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あだち康史
あだち康史
衆議院議員
Profile
衆議院議員4期、大阪9区支部長。日本維新の会憲法改正調査会長、国会議員団政務調査会長、幹事長代理、コロナ対策本部事務局長等を歴任。1965年大阪生まれ。茨木高校、京都大学、コロンビア大院。水球で国体インターハイ出場。20年余り経産省に勤務し欧州に駐在。東日本大震災を機に政治を志す。
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鳥越スキャンダルが炎上する理由 ー 公人の「二重基準」に“ブーメラン”は当然 ー

足立 康史

東京の都知事選に立候補している鳥越俊太郎氏が、淫行スキャンダルで窮地に立たされています。昨日発売された週刊文春、その内容については各所で紹介されていますので繰り返しませんが、それこそ表で話題にするには誠に情けない、恥ずかしい内容。本人も出来れば穏便に済ましたかったものと思います。

堀江貴文氏が「女性問題とかで叩くのもういい加減止めにしない?」とツイートされているように、こうしたスキャンダル報道に辟易されている方も少なくないものと存じます。しかし、私は、これはアウト、橋下徹氏や八幡和郎氏が批判している通り、都知事候補としては致命的なミスを犯したと考えています。

八幡氏が批判するのは、鳥越氏がサンデー毎日編集長として宇野首相のスキャンダルを「プライベートな問題は詳細に書かないという報道規範があったものを無視し、生々しい個人間のやりとりまで暴露」した当人であったこと。いわばブーメランであり「踏み込んだ報道をされてもいたしかたあるまい」という。

選挙期間中の報道であった点についても八幡氏は、「鳥越氏の立候補声明が告示直前であったことを考えれば、その手の疑惑追及は告示までにすませておくべきだ、という規範の範囲で追究することが不可能だった」、だから今回の週刊文春の報道は例外的に許容されるべき、であると説得的な指摘をしています。

八幡氏が週刊文春による報道の正当性に焦点を当てているのに対し、橋下徹氏は、公人たる鳥越氏の「説明責任」について集中的に批判を展開しています。曰く、「公人がメディアから追及を受けた場合には、例え事実無根でも、まずは取材に応じて説明すべき」「逃げ回らずに早急に(時間無制限で)囲み取材を受けなさい」と。

そして八幡氏と橋下氏に共通する指摘は、いわゆる“ブーメラン”について。橋下氏曰く、「根拠が薄くともメディアの立場で徹底して公人を批判し追及してきた鳥越さん。」それが、いざ自分が追及を受けたら、弁護士の後ろに隠れて「囲み取材」にも応じない、そして法的措置をとると言って逃げ回るだけの醜態。

私は、八幡氏が指摘する週刊文春による報道の正当性も、橋下氏が指摘する公人の説明責任も、いずれも大事な指摘であり同意するところですが、私が一番大事だと思っているのは、お二人ともが言及された「首尾一貫性」。他人に厳しく自分に甘い公人の「二重基準」だけは、絶対に見逃してはならないと考えます。

いま有権者が政治家に求めているのは、まさに「首尾一貫性」です。国民に増税を求めるのであれば、それを求める側の政治家が「身を切る」のは当然なのに、既存政党は2014年の消費増税の直後に(公約である議員定数削減もそこそこに、)国会議員の歳費を引き上げ、公務員の給与も遡って引き上げました。

そして、ブーメランを受けるためだけに存在している民進党は、相変わらず呑気なコメント。鳥越氏を担ぎ出した岡田代表は「(報道が)この時期に出るのは不自然」と“何らかの力が働いている可能性”を示唆したといいますが、民進党お得意の単なる“ブーメラン”であり、“不自然”でも何でもありません。

ここまで来ると、民進党はじめ野党4党の言動について「首尾一貫している」と褒めてあげるべきなのかもしれませんが、ことは公党や公人にかかわる問題であり、その“一貫”した下劣な「二重基準」を見逃すべきではありません。臨時国会が開会した際には、改めて、白日の下に晒してまいりたいと存じます。

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