築地移転延期は普天間県外移転と同じ - 民主党政権と同じ失敗犯す小池都知事 -
築地市場の移転先である豊洲新市場について、食品を取り扱う建物の床下で「盛り土」が実施されていなかったと有識者がぶち上げ、それに乗った小池都知事が10日の記者会見で「間違った情報を与えることは都政の信頼回復に逆行する」とし都庁の全職員に粛正を求めたことは、既に報道されている通りです。
これに対しては、その日の夜(=10日深夜)のうちに大きな反響がありました。橋下徹前大阪市長は「盛り土がなくても…(汚染)対策上は問題ない」「問題がないのに説明不備などで白紙撤回にして5000億円捨てるのか」とツイートし、先立つ複数の忠言と同様、小池知事に賢明なる判断を求めました。
山本一郎氏も「すでに下回っている汚染基準値を問題視したり…当然の工法を「安全面に問題」といって記者会見までやってしまう」、「外部有識者に翻弄されて…誰を信用したらよいのかわからなくなっていると言っても過言ではない」と指摘し、小池都知事は「ヒステリー」を起こしていると揶揄しました。
面白いというか恥ずかしいのは共産党で、今朝の赤旗に「豊洲市場 盛り土せず/土壌汚染対策 主な建物/共産党都議団調査で判明」との振りかぶった見出しで記事を掲載し、「盛り土」の問題を発見したのは、何を隠そう、7日に現地調査に入った共産党都議団であると、思いっきり自慢して見せたのです。
私も関連する指摘(例えば大貫剛氏のツイート)を読んでみましたが、法律的には橋下さんの指摘の通りだと思うし、技術的には大貫氏の言う通り、昨日の小池会見は完全な「勇み足」であったと言わざるを得ません。イケイケの小池知事は、自民都連とグダグダになる前に、判断ミスでボロボロになりそうです。
私は、小池都知事になんとしても改革をやり遂げていただきたいので、僭越ながら気付きの点を申し上げますが、役人(=官僚)が得意な分野は役人に任せておいた方がいいです。今回の「勇み足」の原因の一つは、盛り土の要否という極めて技術的な案件について、技術官僚の意見を聞いた形跡がないことです。
小池都知事の今回の「勇み足」を見ていると、かつての民主党が政権運営に失敗したのと同じミスを犯しそうで冷や冷やします。民主党は、役人に任せておけばいいテーマに手足を突っ込み、政治家しか決することの出来ないテーマについて役人から判断を求められても、判断を先延ばしするだけだったのです。
橋下さんが「小池都知事の築地市場移転延期は、鳩山民主党政権時の普天間基地は最低でも県外移転、と同じ政治的結末をたどるだろう」「知事になる前の見立てが間違っていたなら素直に都民に説明する」「知事の仕事は予算編成」「力の配分こそが政治戦略だ」と指摘している通り。頑張っていただきたい!