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あだち康史
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衆議院議員
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衆議院議員4期、大阪9区支部長。日本維新の会憲法改正調査会長、国会議員団政務調査会長、幹事長代理、コロナ対策本部事務局長等を歴任。1965年大阪生まれ。茨木高校、京都大学、コロンビア大院。水球で国体インターハイ出場。20年余り経産省に勤務し欧州に駐在。東日本大震災を機に政治を志す。
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議事録 Transcripts

2014年5月9日 衆議院 厚生労働委員会 法案審議 非営利ホールディング、持分あり医療法人の事業承継

足立 康史

186-衆-厚生労働委員会-17号 平成26年05月09日

○後藤委員長 次に、足立康史君。

○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 今、清水鴻一郎委員が、本当に賛成していいのか、もうよくわからない、こういう発言がありましたが、我々維新の会は、とにかく、この改革は大きな方向性としては必要だと思っていることは、何度もこの場でも申し上げています。ただ、改めるべきは改めていただいて、修正すべきは修正していただいて、しっかりとこれを実現していく、それは施行も含めて、先ほどもありましたけれども、地域においても、しっかり我々維新の会として、この改革を推進していきたいと思っております。
 こうして田村大臣にこの法案についてじっくり質問させていただけるのも、一説によると、あとわずかということでございますので、清水鴻一郎先生は、神様とおっしゃいましたので、神様に質問させていただきたいと思いますが、あわせて、小泉政務官、ありがとうございます。
 多くの方から、もう一回だけという御要望もありまして、私も、お忙しい中、政務官に申しわけないと思っていまして、赤石次長にいろいろ御足労いただいてやってきておるわけですが、この委員会もこの法案、佳境でありますので、この法案についてはこれを一つの区切りとしてお願いしたいと思います。
 それから、御質問申し上げる前に、一言、言いたいことを言っていいのかわかりませんが、私、きょうまた民主党のことを言って申しわけないですが、本当にいないんですよね。私が敬愛する大西先生は、いつも私の隣にお座りでいらっしゃいますから、いつもいらっしゃいますが、本当にいないです。
 ところが、民主党が一番言っているのが、審議時間が足りない。何でいないんだ、おかしいですよね。
 さらに言えば、きょう、何ですか、玉木委員。JEEDは大事ですよ。JEEDは大事だけれども、JEEDで省内の調査が、ヒアリング対象の人数があと二人足りない、そんなことの方がこの法案より大事かと。(発言する者あり)ですよね。
 高橋先生とは最近意見が合いまして、大西先生と足立と高橋先生は、今、三兄弟、いや、三姉妹。つぶやきが、ほぼ同じ意見をつぶやいていらっしゃいますので、民主党にはいずれ、余り言い過ぎるとあれですけれども、民主党よりは高橋先生の方がまともである、こう申し上げておきたいと思います。
 済みません、小泉政務官、これは冗談じゃなくて、この厚生労働委員会というのは本当にぎりぎりの闘いをしていまして、各党入り乱れてやっていますが、民主党の対応は非常に厳しいものがあると思います。
 特にこの法案は十九本束ねてという批判がありますが、なぜ厚生労働省がこうやって改革を急がねばならなくなったかというと、民主党が無駄な時間を使ったからですよね。だから、霞が関は満を持して、三年間できなかったことを、全部宿題をこの国会に持ってきて、さらに言えば、自民党もちょっと心もとない、委員の先生方はすばらしい方ばかりですけれども、自民党全体では心もとないところもあるので、政権が安定している間に、できればこの国会と次期通常国会で勝負をかけたいというのが、もう全省庁の思いなんですよ。
 だから、我々もそれをサポートするために、今、金子筆頭理事には汗をかいていただいていますので、何とぞ改めて、こういうところで言っちゃいけないですね、済みません、御尽力をいただきたいと思っております。
 もう質問を急ぎますが、小泉政務官はお忙しいと思いますので、冒頭に。
 非営利ホールディングについては、政務官からも教えていただいて、また赤石次長、部下の方々に教えていただいて、大分私も理解を深めました。
 ずっとここで小泉政務官に御見解を伺っていたのは、どちらかというと、産業競争力会議のお仕事について何か文句があるとか、そういうことでは全くなくて、むしろ、厚生労働省の言っていることと、産業競争力会議が提案していることのある種の平仄をやはりこの場で合わせていく作業をしておかないと、国会が閉じると我々は発言の機会を失いますので、しっかりと厚生労働省に申し上げるという意味で御協力をいただいてきたということです。
 そういう観点から、どうしてもあと一点確認をさせていただきたいのが、非営利ホールディングについて、非営利ホールディングという非営利のかさをかぶせることによって、内部関係についてはできるだけ規制を柔軟化していきたい、こういう御趣旨だと理解をしているわけです。
 実は、これを提案した方々、あるいはこの提案に期待をされている方々は、例えば資金が余っている法人と足りない法人があったときに、それを融通するとか、そんなことはもちろんあっていいと思うが、さらに言えば、非営利のかさがかぶさっているんだから、その内部においては、いわゆる資本取引ですね、単なる資金の融通ではなくて、例えば出資、リターン、配当あるいは還元、そういう取引もあってもいいんじゃないかという声が多いです。
 ぜひ政務官、産業競争力会議あるいは小泉政務官として、担当政務官とされて、そうだ、これはそういうところまで想定しているんだ、こういう御答弁はきっと、まあ、お立場がなければいいですけれども、おありですから、厚生省との関係もあるでしょうから難しいかもしれないが、そういうものを排除していないというところは、やはりここで明確に、産業競争力会議の議論はそういう資本取引を排除はしていないんだ、広くそういうものも含めて、非営利のかさをかぶせることによってその内部関係の合理的な取引を認めていくということを皆様方はおっしゃっているんだ、私はこう解釈をしていますが、それでよろしいかどうか、御答弁をいただければと思います。

○小泉大臣政務官 私も、毎回、足立先生からさまざま勉強させていただいております。前回お呼びいただいたときに、足立先生と共産党の高橋先生は九九%考えが違うという発言がありましたが、先ほどの話からすると、九九%ではなくもう少し距離が縮まったんだな、そんなことも勉強させていただきました。毎回ありがとうございます。
 御指摘いただきました非営利ホールディングカンパニーの話ですけれども、質問に率直に、端的に答えれば、おっしゃるとおりです。排除しません。
 この非営利ホールディングという新しい制度の創設を、産業競争力会議としては検討方針の中に入れたわけです。これから、これは厚労省を含めて、足立先生がおっしゃった、グループの中でどういう円滑な、まあ資金調達とか、また金融資産、余った資産を活用するのか、これを検討いただきながら、なるべく現行規制の方を緩和するべく検討しているところでありますので、御理解をいただきたいと思います。

○足立委員 本当にありがとうございます。
 小泉政務官にお越しをいただいて、私が点をつけるのもあれですが、本当に百点というか、金子理事がちょっと崩れていますけれども。
 本当に、私は、皆様が、あるいは産業競争力会議の皆様が取り組まれている作業というのはそういうことだろうなと思っていますので、恐らく夏、そして臨時国会か通常国会を含めてまた議論になっていくと思いますので、私も、野党の立場でございますが、思いを一つにしてぜひ応援をしていきたいと思っていますので、引き続きまた御指導をいただきたいと思います。
 忙しいと思いますので、ありがとうございました。
 ということで、神たる田村大臣にちょっとお願いで、今の話は、私も、田村大臣はこれもいろいろ難しいお立場であると思いますが、検討はまだ始まったばかりだと思いますので、この議論を受け取っている厚生省においても、今申し上げた、小泉政務官は排除はしていないと。ぜひ、厚生省も同じ思いで検討はするということで、御答弁いただければと思います。

○田村国務大臣 非営利ホールディングカンパニーの件でありますけれども、二十六年末までに結論を出していただいて、法制上の措置を講じていくわけであります、それ以降でありますが。
 議論を今しておる最中でございますので、さまざまな方々からの議論をいただきながら検討してまいりたいというふうに思っております。

○足立委員 排除はしていないと受け取りましたので、ありがとうございます。
 次に、今までの審議で、特に前回、私がここでこの問題を取り上げさせていただいたときに、四月の二十五日だったかな、MS、系列会社のことを大分取り上げました。いろいろ、なぜ医療グループの中に営利会社があるんだという話をしました。
 実は、この話と今の話は同じ系統の話なんですね。非営利ホールディングというのは、非営利でかぶせてあるんだから、要は外に流出しなければ、別に内部関係はある程度自由にしても、非営利ホールディングが束ねているグループ全体としては、利益の流出はないよなという発想に基づくものなんですね。
 私が現在の医療界が問題だとここで何度も申し上げているのは、幾ら真ん中にある医療法人が非営利だといっても、医療グループの中に会社があったら、そこから漏れているでしょうと。それは、非営利ホールディングの考え方を頭に入れれば当然に出てくることだと私は思うんですが、大臣、前回、一度ちょっと頭の整理をしてみると。その後、事務方からの報告はありませんので、申しわけない、お時間をとって恐縮ですが、この頭の整理、ちょっと御開陳をいただければと思います。

○田村国務大臣 そこまでしっかりと整理し切れているのかどうかというのは、私自身も不安でありますが。
 前回も申し上げましたけれども、非営利の医療法人があります。問題は、この非営利の医療法人の中で生まれた利益が、そのまま株主配当として出ていく。ごめんなさい、非営利じゃなくて株式会社でやった場合であります。
 これは、そもそも、経営者に対して株主という一定程度の権限を持っている、言うなれば、株主のために一定程度の利益を出さなきゃいけない、こういう使命を持って病院を運営する、そういう方々が運営する場合に、全部じゃありませんよ、内在するものとしてですよ、何としても株主の意向を実現するためにより多く利益を出さなきゃならないということになれば、そこで、本来必要でない医療を提供して、出来高を中心に収入を得て、それを還元して株主を納得させようというような力が働かないとも限らない。つまり、働く力が内在しておる。必ずやるという話じゃありません。
 今委員がおっしゃられたこちらのMS法人の話は、この中ではないんですよね、中ではない。外にある企業です。外にある企業の経営者がたまたまこの病院の運営者と同一の人であった、こういうパターンですよね。
 この場合に、病院の一般的に買ういろいろなもの、物も建てるでありましょう、いろいろなものの商取引がある。これをやらないと病院が運営できないわけでありますから。その一般の商取引をこのMS法人と行う。ただし、そこに正当な金額であれば問題はなく、不当に金額を、例えば高い金額で出せば利益がそこに乗りますから、それはだめだという話になる。
 つまり、そこは、一般の病院と同じような金額でそういうふうに出るという話であります。それが利益の流出だというのが委員のお考えでありますが、それは正当な運営で、いいわけでありますから、出す金額は。不当にもうける必要はないわけであります。
 つまり、何を言いたいかというと、そのときに、株主の配当をたくさん出すために、無理して、いろいろな出来高を駆使して収入を稼ぐ必要はないわけであります。そうじゃなくても、正当な金額でやっておれば、商取引としてそういうふうに出る。だから、それは決して不当な利益の出し方ではないわけであります。
 つまり、病院を運営する中において、それは全部じゃないですよ、これは誤解を招くといけませんから。そういうふうな、株式会社として内在するものとして、基本的に、そういうことが起こり得る可能性がやはり非営利法人と比べて高いということでございますから、株式会社、つまり、株主に対しての配当という形で出すお金と、それから正当な商行為として外に出すお金と、それは出し方が違うわけでありますので、結果的には、やはり非営利であるべき方がより正しいのではないかというような頭の整理でございます。

○足立委員 ありがとうございますと言いたいところですが、五十点ですね。神様に五十点というのも申しわけないんですが。
 大臣、五十点というのはいろいろ課題があります。それを全部指摘すると時間が足りませんから、百歩譲って、おおむね、基本的な大臣のおっしゃっていることを受け入れたとしても、では、僕はそう思いませんが、仮に大臣のおっしゃっているとおりだとすれば、私は、医療法人が営むことができる業は、極力、会社じゃなくて、MS法人じゃなくて、医療法人の中でやらなければならないという義務規定を置くべきだと思いますが、どうですか。

○田村国務大臣 それは、医療行為だけじゃなくて、付随するものも医療法人の中で商行為を行い、商行為といいますか、外に出さずに中でやれという話ですね、多分。
 だから、例えば、病院に付随する駐車場経営、病院の中でいろいろ行う食堂経営、それから、ちょっとしたコンビニみたいな、そういうような経営、これも全部病院の中でやれば、利益が残るから病院で、これは今でもやれるわけでありますから、やっておる病院もあります。
 逆に、それをやることによって非効率的であって、つまり、コンビニなんかのように、売れるものならば売れるわけでありますけれども、自分のところで商品構成をやっていますと、売れないものもたくさん仕入れてしまったりなんかしまして無駄が出る等々がある。人件費もいろいろな問題もあるということで、あえて外に、例えば病院何とかソンだとかいう名前で運営されているコンビニ会社がありますけれども、そういうようなやり方を選ぶところもあるわけであります。
 それは病院が、どちらの方がより効率的であり、自分のところに利益が乗るというのならばやるでありましょうし、いや、外部に委託した方が得だと考えれば、病院の判断としてやられるわけであります。
 いずれにいたしましても、それはそれでわかるんですけれども、それで得た利益というのも、結局は、外に出せないわけでありますから、出せない限りは次の医療行為への投資になっていくわけであります。そういう意味では、私は、適正な形で、残った利益を次の病院運営のいろいろな投資の準備にしていただく、もしくは医療関係者の処遇の改善に使っていただく、これはいいんであろうと思うんです。
 ただ、株主として、外に出ていくというところに最大の問題があって、そのために不当にいろいろな行為が行われると問題が出てくるのではないかという議論を先ほどからさせていただいておるわけであります。

○足立委員 残念ながら、点数が下がっていく一方でありますので、局長、私が申し上げていることはおわかりいただいていると思います。
 先ほど、病院が、医療機関が判断して、これはこっちの方が効率的だ、あるいはこっちの方が得だと思えばそっちを選ぶとまさに大臣がおっしゃった。今はそうなっているんですよ。私は、それが問題じゃないかと言っているんですよ。
 今は、理事長たる医師が、これは外に出した方が得だと思ったら外に出せるんですよ、医療行為以外は。規制がないんですよ。それは、医療法人の裁量として大き過ぎないか。局長、言っていることはわかりますよね。そこに規制がないまま、非営利だ、非営利の徹底だというのはフィクションではないですか。
 もし、大臣がきょう、頭の整理をしてきた、こういうことだとおっしゃったことが、そのとおりなのであれば、極力、医療法人でできる業務は医療法人の中でやれば、会社に業務を出したことによって当該会社が利益をポケットに入れる、ポケットって悪い意味じゃないですよ、正当な、資本主義の当たり前の行為としてそれをポケットに入れる。それは、外に流出しているじゃないですか。それを、医師たる理事長が得だと思ったらできるんですよ、今の制度は。
 局長、どうですか。短くでいいですよ。

○原(徳)政府参考人 まず、医療に関係しないといいますか、例えば先ほどの話ですけれども、それは収益事業として行うことはできないという規定になっています。
 あとは、医療に関係する部分については、基本的には医療機関の中でやっていただくことになるわけですけれども、ただ、当然ながら、専門的なこととか、一定の基準の中で外へ出せるという、医療に直接関係する事業について委託で外へ出せるという事業も限定的にやっているというのが現状であります。

○足立委員 よくわからないですね。
 この問題は、私はさまざまな方と議論してきました。さすがに、この場をおかりするわけですから、私も単なる自分の思いでやっているわけじゃありません。さまざまな専門家、さまざまな医療機関、さまざまな医師、先輩方にもいろいろ御意見を賜っている。この議論について、それは違うとおっしゃった方は一人もいないですよ。百人が百人、足立さんの言うとおりだと。
 これは、一定の規制の枠組みをやはり、別に、大臣、勘違いしていただきたくないのは、私は株式会社を参入させてくださいと言っているんじゃないんです。ロジカルな制度にしましょうよということを、どっちでもいい、どっちでもいいこともないけれども、仮に、立場が違えば、それは見解の違いで仕方ないですよ。でも、どっちに行くにせよ、それは政策体系として正しいものにしましょうね、こう申し上げているわけであります。
 次に行っていいでしょうか。大臣。

○田村国務大臣 次の議論のためにちょっと頭の整理をさせていただければありがたいんですが。
 医療行為は医療行為として、これは医療機関以外はやれないわけでありまして、それに付随する業務に関して、外に出すべきではないというのが委員のお話であったんだろうというふうに思うんですが……(足立委員「いや、大臣の考え方にのっとればそうだということですね」と呼ぶ)
 ただ、それは、どこがやるかによってより効率的だということはあるわけで、赤字になってまで医療機関は付随業務をやる必要はないわけでありますし、もっと申し上げれば、では薬まで全部医療機関がつくるのか。これも医療機関からお金が流れる話でございますから、それは当然のごとく、そんなことをやれば医療機関はぶっ潰れるわけでございます。
 では、どこまでの範囲なんだということを考えたときに、それはやはり医療行為は外にさすがに出せませんが、他のものは本来付随業務でございますから、そういうものに対しては出せるのではないかというのが私の頭の中での整理であります。

○足立委員 外に出したって非営利ならいいんですよ。
 きょう、冒頭に小泉政務官をお呼びして非営利ホールディングの話をしたのは、ある種の頭の準備体操、準備体操と言ったら小泉さんに怒られるけれども、同じ話をしているんです。
 だから、大臣がおっしゃったように、組織として分けた方が効率的だということはあるでしょう。だから、私は合併だけじゃなくて分割も要ると言っているわけですよ。今ないんですよ、閣法にはそれは入っていないわけです。おかしいでしょう。もっと裁量で、何が効率的かということを考えればいい。
 でも、組織を分けたときに、グループ内に営利企業が入っていれば、それが抜け道となって利益が外に流れ出す、それを厚生労働省の医政局がしっかりと管理監督できているようには見えませんね。それをちゃんとエンフォースメント、執行できるような形で、要は頑張っている方が損をしない、ある種の性悪な経営者に、コンサルタント、コンサルタントというのはいろいろな方がいるな、そういう人にだまされて、いいように利益を流し出させられて、それで困っている病院はいっぱいあるんですよ、大臣も御存じだと思いますが。
 なぜそんなことでだまされるか。それは、お金がないから、お金を借りるからですよ、その人から。病院を建てかえるお金がない。そのときに、金を貸してやると会社に言われたら、それは助けてくださいとなるわけですよ。あとは全部言うことを聞いて、この穴から利益を流出させろと言うと、流出させられるわけですよ。そういうずるずるの法体系でいいんですかということを、局長、わかりますよね、首をひねっていらっしゃいますが。
 私は、また別途の場で提案しますが、政府がやはり答えにくいことはいっぱいあります。だから、ぜひ、僣越ながら、先生方、与野党の討議というのをやはりこの場で僕はやりたいと思っていて、国会改革の一環としてそういう提案をしていきたいと思っています。
 つまらないですよね、与党の方。部会でいろいろ御議論されているから、十分もう満腹だという方も多いかもしれませんが、何だ、この民主党の質問はと、そういう方も多いわけですよ。
 だから、しっかりと与野党で議論する、こういう委員会の場で。ただ、一般質疑の場は、政府はちょっとオブザーバーになってもらって、与野党で議論を闘わせるような場がないと、こうやって局長が首をひねっているみたいなことが続く、こういうことでありまして、やはり政治主導というのであれば、見識ある先生方としっかり議論したい、私はこう思っております。
 一昨日の参考人質疑に、日医の中川副会長においでをいただきました。持ち分ありの医療法人について私が質問いたしましたら、当分の間の経過措置医療法人について、正確に言うと、当分の間というのは、これは期限がないわけであります、こうおっしゃっています。現場がこういう認識であれば、持ち分を放棄する契機は、もう事業承継以外には想定できないと思いますが、ほかにそういう契機がありますか。

○原(徳)政府参考人 これは、四病協と言われる四病院団体協議会がアンケートをとられたことがございます。医療法人の現状と課題に関するアンケート調査報告書、この中で、持ち分のない社団に移行する意向がありと回答された法人に対して移行する理由を聞いたところ、複数回答ではありますけれども、まず一つ目が、出資持ち分の払い戻しに左右されない法人の安定経営のため、これはある意味では事業承継が一番大きいかもわかりません、これが約九割です。
 そのほか、半数、五一%ですが、法人の非営利性を徹底し地域社会の公器となるためというのが二番目。三番目に、これも五〇%近くですが、社会医療法人や特定医療法人に移行し税制優遇を受けるため等々、必ずしも事業承継だけに限ったものではないというふうに承知をしております。

○足立委員 今局長が御紹介いただいたのは非常に興味深いデータなんですが、二と三は、要すれば、例えば社会医療法人になるとか、三はそうですね。それから、そもそも社会医療法人というのは公益を目指していらっしゃるわけでありますから、基本的には、会社とか、あるいはこの私が申し上げている持ち分ありの医療法人と並べる必要は全くないわけです。
 無税ですよね。無税の世界なので、もしイコールフッティングの議論をするんだったら、公立病院と社会医療法人病院とちゃんと平仄を合わせていく必要はあるし、今おっしゃった二番目の公器だというんだったら、それは公立病院に行ったらいいじゃないですか。あるいは公立病院になったらいい、あるいは社会医療法人になったらいいんですよ。持ち分を放棄するだけじゃなくて、一定の規制に服して、社会福祉法人や社会医療法人のように無税の世界に行ったらいいんですよ。そのかわり、公益のために働いてもらう、それだけの話でしょう。
 私が申し上げているのは、一方の民間の話なんですよ、公益の話じゃないんですよ。民間医療機関、医療機関の大宗を占める民間病院のことを言っているんです。すると、今おっしゃったように、払い戻し事業承継しか理由がないでしょう。
 いいんですか、これで。局長。

○原(徳)政府参考人 今申し上げましたのは、民間の医療機関、医療法人ですね、それが持ち分なしに移行するための理由としてこういうことを挙げられておる。
 それは、民間であっても、やはり公の、地域社会への貢献というような視点とか、そういうものを挙げておられるわけであって、必ずしもそれが直ちに公立病院になるとか、そういう視点ではない。公的な、あるいは社会貢献をするための社会医療法人や特定医療法人になろうというのも、そういう視点だというふうに思います。

○足立委員 そこまでおっしゃるのであれば、では、民間病院にとって、持ち分の払い戻しとおっしゃった、事業承継問題以外に持ち分を放棄するメリットは何ですか。具体的に、局長、あったらそれを言ってくださいよ。

○原(徳)政府参考人 お答え申し上げます。
 事業承継、いわゆる相続等ですね、そういうようなものが生じない間でも、持ち分ありの場合には、社員から、その持ち分に応じた払い戻し請求権が残っておりますので、その中で安定的な運営を図るためには持ち分なしに移行した方がメリットがあるという場合もあると思います。

○足立委員 ということでしょう。それは、さっき申し上げたように、要は、事業を継続的に行い、また、相続や、あるいは持ち分を持っている人が離脱するときのリスクに備えるということでしょう。それを全部私は事業承継と言っているんですよ。
 そうですよね、局長も同じ思いですよね、言葉遣い。だから、そういう意味において、事業承継に尽きますよね。イエスと答えてください。

○原(徳)政府参考人 先ほどもアンケートのところでお答えいたしましたけれども、確かに事業承継にかかわる部分というのは、九割程度その理由としてはある。
 ただ、それ以外にも、法人の社会的信用や職員の士気高揚、人材確保、そういうような、公としての立場というものを強調したいというところもあろうかと思います。この部分については、約四割のところでそういうような理由があるというふうに答えておられます。

○足立委員 だから、それは、社会医療法人や特定医療法人ですか、今残っている、そういう公益性が高いと言われている、特に社会医療法人については、まだ二百数十しかないけれども、無税で、要は、地域の医療界の重鎮の方々は、先輩方は、皆さんもういろいろなものをお持ちでいらっしゃいますから、あとはある種の地域貢献という、それはそうですよ。僕らだってそうですよ。地域に、社会に、国に貢献したいと思ってやっているわけですよね。局長だってそうですよ。
 でも、そういう方々は社会医療法人に、そのために社会医療法人をつくったんじゃないんですか。

○原(徳)政府参考人 お答え申し上げます。
 社会医療法人そのものについては、例えば救急でありますとか僻地の医療とか、そういうような具体的な要件を定めておりますので、それをやっていただくことが最低限必要だということで、直ちに社会貢献イコール社会医療法人というわけではないというふうに思います。

○足立委員 では、広義の、さっき局長とお話をしたような事業承継問題以外で、いわゆる持ち分なしの医療法人に、持ち分を返上したケースは何件あるんですか。

○原(徳)政府参考人 申しわけありません。具体的な数は承知しておりません。

○足立委員 医政局長が知らないぐらいの数で、私は、ほとんどない、こう断言をしておきたいと思います。数をお持ちでないので、私が、地域で、現場でヒアリングをした、耳で、目で見た事実の方が多分重たいと思いますので、この場ではそう申し上げておく権利は私にはある、こう思います。
 それから、もう時間がないので御紹介だけしておきますが、中川副会長はもう一つおっしゃいました。持ち分ありの医療法人が地域医療の提供に対して問題があるかといえば、決してそんなことはない、明確にそういうふうにおっしゃっています。
 私は、平成十八年の持ち分なしを原則とする制度改正は、何か現場にニーズがあったからやったことではなくて、規制改革会議等が株式会社の参入ということを言ってくるものだから、遠くに逃げた方がいいということでやっただけなんですよ。そういうしようもないことを、しようもないと思いますよ、私は。もっと胸を張って、医療法人というのはこういうことをやってきたんだ、会社と違うんだとちゃんと言えばいいんですよ。もし、それが言えないんだったら、申しわけないけれども、参入規制はおかしい。もうそれしかない、ロジカルでしょう、それが。
 もう時間がないので、思いだけ申し述べて次へ行きます。
 きょうは、財務省にもお越しをいただいています。星野審議官、本当にお忙しいところ、ありがとうございます。
 私、この場で、事業承継に絡んで、事業承継税制、今ある現場の医療法人の大宗を占めている持ち分ありの医療法人について、事業承継税制を措置していないのは厚生労働省の不作為であり、本来講ずべき、要すれば、経過措置である持ち分ありから原則である持ち分なしに移行させるためのルートとして事業承継を使うのは、それは目的と手段がおかしい。
 もし、持ち分ありの経過措置医療法人を当分の間、当分の間というのは、局長、今、最大、当分の間で一番長いものを調べましたら、六十六年ですよ。日本国憲法が発布されてから、それと同時に当分の間と書いてある法律が、今でも当分の間なんですよ。医療界に聞いても、日医の副会長が持ち分ありには問題がないと言っているんですよ。何でそれを放棄する意味がありますか。
 私は、事業承継という契機を除いては、持ち分ありがこのまま存続すると思っています。だからこそ、持ち分ありの医療法人については、私、中川副会長に申し上げました、しっかりと厚生労働省に税制要望をさせるべきであると思います。
 星野審議官、これは、もっと緻密な議論を事務方とはさせていただいているんですが、要すれば、今措置がされていないのは、税務当局の税制上の判断なのか、医療政策上の判断なのか、少なくとも財務省としてはどうお考えか、お教えをいただければと思います。

○星野政府参考人 お答え申し上げます。
 事業承継税制についてのお尋ねでございました。
 御案内のとおり、医療法人の持ち分につきましては、この事業承継税制の対象とはされておりません。
 これは、一つには、事業承継税制は、保有株式に応じた議決権が与えられるという会社制度を前提として、議決権の集約を通じた安定的な経営の継続を税制上支援するという制度でございまして、医療法人におきましては議決権の集約にはつながらないということ、それから、持ち分なし医療法人への移行を促進するという平成十八年の医療法人制度改革の方向性と矛盾しない制度とする必要があることから、医療法人の持ち分は事業承継税制の対象とはされておりません。
 今回、医業の継続を確保する観点から、持ち分あり医療法人から持ち分なし医療法人への円滑な移行を促進するために、二十六年度税制改正におきまして、医業継続のための相続税等の納税猶予制度を創設したところでございます。
 その上で、仮に持ち分ありを前提とした医療法人に対する税制上の支援措置を検討するのであれば、まず、制度を所管する厚生労働省において、平成十八年の制度改革との整合性を含めて医療法人のあり方を検討する必要があるものと考えております。

○足立委員 ありがとうございます。
 これは審議官にお聞きするのも、まあ、どっちに聞いてもいいんですが、今御説明いただきましたが、持ち分ありの医療法人について、いわゆる会社並みの事業承継税制、私は論理的にあり得ると個人的には思っていますが、会社の事業承継税制、これは、商工族でもあられる大臣もよく御存じでありますが、平成二十一年に創設をされ、拡充を繰り返してきているわけでございます。
 この平成二十一年以降、一回でも厚生労働省から、そこについての事業承継税制、会社並みの税制について要望があったことがあるかどうか。厚生省でもいいです。それから、財務省には、要望があったかどうか、もし要望があれば検討はする、こういうことでよろしいでしょうか。まず財務省。

○星野政府参考人 要望はございません。事実としてございません。(足立委員「要望があれば検討はする」と呼ぶ)一応、税制の検討部局でございますので、要望があればそれは検討するということでございます。

○田村国務大臣 要望しておりません。
 それは、先ほど来、持ち分なしの方に今移行しておるわけであります。それはなぜかというと、要は事業の継続性。株式会社の場合は市場でありますので、退出、参入の自由があるわけであります。しかし、医療機関の場合は、地域の医療ニーズというものに応えていかなきゃなりませんから、ニーズがある限り継続をしていかなきゃならぬ。
 そう考えたときに、持ち分がある場合は、当然、今言われた遺産相続のときに、もちろん遺産相続税制だけではなくて、持ち分に応じて、その持ち分を持っておる方々に返還請求されるわけであります。すると、その結果、事業が継続できないということが起こり得るかもわからない。
 これは特に遺産相続のときによく起こるわけでありますが、それ以外でも、持ち分が分かれておれば当然そのようなことが起こるわけでありまして、そこがやはり持ち分ありなしというところの問題であって、今は問題がなくても将来問題が起こり得る。つまり、事業を続けられるかどうかという問題は、やはり内在している問題だというふうに思います。

○足立委員 大臣がおっしゃっていること、一理はわかります。
 しかし、大臣、何年この体制でやってきたか。何十年もこの体制で、持ち分ありでやってきて、かつ、これからも当分の間このままでいくんですよ。だから、私は、それはフィクションでしょう、株式会社参入論に対するバリアを張っただけでしょう、こう申し上げているわけですが、水かけ論になります。
 ただ、大臣がおっしゃっていることも私は一理あると思いますよ。あると思いますが、冷静に、民主党とは冷静な議論ができないと思いますが、維新の会とはできると思いますので、ぜひ、じっくりやりましょう。
 私は、きょうも聞いていて、もっと、高橋先生も、もうはっきり言っちゃえよ、本当のことを言っちゃえよとか言っているんですけれども、なぜ歯に衣がかかるかというと、それは民主党みたいなのがいるからですよ。本当のことを言うとその一部だけを取り上げて何かしようもないことを言ってくるから、そういう火の粉を振り払いたいから言質をとられないようにしゃべらざるを得ない、そういう国会になってしまっているのは、この誰もいない民主党のせいですよ。
 だから、私はとにかく民主党のこの人たちとはもう一緒にやらない、こう宣言をしておきたいと思います、こんなところで宣言しても仕方ありませんが。
 きょうは、あと一つ本当はやりたかった。もう終わります。委員長、終わります。
 去年の二月の二十日だったかな、民主党の、民主党ですばらしい先生はみんな落ちているんです。しようもない質問をする人たちだけが、ここで、いないんです、どこへ行って何をしているんだろう、時間がないんじゃないのかな。
 ちょっとやめないといけない。
 やりたかったことはリビングウイル、尊厳死、終末期医療です。絶対、これから一般質問も含めてやっていきたい。本当はこの法案の審議でやるべきテーマです。麻生財務大臣に対して梅村聡参議院議員が問題提起をした、参議院の予算委員会でこれを深めていかなければならないと言った、これをやれるのは与野党だけです。政府には無理です。
 ぜひ、この場をまたおかりして、与野党でこの尊厳死の問題、終末期医療の問題を深めてまいりたいとお訴えを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

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