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あだち康史
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衆議院議員
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衆議院議員4期、大阪9区支部長。日本維新の会憲法改正調査会長、国会議員団政務調査会長、幹事長代理、コロナ対策本部事務局長等を歴任。1965年大阪生まれ。茨木高校、京都大学、コロンビア大院。水球で国体インターハイ出場。20年余り経産省に勤務し欧州に駐在。東日本大震災を機に政治を志す。
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2014年5月7日 衆議院 厚生労働委員会 参考人質疑 地域医療介護総合確保法案に関する参考人陳情について

足立 康史

186-衆-厚生労働委員会-16号 平成26年05月07日

○後藤委員長 次に、足立康史君。

○足立委員 日本維新の会の足立康史と申します。
 本日は、本当にお忙しい中、参考人の皆様方、お時間を頂戴して、ありがとうございます。
 私は、きょうは、事前には川渕参考人を中心にお伺いをしたいと思っておりましたが、御指摘の点はいずれもごもっともでありまして、質疑というよりは、そうだなと思うところが多かったところでございます。
 逆に、一つ、川渕参考人にこの場をかりて御報告をさせていただきたいんですが、非営利ホールディングについては、私も、この参考人質疑に先立つ法案審議で、何度かこの委員会でも取り上げさせていただいて、いわゆるホールディングとしての非営利性を担保する中で、その内部関係についてはできるだけ規制緩和をしていく、こういうことを一つ、産業競争力会議で御議論いただいた当事者でいらっしゃいますが、それを受けた厚生労働省も今そういう方向で議論されておられるようであるし、また、この場に内閣府の小泉政務官にもおいでいただいて、そういう議論をいたしたということをむしろ御報告させていただきたいと存じます。
 それから、きょう、中川副会長においでをいただいていますので、野党の関係ではありませんが、ぜひちょっと中川副会長に幾つか御質問させていただきたいと思います。
 その前に、本田副理事長、プレゼンテーションというか、データ等、事実に基づくデータ、大変感銘をいたしました。気づきの点も大変多うございましたし、まさに参考人として情報提供いただいた、大変参考になるところです。
 ただ、一点だけ、ぜひちょっと質問させていただきたいのは、まさに書いていただいていること自体はそういうことなんですが、例えばナーシングホームとか、あるいはいろいろな医師数とか、アメリカとの比較が多用されています。ただ、釈迦に説法ですが、日本とアメリカは医療制度が全く違います。また、お話の中では、欧州を念頭に置かれた、医療費と自己負担はいかがなものかという話もありましたので、若干、伺っていると、ヨーロッパ、大陸欧州のいいところ、あるいはアメリカの一見よく見えるところ、そういったところをざあっと集めてこられておっしゃっているようにも、言葉は悪いですが、お見受けいたしました。
 ただ、本田先生がおっしゃっているのはそういうことではないと思いますが、逆に、ここで御指摘をされた点を日本で実現しようとすると、私は、皆保険で自己負担を余りふやさずに実現しようとすると大変な財源が必要になる、こう思いますが、その点についてどうお考えか、お願いいたします。

○本田参考人 おっしゃるとおりで、私も一勤務医としてデータを収集している関係で、やはりアメリカのデータが一番手に入りやすいという現実がございます。ですから、本当は、きょう出した救急医その他もヨーロッパも全部調べたいんですけれども、ちょっと調査能力という点で問題があるということで、御勘弁いただきたいと思います。(パネルを示す)
 ただ、ここに出ておりますように、これが日本のGDP当たり医療費ですが、最低。アメリカ、最高。これがおっしゃったところで、アメリカ型というのはもう市場原理医療ですから、私は基本的に大反対でございます。ただ、医師数とか、メディカルスクールという学士を対象とした医学教育は世界的にも定評がありますから、医学教育はまねしてもいいんじゃないかなと思っています。
 あと、ヨーロッパは既にちゃんと、GDP当たり医療費をきちんと上げておりまして、しかも公的な部分が多い。
 だから、俗によく無駄と言いますけれども、ここでこういうことを言うのもなんですけれども、例えば、未曽有の超高齢化社会を目前にして、二〇二〇年の五輪なのかな、二〇二五年問題が大丈夫なのかなと。つまり、そういういろいろなところのお金の使い道をちゃんと見直していかないと、当然ヨーロッパ型も無理でございますから。
 私はヨーロッパ型がいいんじゃないかなと思っています。
 御質問、どうもありがとうございました。

○足立委員 本田参考人のお考え、よくわかりました。総合的にはおっしゃっていることはよくわかりますし、ただ、やはり日本は、これも釈迦に説法ですが、民間の医療機関が中心で今やっていますし、皆保険をどう維持しながら一定の財源の中で質のいい医療サービスを提供していくか、大変難しい、難問だと思っています。
 ただ、私たち委員、皆そうですが、これは、医療、介護のサービス提供体制の改革のラストチャンスだと私は思っています。これからの五年、十年、十五年と見据えたときに、この国会、今週、来週、できれば再来週もやりたいんですが、そういう中で、本当に意味のある議論をこの場で、国会でやって、しかるべき制度を組み上げていかないと、本当に間に合わない、そういう真剣勝負を今我々野党もさせていただいている、そういうふうにお伝えをしておきたいと思います。
 きょうは、医師会から中川副会長、おいででございます。この今回の法案について賛成の立場からおっしゃられたわけですが、私の印象は、この法案は、たくさん、十九本の法律ですから、さまざまな改革が組み込まれてあるわけですが、その根本のところ、川渕参考人が医療法人制度の話をちょっと御紹介いただきましたが、例えば持ち分ありの問題、持ち分なしの問題、あるいは会社の参入の問題、こういう問題について本当に整理ができて、その上にこの改革案があるならまあ大丈夫かなと思う面もあるわけですが、実はその基礎になっているところが若干心配をしております。
 例えば、持ち分なし医療法人の移行促進策について税制要望してきた、こう紹介がありましたが、この平成十八年の原則持ち分なしという現在の医療法、これは、中川副会長のお立場から、今の制度ですから、それは基礎としてこれを築いていけばいいというお立場だと思いますが、それはそうでよければそうだということでお教えいただいたらありがたいし、そうであれば、いつごろ原則論が実現すると見ていらっしゃるか。原則論というのは、持ち分なしにみんながなることですね。経過措置型医療法人は、経過措置ですからいずれなくなる。これはいつごろだと見ていらっしゃるか。この二点、お願いします。

○中川参考人 足立先生、御質問ありがとうございます。
 持ち分なし医療法人に移行するということは、日本医師会としても了解をしています。ただし、持ち分あり医療法人が、当分の間、これを経過措置として維持するんだということも同時に認識しているわけです。
 それは、持ち分ありといっても、そのことが地域医療の提供に対して問題があるかといえば、私は、決してそんなことはないんだと。その持ち分ありの医療法人が持ち分なしに仮に移行するときに、過去に、厚生労働省と財政当局、税務当局の議論がやはり足りなかったんだと思うんですよ。
 そこで、あるべき形で移行ができないという状況にあるので、現在の当分の間の移行措置は、やはり、当分の間というのは、表現としては、行政用語では、これは期限がないわけでございますから、収れんしていくその適切な時期が来ればそうなっていくんだろう。ただし、原則持ち分なしに移行するということは、我々は了解しているというふうに申し上げます。よろしいでしょうか。

○足立委員 ありがとうございます。
 今まさにおっしゃられたように、期限がないわけですね。
 私は与党ではありませんので、比較的自由に発言できますので、これを田村大臣には、フィクションじゃないか、こういう言い方でこの委員会室で詰め寄ったり、僣越ながらさせていただいているわけでありますが、今の点についてもう一段踏み込ませていただくと、今回の法案にかかわる税法は既に通過をしておりますが、いわゆる事業承継税制、これについては、持ち分なしに移行する前提の措置は充実をされます。
 しかし、まさに今参考人がおっしゃられた、全然悪くないんだよと。私もそう思います。全く悪くないはずの持ち分ありの医療法人は、相続が起こったら、事業承継が起こったら、税制が用意されていない。普通の会社であれば当然に用意されている事業承継税制が、私は厚生労働省の意図的不作為と言っていますが、あえてそこを用意しないことによって、相続が発生した医療法人はやむなく持ち分を放棄させられるおかしな仕組みに私はなっていると思うんです。
 私は、持ち分なしに移行する税制も整備した上で、持ち分ありのままでも事業承継が円滑にいくような会社並みの、会社になる必要はないんですよ、持ち分ありの医療法人が胸を張って持ち分ありのまま事業承継ができるような税制を整備することは論理的に可能だと思っていますが、そういう税制が端的に言うとあればいいとお感じになるか、それは要らないよということか、いかがでしょう。

○中川参考人 非常に難しい問題でして、足立先生の御質問、非常に高度な問題でございますので、この場で、日本医師会を代表して、明確なお答えは申し上げられません。ただし、先生のおっしゃることに一々なるほどというふうに思う部分もございます。
 以上でございます。

○足立委員 ありがとうございます。
 大きな団体でありますので、それはごもっともでありますし、まさに御指摘のように、この問題は、私は、大変重要な問題であると思っていまして、少なくとも今国会、遅くても次の国会にはこの点はきっちり整理をしておくべきだと思っています。
 特に、川渕参考人が競争力会議でかかわって御提案をしていただいたいわゆる非営利ホールディングカンパニーなるものは、既存の医療法人あるいは既存の社会福祉法人等を維持しながらも連携をしていく第一歩として非常に大きな意義があると私は思っています。
 これは、野党ですから、推測ですが、恐らく、この非営利ホールディングについては、この夏の成長戦略に入り、そして詰めた上で、来年の通常国会には遅くとも出てくるだろう。そのときに、組織法制をしっかりと整備をして、持ち分ありの医療法人、私はハイブリッドと言っています、配当なしの分配あり、このハイブリッド、伝統的な医療法人の形は、別に負い目を感じる必要はなく、胸を張って維持すべきだし、その方々が継続的に医療サービスを提供していけるような当たり前の税制はつくるべきだ、私は、こう思っている点を申し述べておきたいと思います。
 それからさらに、申しわけありませんが、中川参考人、この十四ページに、営利企業の参入をさせない、こう書いてあります。これはいつも伺っている話ですから新しいことではありませんが、医師会として営利企業の参入に反対している理由を、私、素人なりに思うに、素人が思うと、三つオプションがあると思います。一つは、よく言われている、配当するからだめだ。二つ目は、会社が参入するとたくさんのプレーヤーができるので、いろいろなところが参入してきて非常に競争が激しくなり過ぎる。三つ目は、いわゆる理事長要件ですね。
 これぐらいが考えられると思いますが、ごめんなさい、これも、こんなテクニカルな話をここで副会長にお伺いして恐縮ですが、営利企業参入がだめな理由の一番の根本は何か、お教えをいただければと思います。

○中川参考人 いろいろな理由がありますが、この場は国民の皆さんがごらんになっていると思いますので、基本的なことを足立先生にお話しします。
 我々医療機関は、公的医療保険制度のもとで、営利を目的にしないというのを提供者側の矜持としています。診療報酬上で得られた利益は医療の再生産に使います。
 対して、営利法人は、利益を上げて、最終的には株主の配当を目指すんだと思っています。配当を目指さないまでも、間接的に、企業のイメージアップ戦略で、本当のバックの本社の利益になるというふうに目指すんだと思いますが、もし、地域で、これは到底採算が合わない、利益が上がらないということになれば、簡単に撤退するのではないか、そして、そのときに、かかっていた地域の患者さん、住民の方々、気がついてみたら、あっ、あの病院なくなっちゃったんだと、大混乱を起こすと思うんです。その病院ができたことで、撤退する地道にやっていた医療機関もあるかもしれません。そのことで我々は反対をしているのです。
 そして、先生、非営利ホールディングカンパニーのことにお触れになったので、いい機会なので申し上げたいと思いますが、今、全国で医療機関が株式会社並みに事業展開をして、どんどん病院を吸収合併しています。これが非営利なのかと疑うようなところもあります。今示されている、厚労省の検討会で議論されている非営利ホールディングカンパニー型の提案は、まさにこれに拍車をかける、全国の医療現場に大混乱をもたらすことにお墨つきを与えるのではないかという心配をしています。うちから今村定臣常任理事が参加して検討会に加わっていますが、慎重に議論をすべきだというふうに思います。
 幸い、今回の推進法案にはこのことは入っておりませんので、しっかりと日本医師会の主張をしていきたいと思っています。
 以上でございます。

○足立委員 ありがとうございます。
 時間が参りましたのでもう質疑はできませんが、一言だけ。
 今おっしゃられた点、私も、これから次期通常国会に向けて、この国会に限らずこれは議論をしていきたいと思いますが、であれば、例えば医療グループの中のMS法人はなぜ認めていいかとか、それから、例えば会社でも、行為規制をする配当制限つき会社ならどうかとか、さまざまな議論ができますので、これは、必ず非営利ホールディングの議論に合わせてやってまいりたい、このように考えております。
 いずれにせよ、きょう御質問できなかった参考人の方々におかれましても、本当に恐縮でございますが、本日は大変にありがとうございました。
 以上です。

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