辻元氏守り佐川氏追及する野党の「二重基準」 ー 憲政史上最多となる懲罰動議の本当の理由 -
1.辻元氏守り佐川氏追及する野党の「二重基準」
野党6党による懲罰動議の原因となった私の質疑(2月5日衆院予算委)から既に10日が経過し、誰に何を謝ればいいのか分からないまま今週も終わろうとしています。表現に注意するよう指導くださった河村予算委員長に「事実ですから」と反論したことが問題なら河村委員長に謝りますし、パネルの前に立ちはだかって質疑の邪魔をする野党理事たちを「目障り」だと難じたことが問題なら、それも謝ります。
しかし、そもそも野党理事たちは、なぜ席を立ってまで抗議したのでしょうか。辻元清美国対委員長の疑惑を取り上げたから、でしょうか。私は、森友学園に係る国有地払下げと同程度かそれ以上に深刻な疑惑が隣の野田中央公園に係る国有地払下げにもあるということを指摘し、不動産鑑定が行われた2010年2月時点の担当政務三役の一人、辻元氏に説明責任を果たすよう求めているだけです。
仮に野党6党が、野党第一党の国対委員長を守るために、「辻元氏は既に当該ポストにないので、現在の国交省や財務省に説明させる」というなら、佐川国税庁長官だって与党の言うように現在の理財局長が説明すればいいことになります。辻元氏だけでなく佐川氏にも説明を求めている私は一貫していますが、佐川氏は追及しても辻元氏は隠す立憲民主党はじめ野党6党は、究極の「二重基準」です。
2.「野党はなんでもあり、与党はひたすら我慢」
私の言動に対して繰り返される懲罰動議の背景には、「野党はなんでもあり、与党はひたすら我慢」という、いわゆる55年体制に特有の国会慣行があります。そうした与野党間の“暗黙の了解”に沿った言動であれば、たとえ暴行傷害事件であっても、プラカードを持ち込んだ示威行為であっても、不問に付されます。反対に、そうした予定調和的な国会慣行を少しでも乱す言動については、過度に厳しく処されることになります。
こうした55年体制に特有の慣行は、1993年に自民党が下野し55年体制が崩壊するに伴い解消されるかと思われましたが、それから四半世紀が経過した現在もなお継続しています。政治改革のために小選挙区制が導入されてから二十年以上が経過し、政策選択選挙の実現が期待されているにもかかわらず、民主党政権の失敗を機に再び古い慣行が幅を利かしていることは、日本の民主主義の成熟を願うものにとって不幸以外の何物でもありません。
国会における、こうした古い慣行に対し、日本維新の会は発足当初から「是々非々」という極めて“常識的”ではあっても日本の政党としては“革新的”な党是を掲げて活動してきました。しかし、与党にも是々非々ですから、当然に野党にも是々非々となり、「なんでもあり」の野党からは激しいバッシングを受けることとなります。私に対する6回に及ぶ懲罰動議がすべて野党から提出されていることは、そうした“構造”を裏付けるものです。
3.「撃たれても 鳴かねばならぬ 国の鳥」
私の言動のどこが懲罰事犯に該当するのか、懲罰動議の提出理由は動議にも一切書かれてないため判然としませんが、少なくとも、特定の者を名指しして疑惑を追及するという点では、これまで野党が繰り返し行ってきた手法と何ら変わりません。むしろ、私は、朝日新聞と無責任野党たちのように、自らの「仮説」「見立て」「ストーリー」にとって都合の悪い事実を隠蔽することもしないし、既に司直の手に委ねられている事件に係る犯罪捜査権を侵害することもしません。これでも、努めて抑制的に取り組んでまいった次第です。
もちろん、温かいご支援を賜っている支持者の皆様、そして国民の皆様にご心配をおかけしていますので、今後は、
「雉も鳴かずば撃たれまい」と仰る方には、次の句をおくります。
撃たれても
鳴かねばならぬ
国の鳥