あだち康史後援会入会のご案内
あだち康史
あだち康史
衆議院議員
Profile
衆議院議員4期、大阪9区支部長。日本維新の会憲法改正調査会長、国会議員団政務調査会長、幹事長代理、コロナ対策本部事務局長等を歴任。1965年大阪生まれ。茨木高校、京都大学、コロンビア大院。水球で国体インターハイ出場。20年余り経産省に勤務し欧州に駐在。東日本大震災を機に政治を志す。
プロフィールを読む
議事録 Transcripts

2014年4月2日 衆議院 厚生労働委員会 一般質疑 医療法人を傘下に収める非営利ホールディングのガバナンス

足立 康史

186-衆-厚生労働委員会-7号 平成26年04月02日

○後藤委員長 次に、足立康史君。

○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 きょうも、厚生労働省の皆様方に加えて、小泉政務官、御足労ありがとうございます。
 きょうも、前回に引き続いて、非営利だとかあるいは非営利ホールディングカンパニーとか、産業競争力会議で議論されているテーマをちょっと扱わせていただくのでお越しいただいていますので、先生方、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。お時間は大丈夫ですよね、順番でいくと後半になるんですけれども。済みません。
 きのうの本会議で、私どもの同僚である清水委員の方から、登壇させていただいて、今回の通常国会に上程されている地域の医療介護の法案は本当に大切で、二〇二五年に向けて、今回、この国会で議論されるこの医療、介護の制度が、言えば、制度改革のラストチャンスなんだ、最後のチャンスだ、そういう思いで、もうあと十年しかないんだ、したがって、また行ったり戻ったりすることがないように、しっかりと制度改革をやり切っていこう、こういう話を申し上げました。
 私も全く同意でありまして、そういう意味で、当該法案についても、日本維新の会として、さまざまな修正等の提案をまた申し上げることもあろうかと思いますので、きょうは、その前振りということで質問させていただきたいと思います。
 前回もこのテーマをやりましたが、ざっと表面をなでた感じになりましたので、きょうはちょっと深く入っていきたいと思いますが、その前に、ちょうど昨年からずっとマスコミ等でも取り上げられている猪瀬前東京都知事の関係で、もうこのテーマを追いかけるわけではありませんが、猪瀬前知事の方は略式起訴という形で、報じられているとおりかと思います。
 徳洲会の側、徳洲会グループの側は、厚生省として、いろいろ監督をされておられると思いますが、どういう監督状況にありますか、教えていただければと思います。

○田村国務大臣 徳洲会グループが今言われた公職選挙法等々にかかわったということでありますので、これに対しては、大変遺憾であるというふうに思っております。
 その上で、今、徳洲会グループに対して、医療法に基づいてどのような指導監督という立場なのかというお話でございましたが、本事件に関しまして、医療法上でございますから、医療法人が、不適切なお金の流れがある中において、そのような形で公職選挙法にかかわっておったということの報告があるかどうか、これを求めておるわけでありまして、この報告において不適切な事案であるということであれば、我々としては必要な対応をしてまいるということであると思います。

○足立委員 今、報告を求めているということでありますが、具体的にはいつごろその報告を受け、また厚労省として、御判断というのも変ですけれども、当面の見通しがもしあれば教えてください。

○原(徳)政府参考人 現在、医療法人徳洲会に対しましては、徳洲会グループの関係について報告を求めております。二月の二十八日に報告の文書を出しまして、四月の七日までに報告をするようにというふうに求めているところでございます。

○足立委員 今、グループについてと医政局長はおっしゃいましたが、私もちょっと複雑でよくわかっていないんですが、厚生労働省は、今回のような事件があったときに、どういう法令に基づいて何ができるんですかね。すなわち、医療法に基づいて医療法人の監督、医療法人の取り扱いについて議論があるのか、あるいは、もうちょっと広く、今医政局長がおっしゃった徳洲会グループ全体について一定の監督権限があるのか、ちょっと確認させてください。

○原(徳)政府参考人 法律的な権限に基づくものとしては医療法に規定がありまして、その部分については医療法人を対象にするということになります。
 ただ、医療法人も、いろいろな医療活動をする中、あるいはいろいろな活動の中で、関係の、先生が従来から御指摘のMS法人等との取引もございます。そういう中で、どういう関係にあるかということを、医療法人に対して詳細な報告を求める形で対応するということでございます。

○足立委員 委員の先生方、もう同じことを繰り返すなよということになるかもしれませんが、私はどうしても大事なのでこれをもうしばらくやらせてほしいんですが、原局長、今おっしゃった医療法人の例えば取引ということで外延が広がるわけですけれども、どこまで広がりますか。

○原(徳)政府参考人 先ほど申し上げましたように、その法人あるいは医療機関、そこが取引をしている先までというふうに考えております。

○足立委員 小さな取引でもですか。

○原(徳)政府参考人 お答えいたします。
 小さなというふうな、これはどういう形で出てくるかちょっとまだわかりませんので、実際に出てきた報告書を見た上で、さらに必要ならば再調査といいますか、追加の調査を考えていきたいと思います。

○足立委員 私、これは大変課題がある分野だと思っていまして、毎度指摘をしていますので恐縮なんですが、厚生労働省として、こういう医療法人がまず真ん中にあります、その医療法人がこれだけの割合の取引をしているところとか一定の基準が普通はあると思うんですが、ないということは、どうやって調査するんですかね。それは、医療法人がここまでの情報を提供するよと言えばそこまで出てくるわけですけれども、それは先方、すなわち徳洲会グループが出してきたものだけですよね。それで大丈夫ですか。

○原(徳)政府参考人 お答え申し上げます。
 現在、今回の事案、事件に関連するということで、徳洲会グループに任意の形でお願いしているという形の調査をしているわけであります。医療法に基づく正確な監督権限の及ぶ範囲ということでありますならば、医療法人に限定されるというふうに考えております。
 今回の調査は、今回の事案に基づきまして、徳洲会グループ全体に対して、どのような形で今後運営していくのかということも含めて、対応について報告を求めているという状況でございます。

○足立委員 ありがとうございます。
 今、局長の方から任意でというお話がありました。
 ちょっと複雑かもしれないんですが、原局長であればわかりやすくお答えいただけると思うんですが、まさに報告等を徴収する手段、根拠ですね。法令に根拠のあるものもあれば、あるいは通達等で何か決まっているものもあるでしょう。あるいは、今任意とおっしゃった。そういう法令等の規定の外で取り扱われることもある。
 まず、その手段については相当幅がありますね。
 法令については、場合によっては罰則、その後の展開ですね。医療法に基づく医療法人の監督をしていらっしゃるわけですから、それは、出口としてはどういう可能性がある法体系になっていますかね。すなわち、どういうことを法律は想定して監督の体系があるんですかね。申し上げていることはわかりますか。

○原(徳)政府参考人 医療法人は、医療の提供を地域で直接やっていくという重要なことをやっていただくということに基づきまして、毎年、事業報告等も知事に出すということになっている。さらに、こういう医療法人の業務や会計などが法令等に違反している疑いなどがあるときは、医療法の六十三条に基づいて、医療法人に対して立入検査等を行うことができる規定になっております。この結果などを踏まえまして、必要に応じて当該法人に対して改善の措置命令を出す、あるいは場合によっては業務の停止等を命ずることができるということになっております。
 ただ、先ほどからもお話ししておりますように、医療法人グループと関連のある営利法人にこれが及ぶものではございません。

○足立委員 聞いていただいている方も大体御理解をいただけたと思いますが、今はそういうことになっている。
 私は、何度も申し上げていますが、これは報告を見てみないとわかりませんが、少なくとも一般的に想像できるのは、徳洲会グループは医療法人が十六法人、社会福祉法人が十三法人、営利法人が十一法人あるということでありまして、その数ある法人が、特に株式会社、営利法人が、全国に散らばっている病院あるいは医療法人、社会福祉法人を束ねて一括購入をしたりしていわゆる規模の経済を働かせてきているというのが当然、グループの実態であります。
 したがって、お金の流れは、いわゆる国民の税金と診療報酬、社会保険、医療保険で、公的な保険のお金、大体八十数%、医療全体で流れているお金の八割以上が公的なお金なわけですが、それは当然、医療法、医療法人の中に閉じていないということはこの場で何回も申し上げてきました。ところが、今の監督体制は医療法人しか縛っていなくて、リーチできないわけですね。一方で、社会福祉法人と違って医療法人は、さまざまな業務を外にアウトソーシングできる。
 医政局長は、今の法体系でそれは十分監督ができるんだとお考えですか。私は、今申し上げた観点から、不十分、要すれば、医療グループ全体を厚生労働省が監督していくに当たっては手段が十分じゃないんじゃないかという問題意識を持っていますが、医政局長、いかがですか。

○原(徳)政府参考人 これは前にもお答えしたことがございますが、医療法人あるいは病院が例えば薬を購入する、これは、グループの企業から購入しようと、普通の卸さんから購入しようと、薬を購入することは必要なわけであります。その購入先がたまたま関係のあるグループの法人、企業、そういうところから購入されたときに、一般的な取引価格が第三者間の取引より不当に高いというような場合は利益が移されるというふうにも考えられますので、その場合には、医療法の五十四条に基づく剰余金の配当の禁止に当たるものとしての必要な改善措置をとることができるというふうに考えております。

○足立委員 当然、今回の徳洲会グループにおいても、今おっしゃった観点も含めてチェックをされる、これでいいですね。

○原(徳)政府参考人 おっしゃるとおりの観点で、しっかりと見ていきたいと思います。

○足立委員 ありがとうございます。
 七日に報告が来るということでございますので、ちょっときょうは数日早いわけでありますが、ぜひまた、報告が来ましたら、きょう確認させていただいた観点も含めてこの委員会の場でも報告をいただきたいと思うし、我々もしっかりと質問等をさせていただきたいと思います。
 後半のテーマに移りますが、今まさに原局長がおっしゃった剰余金、要すれば、外との取引が通常の価格と違えば、通常の世間の相場よりも高い価格で取引をしていれば、言えば、それは剰余金が事実上流れ出していると判断ができるというようなことをおっしゃいました。まさにこれがずっと私が申し上げている営利、非営利の話であって、本当にそれは閉じているんですか、こういう話をしてきたわけであります。
 このテーマは、とにかく厚生労働省の皆さんとやっていても、これは厚生行政の背骨みたいなもので、非常に根本の議論ですということで、ちゅうちょされるというか慎重になられるわけであります。
 一方で、小泉政務官においでいただいていますが、産業競争力会議では、そこに若干踏み込んで、持ち分についてもある程度言及しながら、あるいは議決権にも言及しながら、非営利ホールディングということを提案されておられる、こういうことであります。
 ちょっと細かいことになるので政府参考人からでも結構なんですが、まず、復習という意味で、非営利ホールディングカンパニーの基本的な御提案の内容を政務官の方からちょっと御紹介を、簡潔で結構ですので、お願いします。

○小泉大臣政務官 毎度毎度という大臣からのつぶやきがありましたけれども、毎度御指名をいただきまして、ありがとうございます。
 御指摘のありました非営利ホールディングカンパニー型法人制度は、昨年の社会保障制度改革国民会議の場でも言及をされておりまして、そして昨年末の産業競争力会議の医療・介護等分科会の中間整理でも取りまとめの中に書いてあり、そしてこれがベースとなって、ことしの一月、検討方針の中にその創設が盛り込まれたというのが一つの流れです。
 そして、この検討方針の中でこの仕組みというのがどう書いてあるかというと、「制度設計に当たっては、当該非営利ホールディングカンパニー型法人における意思決定方式に係る高い自由度の確保、グループ全体での円滑な資金調達や余裕資金の効率的活用、当該グループと医療介護事業等を行う営利法人との緊密な連携等を可能とするため、医療法人等の現行規制を緩和するべく検討する。」こういうふうに書いてあります。
 そして、総理からは、この検討方針で示された課題について、実現に向けて政策の具体化に取り組むよう田村大臣初め関係閣僚に指示があったところですので、今、競争力会議でも、関係省庁と連携をして、議論を深めて、本年中ごろの成長戦略の改定に向けて、具体化に向けて検討を深めている段階であります。

○足立委員 ありがとうございます。
 六月ごろだと伺っていますが、成長戦略の取りまとめに向けて、本当に大切なテーマだと思いますし、加えて、冒頭申し上げたように、二〇二五年に向けた、この国会のことしの我々の議論の意義は本当に大きいと私どもは思っているんですね。
 したがって、この議論、ぜひこの国会で六月に向けて深めさせていただいて、この国会で上げる予定で、政府として、閣法として出されているわけですから、この地域医療介護の法案の枠組みの中で処理をいただきたい、私どもはこういう希望を持っているわけでございます。
 今、小泉政務官から御紹介をいただいたこの枠組みですが、御提案の中に、持ち分とかあるいは営利法人への出資、こういうことも出てきますが、一定の持ち分あるいは一定の出資ということがこの仕組みの中には含まれているということで間違いありませんか。

○赤石政府参考人 お答えいたします。
 この非営利型ホールディングカンパニー制度につきましては、非営利型ホールディングカンパニーからいろいろなところに出資するというのは想定しているところでございますけれども、ホールディングカンパニーをつくる際にお金をもって出資して、それを意思決定の幅とかに反映させるとか、そういったところは今のところ想定してございません。

○足立委員 非営利ホールディングカンパニーが出資をすることは想定していると。その出資先は営利法人だけですか、あるいは持ち分ありの医療法人も想定されていますか。

○赤石政府参考人 制度の詳細につきましては、まだ議論をしているところでございまして、決まっておりませんが、営利法人に対する出資を排除するというものではございません。医療法人との関係につきましては、医療法人の制度、そちらの側の制度もございますので、そういった制度の趣旨、中身等も見ながら、どういう連携ができるか議論しているところでございます。

○足立委員 ありがとうございます。
 まさに医療法人側の制度に依存するわけでありますが、その医療法人側の制度については、累次ここでも確認させていただいたように、厚生労働省は、持ち分なしを原則とするというふうに、平成十八年にそういうふうに軌道をつくられているわけであります。
 そういう持ち分なしの医療法人は非営利ホールディングの傘下に入ることは想定していない、あるいはいる、いずれか。お願いします。

○赤石政府参考人 お答えいたします。
 制度設計はいずれにせよ議論中でございますけれども、持ち分を持っている法人であれ持っていない法人であれ、さまざまな形で連携することが医療全体の質の向上につながるという観点から、いずれも排除するものではないという形で議論が進められております。

○足立委員 ありがとうございます。
 ちょっとテクニカルになってきていて、皆さん、恐縮なんですけれども、ちょっと続けさせてくださいね。
 非営利ホールディングカンパニーの傘下に、持ち分のない社会福祉法人や、社会福祉法人はないわけです、あるいは持ち分のない医療法人が入ったときに、それを傘下におさめ、非営利ホールディングのもとに持ち分のない法人が入ったときに、非営利ホールディングの意思をその傘下の持ち分のない法人に伝える方法は、どういう方法がありますか。

○赤石政府参考人 お答えいたします。
 中ではまださまざまな議論がなされておりますけれども、いろいろなやり方が考えられると思っておりまして、一つには、病院の現物出資をいただいて、その非営利ホールディングカンパニー全体の資産の中に現物出資をいただいて事実上支配をしていくやり方もあるかもしれませんし、あるいは定款というものをつくる中で参加する法人との間でどういう権利義務関係を持たせるかというやり方もございますし、あるいはいろいろな形で連携する上でいろいろな契約みたいなものをつくっていく、あるいは協定みたいなものをつくっていくということもありますし、いろいろなやり方が考えられると思っております。
 いずれにせよ、きちんとしたガバナンスをつけていくということが極めて重要だと思っておりますので、そういった方向で検討しているところです。

○足立委員 今、赤石次長の方からガバナンスという言葉もいただきましたが、現物出資であれ定款であれ、要すれば、傘下の医療法人にAとBがあって、ホールディングカンパニーがあるとしましょう。AとBは非営利ホールディングのメンバーになって、非営利ホールディング全体の意思決定をしていくわけですね。その非営利ホールディングの意思を傘下の医療法人Aに伝えようと思ったら、医療法人Aの少なくとも、ボートというか、意思決定の過半を非営利ホールディングで押さえなあきませんよね。例えば、社員総会であれば、社員総会の過半を押さえないといけない。これはそういう理解でいいですね。
 私は、赤石次長、そうやって考えていくと、これは合併することと一緒だと思うんですね。すなわち、当該医療法人Aが、非営利ホールディングの意思が医療法人Aに貫徹されるとすれば、それはもう事実上傘下に入っているわけですから、同じ意思決定のもとの内部組織になる、こう考えざるを得ないんですけれども、違いますか。

○赤石政府参考人 お答えいたします。
 今先生がおっしゃったような合併をするというのも、一つのやり方として十分に考えられると思います。
 ただ、それ以外にも、例えばAという医療法人から非営利ホールディングカンパニーに現物出資をしていただいて、実際の運営管理はこの医療法人の方に委託し、契約内容でガバナンスをきかせていくというやり方もございますし、いろいろなやり方があると思うんですが、御指摘のように、合併というやり方も一つの考え方だというふうに思っております。

○足立委員 これから検討する部分が多いということだと思いますが、協定とおっしゃったり、あるいは現物出資とおっしゃったりしているわけですけれども、組織たるもの、基本的には、現物出資というのは、現物出資をしたら非営利ホールディングの議決権に影響を与える場合もあれば、それも設計次第ですか。多分、全て設計次第ですね。
 要すれば、一つの法人に合併して、一つの法人として組織することというのが一つの選択肢としてあって、それ以外に別法人で取引をするという選択肢、大きく二つに分けたときに、この非営利ホールディングというのは基本的には一つの組織だと思うんですよ。一つの組織だとすれば、選択肢は持ち分をとって議決権を支配する以外にない、後のバリエーションは取引関係だ、こう思うんですけれども、赤石次長、それ以外のバリエーションをここでつくるということではないですよね。
 要すれば、非営利ホールディングの支配、非営利ホールディングの意思決定に服する組織体ができる、その中に子会社として、ホールディングに支配されているところの子法人として、グループとして組織化される道と、それからグループの外の主体として取引関係にあるか、この二種類だと思うんです。
 この非営利ホールディングで想定されている傘下というのは、非営利ホールディングの意思決定に服するということで間違いないと思うんですけれども、違いますか。

○赤石政府参考人 お答えします。
 いずれにしろ、検討中でございますので、まだ民間議員の意見もございますので、私の方でこうだというふうには言いにくいところがございますが、先生が御指摘のような、非営利ホールディングの傘下に全部入って、非営利ホールディングの社員総会で決めたことにそのまま従うというやり方もあるでしょうし、定款の定め方次第では、ここは従うけれどもここは自由度を残すというのもありますでしょうし、いろいろな形のものが考えられると思います。
 最終的な究極的な形として、先生がおっしゃるように、非営利ホールディングの社員総会で決めたことに傘下の法人も全部従うというのも、一つあり得るというふうに考えております。

○足立委員 もう一回、御提案の原点にちょっと戻りますが、産業競争力会議で御提案をされている非営利ホールディングカンパニーは、傘下に置く医療法人について、持ち分ありの医療法人を、厚生省は持ち分ありの医療法人は原則認めないとしているわけですが、そこを特例で抜くということは想定されていますか、されていませんか。

○赤石政府参考人 お答えいたします。
 今議論しておりますのは、非営利ホールディングカンパニーをどうつくるかということでございまして、現行の医療法人制度をどうつくるかということにつきましては、基本的には厚生労働省の方でいろいろと検討いただいているというふうに理解しております。

○足立委員 大臣に御答弁いただいてもいいですけれども、厚生省は今、持ち分ありの医療法人は認めない、こう言っています。そうすると、産業競争力会議もその枠内で議論をするということでいいですか。

○赤石政府参考人 田村大臣もおっしゃっておりますが、今ある持ち分あり法人と、それから持ち分なし法人と、現に持ち分あり法人がございますので、そういったものを非営利ホールディングカンパニーから排除するものではなくて、当然、そういった方々の連携も得ながら非営利ホールディングカンパニーをつくっていく、それも当然一つの選択肢として視野に入ってございます。

○足立委員 大臣もあわせてお願いできればと思います。

○田村国務大臣 委員にも以前申し上げましたけれども、厚生労働省といたしまして、持ち分なしの方向で今いっておるわけでありますが、ただ、今、非営利ホールディングカンパニー型の法人というのは、要は、そうはいったって、今持ち分があるのもあるわけでありますから、それも含めて、今あるものをどのような形でこの新しい法人の中に入れていくかという議論でありますから、それはそれで御議論をする中においてこういうものをつくれというような話でございますので、我が省といたしましても協力をさせていただくわけであります。

○足立委員 今手元に、これは、厚生省が産業競争力会議の提案を受けて検討会をされていますね。そこで、恐らくこれは医師会だと思いますが、やはり日本医師会というのは立派な団体でありまして、ある種、政府から出てきたいろいろな提案に対して医師会から、これは意味がわからぬというようなことを、「「非営利ホールディングカンパニー型医療法人」に関してお聞きしたい事項等について」、こういう紙が検討会に出ております。これは今村委員です。今村委員というのは、たしか日本医師会の常任理事でいらっしゃると思います。大変よくできた紙でありまして、私も実は同じ頭、同じ議論を思っているわけであります。
 そのときに、医師会が、今村委員が厚生省の検討会で提案をしている中身の柱が幾つかあるわけですが、例えば地域完結型医療。厚生労働省は地域完結型医療、こう言っているけれども、その地域完結というのは、多様な関係者が連携し合って地域全体を包含して進めていくべきものである、決して一つの大きな組織やグループの中で完結するものではないと思いますと。これがいわゆる厚生省と医師会が共有している典型的な考え方だと思います。
 一方で、産業競争力会議が提案している非営利ホールディングというのは、多様な関係者が連携するという姿よりは、非営利ホールディングという傘で大きくそれを組織化していくことを想定したイメージだと私は承知していますが、その地域医療のあり方についての二つのビジョン、要すれば、地域における別々の多様な関係者が連携し合って地域全体の医療・介護サービスを提供していくという地域連携の姿と、一定のその地域内で大きな非営利ホールディングがそれを傘下におさめていくというイメージがあって、この今村委員は、どっちなんだ、こう質問していますが、大臣、どっちですか。

○田村国務大臣 どっちというのはなかなかお答えしづらいんですが、その地域の地域包括ケアシステムエリアの医療、介護にかかわる人たち、法人、法人以外も含めて、個人も含めて、全てをこのホールディングカンパニーに包含しようなどというようなことはまず現実的にあり得ないわけでありますし、それぞれの地域の中において、ここは連携をした方がいいねというところがこのような形で法人を組むのでありましょう。それが、オール・オア・ナッシングではなくて、プレーヤーの一つにもなるでありましょうし、それが、地域包括ケアシステムのみならず、もう少し違う役割を担う場合もあるでありましょうし、多様な役割を果たしていただくんだというふうに思います。決して、全て、何もかもそのエリアをやるというような発想ではないんであろうというふうに思います。

○足立委員 もちろん、極端に、その非営利ホールディングが各地域をおさめていくなんということを想定されているとは思っていません。しかし、そういう地域もあるということでいいですか。

○田村国務大臣 現実的には多分ないんだろうというふうに思います。
 そこだけ、例えば一万から二万の住民の中で、いろいろな医療や介護やニーズがあるわけですよね。住まいも含めて、予防も含めてであります。そういうもの全てを一つのホールディングカンパニーで対応するというようなことはまず現実的にはあり得ない話であって、その中の一つのプレーヤーとして、一つの法人であった方がいろいろな意味で、サービスが提供できる、効率化もできるということがあれば、それは一つのプレーヤーにはなるのかもわかりませんし、それだけではなくて、もっと違う役割を果たすということもあろうと思います。
 でありますから、これは形態でありますから、その形態が、今度、こちらの地域包括ケアシステムというサービスを提供する一つの考え方、ここと同じ土俵でという話ではなくて、それぞれ機能が違っている中において、役割として、一つのプレーヤーとしてそこで力を発揮するということはあるんであろうというふうに思います。

○足立委員 今村委員が、まさに大臣がおっしゃったように、そういうことはないし、仮に地域にそういういろいろな法人を傘下におさめる非営利ホールディングなんかがあったら、地域のある種のコミュニティーというか、その非営利法人がもし大宗を支配するようなことになったら大変ですよ、こう問題提起をされているわけです。
 産業競争力会議が一方で提案をしている非営利ホールディングというのはそういうものなんですね。少なくとも、書いているものを読むとそうです。小泉政務官、それは違いますか。どうですか。

○小泉大臣政務官 恐らく、足立委員の頭にあるのは、オープン型もしくはクローズ型みたいな、そういう認識もあるのかもしれませんが、これは、クローズ型とかそういうわけではありません。
 昨年の社会保障制度改革国民会議の場でもこのホールディング型カンパニーの制度が議論されていまして、例えば権丈委員なんかが提出された資料の中でも、この非営利ホールディングカンパニーのことを新型医療法人という形で書いてありますが、あくまでも共存が前提である、そういった書きぶりにもなっています。
 恐らく、さまざまな懸念だとか不安だとか、新しいものができるときというのは必ず出てくると思いますが、まさにそれは、これから非営利ホールディングカンパニー型の法人を、どのような制度設計をして、そして取り組みがよければ、最初に不安を持っていた方々も、だったらその中に入って参加をしてみよう、そして連携をしよう、そういった思いになっていくと思いますし、それを見て、自分たちはその傘下に入らず、地域の中で医療そして介護また福祉、こういった連携をやっていこう、そういったこともあると思いますので、まさにこの具体化、制度設計が非常に大きな鍵を握ると思っていますから、年央に向けて、しっかりと形にできるように関係省庁と取り組んでいきたいと思っています。

○足立委員 再三ここで議論させていただきましたが、私が申し上げているのは、非営利ホールディングというものが、先ほど政務官あるいは次長からおっしゃっていただいたように、少なくとも既存の持ち分ありの医療法人を想定して、その持ち分を絡めたガバナンスということも排除はしていないことは、先ほどおっしゃったとおりであります。
 そういう中で、一方で厚生労働省は、とにかく新設はだめよということできれいにかじを平成十八年から切られているわけです。
 ところが、既存不適格というか、既存の持ち分ありの法人がほとんど、想定をどうされているかわかりませんが、持ち分返上。持ち分を返上するのは相続が起こったときぐらいなんですね、実際には。
 そういうふうに医療政策全体が持ち分の返上を原則とし、ところが、現実には不適格なものが大宗で、競争力会議は、その不適格なもの、既存不適格なもの、持ち分ありの法人を想定した非営利ホールディングの設計をしている。
 私は、厚生省の政策と医療界の現実と内閣官房の競争力会議の提案というのが、非常にちぐはぐに見えているわけです。
 大臣は首をかしげられるかもしれないけれども、少なくとも、厚生省の政策と医療法人の現実と競争力会議の提案、この三つは大臣の中ではきれいに整頓されている。ちょっとその三つを、厚生省の持ち分なしという政策と、現実の医療法人はほとんどが持ち分があるという現実と、それからその持ち分ありの法人を傘下におさめた非営利ホールディングについて競争力会議が、これが地域医療を担うプレーヤーの一つとしてこれから期待されるんだということで目玉商品として提案されている、厚生労働行政の大臣として、このビジョンというか、ちょっと整理して、お願いします。

○田村国務大臣 持ち分ありなしは、現実として、今、持ち分があるわけでありまして、それが個人に帰属している場合が多い。個人に帰属いたしておりますから、例えば相続が起こったときに、実態としてどうにも動きがとれないという現状がある。そこで、持ち分なしにする中において、そのような支障を何とか排除していこうということでありますから、これはこれで、一つの考え方として我々は打ち出してきておるわけであります。
 それから、今の産業競争力会議との兼ね合いでいえば、多分、支配権の問題をどう考えるんだという話なんだと思うんですけれども、実態として持ち分というものがあれば、それを押さえれば全体として意思決定の支配権は持てるという話でありましょうけれども、どういう制度設計にするかはこれからだと思います。
 例えば、現物出資というやり方もあるでありましょうし、それぞれ病院が、また社会福祉法人が参画するときに、多分、社団なら社員総会をやるのでありましょうし、理事会が事実上運営するのでありましょうから、理事としてその中に参画する中において意思決定権を持つということになれば、その理事の一人として入ることによって、例えば自分の傘下に入った自分のところの法人といいますか病院がどのような運営方針をするか、それも定款の書き方でどこまで縛るのかということもありますし、また理事会の決定がどうやって反映されるかということもその中に書かれるのであろうと思います。
 いずれにいたしましても、理事会での一定の発言権があれば、それをもってして持ち分のかわりのような形態もあるので、これはどういうような制度設計になるかわかりませんが、ですから、そこは整理されているんだと思います。
 地域の医療をどう担うかというのは、先ほど来話しておりますとおり、これはちょっと別個の中において役割を果たすことは十分に可能であるんだろう、私はこのように頭の中で整理をいたしております。

○足立委員 今の大臣のお話がこの議場、委員の方々はすとんと落ちているかどうかわかりませんが、少なくとも私はよくわかりません。
 結局、持ち分に関しては、十八年の医療法で持ち分と議決権は基本的にはもう切り離されているわけでありまして、議決権というのは基本的には社員総会で決まるということになっているわけです。したがって、持ち分がなくなれば、再三申し上げているように、それはもう人間関係の世界になっていくわけです。
 そういう人間関係、すなわち持ち分なしという厚生労働省の医療政策の方針と、いわゆる組織をつくって、少なくともホールディングカンパニーという仕組みをつくって一定の組織化を図っていこうという方針とは、私は、理念的にも必ずそれは、方向としては別のベクトルだと思っています。大臣は、その二つのベクトルを両方とものみ込んでやっていけるんだとおっしゃったと思いますが、私は腑に落ちません。
 したがって、私は、繰り返しになりますが、産業競争力会議がこういう提案をしている今の平成二十六年の地域医療、介護の仕組みをこれからつくっていこう、二〇二五年に向けて、最後、ラストチャンスとして制度設計をしていこうというときに、相反するある種の規律というか規範が若干混乱をしているんじゃないかという問題提起をさせていただいて、質問を終わりますが、最後に小泉政務官にお願いします。

○小泉大臣政務官 先週もこの分科会を開催しましたが、関係省庁、文科省、厚労省に御出席いただきました。文科省からも非常に前向きなお答えがあり、厚労省も、文科省と比べてどうかと言われればあれですけれども、比較的前向きな答えがありました。
 いずれにしましても、今月、どこかのタイミングで、総理御出席のもとの会議で各省から御報告をしていただくような流れになると思いますので、それがどういった中身になるか。こちらとしてもしっかりと協力して、連携をして、これから形にできるように取り組んでいきたいと思っております。

○足立委員 ありがとうございました。

Twitterからの読者コメントをお待ちしています。
日々の活動の励みになります!
Facebookでのコメントをお待ちしています。
日々の活動の励みになります!
プロフィール
あだち康史
あだち康史
衆議院議員
衆議院議員4期、大阪9区支部長。日本維新の会憲法改正調査会長、国会議員団政務調査会長、幹事長代理、コロナ対策本部事務局長等を歴任。1965年大阪生まれ。茨木高校、京都大学、コロンビア大院。水球で国体インターハイ出場。20年余り経産省に勤務し欧州に駐在。東日本大震災を機に政治を志す。
記事URLをコピーしました