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あだち康史
あだち康史
衆議院議員
Profile
衆議院議員4期、大阪9区支部長。日本維新の会憲法改正調査会長、国会議員団政務調査会長、幹事長代理、コロナ対策本部事務局長等を歴任。1965年大阪生まれ。茨木高校、京都大学、コロンビア大院。水球で国体インターハイ出場。20年余り経産省に勤務し欧州に駐在。東日本大震災を機に政治を志す。
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「大阪都構想」に反対する既存政党に道理なし ― 筋を通した安倍官邸と公明党創価学会 ―

足立 康史

1.大都市法を提出した既存政党

統一地方選挙の告示日を迎え、全国の有権者に、中でも大阪の有権者の皆様に、改めて思い出していただきたいのは、大阪都の実現に向けた根拠法=大都市法のことです。

正確には「大都市地域における特別区の設置に関する法律」といいますが、この法律案が国会に提出されたのは、2012年の秋、維新が国政に進出する前でした。にもかかわらず、民主党やみんなの党(当時)に加え、現在の与党である自民党や公明党も加えた与野党7会派が、共同提出する形で可決成立したことを、厳然とした事実として、最初に確認しておきたいと存じます。

自民党も民主党も公明党も、大都市法に単に賛成しただけでなく、法律案の提出者に加わり、積極的に大都市法の趣旨を実現しようと動いたのです。

 

2.「大阪都構想」以外に立法事実なし

では、大都市法の趣旨とは何でしょうか。

法律の制定には、その法律が制定されなければならない理由(=立法理由)がなければなりません。無意味な法律は制定してはいけないのです。そして、立法理由を基礎づける社会的な事実(立法事実)がなければなりません。

大都市法の第一条には、次のような目的規定が置かれています。

(目的)
第一条  この法律は、道府県の区域内において関係市町村を廃止し、特別区を設けるための手続並びに特別区と道府県の事務の分担並びに税源の配分及び財政の調整に関する意見の申出に係る措置について定めることにより、地域の実情に応じた大都市制度の特例を設けることを目的とする。

つまり、大都市制度の特例を設ける必要があるという「立法理由」、特別区を導入し都制をひくことが有効な政令市が東京都以外にも存在するという「立法事実」を、自民党も民主党も公明党も、国権の最高機関である国会の場で正式に認めているのです。

この法律の第二条には、対象の要件として「人口200万人以上の政令市、または政令市と同一道府県内の隣接市町村の人口の合計が200万人以上」とありますので、論理的に、北海道、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、そして、せいぜい福岡県を加えた9地域に限られます。

自民党も公明党も民主党も、これら9道府県のいずれかの地域に、都制を導入する喫緊の必要性がある、そう国会で認めてきた、というより、積極的に主張してきたのです。

自民党や民主党や公明党が、大阪市域に特別区を導入し、大阪府を大阪都とみなして諸制度を運用することに反対だというのであれば、他にどの地域に、都制をひく喫緊の必要性があると思料して、この法律を国会に提出したというのでしょうか。

私は、先に公表した論考を通じて、大阪府こそ都制に最も相応しい大都市である、と指摘しました。仮に、自民党や民主党や公明党が、大阪府以外に(都制の導入を)想定している地域がある、大阪よりも都制に相応しい地域がある、と言うのであれば、今回の統一地方選挙においても、当該地域における都制導入を訴えるべきですが、そのような訴えは、とんと聞いたことがありません。

 

3.「自分党」大阪府連の体たらく

以上のように、自民党や民主党そして公明党など既存政党が、責任ある公党として統一地方選挙を戦い抜こうというのであれば、大阪に都制を導入する「大阪都構想」の必要性を正面から認め国会に法律案を提出し成立させた政党としての「矜持」を示すべきなのです。

もちろん、自民党の地方組織は、大阪府連に限らず、自民党というより「自分党」、個人の後援会組織の集合体なのです。だからこそ、安倍政権が推進しているTPPに北海道連は反対、原発再稼働に福島県連は反対、基地の辺野古移設に沖縄県連は反対、といった具合に、選挙に有利なことしか言わないわけです。

もちろん、地域のことは地域で決める、自立した「自分党」なら、まだ存在意義があるかもしれません。しかしながら、自民党大阪府連だけは、そんな格好のいいものではありません。体を張って論戦を戦わす気概もなく、中央に助けを求め、谷垣幹事長二階総務会長にSOSを発し一蹴されている、なんという体たらくでしょうか。

 

4.筋を通した官邸と創価学会

そうした大阪の混乱をしりめに、官邸を中心とした安倍政権の中枢は、早々に、大阪都構想に対するスタンスを固めていたのです。

既に拙稿において指摘したように、総理官邸は、昨年から年明けにかけて、考えに考えて大阪都構想に関する公式見解を決定し、国会論戦でも、この公式見解を繰り返し答弁、大阪都構想に最大限のエールを送っているのです。

大阪維新の会が推進する大阪都構想とって、これほど有難い援軍はないわけですが、既に紹介した大都市法の制定過程に思いを致せば、国権の最高機関=国会で法律を決定し、提出し、成立させた公党の総理総裁として、当たり前の振る舞いであるとも言わるわけです。

公明党創価学会も、総理官邸と同様、国会に法律案を提出し、成立させた政党としての「矜持」を示して下さいました。中でも、公明党大阪府本部代表であり党の副代表でもあった白浜一良元参議院議員は、かつて、公明新聞紙上で次のように語られています。

(大阪都構想をどう見るか、との問いに対して、) (4年前の)統一地方選挙で争点になって以来、前向きに捉えてきました。大阪府と大阪市の二重行政のムダ解消や、府と市が一体となって住民の声を汲み上げて、地盤沈下が叫ばれて久しい大阪の再建を図るという方向性は、公明党とも共通しています。(公明新聞

より本質的には「国に頼るのではなく地方の力で国を変えよう」という大きな“うねり”が起こっているのではないか。“地域の声を政治の場に反映させるという理念は、ある意味で公明党の歴史そのものでもあります。(公明新聞

歴史ある政党として、また、中央で政権を担う与党として、大阪都構想の意義を深く理解し、大都市法の提出者としての筋を通しながら住民投票の実施に賛成して下さっているのは、安倍官邸と公明党創価学会なのです。

大阪維新の会にとって、天王山ともいえる今回の統一地方選挙。
「自分党」大阪府連にだけは、絶対に負けられないのです。

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