、それは過度の流出だというふうに認定をして、それは営利だろうということをやっている例が英米ではあるということを確認しまして、その方が私はしっくりくるんです。
だから、医療だって株式会社、要すれば、もう医療法人なんてなくしても、行為規制の体系だけつくればそれでいいんじゃないか。なぜ、医療法人なる法人種別をつくって、やってもいいこと、悪いことをいろいろと書いていくんだ。それを書いていくと、マーケットで金融技術が発達すればするほど、また、これはいいか、これはあかんかという議論になるわけです。
条文にあるのは、配当規制だけです。配当規制があって、そういう事実上の剰余金の分配に当たるものはだめということで、いろいろなものを例示として挙げていく、これが今の医政局の医療法人の行政なんです。
それは、もうマーケットについていけないわけです。常に何か新しい課題が出てくるわけです。例えば、医療法人が、病院の経営が悪化をした、もう倒れそうだとなれば、銀行借り入れの金利は上がりますね。何%以上になったら、それは医政局の相場から外れるんですか、医政局長。
○原(徳)政府参考人 期待されているお答えだと思いますけれども、個々の状況によって違うと思いますので、絶対値としては幾らというふうには申し上げられないと思います。
○足立委員 では、局長、そういう個々の事案を日々監督されているわけです。従前から、例えばMS法人の話で私が申し上げたときに、それは、当該MS法人との取引についても、市場取引等から見て妥当な価格を超えた取引があれば、監督行政、厚生省の指導監督を通じて是正していくんだ、これが厚生省の今の立場です。
すると、適用するのは個々の事例ですけれども、厚生省は物差しを持ってなあきませんね。医療法人が行うあらゆる取引について、このあたりであれば一般の市場取引等から見て妥当であるという判断をする、その物差しを厚生省は持っているんですか。
○原(徳)政府参考人 例えば、何とかについての基準という形では持っておりませんけれども、やはりそれぞれの、例えば医薬品の購入なら購入ということについての相場観というものは当然あるということだと思います。
○田村国務大臣 足立委員は、今、金利の話をされましたけれども、それは、病院運営が悪くなるから金利が上がるという話であって、経営がいいのに市中の金利よりも高い金利を払えば、それはやはりおかしいという話であるわけでありまして、逆に言えば、悪くなって金利を上げ過ぎると、今度は返済できませんから倒れる、そこはおのずと決まってくるわけであります。
一方で、株式等々の利益の分配の場合は、利益を出せば出すほど分配できるわけですね。だから、そこは明確にやはり違うのであろうと思います。
○足立委員 まさに、先ほど原局長にも伺ったのはその点で、では、利益連動型の分配に問題があるのか。今、大臣はそうおっしゃった。局長、そうですか。
○原(徳)政府参考人 お答え申し上げます。
例えば、運営に当たりまして、建物を借りる、そのリース料が収入に応じて幾ら幾らとなるような、連動するものはいけないというようなところは、私どもの指導の中でも言っているところでございます。
○足立委員 大臣がおっしゃったように、今でも、例えば建物を流動化してリースバックするときに、いわゆる利益連動型の組成、ストラクチャーを組むわけですけれども、それは指導して排除している、こういうことですか。それは、あらゆる取引について、今大臣がおっしゃった利益連動はだめなんだということで、要すれば、配当規制というものは、利益連動はだめなんだということで排除している。それから、加えて、先ほど話があったように、世間の相場から離れているとだめ。
この二つが基準だということでいいですか。二つですね。利益連動と世間の相場、この二つですか。
○原(徳)政府参考人 お答え申し上げます。
例えば、具体的に申し上げますと、先ほども言いましたが、土地や建物の借料について、借料が医療機関の収入の一定割合とするというようなことはだめだというふうに明確に言っている、これは、だから、連動型の場合であります。そのほかに、先ほど大臣からも申し上げましたけれども、絶対値としてやはりおかしいというものもあるわけでございますから、それは両方であろうかというふうに思います。
○足立委員 ありがとうございます。
明確になることに意義がありますので、これは二つだということをおっしゃっていただきました。
赤石次長、申しわけないんですが、ぜひ、何か期待して聞いているわけじゃないので、虚心坦懐に御答弁いただけたらいいんですが、今ずっと非営利の議論をしていました。産業競争力会議で非営利ホールディングの議論をされているこの非営利も、ほぼ同じと考えていいでしょうか。
○赤石政府参考人 お答えします。
産業競争力会議において昨年十月に増田議員から提案があったときには、社員等の要件の中で、現在、医療法人の基準においては、医療法人の社員は自然人に限られて、法人は社員となれないこととされているけれども、非営利団体であれば社員となることを認めてはどうかという提案がなされております。
この趣旨は、基本的には、医療につきましては非営利を大原則としているという大きな考え方に沿っているものと考えられることですから、その後、我々の中で議論した際にも、これについては異論が出ることなく、そのまま総理の検討方針に載っておるということでございまして、引き続きこういった考え方に基づいて議論をしていきたい、そのように思っております。
○足立委員 ありがとうございます。
医療政策において非営利という整理がされているので、それを引き継いでいる、こういうことですね。
私はあと十分もないので、今おっしゃっていただいたことはそれで結構かと思うんです。明確になったので、それで結構なんですが、すると、これから医療界もそれで仕切っていく、それから、非営利ホールディングも、検討途上だと思いますが、それを実現していくということなので、更問いで私がどうしてもやはり確認させていただきたいのは、まず、ホールディングの話はちょっとおいておいて、医療法人なんです。
医療法人制度というのは、今大臣がおっしゃった、医政局長がおっしゃった二つの要件で非営利性が担保できれば、それは、要は行為規制としてその二つの基準をかぶせれば、それで、端的に言うと、株式会社的というか、要すれば、配当するなと言っているわけじゃないわけですよ。利益連動の配当はだめだ、それから、世間の相場から離れるとだめだ、こう言っているだけですから。株式会社であっても、その二つの基準を満たせば、医業を、すなわち病院経営等をすることは理屈上可能になる、そう思いますが、いかがですか。
○田村国務大臣 今も持ち分のある医療法人はあるわけでありますから、見た目は株式を持っているのと同じでありますけれども、要は、ですから、配当があってはだめだ、配当として出してはだめだということであろうと思います。
○足立委員 いやいや、大臣、配当はだめだと法律に書いてあるんだけれども、よくわからないので、それは何なんだ、その配当はだめだということの意味は何なんだということをきょうここでやってきたわけです。
それを分解すると、要すれば、利益連動型の分配はだめだし、世間の相場から大きく離れるとだめだというふうに分解したわけです。すると、その条件を満たせば病院経営に支障ないですね、こう言っているわけです。
○田村国務大臣 出資に対する取り分としてお金をバックするということはだめだということであります。出資に対する取り分として、上がった収益に対してバックすることはだめだということであります。
○原(徳)政府参考人 大臣のお答えの繰り返しになるわけですが、先ほどから言っておりますのは、事業活動をするための通常のコストとしての金銭のやりとりの中で、異常な、非常に高値で物品を購入するとか、あるいは利息を高くするとか、そういうことはいけないということを言っているのであって、全体的な、残った中の剰余金の配当という部分については、これは決して認められないということでございます。
○足立委員 ぜひ、これは余りやってもあれですけれども、要すれば、銀行からお金を借りる、いわゆるデットファイナンスと言われますけれども、それから、株式で、いわゆるエクイティーファイナンス、これは両方とも資金調達コストに変わりはないんです。でも、ある種の報い方が違うわけですね。銀行は、要は、病院が倒れようと何しようと、とにかく担保をとって、利息をつけて返せ、こう言うわけです。ところが、エクイティーファイナンスで資金を提供した者は、仮にその事業がポシャれば、全部パアになるというリスクを背負って資金提供している。
だから、平成十五年に規制改革会議と厚生労働省でずっとやっていた議論もその議論で、要すれば、いずれも資金調達コストに変わりはないだろうと。だから、それを分解して、きょうは利益連動という言い方をしているわけです。なぜならば、普通に考えれば、それは資金調達コストに変わりはないからなんです。大臣、どうぞ。
○田村国務大臣 見方の問題だと思っていまして、お金を集めるという見方からすればそうなのかもわかりませんが、要するに、出資するというのは会社と一体であるわけでありまして、支配権も一定程度持つわけであります。そういうものが、要は、利益というもの、残ったものに対して分配してはいけないというものと、外からお金を貸す人がその対価として利息を得るというものは、これは別である。
これは見方によって違うわけでありまして、非営利というのは、そういう考え方のもとに、お金を出した出資者に関してお金を分配するのはだめだということであろうと思います。
○足立委員 私がこの議論にこだわっているのは、介護の世界で営利企業がどんどん参入している現実において、医療、介護、福祉という地域包括ケアというものをつくっていくときに、介護分野には明らかに営利の企業が入って活動している、ところが、医療の世界は全て、医業を担うのは医療法人等々ですから、あまねくそれは持ち分を返上してください、基本はそうですと。これがロジックとして本当に成立するのかという議論を、医療が医療だけで考えていた時代は、余りこういう議論をしても、議論が応酬して終わりで仕方ないんだけれども、これから地域包括ケアという議論をするに当たっては、この議論をちゃんと決着させておかないと、医療、介護の連携といったときに話が途中で頓挫するんじゃないかということを心配しているわけです。
もう時間がないので、赤石次長、これは申しわけない、議論が必ずしもクリアじゃないかもしれませんが、非営利ホールディング、医療の非営利を多少引っ張ってきているということですが、冒頭の話に戻ります。
全体でその非営利性を確保されていれば、私は、この非営利ホールディングの内部関係については相当自由度が高くていい、要は、外へのお金の流出を、今ずっと議論したような意味で、このホールディングカンパニーの外への流出をとめることができれば、内部関係については事実上規律づけをするまでもない、こう思っているんですが、出てくる資料、これは厚生省の紙かな、いわゆるイメージというのが出ていますね、こういう紙を見ると、極めて固定的な仕組みになっているんです。要は、この中に営利法人は入らない、営利法人に関与できるとすれば、それは出資をすることだけだという極めて固定的なイメージになっています。
私は、もっと自由度の高い内部規律でいい、こう思っていますが、最後、その御意見を伺って、質問を終わりたいと思います。
○赤石政府参考人 お答えさせていただきます。
本件については、引き続き、中で議論しているところでございますが、御趣旨のとおり、全体としての非営利性がきっちりと守られているという限りにおいては、中での、グループでの剰余金の活用の仕方などは、ある程度融通性をきかせてもいいのではないかという議論が現在なされているところでございまして、そういった考え方に基づいて、引き続き検討していきたいと思っております。
○足立委員 ありがとうございました。