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あだち康史
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衆議院議員
Profile
衆議院議員4期、大阪9区支部長。日本維新の会憲法改正調査会長、国会議員団政務調査会長、幹事長代理、コロナ対策本部事務局長等を歴任。1965年大阪生まれ。茨木高校、京都大学、コロンビア大院。水球で国体インターハイ出場。20年余り経産省に勤務し欧州に駐在。東日本大震災を機に政治を志す。
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議事録 Transcripts

2015年6月12日 衆議院 平和安全特別委員会 法案審議  憲法解釈と内閣法制局、自衛隊員のリスク想定

足立 康史

189-衆-我が国及び国際社会の平…-9号 平成27年06月12日

○浜田委員長 次に、足立康史君。

○足立委員 維新の党の足立康史でございます。
 私、ことしに入ってから、安全保障関係の仕事からしばらく離れておりました。昨年の臨時国会で安全保障委員会の理事を務めさせていただいておりましたが、いろいろお騒がせをしまして、江渡筆頭理事、岩屋理事初め皆様方には、この場をおかりして、そういうことがないように、私もいたしますが、皆さんもぜひしていただきたい、こう申し上げておきたいと思います。
 きょうは民主党がいらっしゃらないようでありますが、大変残念でありますね。我々維新の党は、今最高顧問の橋下徹当時代表が日本維新の会を立ち上げたときから、実質国会、実質国会ということを党として銘打ってやってきました。大体、スケジュールで争うとか、かつて五五年体制のときにはやったやり方、こういうやり方をやっているものですから、きょうは厚生労働委員会で五五年体制の亡霊が徘回している。本当に厚生労働委員会には徘回をしていたんですけれども、この委員会にはどうも徘回していませんので、しっかり与党とそして維新の党で議論を深めてまいりたい、このように存じます。
 ちょっと順番を変えますが、まず憲法学者の話ですね。これはもう、チャンネルをひねると、テレビをつけると出ています。
 私、この学者という言葉にはちょっと思い入れがありまして、ことしの五月十七日、住民投票に向けて、我々維新の党としても、大阪維新の会の活動を一生懸命頑張って、私も大阪でありますから頑張ってまいりましたが、そのときも、学者と名乗るよくわからない人たちが百人集まって、署名か何かわからないけれども、連名で、百人以上の学者が大阪都構想反対とのろしを上げて、別に学者であっても言論は自由でありますから何をやっていただいても構いませんが、あたかも反対派は百人、賛成派は三人みたいな、実際そうだったようでありますが、そういうようなことで何か議論を進めることは私は本当によくないと思っています。
 今回の安全保障法制については、きのうちょっとテレビで見たところでは、違憲だと言う方が二百人以上集まっているのかな、そして、違憲じゃないと言う方は十人か何かだと。私は、数じゃないと思うし、憲法学者という方々の、まあ、立派な先生方もいらっしゃるのはよく承知をしていますが、この憲法学者の意見というのを、この国会で、国会議員たる我々は、一体どのように憲法学者の皆様の意見を受けとめていったらいいか。
 防衛大臣、そして、できれば外務大臣も、さらには内閣法制局長官にも、ぜひその点、御見解、御見識を披露いただきたいと思います。

○中谷国務大臣 国会の使命というのは、国民に選ばれた議員が国の施策を決定するわけでありまして、そのときのために幅広く意見を聞く必要がございますが、その際には、見識を持った方々、学者の方もそうですが、それ以外の幅広い方から御意見を聞く、そういうものの参考の一助であるというふうに私は思っております。

○岸田国務大臣 憲法学者の方々の意見についても、これは耳を傾けることは重要だとは思いますが、ただ、憲法の議論を考えました際に、憲法というのは、国民生活、幅広い分野にかかわるものであります。ですから、例えば政治学者あるいは国際法学者初め、さまざまな分野の識者の意見にも耳を傾けなければならないと思いますし、さまざまな実務に通じた方々の意見も幅広く聞くことは大切なのではないかと思います。
 そういった点から、今回、昨年の七月の閣議決定に至るまでも、安保法制懇等を通じまして、幅広い分野の有識者の方々に意見を承ってきた、こういった対応は大切なことであったと思っています。
 いずれにしましても、今回御審議をお願いしている法案につきましては、昭和四十七年の政府見解の基本的な論理に基づいたものであり、憲法解釈との論理的整合性は保たれていると私は考えております。

○横畠政府特別補佐人 憲法第九条の文言からいたしますと、一見すると、我が国が国際関係において一切の実力の行使を禁じているように見えます。そういうこともございまして、伝統的に、憲法学者の間においては、自衛隊の存在につきまして、憲法第九条二項が明文で禁じております陸海空軍その他の戦力の保持、それに当たるということで、違憲であるというのが大変多かったのが事実であります。
 では、現実はどうなっているかということでございますけれども、そのような伝統的な学者の意見の中にありまして、政府は、国と国民を守るという、まさに重大な責務がございます。その責務を前提といたしまして、国権の最高機関である国会の御理解を得つつ、これまでも、自衛隊法を初めとしてさまざまな法整備を行ってきたところでございます。
 その場合の、憲法九条のもとで許される武力の行使についての考え方といたしましては、自衛のためのやむを得ない場合の必要最小限度の武力の行使は許される、憲法第九条も禁じているわけではないという考え方でございまして、そのことは昭和四十七年の政府見解において明示したところでありまして、今回もその考え方をそのまま踏襲しているということでございまして、別の言い方をすれば、そのような場合にまで自衛のための武力の行使を禁じて、その結果、国民が犠牲になるということまでも憲法が命じているのではない、そのように解しているところでございます。

○足立委員 今内容についておっしゃったことについてはちょっとおいておきますが、いわゆる憲法学者の意見、これをどう捉えるべきかという御見識についてはよくわかりました。
 私も、これは憲法学者の意見、某党の枝野さんという方もいらっしゃいますが……(発言する者あり)ああ、民主党の。憲法学者の言っていることが本当に正しいのであれば、これは場合によっては、自衛隊も日米安保も違憲という意見も少なくないわけでありまして、これはやはり国会でしっかりと議論をしていく必要があると思います。
 ただし、私は、憲法学者の意見はさておいて、しかし、先ほどまさに防衛大臣が、幅広い方々の意見を聞くと、これは本当に大事なことだと思っています。そうしたときに、例えば、法制局長官は法制局長官の歴代長官OB、あるいは防衛大臣も歴代の総理、歴代の防衛大臣にしっかり意見を聞く、これは絶対私はやるべきだと思います。
 今回の解釈改憲、そしてこの安保法制、全て、これはまさに、私から繰り返すまでもなく、これは国際的な安全保障環境、日本を取り巻く安全保障環境が変化したことに伴う部分が非常に大きいわけでありまして、歴代の法制局長官、あるいは総理、あるいは防衛庁長官、防衛大臣に聞いても、この環境の変化をしっかりと説明すれば、おおむね皆さんの意見は一致するんじゃないかな、こう思いますが、皆さん、そういう御意見交換をしっかりされてこられたのか、そしてその結論はどうだったのか、ぜひ御紹介をいただきたいと思います。防衛大臣からお願いします。

○中谷国務大臣 去年の今ごろはこの法律を作成する過程にありまして、非常に議員同士での議論は行っておりましたけれども、私の場合は、いろいろ討論会とかシンポジウムに出まして、いろいろな考えの方と議論をいたしました。
 また、防衛庁長官また防衛大臣の先輩として山崎拓先生がおられますけれども、山崎先生もしっかりとしたお考えを持っておられますけれども、そういう方々にもお会いをしまして、なぜこの法律が必要であるのか、どのようにして政府が責任を持って防衛に対応するのか、そういうことを謙虚に私なりにも説明をいたしておりまして、幅広くいろいろな方々とお会いして、御意見は聞かせていただいている次第でございます。

○横畠政府特別補佐人 まさに現在進行中の問題にいかに対処するか、判断をするかというのは現職の責任でございます。その意味で私が責任を負っているわけでございますけれども、先輩諸氏との意見交換ということでございますけれども、なかなか、そのような生々しい問題の中身につきまして、既に退職された方々を煩わすというか、中身について余り議論するということはしておりません。

○中谷国務大臣 済みません。先ほどの私の発言の中で、昨年の今ごろはということで、閣議決定を行いましたのは七月一日でございまして、昨年の今ごろは閣議決定に至る前の議論の過程でございました。一点、修正させていただきます。

○足立委員 防衛大臣はいろいろといろいろな意見を聞いてこられたということですが、いろいろ御就任の経緯もありますので余りあれですが、例えば、過去を振り返るときに必ずテレビというかマスコミのあれでレビューされるのは、例えば小泉総理。一度、安倍総理でも防衛大臣でもよろしいんですが、例えばですよ、別に小泉さんでなかったらいかぬというわけではありませんが、小泉総理の意見をちょっと改めて聞いていただいて、そしてどういう議論になるのか、これをちょっと開陳いただく、こういう御検討をいただけないですか。
 これは、決して私、この議論を何か混乱を来すことを期待しているのではなくて、広く国民の皆様の御理解を深めるために大変有用であると心から思っているわけでありますが、大臣、総理でも結構ですが、大臣のイニシアチブで小泉元総理とぜひ討論していただいて、その結果を国民の皆様にしっかりと開陳をしていく。いかがですか。

○中谷国務大臣 国会の議論の場でございますので、国会の運営等につきましては、理事会とか、また国会でお決めいただくことではないかと思います。

○足立委員 いやいや、余り国会でというか、政府として国民に理解を深めていただくために大変有効な手法ではないかと。手法と言ったら小泉元総理に失礼でありますが。
 小泉元総理に限らない。元総理、元防衛大臣、防衛庁長官、ぜひその方々の声というものをやはり国民の皆様にお伝えしていくことが、これは安倍政権が、安倍政権だけで、安倍政権の思いつきで、まあ、思いつきなんということはないと私も思っていますが、国民の皆様が疑念を抱いているわけだから、歴代の政権を担ってきた当時の責任者たちがみんな今のこの安全保障環境のもとでは同じようなことになるんだということを示すことが絶対に私は有効だと思いますので、改めて、これは理事会の事項ではないと思いますので申し上げませんが、この場で、カメラもある場で提言を申し上げておきたいと思います。
 それから、法制局長官、私は、長官は本当に立派な政治家、政治家じゃないな、かと思われるぐらい覚悟のある御発言だと思いますが、法制局についても、むしろ私は、法制局であればなおさら、内閣法制局であればなおさら、OBの皆様方の長官、法制局長官、閣議メンバーであったところの法制局長官の御意見をしっかりと聞いていく必要があると思います。
 長官、現職で俺は責任を持ってやっているんだと。その心意気はわかりますが、繰り返しになります、国民の皆様に理解を深めていただくために、歴代の法制局長官と御意見交換をしていただいて、歴代の法制局長官がこの今の安全保障環境下でどう考えるか、ぜひ公にしていただくことを御検討いただけませんか。

○横畠政府特別補佐人 別段、私ども、OBと疎遠になっているわけでは決してございませんで、お話をする機会も時々、もちろんございます。
 諸先輩からはアドバイスもございまして、体に気をつけて頑張れよということはよく言われております。私からも、内閣法制局の名を汚さないように頑張りますと。そういうやりとりは行っていますけれども、やはり中身の問題ということになりますと、やはり現職とOBということで、余り突っ込んだ話はなかなかふさわしくないというふうに考えております。

○足立委員 大変ウイットのきいた御答弁、結構だと思いますが、今、いろいろ接点はある、決して孤立はしていないということでありますし、健康を心配する声もあるということであります。
 その際に、そういう方々から、これは違憲だよというような御意見が出たことはありませんか。

○横畠政府特別補佐人 なかなかこの問題は、中身に踏み込んでどういうことなのかということを踏まえないと、単に集団的自衛権という言葉を使ったから違憲だとか、そういう単純なことではございませんので、そういう意味で、見た目違憲だ、そのような意見はありません。

○足立委員 長官、当然でありまして、私が現職の長官と長官のOBとが御意見交換することをお勧めしているのは、まさに今おっしゃったような議論に、国会でさえ、特にマスコミは、今おっしゃったそういう安易な、何か言葉尻で、レッテル張りの議論が横行しがちであるから、プロである、閣議メンバーでもあった法制局長官、歴代の法制局長官が意見交換するのであれば、わざわざ基礎的なことから説明しなくても、目が合った途端に全て理解し合えるんじゃないですか。ぜひやってください。

○横畠政府特別補佐人 この国会を初め、国民の皆様に御理解をいただくというのは、私ども政府の責任であると理解しております。

○足立委員 私は、ちょっとこだわるようでありますが、責任は現職にあるのは当たり前であります、現在、安倍政権でありますから。
 しかし、繰り返しになりますが、必ずしも国民の理解が深まっている状況にはないわけでありまして、実際にそれはもう明らかであります。私が地元で聞くのもそうです。
 決して頭から、私も衆議院の安全保障委員会で理事を務めたこともありますので、これはもう基礎的なことはわかっています。しかし、私が申し上げているのは、今、安倍政権が推進をしているこの安保法制について、広く国民の皆様の要らぬ疑念を払拭するためには、歴代の法制局長官の意見をしっかりと現職の長官が、いや、俺は聞いていない、現職だから現職が責任を持つ、その心意気はいいですよ。しかし、長官の御健康のアドバイスだけではなくて、安保法制の合憲、違憲だという議論になっているんだから、それはもう一回、長官、OBの御意見もしっかりと聞いてみると。
 御答弁ください。

○横畠政府特別補佐人 繰り返しになりますけれども、政府として一体的、統一的な御説明をしていくのがベストであると考えております。

○足立委員 これは尽きませんので、時間の関係もありまして次へ行きますが、きょう、資料を一枚お配りしてございます。
 私は、自衛隊の皆様、本当に厳しい環境の中で訓練等に励み、また、イラクを初めとするさまざまな公務に、海外に出向いての公務に危険を顧みず取り組まれていることに心から敬意を表するものでございます。
 ここにお示しをしていますのは、自衛隊の皆様方が不幸にして、その公務、これは、ここで書いておりますが、私の理解が間違っていたら訂正いただきたいと思いますが、公務は、国内の公務で、公務というのは訓練とかそういうことだと承知をしていますが、亡くなられた隊員の皆様、不幸にしてお亡くなりになられた隊員の皆様の数が千八百七十四人に上るということでございます。
 これを原因別に分けると、車両事故が三百五十三件、航空機事故が五百八十六件、演習訓練の際のものが三百九十四件、その他五百件、それから艦船の事故が四十一件、こうなってございます。本当に残念でありますし、こういうことができるだけ少なくなるように御努力をいただきたいと思いますが、少なくともこれが現実の数字であります。
 そういう中で、これまで海外の公務、例えばイラク特措法でも、たくさんの自衛隊の皆様が、現地の、危険と隣り合わせの場所に出向いて任務を遂行してこられた。そして、例えばイラクであれば、皆様が無事お帰りになって、本当に御家族の皆様も御安心になられた、こう思うわけでありますが、ある自衛隊のOBの方が、テレビか何かマスコミの報道で、それは僥幸だと。僥幸、すなわち、極めて奇跡的な幸運なんだ、こういうことをおっしゃっています。私も実はそう思っています。思っています。
 まず、今までそういう海外の公務で亡くなられる隊員の方が出なかったことについて、これは僥幸だと私も思いますが、大臣はどう思われるか。そして、そうであれば、この法案の成否にかかわらず、仮にこの法案がこの法案のまま、いや、我々、態度は決めていませんよ、ただ、この法案のまま成立をして、今の自衛隊員の皆様がオペレーションをしていくに当たって、そういう海外の公務で不幸にして万々が一亡くなられることは、大臣の想定の中に入っていらっしゃるんでしょうか。過去の認識と、そしてこれからの考え方、御認識、これを御答弁いただきたいと思います。

○中谷国務大臣 これまで海外において公務で亡くなられた方がなかったということにつきましては、私は、大変な努力をしてきた結果があるのではないかと思っております。
 自衛隊の海外派遣に当たりましては、事前の調査チームまた連絡官の派遣、関係国や関係機関との情報交換を通じまして、まず活動地域の情勢等についての情報収集に努めます。
 それから、特性など、隊員の安全確保に十分な自己防護用の装備を携行します。
 また、派遣先国の社会的な、文化的な習慣を尊重して、まず地域の住民との良好な関係をつくる、また、派遣前に適切な教育訓練を行うなど、隊員のリスクを極小化するための措置をしっかり実施して派遣をいたしております。
 また、それぞれの日ごろの訓練、そういうことを想定した訓練、こういうことも実施をいたしまして、派遣する際におきましては、そういった不慮の事故がないように、これは通常の訓練でもそうですけれども、そういった事故による犠牲者が出ないというのを前提に実施をしているわけでございます。

○足立委員 もしそうであれば、これはどうして国内の訓練で千八百七十四名の貴重な隊員のお命を亡くしているんですか。これは、年ごとに数えても、多い年には三十名を超える隊員の貴重なお命が亡くされているんですよ。
 今、海外で、この任務で、オペレーションでおっしゃっていること、これは国内はどうなんですか。

○中谷国務大臣 公務災害の発生の状況は多種多様でございまして、千八百七十四人の方が亡くなったことについては一概にお答えすることは困難でございますが、これまで多くの隊員が、国民の命と平和な暮らしを守るという任務の遂行のためにとうとい命を落とされたことについては、大変な、残念なことでございます。
 私も、自衛隊員として訓練を受けますけれども、全く物が見えない真夜中に歩いたり、また車に乗ったり、また、パイロットや潜水夫にしましても、非常に危険な状況の中でも訓練をして、いざというときに役立つための能力を向上しているわけでございまして、そういった日ごろの訓練、非常にそういったリスクの中でも隊員が実施をしているというようなことでございます。
 いずれにしましても、こういった事故が起こらないようにということが前提で訓練を実施しておりますけれども、不幸にして亡くなられた方々には、心から御冥福をお祈りすると同時に、哀悼の意を表したいと思います。
 そして、先ほど、海外の公務について亡くなられた方については四名いるということで、この点、ちょっと訂正させていただきます。

○足立委員 今、千八百七十四名の亡くなられた方について、私も、隊員の皆様の命の問題、これは軽々に取り扱うつもりはございません。
 ただ、大臣初め総理も含めて、今回の法案のリスクという、抽象的なリスク論はいかがなものかと思いますが、しかし、そもそも、国内の訓練を含めて、大変危険な任務につかれているんです。そして、現場のオペレーションに行けば、それは、訓練はその現場のオペレーションをより安全に完遂するためにあるわけですね。でも、その訓練でさえ、こうして亡くなられる方がどうしても避けられない。これは、年ごとに見て、そういう方がゼロにとどまった年はないんです。
 これは、来年、大臣、ないようにできますか。
 ちょっと質問が悪いですね。質問が悪いですが、私が申し上げたいことは、これはリスクはあるんです。これはもうお認めになっています。当たり前です、それは。当たり前だけれども、もちろん、それを低減させる努力をされている、それはもうわかっています、繰り返し。でも、国民の皆様に、やはりある種の覚悟、それは、自衛隊がなければもっと大変だし、国民の皆様の命、生命財産、これをお守りしていく、そのとうとい任務に当然リスクはあるんですから、それを何か言葉を避けて、それがないかのように表現をされることに大変違和感を持っているわけです。
 国内で結構です、国内の、これは毎年毎年、残念な数字が出ています。来年どうされますか。

○中谷国務大臣 自衛隊員の事故が起こらないということは、常々、訓練においては最重要でございまして、そのような心がけで行っているわけでございますが、しかし、いざというときに国民のために仕事をしなければならないということで、国民からの負託に応えるべく、いろいろな訓練を実施しているわけでございまして、これはやはり、国民の期待に応えるべく、自衛隊もその意識と使命を持って訓練を重ね、任務をいたしております。
 もちろん、そういった事故がないようにということで、これは万全の体制をとっているわけでございますが、そういった任務を果たせるような心がけは持って実施をしているわけでございます。

○足立委員 この法案、仮にこれが成立をして、多くの自衛隊員の皆様がこの法律に基づいて、今審議をしている法律に基づいてオペレーションを遂行する、そのときに、防衛大臣は、その公務で、この法律に基づく公務で隊員の皆様が命を、貴重な命であることは当然でありますが、日本の国を、国民を守るために命を落とされることは想定外ではないですね。

○中谷国務大臣 今回も、私、就任しまして真っ先に、南スーダンと、ジブチの海賊対策の現場へ参りました。アフリカの大変厳しい状況の中で、国を代表して立派な仕事をしておりまして、そういった中で、事故が起こらないようにくれぐれも安全に気をつけろということで訓示もいたしました。
 新たな任務というのは確かに新たなリスクが生じる可能性はありますが、やはりよくよく、やる場所、条件、そして隊員の能力、そして安全対策、こういうことを講じた上で計画をつくり、そして政府で決定をされて送り出すわけでございますので、そういった任務を与える際におきましては、まず事故が発生しないということは前提として送り出していくわけでございます。

○足立委員 全然答弁になっていません。私が御質問しているのは、想定内か想定外かです。どっちかを答えてください。

○中谷国務大臣 本当に隊員の命というのはかけがえのない大事なものでございます。そういったものを、送り出す側としては、そういうことが起こらないように最善を尽くすということでございます。

○足立委員 いや、だから、答弁になっていないんですよ。もう二分しかないので……。

○浜田委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

○浜田委員長 速記を起こしてください。
 中谷防衛大臣。

○中谷国務大臣 お答えをいたします。
 自衛隊を海外に派遣するに当たりましては、オペレーションの内容や派遣する場所の状況に応じて、不測の事態に対応するためのあらゆる準備を行っております。かかる観点から、事件、事故等も含めまして、隊員の死亡を伴う事案が万が一生じた場合に備えまして、御遺体を本邦まで輸送するのに必要な用意も含めて、さまざまな準備は行って、行ってきております。
 しかし、こういった準備の具体的な内容とか、具体的な要領等につきましては、これを明らかにすると、自衛隊の脅威の見積もり、また不測の事態に対しての備えの内容が推察をされるおそれがございますので、事柄の性質上、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

○足立委員 ありがとうございます。
 私も、こういう御質問をさせていただいたのは、まさに自衛隊員の皆様にしっかりと敬意を表する、そういう観点からである旨申し添えておきたいと思います。
 今、リスクに絡む話を、リスクの抽象的な話ではなくて、しっかりと国民の皆様に、ある意味での深い御理解を、それは安全保障に関する、あるいは自衛隊に関する、自衛隊員の皆様に係る深い理解を促したいという私の思いをぜひ御理解いただきたいと存じます。
 最後に、幾つか本当はやりたいことがありましたが、ホルムズ海峡の話もやりたかったんですが、時間がございませんので、あと一点。
 抽象的なリスク論を余りやってもという思いはありますが、一方で、今なされています、国会で。実は、今この場に立っていただいている委員の皆様の三人に一人はリスク論をやっているんですね、数えましたら。もう終止符を打ちましょう、この話。
 リスク論というのは、自衛隊員の皆様の生命、これは一つのリスク論です。それから、自衛権発動の可能性、要は、日本が急迫不正のそういう事態に陥るようなリスクです。さらに言うと、ISのような、テロにさらされるリスク。私は、三つのリスクがあると思っています。この三つのリスクについて、もう時間もありませんから簡潔で結構でございますが、防衛大臣の御認識を開陳いただければと思います。

○中谷国務大臣 国家のリスクにつきましては、まさにこの法案を出しておる意味でございます。やはりそういった事態がなくならないように、法律でしっかりと基本的なことを定めて、我が国の平和と安全保障を定めるということでございます。
 隊員につきましては、先ほどお答えをいたしましたが、法律に伴うリスクがふえる可能性というものはございますが、やはり、いかなる任務をさせるのか、その中でいかにこのリスクを縮小化させるのか。特に運用、現場においてもそうですし、また管理の方もそうでありますが、任務をさせる上においてはリスクを極小化させるということで、しかし、目的というのは、国にとって大変重要な目的、目標がございますので、そういった任務をしっかりと遂行する、そのことによって国民の命、財産を守る、そういうことができるようにしてまいりたいと思っております。

○足立委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

 

https://www.youtube.com/watch?v=DP4hs7MancA
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