地方の議会に巣くう“巨悪”とのガチンコ勝負 - 百条委公開求めた証人が告発される“本末転倒” -
1.いまだに地方行政と地方議会に巣くう“巨悪”
今週5日に開会された茨木市議会第6回定例会の冒頭、木本前市長への告発議案が可決されました。嫌疑は、いわゆる百条委員会における証言拒絶ということですが、大阪維新の会所属の8名の市議会議員は、一致して反対の意思表示を行いました。理由は提案者らが法律を誤読、罪をでっち上げているからです。
大阪維新の会に所属する維新議員による反対討論をご覧いただければご理解いただけるものと存じますが、私たちの地元茨木の市役所は、残念ながら、長年にわたり市税の高額滞納者に対する滞納処理(差押え等)を怠り、十年、二十年、三十年にわたる長期の高額滞納者を放置してきました。
2.唐突に「始めて」「遅れた」という“マッチポンプ”
市政に長年にわたり巣くってきた課題に百条委員会がメスを入れようと思うのであれば、前市長のみならず歴代の市長に証人としての出頭を要請しなければなりません。しかしながら、百条委員長を務めた自民党市議らは、本来の問題には蓋をして、前市長に全ての責任を押しつけてきたのです。
調査報告書が問題として取り上げた高額滞納者Aに対して、市役所は長期にわたり滞納処理を怠り放置してきたにもかかわらず、前市長が「待ってほしい」と影響力を行使したとされる直前に、唐突に差押えの検討を始めたことになっています。なぜ“唐突”に差押えの検討を「始めた」のでしょうか。
理由は簡単です。前市長の関与があったとされる時期以前に差押えの検討を「始めた」ことにしなければ、差押えが「遅れた」という(でっち上げの)結論を導けないからです。報告書は、差押えが「3年近く遅れた」と結論付けましたが、そもそも市役所は、数十年もの間、差押えをせず放置してきたのです。
長期高額滞納者の問題は、数十年にわたる市政の怠慢や不正等によって温存されてきたわけですが、年明け1月に予定されている市議会議員選挙に向けて維新を脅威に思う自民市議らが「でっち上げた」のが今回の事件の本質であり、まさに正義の衣をまとった“マッチポンプ”、党利党略の産物に過ぎないのです。
3.百条委の公開求めた証人が告発される“本末転倒”
なお、前市長が市議会から告発されることとなったのは、そうした影響力の行使があったと認めたからではありません。そうではなく、前市長が証人尋問の公開を求めたにもかかわらず市議会が秘密会にこだわったため、公開でなければ証言しないと主張し証言拒否したことを理由に、告発されるのです。
普通の百条委員会では、証人が秘密会を求めたとしても、市民への説明責任を優先して公開とするのが常識ですが、茨木市議会では、市民の代表であるはずの市議たちが秘密会にこだわり、一気呵成に審議を終結させ、あくまでも公開にこだわった前市長を告発するとの議案を(正当な理由なく)可決したのです。
4.自民共産は法律も読まずに罪を“でっち上げ”
そもそも告発への賛成討論で共産市議は、地方自治法が準用する民事訴訟法(196条、197条)に列挙されている「証言を拒むことができる場合」に秘密会が含まれていないから有罪だと断定しますが、準用するのは「(地方自治法に)特別の定めがある場合を除く」のですから、完全に法律の誤読です。
木本前市長の「秘密会ではなく原則公開で」と求めたことが証言拒絶の「正当な理由」に該当するかどうか、告発するかどうかは、市議会が自ら判断しなければならないのに、大阪府茨木市の自民党は共産党と結託して、法律に書いてないから「正当な理由」に当らないと、罪を「でっち上げた」のです。
地方自治法を所管し法の解釈権を有する総務省自治行政局行政課は、私に対し、証言を拒否した理由が「正当な理由」(法100条3項)に該当するか否か、該当しないとして告発するか否か、は、あくまでも市議会により判断されるべきものであると回答し、茨木自民や共産の主張は間違いであると断じました。
5.茨木市の既存政党とのガチンコ勝負
茨木市政の問題は、市税の収納事務や差押え(滞納処理)に長年にわたり巣くってきた“巨悪”であり、その責任は、前市長のみならず歴代の市長と市役所にあるはずです。年明けの市議選(1/15~22)は、そうした巨悪に蓋をして既得権維持に汲々とする茨木市の既存政党とのガチンコ勝負、愚直に訴え抜いてまいります。