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あだち康史
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衆議院議員
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衆議院議員4期、大阪9区支部長。日本維新の会憲法改正調査会長、国会議員団政務調査会長、幹事長代理、コロナ対策本部事務局長等を歴任。1965年大阪生まれ。茨木高校、京都大学、コロンビア大院。水球で国体インターハイ出場。20年余り経産省に勤務し欧州に駐在。東日本大震災を機に政治を志す。
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議事録 Transcripts

2014年4月8日 衆議院 環境委員会 一般質疑 豊能町の土砂崩落の背景にある課題と国の責任について

足立 康史

186-衆-環境委員会-5号 平成26年04月08日

○伊藤委員長 次に、足立康史君。

○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 ふだんは厚生労働分野で社会保障を担当しております。また、エネルギー問題、特に原子力、原発の問題も党の担当として原子力問題調査特別委員会の理事等も拝命していますので、石原大臣には時折対応をいただいておりますことを改めて感謝申し上げたいと思います。
 本日は、同僚に御協力をいただきまして、若干お時間をいただいてこの環境委員会で、二月の下旬に私の地元大阪府の豊能町で土砂の崩落がございました、この件を取り上げさせていただくわけでございますが、決して地元の一案件ということでこの環境委員会をおかりするのではなくて、この土砂の崩落の問題というのは、実は日本全国に広がっている一つの大きな課題ではないかということで、この土砂の崩落の背景にある環境行政あるいは国土行政のあり方ということで、質問をさせていただきたいと存じます。
 そういう観点から、きょうは、石原大臣、それから、国交省から坂井政務官にもおいでいただいています。ありがとうございます。
 まず冒頭、石原大臣に、二月二十五日の夜に、私の地元の豊能町の木代という地域に積まれてあった土砂が崩落をいたしまして、府道がどおんと百メーター、二百メーターにわたって埋まり、いまだに復旧のめどが十分に立たない。どういう形でこのバイパスをつくるか、その際の地権者との調整も含めて、地元では今住民が大変な不便を強いられているところでございます。
 この点については、二月二十五日の夜に崩落が発生したわけでございますが、ちょうどその翌日の二十六日に予算委員会の第六分科会で、たまたまですが、この問題を取り上げる予定にしておりましたので、石原大臣に御答弁をいただいたところでございます。
 その際に、大臣に、私は、この土砂の問題は、地方公共団体としてももちろん、条例をつくったり、いろいろな取り組みをしておるわけでございますが、環境省がリーダーシップをとって、調査をしたり、あるいは問題の整理をしたり、対応を検討いただきたいということでお願いをいたしたわけでございまして、石原大臣はその際に、自治体がこれまで取り組んできた経緯というものを十分踏まえた上で、必要があらば検討すべきだ、こうおっしゃっていただいたわけでございます。
 それからまだ間もないわけでございますが、大臣、その後、もし環境省あるいは関係省庁の間で、この問題、必要があれば検討すべき、こうおっしゃっていただいたわけでありまして、現時点で、これは必要があるとお考えか、いや、必要がないとお考えか、端的にお答えをいただければと思います。

○石原国務大臣 これはたしか、今委員が御指摘されたとおり、分科会で御質問いただきました。パネル等々も見せていただきました。
 地元にとりましては、生活にかかわる重要な問題であると私も思いますが、経緯というものもございます。そして、今、大阪府が調査をしている。そういうことにおいて、大阪府の方から私どもに特段の御問い合わせがあったということは聞いておりません。また、どのような委員会での答弁を受けて事務方がどのようにやったかという点は、事務方からお話を聞かせていただきたいと思います。

○小林政府参考人 この豊能町の山積みになった土砂が崩壊したというものにつきまして、その後の経過は、情報収集しておりまして、今先生から御指摘があったとおりでございますが、大阪府が土砂の調査を行っているということで承知をしております。
 この調査自体は、私ども、土壌汚染という観点から土壌汚染対策法を持っておりますが、そういった法令に基づくものということではなくて、住民の方などからの御要望を受けて、残土に関する有害物質などの調査をやろうということで、大阪府が決定をされて進めているものということで承知しております。
 引き続き、取り組み状況は見守っていきたいと考えております。

○足立委員 今、土壌調査ということをおっしゃっていただきました。これは、実は、事件が、崩落が起きまして、松井一郎大阪府知事が、現地に足を運んでいただいて、ごらんをいただいたわけであります。そのときに、知事の方から、ちゃんと土壌調査をしないといけないだろうという御指示があって、大阪府の方で、今御紹介いただいたように、土壌調査をしているわけであります。
 これは、明らかに、私も現場に行かせていただいておりますが、いわゆる土砂が積まれていて、それが崩れたということですが、これをこれからどうするか。この土砂を、またどけて原状復帰するのか。あるいは、もう土砂で埋まっているわけですから、その土砂を有効利用して、事件があって有効利用というのもなんですが、実際に土砂を取り除くには大変なコストがかかるわけでありまして、これを実際に活用して、区画整理をするとか、あるいはバイパス道路をつくるとか、いろいろな選択肢が地元にはあるわけでございますが、何といっても、その土砂はどういう土砂なんだと。
 地元の方々の声としては、見るからに、どうもこれは普通の土砂じゃないよ、やはりしっかりと土壌調査をしていただかないと、そのまま使っていいかどうかもわからない。これは、地元の住民もそう思っているし、豊能町あるいは大阪府も、あるいは松井知事もそうお感じになって、事務方に土壌調査を指示した、こういうことでございます。
 今局長の方から、いや、これは法令に基づくものではなくてということでありますが、これは、自治体が知事の判断で必要だと言っているわけですが、環境省の環境行政からいうと、土砂の土壌調査をしなければいけないなと自治体の長が指示をした。これは、環境行政上どういう位置づけになるんですかね。不法投棄なのか、あるいは、大阪府が知事の指示で取り組んでいる土壌調査というのは環境行政上どういう位置づけになるか、改めてお願いします。

○小林政府参考人 土砂が崩れた、これを誰の責任でどうしていくのか、この辺は総合的にいろいろな分野から考えていくべきことだと思います。
 そういう中において、こうしたものもそうでありますし、物を建設する場合もそうでありますが、あらゆる局面において、環境というものにはしっかり注意を払って調査をしたり、考慮を払って進めていただく。このこと自体は、環境行政からも、基本的な姿勢としてあるところでございます。
 基本的にどういうような役割を持たす、今の、土壌のリサイクルというか活用のお話でしょうか、そういうようなこと、あるいはいろいろな見方があるのかもわかりません。災害の後始末という考えもあるのかもしれませんが、それをどのようにしていくかということについては、さまざまな観点から検討されることかなというふうに考えているところでございます。

○足立委員 ちょっとこだわって恐縮ですが、これは、環境省としてはあずかり知らぬことということでしょうか。

○小林政府参考人 大阪府の調査の結果によると思いますが、環境汚染上何か問題があるというようなことであれば、これは、第一義的には地方公共団体でやっていただくわけですが、環境省としても関心を持って見ていくべきものであると思っております。

○足立委員 ありがとうございます。
 私、実は、こうやって環境省にるるお伺いをしているのは、やはり現場、地元でずっと意見を聞いていて思うのは、これはもちろん自治体でやるべきことはやる必要がある、こう思っていますが、国の行政のある種の縦割りのマイナスの影響が、現場にそのしわ寄せが行っている一つの象徴的な事例のような気がするから、改めてこういう問い方をしているわけであります。
 御承知のとおり、先般の予算委員会分科会においても、私の方から環境省に、いわゆる土砂条例について質問をさせていただきました。そのときに、平成二十四年三月現在の数字として、環境省が知り得た範囲内でいうと、都道府県で十五、政令市で十九、それ以外の市町村で二百一、合計で二百三十五の自治体がいわゆる土砂条例というものをつくって、何とか、土壌の汚染防止あるいは防災、そういった観点から条例をつくっているんだということをやりとりさせていただきましたが、実は、事務方と議論しますと、いわゆる土砂条例というのは、国でいえば、どこが、もちろん、地方分権の時代ですから、地方公共団体がさまざまな事務を行う、これはいいですよ。ただ、日本は日本国ですから、国としても、当該事案について一体誰が最終責任を負っているのか、これはやはりはっきりしておく必要がある。
 私はもともと行政官でありましたからわかりますが、霞が関というのはなかなか立派なところで、あまねくこの世の中にある森羅万象、何か一つを取り上げれば、必ず所管省庁というのは一意にある、ほぼあるんですね。
 私は、この土砂条例についても、一体環境省はこれを見ているのかと。いやいや、これは一応調べていますけれども、我々が別に見ているわけじゃありませんと。では、国交省かというと、いやいや、これは我々ではありませんということで、端的に言うと、環境省と国交省の間に落ちている感が非常に強いわけであります。
 私は、きょうの限られた時間でありますが、ぜひ、この問題については、環境省が国交省とも協力をしながら、環境大臣のリーダーシップで、対応策について何らかの検討をしていただく必要が絶対にある、そう考えておりますので、時間が許す限り、そういう討論をさせていただきたいと思います。
 その入り口として、ぜひ環境省、環境大臣にお聞きをしたいのは、いわゆる公共事業等の建設事業から建設残土というものが、何をするにも、掘りますと土が出てきます。この土砂については、廃棄物処理法上、廃棄物ではないんだと。
 私は、かつて経済産業省で環境庁、環境省ともいろいろな調整をしたことがありますが、当時、必ず出てきた言葉は、無価物か有価物か。価値が有価であればそれはごみではない、無価であればそれはごみだ、そういう整理をしてきたわけです。実は、土砂というのは、仮にそれが無価であっても、無価物であっても廃棄物と言わないんだと聞いていますが、これはどういう整理になっていますか。

○梶原政府参考人 法解釈の問題でございますが、廃棄物処理法につきましては、廃棄物の適正な処理等によりまして、生活環境の保全あるいは公衆衛生の向上ということを目的としておりまして、実際に対象とする廃棄物につきましては、例えば、ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、あるいは廃酸、廃アルカリ、動物の死体といったような汚物または不要物ということを対象にするというふうになってございます。
 今先生御指摘の土砂、あるいは専ら土地造成の目的となる土砂に準ずるものにつきましては、これらの今申し上げましたような汚物あるいは不要物とはちょっと性質が異なるものということで、法律の対象外となっているところでございます。
 いずれにいたしましても、廃棄物の定義につきましては、平成十一年の最高裁の決定におきまして、有か無かということだけではなく、その物の性状、あるいは排出の状況、通常の取り扱いの形態、占有者の意思等を総合的に判断するということの決定をいただいて、その運用をさせていただいているところでございます。

○足立委員 ありがとうございます。
 今、最高裁の判例もお引きをいただいて解説いただいたわけですが、私も、現状の整理は理解をしています。現状の整理は今おっしゃったとおりです。
 ただ、現状の環境行政上の廃棄物、土砂に係る、土砂の扱いについての行政上の整理というものが今ある。その整理の上で、現実の現場はどうなっているかというと、さまざまな問題が起こり、実際に不適切な土砂の埋め立て等も起こり、その幾つかが、今回の私の地元の事案が象徴するような大変難しい問題が発生し、地元の首長が、これは放置できないということで、今土壌調査に入っている、これが今現状なんですね。
 私が環境省そして石原環境大臣にきょうどうしてもやはり確認をしたいことは、今役所の方から御紹介をいただいた現在の廃棄物に関する整理、土砂の扱いに関する考え方、その結果としてさまざまな事案が発生している現状、これを考えたときに、この整理で十分、この整理でいいとお考えですか。ぜひ石原大臣、ずっと聞いていただいた、予算委員会の分科会、そしてきょうの環境委員会でるる私が問題提起をさせていただいているこの問題、土砂の扱いについての整理、このままでいいんだとお考えですか。

○石原国務大臣 若干委員の現場で起こった話とは違うんですが、東京でも実は、築地の移転のときに臨海部の埋立地で土壌汚染というのがございました。これは、東京都が調査して、かなりの高濃度の有害物質が発見された。その土地改良を都が行うことによりまして、また、そこのもとあった企業も負担をすることによりまして、土地改良を行い、売却と話が進んだという経緯がございます。
 今回の場合は、私も、詳細はまだ調査中だということで、どのような有害物質があるのかないのかということは断定的には申しませんけれども、仮に特定の業者が有害物質を含むようなものを不法に投棄、放棄してこのような事案を発生させたら、これは一義的には間違いなくその業者の責任である。それを都道府県、所管するところがしっかりと調査して、その原因を究明していく。これは間違っていないと思いますし、そうであるからこそ大阪府が中心になって調査を進めている、私はこのように考えております。
 私も国土交通大臣をさせていただきましたので、建設残土は間違いなく国交省の所管だろうなと思っておりましたけれども、建設業者の責任において適正に行わなければなりませんけれども、その建設業者が不適切に物を行っているというような事案であるとするならば、それがどれだけあるのかということも含めて、やはり調べて現状を把握して対策を考えていくというのが本来あるべき姿ではないかと思っております。
 ですから、今回の事案は、大阪府が土壌調査をしていただいて、その結果をしっかりと示していただくということがまず肝要なことではないかと、役所と委員の議論を聞いておりまして、思ったところでございます。

○足立委員 石原大臣、私は大阪府の事案をここで議論したいんじゃないんです。大阪府の事案を象徴として、象徴とする形で改めて議論したいことは、大阪府も今、条例をつくろう、こういう動きで、私の地元の選出の府会議員を中心に、知事とも連携しながら、大阪府もやはり条例が要るんじゃないか、あるいは今ある条例を強化する必要があるんじゃないか、こういう議論をしています。
 ただ、結局、条例でやるということは、先ほどあったように、二百を超える市町村、地方公共団体が条例をつくっている。私は、ただ、条例でできることは限界があると思うんです。
 条例の結果、何が起こっているかというと、モグラたたきなんですよ。きつい条例をつくったところからは、そうした不適切な取り扱いは、モグラ、要すれば、たたくと逃げるわけです。ほかで出てくるわけです。必ずほかの地域で出てきます。
 最終的には、この土砂の問題というのは、最終処分場、コストをかけずに処分できるような出口戦略をこの分野の行政が持っていない、足りていないからこういうことが起こっている。したがって、地方公共団体の取り組みも必要だけれども、それだけではモグラたたきを繰り返していくだけである。
 これから、国土強靱化ということで、今、石原大臣も国交大臣もされておられてよく御存じだと思いますが、ますます公共事業は活発になっていく。外環道路もそうだし、リニアも走る、東京オリンピックもある。しっかりとこの問題は、国としても、単に条例任せではなくて、環境大臣、そして国交省と連携しながら、何らかの対応策を検討する必要がある。自治体任せではモグラたたきに終わる。これが私の主張なんですが、改めて、大臣、検討の必要、検討をお願いできませんか。

○石原国務大臣 先ほども申しましたとおり、今回の事案の、土壌にどういうような汚染物質があるのかないのかということは非常に重要でありますし、そのほかのところでもそのような類似の事案が百、二百、三百あって、同じような土壌汚染があるとするならば、委員の考え方は一つの考え方だと思いますけれども、今回は、これまでの経緯は、私がさっき思わず申しましたとおり……(足立委員「今回じゃないですよ」と呼ぶ)思わず申しましたというのは、建設の土については、国土交通省が取り扱ってきたという経緯があるわけですね。ですから、私は、その大臣のときも何の疑問も持たず、そういうふうに思っておりました。
 そして、汚染者負担の原則というものがありまして、PPPの原則がある以上は、やはり一義的には、その汚染物質を出した業者の責任を徹底的に追及していくということが必要でありますし、委員が示された今回の事案が類似するものとして多くあるとするならば、モグラたたきであるとする状態が確認されたならば、そこはしっかりと対処していく必要があるということにおいては、委員と考え方に相違はないと思っております。

○足立委員 先ほど申し上げましたように、全国で二百三十五の自治体が、これは放置できないということで条例をつくっているんです。今、石原大臣は、自分の大臣経験からしてもこれは国交省の問題だ、こうおっしゃっているわけですが、坂井政務官、いかがですか。

○坂井大臣政務官 建設残土の関係に関しましては、国土交通省がしっかりと対応させていただくということになっておりまして、ちょうどきょう開催予定になっておりますけれども、建設リサイクル推進施策検討小委員会というところをつくりまして、我々は、なるべく、工事をする際、残土を出さないような工夫と、出た場合は、いろいろな形を考えながら、使ってもらう、すぐさまリサイクルして再利用してもらうということを念頭に対応させていただいております。

○足立委員 もう時間が来ましたが、坂井政務官、ぜひ、今おっしゃった委員会で、きょう私が取り上げたような問題についても、検討をちゃんと、検討課題として含めていく、その今おっしゃった検討会で検討していくと。
 大臣、最後に、環境省としてもそれに協力するとぜひ一言いただいて、終わりたいと思います。

○石原国務大臣 足立委員が答弁と質問と全部つくっていただきましたようでございますけれども、必要とあらば、検討させていただきたいと思います。

○坂井大臣政務官 小委員会の委員の先生方に足立委員の問題意識はお伝えをして、必要があれば検討していただこうかと思います。

○足立委員 ありがとうございました。

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衆議院議員4期、大阪9区支部長。日本維新の会憲法改正調査会長、国会議員団政務調査会長、幹事長代理、コロナ対策本部事務局長等を歴任。1965年大阪生まれ。茨木高校、京都大学、コロンビア大院。水球で国体インターハイ出場。20年余り経産省に勤務し欧州に駐在。東日本大震災を機に政治を志す。
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